あれから数時間が経ち皆が就寝した頃に動きがあった。
「・・・なのは達が動き出したか。」
『どうしますか?』
『あの子達を助けに行くの?それともあの雷っ子の方?』
「いや、今回は違う方向で介入する。アル、BJの準備だ。」
『了解、マイマスター。』
そして戒翔はいまだにぶつかり合う魔力反応を感知した場所から少し離れた場所に転移する。
「はぁぁッ!」
「くぅッ!?」
離れた場所に転移した戒翔が目にしたのは激しく交差しながら撃ち合い接近して近接を繰り広げる2人の少女の姿であった。
『今の所、金の少女の方が有利の様ですね。』
「まぁ、魔法に触れ初めてまだ一ヶ月も経ってないからしょうがないが・・・。」
『で、どうするの?』
そうやってデバイスたちと会話している中でとうとう彼女達の戦闘の決着が着いた。金の少女がなのはの首に魔力で出来た金色の刃を当てる形で。
「動くなら今か・・・。アル、バハムート、状況を開始する!」
そう宣言して戒翔は最速で接近する為に身体強化と風の変換資質で速度を更に速めて彼女達の間に割って入る。丁度、ジュエルシードがなのはのデバイスから吐き出された瞬間で・・・。そのすり抜ける瞬間に右手でその吐き出されたジュエルシードを掴む。
「・・・なんで!?それを渡せ!」
驚く少女だが、直ぐに意識を切り替えて戒翔に斬り掛かるが・・・
「剣が愚直すぎる。それではカウンターを受けても文句を言えないぞ?」
「っく!?」
すぐにデバイスを引き距離を取ろうとする少女の目の前には既に迫りくる戒翔・・・黒騎士の姿を捉える。
「今は・・・退け!」
そう言って戒翔はフェイトに向けて加減された斬撃を与える。
「・・・なんで、なんで邪魔をする!私は・・・母さんの為に!」
尚も突撃してくるフェイトに戒翔は溜め息を吐く。
「ッたく、頑固者は困り者だな!」
フェイトがデバイスを振り上げた瞬間に戒翔は懐に飛び込み当身を当てて気絶させる。
「あ、あの・・・」
「・・・まだいたのか、小さき魔導師よ。」
「そのジュエルシードを渡してくれませんか?それはユーノ君が探している物で・・・」
「その様な事は知らない。俺は俺の目的の為に動いている。欲しければ倒してみるのだな・・・。」
戒翔が剣を左手に右手にはフェイトを抱えて空に佇む中でなのはは自身の相棒になりつつあるデバイス、レイジングハート(以降RHと表記)を構えて飛行魔法【フライヤーフィン】を発動して上った瞬間、なのはの横をオレンジ色の魔力弾が通り過ぎ戒翔に直撃した。
「フェイトを離せぇッ!!!!」
獣の耳を生やし、際どい恰好をした女性が犬歯を見せながら戒翔に殴り掛かるがその直後にその拳はデバイスを消した左手によって防がれる。
「っ!?離せ!」
しかし、彼女の言葉に耳を貸さずに戒翔は女性を自身の方へと引き寄せ・・・
「落ち着け、フェイトは少しの間気絶しているだけだ。俺は君達の助力に力を惜しまん。」
戒翔はそう言ってなのはに見えない様に女性に2個のジュエルシードを渡すとフェイトも彼女の腕に抱かせる。
「アンタ・・・、いったい何が目的なんだい?」
「さぁな、強いて言うのなら悲劇を潰す為に」
「悲劇・・・?アンタ何を」
「理解しなくてもいい。これは俺の・・・私の宿命の様な物。あのような悲劇を味合わせたくないから私は動く。早く此処から離脱しなさい。どうやら招かれざる客が・・・」
そう言って戒翔は遙か上の虚空を見詰める。それに合わせて女性となのは。それに地上ににいるフェレットが何事か上を見上げるとどす黒い魔法陣が現れる。
「な・・・んだいアレは?」
「気持ち悪い感じがする。アレはなんなんだ?それにそれをいち早く察知したあの騎士風の人は何者・・・?」
「あ、あぁ・・・」
女性とフェレットはその魔法陣から溢れる存在の力にただただ畏怖の念を抱き、なのはは感じた事もない力に恐怖し、その場に立ち尽くしていた。
「・・・久しぶりの顕現ですがまさか貴方に会うとは」
「伯爵級・・・。最上級の一角が何故この場に現れる?その前にお前と契約した主は何処だ?」
「ふふふ、その様な者は既にいませんよ。わたしを召喚した時点で灰になりましたからね。」
魔法陣から現れたのは一般的に悪魔と呼ばれる風貌の者であった頭部から伸びた捻じれた2本の角、体表は真っ黒で口は人間でいう耳の辺りまで裂けており背中からは体と同色の2枚の翼に腰の辺りから尻尾の様な物が生えていた。
そして、悪魔が何事か呟いていたが女性とフェレットには聞こえていなかったが戒翔の質問するような言葉の後に聞いた言葉に驚愕する。
「っな!?人を殺したのか!?」
「何を驚いているのか分かりませんが我々からすれば人間など食料か娯楽で殺す・・・ただそれだけの取るに足りない存在なんですよ。彼とその仲間を除いて・・・ですがね。だが、その仲間もこの世界には存在しないのは好都合です!」
そう言うや否や悪魔は常人には感知出来ない速度で戒翔に迫るがその前に戒翔が動き悪魔を遠方に吹き飛ばしていた。
「3人共さっさとこの場から離れろ!」
吹き飛ばした体勢のまま戒翔はそう叫んだ。
「き、君はアレがなんなのか知っている「質問に答える暇は無い。」でも・・・!」
「貴様等ではアレに倒すどころかダメージすら与えられない。温い環境にいる貴様等ではな・・・。」
「「っ!?」」
見えない何かに圧迫される様な感覚になのはとフェレットは息を呑む。
「温いだって・・・?」
しかし、そこに反発して見せる女性がいた。
「アタシとフェイトが味わって来た事が温いなんて言わせないよ!」
「・・・ならお前は殺す事に戸惑いは無いのだな?」
「こ・・・ろす・・・」
しかし、戒翔の言葉に完全に委縮する。
「あれは道徳がどうこう言っていれる程やさしい物では無い。殺すか殺されるか・・・アレと対峙した時にはそれしか存在しない。話はこれだけだ。」
そう言って戒翔はその場を離れる。
「・・・」
女性は無言で魔法陣を展開してその場から消える。辺りのプレッシャーの様な物が消えた事により緊張を解いたなのはもまたその場からフェレットと一緒に旅館の方へと戻る。
「・・・ユーノ君、私はどうしたいんだろう?最初はあの子の事を知りたいって思って、あの子の目を見てどうしてそんなに悲しい目をしているのか聞きたくて、今は友達になってみたいって思う自分がいるの・・・。」
「なのは・・・。」
「あの黒騎士さんの事も気になるけどあの人は何かが違うの。だけどその何かは分からないけど・・・。」
「君はまだ魔法に触れて短いんだ。それは仕方が無い事だよ。けどね、なのはの魔法の才能は途轍もない物を秘めている。焦らずに訓練を重ねればあの少女に勝つことは出来ると思う。」
なのはの肩に乗ったフェレット・・・ユーノはそう言うとなのはは俯いていた顔を上げる。
「そう・・・だね。今はとにかく練習してあの子に勝ってお話を聞かせてもらわないと・・・。」
「あの黒騎士は何が目的なのか分からないけどいつ現れるか予想できない。何時でも頭の中に奴の存在を入れてシュミレーションするしか対処法は無い。」
「だね・・・。次は必ず勝つよ。ね、レイジングハート?」
『はい。次は負けません。』
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「さて、邪魔になりそうな者は全員退けたから思い切り思う存分暴れれる・・・。」
『封鎖結界展開・・・。』
戒翔の呟きにアルが応え、周りが一瞬にして灰色の世界に侵食される。
「まったく、現れる場所を間違えたせいで貴方に負けるのですか・・・。5000年以上の年月が経とうとも貴方は我々の障害になるのですね。」
「当たり前だ。人の子を護るのは私の宿命であり使命だ。それに昔はわたしも人間であったのだからな。お前にもお前なりに理由があるのだろうがスマナイがこの場から退場願おうか・・・。」
悪魔の言葉に戒翔の左手には黒に塗り潰された幅広の両刃の西洋剣が現出する。
「かの有名な聖剣・・・ですが闇に墜ちたそれで殺せるのですか?」
「伯爵級に限らず上位の悪魔を殺せる手段は限られているが殺さない・・・。代わりにこの闇に吸収する。」
「確かに。理に叶った行動です。流石は我等悪魔族を屠った者ですね。それで幾千幾万の同胞を斃してきたのか・・・。」
「さぁ、万を超えた所で数えるのを止めたから知らないな。」
上段に構えながら戒翔はそう吐き捨てる。
「まったく、ほとほと運の無い・・・ですが、貴方に会えたことは幸運でした。召喚主を殺した私はただ消えるのみでしたからね。」
「さらば・・・。」
そう呟いた戒翔は次の瞬間には悪魔を斬り裂き、その刀身に悪魔の体が吸い込まれるようにして消えた。
「・・・さっさとこの場から転移して戻るぞ。いくら別の部屋だとしてもバレる可能性も考えられるからな。」
『了解、宿泊施設憩いの池の上に気配遮断、魔力遮断の術式を展開して転移します。』
『それとBJも展開を解除しておくよ~』
戒翔が言った事にアルとバハムートは各々の行動を取ってその場から消える。
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「・・・伯爵級ではダメか。
黒いフードを目深く被った人物は遙か彼方から先程の戒翔の戦闘をサーチャーで観察していた。
「まさかセイバーオルタの恰好をした転生者が現れるなんて今後が面白くなりそうだね・・・。」
その人物はそう言って悪魔と同じ黒色の魔方陣を展開してその場から消える。