1話 『彼女が猫少女でもいいですよね?』
ミーンミーンと蝉の鳴き声。
うるさいが生きている限りしょうが無い。
俺は彼女に言ったつもりはなく、こう呟いた。
「蝉うるさい」
彼女は反応し答えをくれる。
「それじゃ人間はもっとうるさいよ?」
言われてみればそうだ。蝉より人間の方はうるさい、それに俺達は人間はうるさいに加え、わがままだ。
蝉にうるさい! でも俺達はうるさくしてもいいと言うと定義は違う気がする。いや違う。
「そうだな、間違ってるのは俺達の方かも知れない」
「って何を語ってるだろうねー・・・・・」
彼女は「くすくす」と笑い俺の名前を呼ぶ。
「ねぇ 、
「いきなりだな、数週間前に告白されたばかりだから余りドキッとはこないけど、それと.....俺もお前の事が好きだよ、
俺の彼女
人を余り好きになれない俺がこの子を好きなった理由は凄く単純だ。笑われるかもしれないがこの子の笑顔が可愛いのだ。
それに、優しい。俺はそれ以外にも好きなれたがメインで言うとそこだろう。
それとこの子、莉音は病気を持っている。病気の名は、『毛耳動物人間細胞障病』と言う病気だ。
この病気は、名前の通りだが動物の形を少し取り入れてしまう、と言う病気だ。
俺の彼女は、両耳に猫の耳、背中の下あたりには尻尾が生えていてる。1日3回は薬を飲まないといけない。
飲まないと体が弱ってしまい1人では動けない体になってしまい、終いには死んでしまうこともある。
莉音とは学校が一緒なので少し気になってし調べたことがあった。
調べれば調べるほどに少しづつ怖くなってしまった。俺はそれを支えたいとも思い告白を受け入れた。
「おーい!!! 聞いてる? 達哉!」
「うわぁ!」
俺は突然の声にびっくりし、心の底から声が出た。
「何だよ! ビックリさせるなよ.....」
「達哉が返事してくれないんだもん! 何回も声かけたんだよ?」
気づかなかった。1回集中してしまうと、話を掛けられるまでその事を考えてしまう、俺の悪い癖だ。
「全く! 達哉の悪いとことろだよ!」
「分かってるって」
「分かってない!」
こんなやり取りをしてるうちに窓の外の明かりは段々と暗くなっていった。俺達は2人で住んでいる。
別に2人の両親がいない訳では無い、しっかりと2人とも居る。
その両親に同居の許可を貰い、2人で暮らしている。莉音のお父さんは、「もしかしたら、莉音も特別な人と一緒にいれたら病気のことも忘れられるかもれない...よろしく頼むよ! 達哉君」
と言われた。
俺の母さんも「無茶はするなよ!」とだけ言い許してくれた。
「ご飯食べよ! 達哉!」
「そうだな」
俺達の生活はこれから始まろうとしている。