「これから君達のアジトに行くのか、俺の家に来るのとどっちが良いと思う?」
「なんでそれをアタシに振るんだい?」
「この子が絶賛気絶中だからだろ。使い魔の君なら主人であるこの子の代弁として言えばいいのだから。」
あの場所からランダム転移をして海鳴市から離れ冬木市と呼ばれる土地の高層ビルの上に戒翔とアルフの2人は立って話をしていた。
「アタシはまだアンタの事を信用した訳じゃない。そんな奴に従うとでも?」
「妥当かな、君達からしてみれば未だに素顔を見せないからね。」
「なら、素顔を見せるのかい?」
戒翔の言葉にアルフは疑う様に見る。
「そうだね。バハムート、デバイスとBJの解除だ。それと変身魔法もだ。」
『了解~』
戒翔の言葉に鎧の首元にある真紅の宝石が明滅し、戒翔はその姿を本来の姿に戻す。
「っな、子供!?しかもフェイトと同い年くらいの・・」
「失礼な・・、君達の魔法には姿を変える魔法は存在するんだからそこまで驚く事でもないでしょ?」
「それはそうだけど・・」
「取り敢えずどうするんだ?君達のアジトの方が安心できるんじゃないか?」
戒翔の言葉にアルフはしばし考え・・・
「そう・・だね。」
「じゃ、座標データを教えてくれ。それを使って移動・・・」
戒翔は言葉の途中でアルフから明後日の方向を凝視する。
「ど、どうしたん「今直ぐ此処から離れるぞ!」えっ!?」
戒翔は焦った様にアルフの腕を取り自宅の座標を記録した移送方陣で飛ぶ。その際、アルフが戒翔のcきな火の手が起きるのと同時に途轍もない魔力を感じる。
―――――――――――
「・・・とっさで自宅に飛んでしまったな。」
「此処が・・」
「そういえば自己紹介をしていなかったね。俺の名前は黒逸戒翔だ。何処にでもいる普通の小学三年生だ。」
「アンタが普通ってのは信じられないね。あんなに非常識な魔力量にそれをしっかりと制御してるんだからね。」
「・・・否定したいけど考えてみたら結構無理があるね」
今頃そう感じたのか軽く打ちひしがれている戒翔である。
「大丈夫かい?」
アルフも自分の言葉が原因だと自覚しているのか若干だが声が遠慮しがちである。
「大丈夫・・・。兎に角今は彼女を部屋で休ませてやらないと・・・」
「ん・・、アルフ?」
「フェイト、気が付いたのかい?」
戒翔がアルフを先導して部屋に向かおうとした所でフェイトがアルフの腕の中で目を覚ました。
「この状態で話さないで部屋に行こう。」
再び戒翔の案内の下で到着した部屋に入る。
「少し待ってろ。今布団を敷く。」
押入れの所に行き襖を開けて布団を取り出して床に敷き、その上にアルフがフェイトを寝かせる。
「き・・みは?」
寝かされたフェイトが戒翔の方を見ながらそう質問する。
「この姿で会うのは初めてだね。黒騎士こと黒逸戒翔だ。訳あって君を我が家に招待したんだ。」
「そう・・君が黒騎士だったんだ・・・。」
「そういえばまだ飯がまだだったね。どうする?」
「カップラーメンがあれば・・」
しかし、フェイトの言葉に戒翔の雰囲気が一変する。その戒翔の隣にいたアルフはその雰囲気を直ぐに感じてサァと血の気が引くのを感じる。
「アルフ・・だったか?君は主人の食事管理をしていないのか?食べ盛りの子にジャンクフード・・だと?」
「あのその・・それはジュエルシード集めが忙しかったからで」
「問答無用!今から食材調達してくる。」
そう言って戒翔は踵を返して部屋を出る。
――――――――――
「フェイト・・大丈夫かい?」
黒騎士・・じゃなかった、戒翔が部屋を出て行ってアルフがわたしの目の前に座り込んで心配をしてくる。あの時結構無茶をしたからかな?心配掛けてごめんね?
「戒翔はどうして私達の事を助けてくれたのかな?」
私はふと心に疑問に思った事をアルフに言っていました。
「分からない・・けど、アタシは信用しても大丈夫じゃないかと思うよ。」
アルフの言葉に私は自分でも分からない気持ちがあった。心がポカポカと温かくなる。なんでだろう?
「フェイト、ほんとに大丈夫かい?呆けたりしてるけど・・」
「だいじょうぶだよ。アルフには心配ばかりかけてるね?」
「アタシはフェイトの使い魔だからね。心配するのは当たり前さね。」
アルフはそう言って私を優しく抱きしめてくれます。ほんとにごめんね?頼りない主人で・・
そうアルフと話しているとふと香ばしい香りが部屋に漂ってきました。
「美味しそうな匂いだね・・。」
「肉の臭い・・!?」
「・・・飯の準備が出来た。フェイトは動ける・・邪魔したか?」
アルフが驚いたようにそして嬉しそうに尻尾を振って部屋の中に漂ってきた匂いを嗅いでいました。するとエプロン姿の戒翔が入って来て言葉の途中で私とアルフの状態を見て目を細めそう言ってきます。
「そ、そんな事無いよ?アルフ、ご飯が出来たって」
「早く来いよ?」
戒翔は慌てている私を見て可笑しそうに笑うとそのまま部屋を後にします。ちょっと、いやかなり恥かしいです。
「フェイト、早く行こうよ!」
そう言ってアルフが立って私の事を助け起こして一緒にリビングのある場所まで行くとリビング・・・後から聞くと戒翔の家のリビングは居間だと教えてくれました。そこには見た事も無い位に美味しそうなご飯が所狭しと並んでいました。
「美味しそう・・」
「これ全部アンタが作ったのかい?」
「そうだぞ?アルフはどっちが良い?素体は狼みたいだが調理済みと生の物のどっちが良い?」
「この匂いでそれを聞くかい?」
「・・愚問だったか。」
戒翔はそう言って笑うと私に顔を向ける。
「さぁ、食事にしよう。」
私達は戒翔に先を施され、席に座る。
「「「いただきます。」」」
3人で食卓を囲み、盛り付けられたら料理に手を付けた。
「なにこの肉!?美味すぎだよ!」
「・・美味しい。」
わたしは思わずそう呟いていました。今まで簡単に済ませていたけどこんな物を食べたら二度と口にしたく無いと思えるほどに・・・
「そう言って貰えると苦労して狩って来た甲斐があるってものだ。」
「買ってきた?」
「違う違う。狩りをしてきたってことだ。」
「・・・え?」
戒翔の言った言葉にしばし反応が遅れたけど・・狩って来たって・・・何処で?
「企業秘密だよ?」
戒翔はそう言ってクスクスと笑いながら肉厚のステーキを食べやすく切り分けて食べている。
「霜降りなんて目じゃないよ!・・コレなんの肉なんだい?」
「・・
「「50年!?」」
戒翔の言葉にアルフと私は同時に驚き、言葉にしていました。50年ってとても長い年月を掛けて熟した物って事で貴重な物って事が分かる。
「そんなに熟す必要があるのかい?」
「この肉に限らず熟成させる事によって深い味わいやコクが深くなる物だってある。いい例がワインだな。」
「で、そのある動物ってのは?」
「想像がつかないと思うが全長が1㌔もある象の体内から摘出した。」
「・・・・・・え?」
思わず絶句した。全長が1㌔ってどれだけ大きいの!?
「その話はまた今度にして今は冷めない内に食べてくれ。飯は温かい間が美味しいからな・・。」
戒翔に言われて慌てて我に返った私と・・アルフはもうガツガツと勢いよく食べていました。アルフ・・少しは驚いたりしないのかな?
そうして私達と戒翔は今日を過ごして行く。
長くなりそうなので分けて投稿する事にしました。楽しんで下されば幸いです。