Emilio   作:つな*

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エミーリオは思われる。

霧の少女に

未来へ渡る少年に

跳ね馬の青年に


Emilioへの心象

凪side

 

理由もなく生きていた毎日だった。

お母さんは女優の仕事が忙しくてほぼ顔を合わせなかったし、お父さんは声を掛けられたことすらない。

まるでそこに私がいないかのように。

窮屈で息苦しい毎日に、何の為に生きてるんだろうとずっと自問自答していた。

でも答えは分からなくて、誰にも必要とされない自分にまた悲しくなった。

私は要らない子……お母さんも望んで私を産んだんじゃないハズ…

だって私を見る目がとても冷たいから。

学校の同級生に相談できる内容でもないし、自分の思いを伝えられる勇気もないからずっと耐えてきた。

でも年を重ねるごとに重くなっていく心が痛くて仕様がなかった。

家に帰りたくなくて街を放浪していると、隣町に来てしまったと後から気付いた。

ぼーっとしながら歩いてたから帰り道も分からなくて、ただ歩いてた。

カランコロン、と綺麗な音が鳴るので足ばかり見ていた顔を上げる。

少し先の方に男の人が店の扉にオープンの看板を下げるのが見えた。

男の人が中に入ってくるのにつられて私もその店の扉を押してしまった。

無意識に入ってしまって、どうしようと困惑してたら店主さんがこちらに向かってきた。

 

「いらっしゃい、カウンターでいいですか?」

「あ、は、はい」

 

笑顔で声を掛けてくる店主さんに押されてはいと言ってしまったけど、どうしよう私何も持ってない。

私が座ると店主さんは中に入っていって、ココアを片手に出てきた。

 

「え、あの…ごめんなさい、私お金持ってないんですっ…だから、か、帰ります」

「え?ああ、別にいいよ、ココアくらい飲んできなよ」

「え?ぇ…」

「どうせ入れちゃったし、飲まずに帰られるとそれこそ勿体ないだろ?」

「は、はい…」

 

店主さんに押し切られた私は椅子に座り直してココアに口をつける。

あったかい…

あったかいものを口にしたのはいつぶりだろう。

帰ってきてもご飯がないことが多いし、あっても冷めてたから久々の温かいものにほっとする。

 

「なんか悩んでる様子だったけど、どうしたんだい?」

「え…」

「悲しそうな顔して店に入って来たんだ、少し気になってね」

 

無理にとは言わないけどね、と優しく掛けてくれた声に口が開いた。

母親と父親が私に無関心であることを。

自分の生きる意味が分からないことも。

誰にも必要とされない自分に価値なんてきっとないんだ。

 

「今までよく一人で耐えてきたね」

 

背中に伝わる温かい感触が溜まってた涙を揺さぶった。

 

「本当に頑張ったね」

 

もう限界だった。

何の施しようもなく傷ついていく心の悲鳴にこれ以上耐えられなかった。

渡されたタオルで顔を隠して、必死に言葉を絞り出していた。

声が喉につまるのに、心が吐き出したいと言うことを聞かなかった。

苦しい 辛い 嫌だ 悲しい 疲れた 

もう無視しないで

私はここにいるの

どうして私を産んだの?

ねぇ聞いてよ

私は何で生きてるの?

どうして どうして どうして どうして

誰か 誰か 誰か 誰か 誰か 誰か

誰か助けて

初めて喉を通った悲鳴を

窒息しそうなくらい苦しかった毎日に壊れかけた心がようやく叫んだ悲鳴を

悲鳴を 私の悲鳴を

誰か――――――…

 

「大丈夫」

 

気が付くと時計の針は12時を刻んでいて、一時間もいたのだと分かった。

どうしてお客さんが来ないんだろうと思っていると、扉の方にクローズの看板が下げられていた。

店主さんの方を見ると、私が漸く顔を上げたことに気付くと微笑みを浮かべた。

 

「ココア冷めちゃったね…入れ直してくるから待っててね」

 

遠慮の二文字が出てきたけど、私が口を開く前に店主さんはキッチンに行ってしまう。

タオルを顔から外すと、息をするたびに突っかかっていた胸の重たさが無くなっていた。

少しするとココアを持ってきてくれた店主さんにお礼を言ってココアに口を付けた。

 

「あのね…君は重く考えすぎだ」

「だから肩の力を抜いて、一旦視野を広げてみよう」

「そうすれば、生きる理由なんてこれからいくらでも見つけられる」

 

「視野を広げる…?」

「そう、君が暇な時でいいからこの店においで」

「ぇ…」

「何を生きる糧にしているかは人間の数だけある。この店には色んな人が来るからね、まずは誰かと交流すれば自ずと見つかるはずだ」

「いい…の?」

「ああ勿論、時間さえあれば料理の仕方も教えてあげるよ」

 

初めて誰かとちゃんと目を合わせて会話したかもしれない。

 

「生きる理由も、必要としてくれる人もこれから見つけて行けばいいんだ」

「まだ諦めるな」

 

力強い言葉だった。

ゆっくりとした温かい言葉だった。

こんな私でも必要と言ってくれる人がいるのなら…

会ってみたい。

 

「ま、正直君みたいな可愛い子が店にいるだけで看板娘になるから俺としてはすっごい嬉しいんだけどね!」

「か、可愛い…?」

「料理覚えたら絶対にモテるぞ君」

「え、っと…」

「大丈夫、君を必要としてくれる人は絶対にいる」

 

恥ずかしくなってきた。

 

「あの、えっと…また、来ていいですか?」

「ああ、勿論、沢山おいでおいで、待ってるよ」

 

これ以上私のせいで店を閉めるわけにもいかないから、帰ることにした。

 

「また、来ます」

「ああ」

 

店を出る足取りは軽くて、頬にあたる風が気持ちよかった。

 

「あ、名前……」

 

あの人の名前を聞くのを忘れてた。

でもまた今度聞けばいいかな…

 

 

店を出た帰りに私は交通事故にあった。

右目と内臓を失った。

両親は私を見捨てた。

私はただ茫然としていた。

漠然と近づいてくる死にどこか安堵する自分がいて、でもどこか後悔する自分もいた。

意識が薄れていく中、思い出すのは店主さんのことばかりだった。

温かいココアと背中を摩ってくれる手と、ゆっくりと諭す声が頭を過ぎる。

目の奥が熱くなる。

 

❝生きる理由も、必要としてくれる人もこれから見つけて行けばいいんだ❞

 

まだ、私は見つけていない…何も…

嫌だ…そんなの…嫌だ……

 

❝まだ諦めるな❞

 

死にたくない――――――――――…

 

 

「クフフ、凪」

 

気付けばそこは草原のような所だった。

 

「こっちです」

「え?」

 

振り返るとそこには同じ年頃の男の人がいた。

 

「あなたは誰…?どうして私の名前…」

「凪…僕にはあなたが必要です」

「え―――…」

「どうか、僕にその身を――――」

 

私は彼の手のひらに自身の手を伸ばした。

私はこれからどうなるのかな……

触れた手の平に温度はなく、何かが私の中に入っていく感覚に襲われた。

融ける――――――――

 

「怖がる必要はない」

 

段々と体の感覚がなくなる。

何かが私の中に浸透する。

 

「私はあなたであり、あなたは私であり…必要不可欠な存在だ…覚えておきなさい、私の名前を――――…」

 

❝大丈夫、君を必要としてくれる人は絶対にいる❞

 

「六道骸という名を―――――」

 

むく……ろ……様…

私の……希望………

 

見つけた……私の生きる理由―――――…

 

 

そして、私はクローム髑髏となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

入江正一side

 

机の上に置かれた手紙に僕は悩んでいた。

手紙の主は未来の僕で、今の僕宛に書いたものだった。

未来はどうやら殆ど白蘭という人物によって滅ぼされているらしいこと。

僕のいる世界が唯一まだ無事なこと。

だけどこのままではどのみちこの世界も白蘭という人物の手に落ちるだろうこと。

だから、これからいう人達を同封してある装置をぶつけて、過去に飛ばしてほしいこと。

その人たちは未来を救える唯一の存在なのだと。

僕は悩んだ。

元々人見知りの僕がこんなこと出来るわけ……

それもリストの中には並盛の支配者である雲雀恭弥の名前がある。

無理だ…僕に出来るわけがない。

それにこれが嘘だったとしたら僕は彼に殺される!

出来っこない、でもこの手紙が本当で、未来で世界が白蘭って人の手に落ちたらどうしよう…

僕はただ迷っていて、少し前に相談してもらった店に行くことにした。

でも相談に乗ってくれるのだろうか?

少し前はミュージシャンになる為の相談だったけど、今回は規模が違う。

それに未来の話だなんて、笑われて終わりだ。

でも、一人で抱え込むには大きすぎた。

学校のない休日に、開店直後に店に入ると、エミーリオさんが僕に気付いた。

 

「いらっしゃい、君確かこの前ミュージシャンの話してた子だよね」

「あ、はい…この前はありがとうございます」

「いえいえ、んじゃこっちの席でいいかい?」

「はい……」

 

他の客が来る前に相談したかったので、飲み物を頼んで直ぐに本題に入った。

 

「エミーリオさん」

「ん?」

「もし…未来が分かってしまったらどうしますか?」

「は?………み、未来?」

「はい」

 

僕はエミーリオさんに手紙のことをそのまま伝えた。

ただの妄想や夢だと思われてもよかった。

でも心のどこかでエミーリオさんは真剣に聞いてくれると何故か思ったんだ。

 

「それで過去に飛ばさないといけない人の中に怖い人がいるのか…」

「僕……怖くて…」

「なるほど」

「でも手紙が本当ならこのままじゃ未来は……」

「正一君はどうしたいの?」

「そりゃ何とかしなきゃって思うじゃんないですかっ」

「ならやってみれば?」

「でも、」

「未来の話…君が何もしなきゃ世界はそのまま破滅に向かうんでしょ?」

「はい…」

「それ知ってるの君だけなんでしょ?」

「……はい」

「じゃあ君だけにしか出来ないってことだろ」

 

真剣に僕に向かって言い放つエミーリオさんの言葉はすんなりと僕の中に入って来た。

僕にしか出来ない――――…

 

「それに、やらないよりはマシじゃない?だって運が良けりゃ君は世界を救ったヒーローになれるんだから」

「ヒー…ロー…?こんな僕が?」

「そう、ヒーロー。君がその世界征服を狙ってる悪者を実際倒しにいくわけじゃないけど、君がいないと世界がそいつの手に落ちるってんなら、君は重要なピースの一部ってことなんだろ」

「重要な……」

「今君が勇気をもって行動すれば、それで世界が救えるかもしれないんだろ?それで世界が救えたら君はヒーローじゃないか」

 

僕が動かなきゃ…でもそれで世界が救えなかったら?

反逆者として殺されるの?

確か未来の僕は白蘭って人のスパイをしてるんでしょ?

 

「逃げてもいいと思うよ」

「え…」

「別に、それが君の悩んだ末の答えならそれでいいと思う」

「……逃げ…」

「だけど悩んだからには後悔しちゃダメだよ」

 

エミーリオさんはただただ真顔で僕の顔を見て言い放つ。

 

「後悔ほど…悲しいものはないからね」

 

僕は手に持っていた飲み物を全部飲み干すと、財布から千円札を取り出してエミーリオさんに渡す。

 

「え?あ、待っておつり出すから」

「要りません」

「え?」

「相談に乗ってくれてありがとうございます!僕……決めました!」

 

それだけ言って僕は店を飛び出した。

やってやる…!僕にしか出来ないんだっ……やってやる!

家に帰った僕は机の上の手紙をもう一度読み直した。

 

 

 

 

「ふぅ…今頃、過去の僕は手紙を読んだかな…」

 

デスクに突っ伏した僕はこれからのことを考えていた。

多分過去の僕なら一か月くらい時間与えないと、パニックで塞ぎ籠るかもしれないから早めに過去に送ってみたけど…心配だな。

それに白蘭さんの目を欺いて過去の自分と連絡を取るのは、もうやめた方がいいな。

これ以上は危険すぎる。

 

「あ、白蘭さんに用事あったんだった…あー…疲れたけど行かなきゃ…」

 

僕は重たい足を引き摺って、白蘭さんのいる場所へ向かう。

自動ドアが開き、マシュマロの甘ったるい匂いが鼻につく。

 

「あれ~?正ちゃんどうしたの?」

「少し話しておきたいことが……ってマシュマロじゃないって珍しいですね」

 

ソファに座っていた白蘭さんが食べていたのは平ぺったい白いクッキーのようなものだった。

 

「これはマシュマロクッキーだよ、とっても甘いんだ」

「へぇ…こんなのも売ってあるんですね」

「何言ってるの?僕が作ったに決まってるじゃないか」

「え⁉白蘭さんが料理!?」

「ま、僕が出来るのはこれだけだけどね~」

「い、意外ですね…」

「でしょ、僕がマシュマロ好きになったのはこれを食べたからなんだ」

「これを?」

「そう、まだ僕が小さかった頃にね、作ってくれたんだ」

「親がですか?」

「違うよ」

「?…友達ですか?」

「んー…友達って言葉じゃ表現出来ないなぁ……そんな陳腐な言葉で表現できるような人じゃなかったからね」

「え?白蘭さんにそんな人がいたんですね」

「うん、今も尚探し続けてる人なんだ………僕の大切な…大切な人」

「……行方不明なんですか?」

「中々見つからなくてね、困っちゃうよ」

「どんな人だったんです?僕も探すの手伝いましょうか?」

「要らない」

「え…」

 

一瞬凍えてしまうほどの冷気が僕を襲う。

息を忘れそうになるような冷たい殺気に言葉を失う。

白蘭さんは一瞬だけ真顔になったあと、普段の笑みを作り僕に告げた。

 

「やっぱり僕が自分で見つけたいから、手伝いは要らないかな~」

「そ……そう、ですか」

「うん、ありがとね、それとこの話は他言無用ね」

「は、はい…」

「じゃあ本来の要件を聞こうか」

 

それから何を喋ったのかあまり覚えてない。

でも一つだけ分かることがある。

白蘭さんはその探している人物に対して異常な執着心を持っている。

何だろう……その人が重要な何かを握っているような気がする。

 

「白蘭さんの……大切な人……」

 

でも…あの時の白蘭さん……なんだか寂しそうな顔をしてたような気がした―――――…

 

 

 

 

 

 

 

 

ディーノside

 

リボーンに頼まれてヴァリアーとのリング争奪戦に向けて恭弥の家庭教師をするために日本へきた。

恭弥はリボーンの言う通り手の負えない凶暴な生徒で、平和な日本でこれだけの力を身に付けたのは純粋に褒めるべきものだった。

俺と何回か打ち合うも、恭弥は一向に心を開く様子はない。

 

「なぁ恭弥…お前いつになったら俺のこと名前で呼んでくれんだよ」

「あなたを名前で呼ぶ気はないよ」

「えー、俺お前に認められるほどの実力はあるつもりだぜ」

「ふん、僕が認める人なんてエミーリオだけで十分だよ」

「エミーリオ?誰だそれ」

「何であなたに言わなきゃいけないの、これ以上聞けば咬み殺すよ」

「どのみちこれから修行するんだし少しくらい生徒とお喋りしてもいいだろー」

「君の生徒になったつもりはないよ」

 

その後いつも通り恭弥と数時間やり合って、体力が尽きて切り上げた。

だがその後恭弥の口から出てきたエミーリオという人物が気になってリボーンに聞いてみた。

 

「なぁリボーン」

「なんだ?」

「エミーリオって知ってるか?」

「ああ、あいつか…」

「知ってんのか?」

「ああ、あいつは強ぇぞ」

「お前が言うほどかよ」

「俺の殺気に動じない精神と、何よりも雲雀を余裕で鎮圧出来る実力を持っている」

「え⁉恭弥を!?」

「ああ、結構前に雲雀がそいつの営んでいる店の中で大暴れした際に殴って気絶させたからな」

「嘘だろ……あの恭弥を…」

「お前も会ってみろ」

「お、おお」

 

リボーンに言われるがままに俺はエミーリオって奴の店を訪れた。

中には数名の客がいて、談笑していた。

 

「いらっしゃーい」

「あ、一名で」

 

その後を言おうとする前に、つまずいて思い切り転ぶ。

 

「大丈夫ですか?」

「あいてて、ハハハ何だか今日はやたら転ぶぜ」

「気を付けてくださいね」

「悪ぃ」

 

初対面での印象は思っていたよりも若いだな。

リボーンの調べじゃ少なくとも8年前にはもう開いていたって聞いてるから、大体30くらいだろ?

どう見ても20前後にしか見えない。

まぁそれよりも、こいつの内面の方が気になるな。

 

「何飲みますか?この時間からだと酒とつまみしかないですよ」

「ああ、じゃあオススメの酒で」

「了解です」

 

数分後に出てきたのはベルモットだった。

一口飲んで、今まで飲んできたベルモットって何だったんだろうって思った。

美味い、純粋に美味かった。

何だこれ…………何だこれ。

飲んでる間に我に返り、エミーリオに話しかける。

 

「そういえばあんたエミーリオってんだろ?」

「え?ああ、口コミで来たんですか?」

「敬語は要らねぇよ、恭弥からあんたのこと聞いて興味があってな。俺はディーノってんだ」

「ああ……また恭弥が何かしたのか?」

「え?い、いや…俺は今あいつの家庭教師やってんだ」

「家庭教師?」

 

何か恭弥のことを問題児として見てるらしいけど、雰囲気はまるっきり保護者みたいだな。

 

「まさか、高校受験に向けて…」

「い、いや…あいつを強くするためにもっぱら修行でやりあってるだけなんだ」

「あ、そっち……」

 

凄く落ち込んでるエミーリオの姿は俺の予想してたものとはかけ離れていて意外だった。

恭弥に認められているくらいだからもっと逞しい奴かと思ってたんだが。

 

「今度とある組織との決闘があるからそれに向けての修行なんだが、恭弥の身勝手さには骨が折れるよ」

「決闘……ああ、なるほど…まぁ恭弥相手に苦労すると思うけど、ついでに性格も矯正してくれると助かる」

「無理だろ…ていうかあいつをどうやって懐かせたんだ?あんたのことすげー認めてるっぽかったけど」

「えええ?恭弥が俺を?何で…?」

「何でって…あんたいつも恭弥に何してんだ?」

「えっと…主に説教と拳骨だな、この前も中学にずっと在学するって言いだしたから説教してどうにか来年は高校に入ってもらうように約束したし」

「はぁ!?」

「俺あいつの親じゃないんだけどなぁ…何やってんだろ」

「ハハ…」

 

マジかよ!あの恭弥に要求を飲ませるだと!?

それに拳骨って…俺でさえ武器持ってないと勝てないってのに…化け物かよ

でも要求した内容じゃとてもまともな人間に見えるんだが何でリボーンはこいつを警戒してんだ?

分かんねーな、素直に良い奴だと思うけどな。

 

「あ」

「ん?」

「もしかして、ハンバーグじゃないか?恭弥、和風ハンバーグ大好きだぞ」

「ハ、ハンバーグ?」

「おう、よく俺の店に来て食べるからな…あと和菓子とか」

「な、なるほど…もので釣れるのか?あいつ…」

「さぁ…少なくとも俺はいつもハンバーグランチを所望される」

「へぇ、これでようやく糸口が掴めたぜ」

 

ベルモットを飲み干して、勘定した俺は店を出た。

 

「また来るぜー!」

 

別に怪しむべきところはないと……いや恭弥より強い時点で警戒する対象なのか?

俺は別に何とも思わないんだけどな。

エミーリオの酒は美味いし、またリング争奪戦が終わったら寄ろうかな。

翌日、俺は恭弥と再び修行していた。

そして昼時になって一流シェフに頼んで作ってもらったハンバーグを恭弥に手渡した。

これで少しは好感度が上がってくれるかな、と思ったが何故か恭弥が凄く機嫌悪くなった。

 

「なにこれ」

「え、ハンバーグ…お前好きって聞いて…」

「誰に?」

「エ、エミーリオ…」

「彼の店にいったわけ?」

「おう、恭弥はハンバーグが好物だって教えてくれたんだが」

「嫌いだよ」

「え?」

「僕、ハンバーグなんて嫌いだよ、今度持ってきたら咬み殺す」

 

凄く機嫌を悪くしながらどこかに行ってしまった恭弥に俺は唖然とする。

 

「ロ、ロマーリオ…」

「何だボス」

「恭弥って俺のこと嫌いなのかな…」

「いや、まぁ嫌っているが…多分今回のは違うと思うぞ」

「え?」

「自分で考えてくれやボス」

「えええ?」

 

恭弥はハンバーグが嫌いで、でもエミーリオはよく恭弥がハンバーグ食べにくるって……

 

「あ」

 

あー……なるほど………これは……

恭弥に実力を認められたのは単に力だけじゃないってことか。

 

こりゃ予想以上に手強いなぁ

 

 

 

 

 

 

 




・クロームの骸への依存度が原作より2割減。
・白蘭のSAN値測定中…
・マシュマロクッキー、君に罪はない
・ディーノがどう足掻いてもエミーリオ以上に認められることはない

エミーリオの理解者が欲しいけど、全く思いつかないねwwww

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