俺の/僕の/ 彼女は猫耳/犬耳!!   作:なにか。

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9話『甘いのはケーキだけで十分です』

 いじめられていた……?

疑問は頭の中を駆け巡っていた。と言うよりかは、すぐに反応できなかった。

 莉音が結さんに?昔って?どんな?先ほど、会った結さんからはそんな感じも伺えなかったが、もし仮にいじめが本当なら、いじめてる方は気づかないというし、仮に悪意のあるいじめだとするなら、あんな振る舞いはできないんじゃないか?とも思える。

 莉音葉、未だに俺の服の裾を掴んだまま、ガクガク震えている。

 

「莉音?大丈夫?」

「…ん、大丈夫だよ…」

 

 大丈夫じゃないの位、今聞いた声とまだ震えてる体を見れば分かるか。

 

「莉音、怖いと思うけど、一緒に付いてきてくれるか?羽織さんに事情を話して、話を聞こうと思う、俺は利音が嘘をついてるなんて絶対思ってないけど、結さんにもそんな気がしなかったから、ついてくる…?」

 

 少し、沈黙の後。

 

「いや…。達哉、お願い聞いてきて」

「分かった」

 

 俺は、いつもより優しい声で莉音に返答した、無理に付いてきてもらうのは流石に酷だし、それに莉音にそんな思いはしてほしくなかった。ここから家は差ほど遠くない、電車一本で帰れる距離だ。

 ただ、一人で帰らせるのも不安要素だ。

 

「莉音、一人で帰れるか?」

「うん、帰れるよ…」

「何か、あったらすぐ電話するんだからな?」

「うん、すぐ達也に電話する」

 

 

 最寄の駅まで送り、ホームまで送り出す、流石に近いと言えど心配の方が勝ってしまった。

 

「大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ!」

 

 先ほどとは、打って変わって顔には笑顔を取り戻していた。

取りあえずは、多少は落ち着いたようだ。良かったと胸を撫で下ろす。

 

「じゃあ、ばいばいのキスしよ?」

「は??」

 

 何を言い出すかと思えば、元気になった途端これだ。

 

「ここ、家じゃないし、別れと言っても今日には帰るぞ」

「いーやーだー!!」

 

 こう言い出した、言っても聞かない。

仕方ない、ん、仕方ないって何だ、よく見るけど公共の場だぞ。

周りに、それなりに人いるぞ?

 

「えい」

「!?」

 

 そんなの、お構いなしに、足りない身長を補うかのように背伸びをし、唇に唇を重ねる、周りからの視線は案外気にならないもので、その場に熱中してしまった。

アニメとかなら、このシーンで電車とかいいタイミングで来るんだろうけど、そんなことは無かった。

 

「いきなり!!な!」

「いいーじゃーん!減るもんじゃなしー!」

 

 ま、まーいいか…?良くはない…。良いのか、もう分からん、これも経験か。俺も、別に悪い気はしないしな。

 

「じゃ、俺は羽織さん家戻るからな」

「うん!!分かったよ!」

 

 少し、歩き出し莉音のほうを向くと。

 

「大丈夫だよ」

 

と言わんばかりの表情で、こちらを見ている。

 俺もそれに、片手を上げ応答する。

 

 

 莉音と別れ、羽織さん宅の玄関の前で立ちすくんでいた。

なぜ?すぐ入らないって?そりゃ、玄関の前と言えど、イチャイチャしている、声がここまで聞こえてきているから、入るに入りづらいってわけだ。俺達もいつも…こんなんではないよな?

 タイミング間違えたかなと思いつつも、インターフォンに指を伸ばす。

 

「あの…すみませーん」

 

 申し訳程度の、謝罪とインターフォンの音が鳴り響く。

鳴った後は、すぐさま先ほどのやり取りは嘘のかのように消え、玄関のドアが開く。

 

「はい?あっ、達也君?」

「あ、すみません突然、ちょっとお聞きしたいことがあって」

「聞きたいこと?」

 

 それから、俺は先ほど利音に聞いたことを羽織さんに話した。

羽織さんは、すぐに、結さんに詳しいことを聞きに行ってくれた。

 

「その、話は多分、間違ってると思うよ」

 

 結さんが口を開く。

流石に無いとは思っていたが、”いじめていた”と言う言葉が出なくて良かった。

 

「いえ、こちらこそ疑ったりしてすみません」

「いい、よ、大丈夫」

 

 ただ、それだけじゃ引き下がれるわけが無い、何かしらの原因が無ければ、勘違いだって起こさないのだから。

 

「結さんは莉音と面識はあったんですか?」

「うん…あるよ」

 

 ま、なければ莉音からそんな話は出てこないだろうし、あんな表情はできないだろう。

 

「中学が一緒なんだ、高校からは別々になっちゃたけどね。私と利音それにもう一人、いたんだけどね」

 

 頭の耳をシュンとさせながら、話を始めようとする。

 

「少しだけ、昔の話をしようか」

 

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