ちゃお、俺はエミーリオ。
少年たちの打ち上げが終わった後に包帯君が来てた。
俺と連絡が付かないことを不審に思ったらしい。
変質者に襲われて、携帯壊されたことを話すと納得してくれた。
まぁ撃退して金ふんだくったけど。
新しい携帯買うから、また来てくれた時に番号教えるとだけ言っておいた。
えー、眉毛君と数年ぶりの再会から早3日。
すっかり元気になった眉毛君が俺の店に来てくれました。
眉毛君来た時点で店を閉じたから、不慮の事態になっても大丈夫。
にしても本当に何も変わってないね、君。
いや俺が言える立場じゃないけど。
取り合えず赤ワインであるネグロマロを出して、一杯目。
こいつがどれだけ酔うか分からんが、取り合えず近況を聞いてくしかないな。
つまみも出すと、飲むスピードが桁違いに上がった。
にしてもお前と酒を飲める日が来るとは…なんていうか凄く感動するなぁ。
子供の世話なんてこいつが初めてだったし。
いや風もいたけど、あれは夫婦が基本育ててたまに夫婦が手が外せないときに俺が面倒見てた感じだったから、こうがっつりと説教したり躾けたりしたのは眉毛君だけだよな。
まぁ最後まで口の悪さは直せなかったけど。
俺が何度注意しても厨房に入ってくる眉毛君をジャイアントスイングで何度も窓の外に放り出したこと覚えてるのかな…
聞いてみた。
覚えてるっぽい、凄く不機嫌そうな顔してる。
あと何かあったっけ…
あー…一回本気で怒ってお前を屋敷の天辺から落としたことあったよな、お前が14の頃くらいに。
あれ何で怒ったんだっけ。
あんなやんちゃなガキだったけど今は大人しくなってるかなと思いきや、父親とおもっくそ喧嘩してるし、波乱万丈だな。
そういえばお前親父さんと喧嘩したのいつぐらいからよ。
え?16!?今お前24ってことは、もう8年も喧嘩中?
なっが。
すごい拗らせてそうだな。
ていうか16って俺が出て行ってから直ぐとか…マジか。
王子君がボスって言ってたけど、お前子会社の社長なんだろ?
その年で年収凄そうだよな。
ん?うん、うん、うわー…うわー…
ヤバイ、本気で親父さんと修復できない程拗らせてる。
これはもういっそのこと絶縁すればいいとさえ思うけど、会社を全部自分のものにしたいんだと。
お前欲張りなやつだな、ジャイアンめ。
おい殴るな、拗ねるなよ、悪かったって、アッハッハッハ。
にしてもお前の会社の名前もうちょっとマシなもんなかったの?
アサリって………
どっかの友人思い出すんですけど。
え?ふむふむ、うんうん、ほう…
裏切られた気持ちだったと。
許せなかったと。
まぁそこまでなら分かる、俺でもそうなる。
だから殺そうと思った、と。
うん、思考回路ぶっ飛びすぎだぜお前。
え、そこは話し合いに持ってくるとこじゃない?
過激すぎやしないか?お前…
何だか犯罪者の事情聴取してるみたいだぜ。
お前の親父さん今どうしてんだ?は?入院?
殺そうとしたって、既に実行した後だったんかい!
意外とタフだった、じゃねぇよ!
育ててくれた親に対してなんちゅーことしてんだこの子は…
いや確かにお前を育てたの親父さんじゃないけど、俺だけど。
それでもこう、金銭的な面じゃお前凄くこう…金掛けられてたんだぞ?
っていうかさっきから焦点合ってないんだけど、お前酔ってるの?
全然顔に出ないから分からなかった。
確かにもう何時間も飲んでるもんな、酔ってないと逆におかしいレベルだよ。
ああ、なんか今までの比じゃないくらい愚痴りだした。
しかも俺の愚痴まで入ってるし、目の前に本人いるのにお構いなしってどういう神経してんだ。
いや酔っぱらいの思考回路なんぞ分かるわけないか。
ん?何で俺の拳骨が痛いのかって聞いてきたんだけど、本当に唐突だね。
まぁ痛い場所を的確かつ集中的に狙ってるからな、そりゃ痛いだろ。
どんどん酒に溺れて行ってるんだけどこれそのまま爆睡しそうだな。
最後らへんはほぼ俺の愚痴で埋まってるんだがこれ如何に。
色恋沙汰聞こうと思ったけど、なんだか親子間での問題が重すぎてそれどころじゃないっぽいし。
あ、落ちた。
眠っちゃったっぽいし、そのままにしておこうかな。
瓶があちらこちらに散乱してるから取り合えず片付けして、食器も洗わなきゃね。
翌日になって眉毛君は出て行った。
店を出る時にマグロ君や野球少年、不良少年と鉢合わせして何だか喧嘩一歩手前までなったんだけど…何でだ?
銃口をあの子たちに向けるもんだからビックリした。
引き摺って離したけどあいつ等面識でもあんのかな。
そのまま眉毛君を見送って店に戻ると、入り口付近で三人が待機してたっぽい。
関係を聞かれたので昔の顔馴染みだと伝えると凄く驚いていた。
そりゃそうか、あいつ強面だもんな。
初見じゃマフィアか暴走族にしか見えないよな。
いやでも不良少年やトンファー君も店に出入りしてる時点でそこまで驚くことか?
やっほー、俺はエミーリオ。
あれから数日だったある日、男子中学生数名が行方不明というニュースが流れていた。
勿論あの子達だ。
何やらトンファー君までもが行方不明なことに首を傾げたが、あまり心配していない。
ただ寿司屋のおっちゃんがすんごく心配していたので同情する。
そういえばこの前ね、眼鏡君が来てた。
未来が救えるよう頑張ってるようで何よりだが、これは現実逃避以外の何物でもないような気がする。
うん、まぁ頑張れ。
あれから3日経つと少年たちが帰って来たらしい。
キャンプしてたら道に迷っていたと言ってるけど、トンファー君が君たちと一緒にいるわけないよなぁと思ったりしてる。
多分トンファー君は別件でいなかっただけかな。
数日経つけど、どうやら少年たちは多忙のようで暫くは店来れないらしい。
最近じゃテロや行方不明の件もあって不審者とかうろついてるのではないかと噂されて、夜は殆ど人通りがない。
俺も不審者に見られたら堪らないので早く買い物済ませて帰ろうとした矢先に声掛けられたんですけど。
何だか久しぶり的なこと言われたんだけど。
んでもって凄く見覚えのある金髪で黒いマント着てる奴なんだけど。
いやいやいや……お前いつの時代の奴だったか覚えてないけど、もう死んだやつだろ。
この前の夢の中の初代ナッポーといいこの友人といい、最近昔の奴等とよく出会うな。
じゃない。
そうじゃない。
こいつ幽霊じゃね?だって透けてるもん。
死人に口なしって言うけどめっちゃ喋ってるよね、何で?
錯覚かと思ってそのまま店に帰ったけど、あらやだまだいる。
本人曰くただの思念体だとか言ってるけどそれ普通じゃないからね。
思念体って何?つかお前やっぱ死んだんだよね、そうだよね。
酒出したけど、触れられないらしい。
取り合えず店は閉めて、この幽霊をどうにかせねば。
話し始めようとしたら率直に俺の体質をズバッと言われた、これはもう誤魔化せませんわ。
そりゃ君死んでから軽く三桁超えてるのに俺変わらないもんね。
俺に教えてくれれば良かったのにと言ってるけど、そんな勇気はない。
政府の研究コースまっしぐらルートは怖いんで。
お前がそんなことするような奴じゃないのは分かってんだけどね。
気を遣われるのは何かと好きじゃないから黙ってたんだって言えば何だか苦い顔をされた。
だよね、自分老いるのにてめぇだけ若いままじゃねぇかってなりそうだもんね。
もう不老であることはバレちゃったわけだし、正直に話せと言われたのでまぁ覚えてる範囲で教えてみた。
多分650くらいだよ、と言えばめっちゃ驚いていた。
どうしてそんな体質になったんだと聞かれた。
知らん、ぶっちゃけ気付けばこの年齢で固定されてイタリアにいたなーくらいしか覚えてない。
何だか考え込んだ友人を置いといて自分の夕飯を作り出す。
そういえば何でこいつ今になって幽霊になって出てきてんだろう。
聞いてみると、どうやら複雑なことになってるらしい。
頼まれて蘇ったとか子孫の手助けとかなんとか、あんま聞いてないゴメンネー
俺が日本に帰化した後のこと聞かれた。
あ、こいつ自警団潰れてること知らないのか。
俺も最近知ったばかりなんだけど、いやあれ夢の中の出来事だから事実とは言えないんだった。
一応自分もあの後数年してイタリアを離れたから他の奴等のその後とか知らないとだけ言っておく。
世界を転々としていたと言えば、俺の体質を思えば考えられなくもないという顔をしていたので納得はしていると思う。
俺のことは置いといて、友人のことを聞いてみた。
どうやらイタリアを離れ日本へ帰化した後、ちゃんとお嫁さん出来て大往生したらしい。
それを聞いてよかったなぁと言えばお前のお陰だとか言ってくる、俺何かしたっけ?
他の奴等も思念体となって一週間程いるらしい。
ゴメン何て?
え、お前ら集団で蘇ってんの?
マジかよ。
今度連れてくるからって…おいやめろ、ここは幽霊店じゃないんだぞ。
と、断れるはずもなく曖昧に頷いてしまった昨日の自分を殴りたい。
結構前に行方不明になった男子中学生たちが全員帰って来たというニュースが流れていたけど、それと同時に何故か俺の昔の友人も還ってきたらしい。
客のいる前でポルターガイスト起こされては敵わないので、夜の居酒屋は休みにする。
一週間だけのようだしまぁ許容範囲内だ。
その夜に、プラチナブロンドのお兄さんや入れ墨君が友人と共に現れた。
久々に見るその顔は既視感があった。
あ、そうだ、こいつらあの子達に似てるんだ。
どうやら俺の体質を友人から教えてもらったらしく、何故教えてくれなかったんだと不満気な顔をされた。
いやこれからも誰にも教えないからね。
まぁ包帯君辺りは絶対気付いてらっしゃるけど、お互い様だし言ってこないから放置してる。
二人は俺がイタリアを去った後、自警団がどうなったか知ってるようで教えてくれた。
何だか自警団自体は実質潰れたらしい、つらぁ。
凄く一生懸命に頑張って作ってたもんね君たち…
若干落ち込んでる友人を励まそうとするも止められた。
どうやらそこまで悲観していないようだ、ふむ。
入れ墨君が俺に、イタリア出た後の国でテロなかったか?と聞いてきた。
うんあったね、俺の店爆破されたの今でも覚えてる。
ふむふむ、あれで俺のこと心配してたと、死んだと思っていたと言われた。
まぁ俺も死んだと思われててくれればラッキーと思ってたし、ある意味計画通り?
俺死んでねーよー、っていうか不死身だぜ。
教えないけど。
本当は他の連中も呼ぼうと思ってたんだが、お互いの居場所が分かるわけではないらしい。
でもござる丸は神社の方にずっといるから会いに行ってやれと言われた。
地縛霊かな?
その日は結構夜遅くまでこの幽霊たちは俺の店に入り浸っていたわけで、めちゃくちゃ質問攻めされまくった。
もう既に昔のことは記憶が薄れていて思い出せないので曖昧に笑って過ごしたけどね。
だって本当に印象に残ってないことは次々と忘れていくスタンスなんで。
翌日の夜に牧師とわがまま坊ちゃんと会えた。
二人とも昨日ぶりに会ったかのような態度取られたので意外だった。
俺の体質は知らないようなので、そのまま昨日ぶりに会ったね感を出して喋る。
二人と別れた後に、最後まで何も突っ込まないこいつらが馬鹿だったことを思い出した。
神社に行ってみると、ござる丸がいた。
わー、久しぶりだー。
手を振るとござる丸凄く驚いてた。
どうやら俺のことを聞いていなかったらしい。
輪廻転生とかだと思われてるけど、否定しない方がいいよな。
ござる丸の音楽気に入ってあれから少しだけ練習してた時期あったなと思い出して、口笛吹いてみたらござる丸もノッてくれて歌いだした。
ぶっちゃけ口笛吹くので精一杯過ぎて、全く歌詞に意識が行かなかったんだけどね。
あ、やべ、店の鍵閉めてない。
一曲終わると、ござる丸と別れて急いで帰る。
またなーと言ったけど、ござる丸が何も返してくれなかった、辛い。
聞こえなかったのかな。
ナッポーとかどこにいるんだろうね、全く見かけないんですが。
ぶっちゃけ俺が一番気になるのってナッポーなんだよね。
あいつ死んだ恋人のこと忘れられずに一生独身貫いてそうだし。
俺の店の客の中で一番入り浸る客だったこともあって友人並みに気に入ってた奴だったんだよね。
最後までナッポーって言ったら殴られてたけど。
友人に聞いてみるとナッポーもいるらしいけど、並盛にいるかは分からないらしい。
並盛の外だったら無理だな、そこまで探す気になれねー。
まぁ会えなかったらそれでいいか。
元々死んだやつと再会できること自体がおかしいもんな。
一週間経つ頃に、友人がそろそろいなくなるって言って来た。
ああ、やっと成仏するのか、達者でなー。
いや死人に達者も何もないか。
友人と別れた後に、ござる丸とも別れの挨拶ぐらいしようと思って並盛神社へ向かうと案の定いる。
しかもナッポー以外全員揃ってるんですが何故に。
ナッポーお前もしかしてハブられてんの?と思っていたが、どうやら先に成仏しちゃっただけっぽい。
コンビニで買った酒取り出して、飲みながら皆と別れた。
あいつ等が成仏した後も、少しだけその場で飲んでたら寝落ちた。
まさか神社の祠の中で一泊する日が来るとは思わなかった。
俺すんげー罰当たりなことしてるよね。
どうやら外の方で声がするので、人が数名いるようだ。
世間体気にして出ることも出来ずに、外の声を聞いてると何やら違和感を覚える。
この声どっかで聞いた様な…
あ!これ少年たちの声じゃん!
と思って祠を開けて、外に出た瞬間少年たちの驚いた声と共に目の前が真っ白になった。
気が付くと全く別の場所にいるんですが、これ如何に。
え?ココドコーっと思って周りを見ると、先ほどの少年たちと金髪の飴加えてる作業服の男性がいた。
何だか皆俺の方を向いてすんごく驚いてるんだけど、俺の方が驚きたいわ!
集団の中をよく見ると、眼帯少女とイタリアで出会った目の下にタトゥー入れてる少女もいるではないか。
えええ、これ一体何の繋がりがあんの?
っていうかここどこなの状態の俺と、何であんたがいるのーで混乱してる周り。
数十分の末漸く落ち着いたところで、マグロ君が説明し出す。
ふむふむ、ここ10年後なわけね。
いやそんなわけないやん、もう少しマシな嘘つけよ。
と辛口対応したかったけど、一生懸命なマグロ君見てると言えなくて…そのまま信じ込んだフリをする。
にしてもここ本当にどこだろう。
意外と冷静な俺に帽子を被ってる赤ちゃんが話してくる。
何ですんなりと信じるんだと言ってくるけど、ゴメンネ正直全く信じてない。
冷静なのはただ単によくワープするから別の場所に飛ばされるのは慣れてるだけだ。
でもそんなこと言えないので、てきとーに思いついたことスラスラ言ったら一応納得してくれた。
マグロ君が凄く焦ったように状況説明してるんですが、これは信じたフリを続けるべきか?
未来に来て今悪い奴と戦ってる途中で、そろそろ最終決戦みたいな雰囲気らしい。
ふーん、でもまぁ俺何かすることあんのかなーと思ったら非戦闘員にされたし。
何でや、いやまぁ俺はただの調理人だけど、折角巻き込むんなら戦闘員にしたっていいだろ。
少女たちを守ってくれー的なこと言われた。
ま、それでいいやと思って役に成りきろうと思う。
そっから思い出して修理から帰って来た携帯を取り出してみると日付がおかしい。
電波拾って正確な日付を受信しているハズなのに、10年後の日付になってる。
んんんん?
試しに電話帳の相手に電話してみると、イタリアの取引先の人と繋がった。
それで日付を確認させてみると、やはり10年後。
これはもしやマジで10年後なのか?マジで?
その後数名に連絡を図るが、全員が10年後と返ってきたことでようやく確信した。
ここ未来なのか。
まぁ時間が行ったり来たりしたところで、たかが10年だしなぁ。
自分の案内された部屋に戻ろうとしたら、別の部屋を開けてしまった。
閉めようとしたら、どうやら見覚えのある子が目に入る。
あれ?あの子眼鏡君じゃね?10年後の眼鏡君じゃね?
すんごい重症っぽいけど、どうしたのかな。
あっちも俺の存在に心底驚いてるんですが。
俺もこの状況あんまり理解出来てないから説明難しいけど取り合えず10年前から事故的に来てしまったと言っておいた。
ってことは10年前に眼鏡君の言ってた未来の話って本当だったのかー。
うわぁ、疑ってすまん。
直ぐに遠くに避難してくれと言われたけど、女の子守るって言った手前で逃げるのはちょっと…。
え?何でここでマシュマロ君の名前が出るの。
ふむふむ、ほう、は?……えー……えええ………
…………なるほど。
取り合えずこれだけ言わせてくれ。
何があったんだマシュマロ君。
お前のせいだエミーリオ(笑)
初代達と会わせたかったのでアニメの方を取り入れました。
エミーリオの未来編への関わり方をちょっと悩んでいたんですが、重役出勤ということで。
この小説にあげる料理を自分で作ってみると久々に料理にハマってしまい、小説そっちのけでニョッキとか作ってました。
美味しかったです。