俺の/僕の/ 彼女は猫耳/犬耳!!   作:なにか。

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2話 『夏が終わる前に』

 

 

 辺りがの日も段々と落ちてきたころ。

俺たち、四人は、もう少しであがる、花火が近くで見られる場所へと移っていた。

 

「見てー。結ちゃん、達也にリンゴ飴買ってもらった~」

「美味しそうね、凄く」

「一口食べる?」

「いいの?」

 

 赤く、周りの光を反射して、凄く綺麗に写っていた。

莉音から、リンゴ飴を貰い、一口だけ頂く。

 シャキッ、とリンゴ飴の飴の部分を噛み砕くといい音と同時に、口の中で、甘い香りが口いっぱいに広がる。

 凄く、美味しい。

 

「どう?」

 

 頭を傾げながら聞いてくる彼女に対し、

 

「凄く美味しいよ、ありがとう」

「ふふっ、よかった」

 

 そのまま、彼女にリンゴ飴を返す、

ふと、私の脳裏には、あの日の事が蘇ってしまう。

一緒にクレープを食べた事も、一緒にすごした日々を。

 彼女は、何も覚えていないのだろ、いやそれでいいのかもしれない。

 

そっちの方が、幸せなのかもしれない。

でも、本当は……

 

◇◆

 

「だ、大丈夫?結、なんか顔色悪そうだけど?飲み物買ってこようか?」

「だ、大丈夫だよ、心配してくれてありがと」

「……何かあったら言ってね?」

「うん。そのつもり」

 

 最近、僕が思うに、いい事の立て続けだと思っていたけれど、そうでもなさそうだね。結に関しては、前よりかは明るくなってくれたと思うし、莉音ちゃんとの件も、一旦、なんとかなって、仲もよさそうだし、それでもまだ何か、隠していることがあるのかな。

 少なくとも、僕にはそう見えた、ただそれを、今問いただしても結自身が話してくれないだろう。今は、保留かな。

 

「あっ、羽織」

 

 と声をかけてくれる彼女に対し、振り向こうとすると。

 

「んッ…!!…」

 

 予期していなかった、結からの深いキス。突如の出来事に、先ほど考えていた事が全部吹き飛ぶ。

全身の血圧が高揚しているのが、肌を伝って鮮明に分かる。

 

「っ…うっ…ん、んっ」

「ちょっ…っ!んっ……っ!」

 

 先ほど、莉音ちゃんに貰っていた、リンゴ飴だろうか、甘い香りが口の中に広がってくる。

 

「ゆっ…まッ…んんッ!!」

 

 自分から、結を一旦引き剥がす。

 

「ん、はぁ…はぁ……」

 

 息が持たなく、一旦息を吸う。

 

「なんで…」

「なんでって、…ごめんこれ以上やったら多分理性失ってたと思う」

「んー、じゃぁ、帰って続きする?」

「あのね…」

 

  僕だってしたいよ、そりゃ健全な男の子だからね

ただ、今日は…。

 

「忘れてない?今日は、お泊り会するんでしょ?」

「あ、そうだった」

 

 今、思い出したかのような顔をする。

まったく、自分から言っておいて、と言うのはさておき、今の達也君達には見られてないよね?大丈夫だよね。

 

◆◇

 

 時刻もだいぶ経ち、周りは先ほどとは変わらずガヤガヤしていたが、終盤に狭まってきたからなのか、人の数が少し減ってきたようにも見えた。暗闇の空に、そろそろ光の花が打ち上げられろうとしていた。

 

「そろそろかな?」

「そう、だな、多分もう少しであがるんじゃないか?」

「楽しみ!!」

 

 とわくわくしながら、空を見上げる、彼女の瞳はとても綺麗だった。

 

「な、なに…?」

「なんでもないよ、ただ、…可愛いなって」

「っ…」

 

 隣越しでも分かるくらい、赤くなっていく顔。

ただ、それは、莉音だけではなく、多分、俺も多少熱を帯びているのだろう。

 

「なーにー二人とも、いい感じな感じー?」

「な、なんですか、羽織さんやめてくださいよ、ってか最近思いましたけど、羽織さん最近、本当お兄さんみたくなってきましたよね」

「あー、達也君、それこそ。本当にやめて、僕、あんなやつとは違うから、そもそもね……」

 

 言い合いも、そっちのけ、いきなり空に綺麗な大きな花火が上がる。

一発目から次々に発射されていく、大きいのから小さいの、形が違うのもあれば、色とりどりで、すぐに魅了された。

 

「わぁ…綺麗だね、達也」

 

 なんて、空を見上げながら言う彼女に、俺は「君のほうが綺麗だよ」なんてキザな台詞もでず。

 

「また、来ような」

「うん!!」

 

◆◆

 

「いやー凄く、綺麗だったね」

「そ、そうね」

 

 ?どうしたのだろうか、なんか凄く結さんが乱れている気もするけど、多分気のせいなのだろう。

 二人も、祭りを楽しめたのなら何よりだけど…。

 

「楽しかったね、達哉!」

「そうだな、でも、莉音、食べすぎには注意しような」

「は、はーい…」

 

 たこ焼き、焼きそば、リンゴ飴、かき氷、から揚げ、イカ焼き、ケバブ、冷やしパイン、うーん、まだいろいろあった気がするけど思い出せる限りこれだけは食べてたもんな。

 

「羽織もだよ」

「えっ、僕そんなに食べてたっけ…」

「たこ焼き、焼きそば、リンゴ飴、かき氷、から揚げ、イカ焼き、ケバブ、冷やしパイン、お好み焼き、カステラ、おこわ、まだあるけど?」

 

 いや、ほんとんど同じ量なんかい。

 

「ははっ、適量ってやつは自分でも推し量れないね」

 

 ぐいっとお腹をつままれる。

 

「いた、痛いよー、ごめんて、今度からは気をるけるよ」

 

 なんだかんだ、羽織さんってどこか抜けてるんだよね。

まぁ、その分、結さんがしっかりしてるんだけど。

 

そんな雑談をしながら、家に帰宅する。

今日は、夜も遅いし、明日は、羽織さんと用事もあると言う事で家に招待した。

ま、羽織さんと結さんには悪いけど、今日は一線を越えたイチャイチャはできないと言う事で。

 

「おじゃまします」

「おじゃましまーす」

「ゆっくり、していってー」

 

 荷物を置き、俺は、お茶を用意する。

 

「あっ、達哉くん、僕コーヒー貰ってもいいかな?」

「大丈夫ですよ」

 

 三つの冷たいお茶と一つの暖かいコーヒーをお盆に載せ持っていく。

 

「どうぞ」

「あ。ありがとうございます」

「ブッッ…なにこれ、暖かいよ、達也君!!冷たいのがいいよ!!」

「あ、すみません、入れなおしますね」

「絶対わざとだよね、ね!」

 

 羽織さんのことは無視しつつ、冷たいコーヒーを作る。

 

「あ、莉音、お風呂入ってきなよ」

「うん! 結ちゃん一緒に入ろう」

「………」

「えっ、」

 

 「ほーら、行こう」と言って、莉音が結さんを連れて行く。

 

「えー、なにそれ、女の子二人でお風呂なんて、ねー達也君」

 

 そっと、冷たいコーヒーを羽織さんの方に置く。

俺も、羽織さんとは反対の席につく。

 

「ん?達哉君、どうしたの?もしかして怒ってる?」

「羽織さん、何か隠してるんじゃないですか?」

 

 羽織さんの顔は見れず、視線は相変わらず、机に向いていた。

 

「な、なにー、僕に限って隠し事なんかしないよ」

「…おかしいんですよ、羽織さん」

 

 手の振るえが止まらない、血が今まで以上に早く、動いているのを感じる。

何か、これを言ったら、後には戻れない気がする」

 

「…何がだい」

「あまりにも、これまで視て来た羽織さんは初見の反応じゃなかった」

「何が、言いたいんだい?」

 

 俺の中に、あった憶測、そんな事はないのだろうと思っていた。

現実的にはありえないし、フィクションでもない。ただ、0.1%にも満たないが可能性としてはあった。俺の妄想に過ぎないだろうし論理的にも破綻していた。

 ただ、最近見た『真核幽遠動炎腫』の副作用を逆手に取ったおぞましい、試作品の薬品。対象は。

 

「羽織さん、この夏は何回目ですか?」

 

 

 

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