「なのはのバカ!もう知らない!すずか行くわよ!」
あれから数日後、放課後に問題が発生した。
「アリサちゃん・・・あ、なのはちゃん・・・」
「ごめんね。」
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「まったく、アイツは・・・。」
《どうするの?》
「お節介だが馬鹿ではフォロー出来ないだろうからな。」
そう言って先ずはアリサの下に向かう。
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「此処にいたか・・・。」
「戒翔・・・」
「戒翔くん・・・。」
「喧嘩の原因はなんとなく分かるがイライラするな。」
屋上に出るとアリサとすずかが屋上のフェンス越しに寄りかかっていた。
「なによ!アンタに何が分かるのよ!アンタに私達の事が!」
「分からんさ。俺は元々傍観者だからな。」
「傍観者ってならなんでアタシたちの事に首を突っ込むのよ!」
「お前達の空気が険悪すぎて教室内の雰囲気が悪いからちょっとした手助けだ。」
戒翔はそう言ってフェンスの上に飛び乗る。
「あ、危ないよ!?」
「さて、少し聞くが君達は自分の悩みが相談できない時はあったか?」
「・・・それが何?」
「そう睨むな。人は誰しも人には言えないモノを抱えている。それを無理に聞いたりしてどうする?」
「・・・なら、どうしろって言うのよ!」
「力になりたいって言うのは良い事だ。だがそれが必ずしもいい方向に向かうとは限らない。」
「それでもッ!」
戒翔の言葉にアリサは俯きながら手を強く握り、肩を震わせていた。
「・・・すこし意地悪が過ぎたかな?」
「・・・え?」
戒翔の雰囲気が柔らかくなる。それに反応するように若干涙目のアリサが戒翔を見上げる。
「行動に移す時とそうじゃない時もあるって事だ。面と話すだけが解決策では無いって事。」
戒翔はそう言ってフェンスの上から降りるとアリサとすずかの頭を一度ずつ撫でると出口に向かう。
「戒翔!その、ありがとう・・・。」
「戒翔くん、なのはちゃんの事をお願いね!」
2人の声に戒翔は後ろ向きで手を上げて屋上を後にする。
「ったくッ柄にもない事はするもんじゃないな・・・。」
階段を下りながらそう独りごちる戒翔は頭を掻きながら明日、なのはに言う事を考える。
――翌日の昼休み
「高町さん、ちょっといいかな?」
「・・何かようかな?・・黒逸くん?」
今は誰とも話したくない。
「・・・用が無いなら一人にしてくれないかな?」
普段の自分からは考えられない程に冷たい声が出ました。もしかしたらこれで立ち去ってくれるかもしれません。もしかしたら嫌われるかもしれません・・・。
「用があるから話し掛けているんだ。」
・・・黒逸くんは気にしていないのかそのまま話し続けました。急ぎの用なの?
「・・何かな?」
・・・・何の話?
そう考えている内に弁当箱とわたしの手を取って黒逸くんは歩き始めました。いきなりだったので転びそうになり思わず・・・
「ちょちょっと待って!自分で歩くからーー」
黒逸くんと屋上に来ました。手を放してくれましたが弁当箱返してくれません。・・・返したら逃げると思われたのかな?
そんなことしないのに・・。
「先ずはベンチに座るぞ。」
そういって黒逸くんはベンチに向かいます。わたしはその後についていきます。そして三人ほど座れるベンチで距離を置いて座ります。
「・・・お話ってなにかな?」
ベンチに座って少しして黒逸に話し掛けます。
「単刀直入に言えばクラスの空気が悪いからバニングス達と仲直りしろ。」
戒翔は結局考えた末に直球で行く事に決めた。
「・・・無理だよ。」
確かにクラスの空気は悪かった。その原因は自分だと自覚しているから。黒逸くんの言う事はもっともだと思う。わたしだってアリサちゃんと仲直りしたい・・。だけど、アリサちゃんはわたしが話さないから・・・
「・・理由は?」
「へっ?」
「無理な理由だ。あるのだろ?力になれるかわからんが何か助言が出来るかもしれん。」
そう言われて最初は戸惑いましたが、助言がもらえるかも知れないので話す事にしました。
「・・・・・・」
「・・・やっぱり無理だよね、人に話せないのに・・・」
黒逸くんは目を瞑って黙って聞いてくれてました。
話したおかげか少しだけ楽になれたのでよかったです。
「・・・・・・」
「黒逸くん・・・?」
目を瞑り黙って下を向いていた顔を黒逸くんにむけると・・・
「下らん・・・。実に下らない。」
「えっ・・・」
わたしが真剣に悩んでいる事を・・・悩みを聞いてくれるっていうから話したのに・・・
「くだらないって・・・ふざけないで!・・・たしかに無理な話だけどそんな言い方!?」
「下らないから下らないと言った。お前の無理な理由が・・・。」
「だ、だったら黒逸くんにはどうにかできるって言うの!?」
わたしは感情を抑えることが出来ず声を荒げて黒逸くんを怒鳴っていました。けれど黒逸くんは顔色を何一つ変えずに口を開き・・・
「俺には何もできないさ。出来るのは本人であるお前だけだ。そもそもこれは高町さんとバニングスさんの問題であり俺がどうこうする事では無い。本人同士でしか解決できない。高町さん、バニングスさんに話せない理由は言ったのかな?話せないからなんでもないとか言ったんじゃないのかな?」
「・・・」
黒逸くんの言った事は確かでした。だから反論できないのでわたしは黙るしかなかった。
「・・・結局はそこだった訳か。」
黒逸くんは私には分からなかったけど1人で何かを納得していた。
「・・・何がそこだった訳なの?」
「気が付いていないのか?」
黒逸くんはそう言ってため息を吐きました。分からない私が悪いけど流石にそれは無いの。
「じゃあ、逆の発想をしてみたら?バニングスさんが悩んでいる時、その悩みが分かっている時と分かってない時のどっちがいい?」
黒逸くんが少し小馬鹿にした様な質問をしてきましたが答えは決まってるの。
「そんなの分かってる方がいいに決まってるよ。」
「けど1人で大丈夫だと言われたら?」
なんか私なんて必要ないって言われてる気分になると思う。・・・だから
「悲しいかな・・・。」
「親友なんだから頼って貰いたくはないのかな?」
「そんなの・・・頼って欲しいに決まってるよ!」
「・・・それが答えだよ。それがバニングスさんの気持ちだよ。それに加えてあの子の性格だから高町さんの力になれない自分にも腹を立ててるかもね・・・。」
黒逸くんの言葉に私はハッとしました。親友のアリサちゃんにこんな気持ちにさせていたんだから・・・。
アリサちゃん・・・私はどうすればいいのかな?これから・・・
「高町さん・・・。」
黒逸くんに呼ばれて俯けてた顔を上げる。
「友達だからと言って全てを話さなければいけないのか?人間、誰だって人には言えない大事な事もある。秘密にしたい事だってある。大切なのはその事を言えないとか言いたくないってきちんと伝える事だ。黙っているだけじゃ伝わる事も伝わらないからね。だから・・・今言えないなら言えると思えるその時まで待ってもらうのもまた解決の道じゃないのかな?」
黒逸くんの言葉を聞き終えた私は確かにそうだと思った。そしたら次に自分がどうしたいのか自然と口が動いた。
「わたし・・・アリサちゃんと仲直りしたい。」
「じゃあ、ちゃんと話さないとだね。」
黒逸くんはさっきと違って固い雰囲気じゃなくてとても柔らかい音色で軽く背中をポンと押してくれた。
「うん、黒逸くんありがとう!わたし、アリサちゃんとお話してくる!」
なのはは行ったみたいだな・・。まぁ、暗さは消えたし何か吹っ切れたようだから良いか?にしても・・・
「やはり柄にも無い事をすると精神的に疲れるな・・・。」
今後は相談事は受け付けない様にしよう。そうしよう・・・。
そう思いながら腰を上げて屋上を出る。
《そう言うのはフラグと言うと思うよ?》
「・・・黙ってくれ。」