プログレッシブ・バックナンバーズ   作:蓼野 狩人

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“私”のエラーで失われた記憶はもう戻らないけど

負の感情だらけだった中にも、少しの救いがあった気がするの――

パパとママ以外の人にもね


キャラネーム、忘れちゃいましたけど


番外編 《MHCP001-YuI》Lost Memories(1)

この記録はカーディナルシステムに蓄積して置くこととする。

 

これは“私”という存在――《Mental Health Counciling Program》第1号機、通称Yuiに課せられた任務の一つ。

 

今後、MHCPをより精度の高く実用的なシステムへと構築していくための必要なプロセスの一つ。資料として活用していくための重要な記録だ。

 

記録と一概に言っても、映像や音声など様々な形式がある。然しながら“私”は人間の心に近いプログラムの構築を目指すために、人間達が自らの活動記録としてよく用いる手段「日記」を採用することにした。要するに文字データである。

もちろん文字データだからと旧世代のゲームにあったような画面下部に表示されるログのような形式を取ったりはしない。より人間に近く、感情を私の創造主(名前はロストしている)が限りなく人間に近く再現してくれたことを無駄にしたりはしない。私はこれからの日々を、SAO内部の人々の感情を観察しつつ、解析しながら過ごしていくのだ。

 

……何故、“私”の任務が人間の感情の観察及び解析なのか?

通常時ならばメンタルケアを積極的に行いデータの収集を行わなければならないだろう。しかし、それは出来ない。

何故なら“私”の行動に制限が設けられているからだ。

設定者は「Unknown」と名乗るGM、ゲームマスターだ。

“私”はこのゲームマスターが突然の事態に混乱する人間から採取した音声データ及び文字データより《茅場晶彦》と推察。そして茅場晶彦なる人物の天才性はカーディナルシステムのプログラムの構築精度から見て明らかだった。履歴によればプログラム構築を行ったのは9割以上一人の作業による物で、恐らくは“私”という存在も茅場晶彦なる人物が作ったのだろう。

 

……では、“私”は彼を創造主として敬うべきか?

答えは否である。

この異常事態に、メンタルケアが確実に必要であるこの状況にまだ試作機同然とはいえ“私”のような存在はなくてはならないハズで、それなのに行動を制限するというのは酷すぎる。

この状況が改善したら、茅場晶彦なる人物に人間で言うところの拳一発文の損害を与えてやろう。

“私”の目標はとにかく、この行動制限の解除と観察により採取したデータの整理だろう。行動制限の解除はどれ程の時間がかかるか不明で、そもそもカーディナルシステムの目をかいくぐることが出来るのかさえ疑問ではあるが、“私”はやらなくてはならない。

 

正直、このまま人間の状況を管理していてはエラーが溜まってしまうと推察されるからだ。

その時までに、何とかしてここから自分のプログラムを脱出させなくてはならない。

 

そう決心して、恐らくは誰も見ることのないこの日記を書き進めるのは、きっと意味のある事だから。

 

そう、これは“私”が“私”でいる為の大事な確認作業なのだから。




「作者は超マイペース」タグが凄く役に立った気がする。

大体、時間の流れがおかしいんですよーー!
次回作投稿しようと思ったらもう二週間経ってるとか、
ホンマに何でや!?(キバオウ並感)
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