1話 『彼女が猫少女でもいいですよね?』
夏の暑さがこみ上げてくる、春の暖かさも終わり、気がつけば暑さだけが残ったついた。風に揺られ、チリーンと音をたてる風鈴の音ミーンミーンと耳には常に蝉の鳴き声。
蝉の鳴き声がうるさかったのか。
不意に言葉が漏れる。
「蝉うるさいな」
俺の向い側に座る彼女は俺の独り言のも反応し答えをくれる。
「それじゃ人間はもっとうるさいよ?」
まぁ、そうくるとは思わなかったが、言われてみればそうだ。蝉より人間の方はうるさい、うるさいと言う表現は優しいのかもしれない、他の動物からしてみれば『害』という見方もできる。
さらに、言えば動物だって生きている。鳴くのだって生命活動だろう、人間が呼吸をするのと一緒なのだろう。
「そうだな、間違ってるのは俺達の方かも知れないな…」
暑さもあったのか、ぐったりした声で言葉が漏れ出る。
「って何を語ってるだろうねー・・・・・」
彼女は「くすくす」と笑い俺の名前を呼ぶ。
「ねぇ 、
「いきなりだな、数週間前に告白されたばかりだから余りドキッとはこないけど、それと.....俺も好きだよ、
俺の彼女
人を余り好きになれない俺がこの子を好きなった理由は凄く単純だ。笑われるかもしれないがこの子の笑顔が可愛いのだ。
それに、優しい。とって、つけたような理由なのかもしれない、俺はそれ以外にも好きなれたが明確な理由で言うとそこだろう。
…それとこの子、莉音は病気を持っている。病気の名は、『毛耳動物人間細胞障病』と言う病気だ。
この病気は、名前の通りだが動物の形を少し取り入れてしまう、と言う病気だ。問題は、遺伝子組み換えだとかも言われているが生まれた時に限らず、突然変異なども確認されているらしい。
莉音は、両耳に猫の耳、背中の下あたりには尻尾が生えていてる。こう、眺めていると莉音には申し訳ないが、その姿さえも可愛いと思ってしまう。まぁ、病気がまだ世界に大きく広がっていないのか、この病気はとても未知に溢れている、そのせいか1日3回は薬を飲まないといけない。
薬を飲まないと体が衰弱してしまい、1人では動けない体になってしまう、最終的には、一番ひどい場合、死んでしまうこともある。
それも、あって俺は積極的に、この病気に好奇心とは別に莉音に関することでもあるので調べまくった。
調べれば調べるほどに徐所に恐怖が込み上げてきた。
莉音が…。
「おーい!!! 聞いてる? 達哉!?」
「うわぁっ!!?」
ぼっーっと莉音の方を見ながら呆けていると、その声に驚き、自分でも情けないと思うような声が漏れ出る。
「何だよ! ビックリさせるなよ.....」
「達哉が返事してくれないんだもん! 何回も声かけたんだよ?」
気づかなかった。なにを考えていたんだか。
「全く! 達哉の悪いとことろだよ!」
「分かってるって…」
「分かってない!」
やり取りを繰り返しているうちに窓から見える、住宅街の明かりはポツポツと一つまた一つと、明かりが消えていく。
因みにだが、俺達は2人で住んでいる。
別に2人の両親がいない訳では無い、しっかり2人とも居る。
その両親に同居の許可を貰い、2人で暮らしている。莉音のお父さんは、施設の人だが、俺に「もしかしたら、莉音も特別な人と一緒にいれたら病気のことも忘れられるかもれない...よろしく頼むよ! 達哉君」
と言われた。頼りにされるのいい事なのかもしれないけ責任とプレッシャーが凄いんだよな。莉音のお父さん代わりの施設の人は前に何度か会った事があるがとてもいい人だ。あの人の作る料理はとても美味しかったのを今でも覚えている。
俺の母さんも「無茶はするなよ!」とだけ言い許してくれた。
「ご飯食べよ! 達哉!」
「そうだな」
これから、どうなるのかなんて分からない、でも分からないほうが楽しいのではないだろうか?物語の結末を知っているなんて必ずしも面白いなんて言えないと思う。だから、分からなくて未知の俺達の生活はこれから始まるのだろう。