できる限り書いてみたいと思います。
「ごちそうさまでした!」
「じゃあ、薬飲もうか」
シューーーン
物凄い勢いで莉音は自室へ戻った。
そう、莉音は大の薬嫌いなのだ。
莉音は部屋のドアを少し開けこちらを見ている。
「おーい、出てこーい~! 、薬飲んでくれ.....」
すると莉音は頬を赤めて俺にこう言ってくる。
「じゃあ、いつもの様に口移しで飲ませて.....」
「結局そうなるのか」
「そうしないと飲まないぃぃぃ!」
ぐッ.....仕方がない、飲んで貰わなきゃ困るし、
「分かったからこっち来てくれ」
「わーい! 達哉大好き!」
何故だろうか? こういう所まで可愛いと思ってしまう。
重症? いや、ただ『好き』と言うだけだろう。
「じゃあ、は、始めるぞ」
「う、うん」
なんと言うか慣れないな、でももう口移しで薬を飲ませるのは毎日何だよな.....いい加減なれないと...? いや待てよ、
莉音が薬を飲めるようになればいいじゃないか!今何歳だよ! そんなことを思いつつ俺は薬を口の中に入れる。
そのまま莉音の唇に持っていく。莉音の唇は柔らかく、とても温かかった。
「ん.....あっ」
莉音の変な声が出つつ何とか薬を莉音の口の中に運んだ。そのまま俺は優しく、莉音にキスをした。
「う~ん、ありぃがと」
「ありがとうなのか? まぁ、段々と飲めるようにしていけばいいか...」
しておいてから言うのはあれだけど、少し恥ずかしい。
さてとーー
「莉音、少しコンビニへ行ってくる」
「本当は」
「風呂に.....」
「じゃあ、私も行くー」
俺が風呂に行くと言うと大体はこうなる。
何故一緒に入るかと言うとーー
「1人で入ってくれ」
「だって溺れちゃうんだもん」
「今何歳?」
「16だけど? 何?」
莉音は尻尾を左右に動かし、ご機嫌そうにこちらを見ている。俺が駄目だと言うと、猫耳を垂らして「達哉と一緒がいいっ.....」と涙目でこちらに問いかけるよに言う。俺な子に弱く、ついつい言ってしまう。
「分かったよ、じゃあ、一緒に入ろ」
まるで妹かペットが居るよな気持ちだ。
莉音はルンルンと鼻歌交じりに風呂場に行く。
俺も行くか。
風呂場へと行くと莉音はもう、風呂に入って「早くー! 達哉も来てーー!」一人で入れるじゃんと思いつつ俺は服を洗濯機の中に入れ、風呂場のドアを開ける。
「遅いよー!」
「それより、お前1人で入れるんじゃないのか?」
「ッ.....ハイレナイヨ」
何故棒読み? 絶対1人で入れるな、次は1人で入らせてみよう。
「はいはい」
「それより、背中流して!」
「それくらい自分で出来るだろ」
「達哉にやってほしぃ~」
莉音は俺に洗い道具を渡し背中を向けた。
白い肌が目に映る。白くて綺麗だ。頭から尻尾にかけてまで綺麗だ。
「その前に頭洗うぞ」
「ラジャー」
俺は長い黒い髪をわしゃわしゃさせる。
「気持ちぃー」
「それは良かった」
一通り洗い終わると、水で流した。莉音は体もやってね~と可愛い顔で言ってくる。やるしかないか。
泡をゴシゴシ立て背中を洗う。落ち着くなぁ。
落ち着くな!? 自分の言った言葉に驚いてしまった。
何を言っているのだろうか。
「前は自分で洗ってくれ」
「えー、洗ってよー」
「自分で洗え......」
莉音は「仕方がない」と言って洗い出す。
じゃあ、俺は先入るか。
「えー、汚いよ! 洗ってから入ってよ!」
「じゃあ、そこをどいていただけるかな?」
「待って流すから」
流し終わり、俺は体を洗った。流石に、莉音が俺の背中を流すという訳ではないか.....
俺も洗い終わると莉音の隣に入る。風呂場は余り大きいとは言えないが小さとも言えない。2人何とか入る位の大きさだ。
「温かい」
「風呂だからな」
「達哉と居ると...だよ...」
莉音の頬は少し赤かった。風呂のせいだろうか?
「何言ってんるだ.....」
「さぁ! 出よー」
気まぐれのやつだな.....
莉音は出たら
「髪の毛拭いて!」
俺は承知しないうちに莉音の髪の毛を拭く。
これも日常化となってきている。
風呂を出るとーー
「ふぁ~眠ぃ」
「寝るか、おやすみ」
「は、早いよ」
「夜更しはいけない」
「そうだね」
前に遅くまで起きていたことがあり、授業中寝てしまうということが発生した。評価も下げられたから痛かったんだよな.....。
「じゃあ、おやすみのちゅーして!」
莉音はいつも寝る時に言ってくる。大概はこう返すけど。
「分かった」
口移しの時は薬を入れるが目的だったが、今回はちゃんとしっかりとした。キスだ。
「ん.....あ...」
息が続かづ途切れてしまう。
それでも、莉音は満足したようでーー
「明日も頑張ろ! おやすみ、達哉」
「うん、おやすみ、莉音」
こうして俺と彼女が過ごした時間はまた1日と過ぎて行った。
表現の仕方