戒翔はアースラより戻った直後に自室のソファに寝ていたが・・・
「・・・たく、問題ばかり起こすよな?」
数日の付き合いだがその知っている魔力反応を感じて戒翔はゆっくりとソファから起き上がる。
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「俺は無茶をするなよって言ったんだがな・・・」
場所を移し、フェイト達の魔力反応がある場所に向かい見た物は・・・
「・・・・アルカス・クルタス・エイギアス・・・・煌めきたる天神よ。今、導きのもと、降りきたれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル」
沖の上にてミッド式魔法陣の上でフェイトが杖を構えて歌う様に詠唱を始めている所である。
「バハムート、甲冑とバイザーを・・・それと変身魔法を」
その瞬間、戒翔の姿は黒騎士の姿へと変わる。
「――――――――――撃つは雷、響くは轟雷。アルカス・クルタス・エイギアス・・・・・はぁーーー!!!!」
フェイトが魔力流を撃ちこむのと同時に戒翔はフェイトの近くにいたアルフの横に降り立つ。
「・・・・・・無茶をするなといったのだが?」
「く、黒騎士!?あ、それはその・・・」
「言い訳は帰ってからだ。今は起きたアレをどうにかするのが先だ。」
戒翔の視線の先には七つのジュエルシードが浮かんでいた。
「残りの七つのジュエルシード・・・やっと見つけた」
「これを集めて、そしてあの白い魔導師が持っている物も合わせて21個・・・」
「これで母さんの願いが・・。」
フェイトが多くの魔力を先程の魔力流で使い果たしているのか展開したバルディッシュの魔力刃が幾分か小さくなっているのが見て取れた。
「・・・アルフはフェイトの傍を離れるな。俺はアレを抑える。」
戒翔はそう言って片刃の長剣を展開して暴走の始まったジュエルシードに向かう。
《彼女達が動くかな?》
「さぁな・・。だが
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「艦長!」
「クロノ執務官、黒騎士とあの子を捕捉したけど海上付近で儀式魔法を発動しようとしている所よ。」
「フェイトちゃん・・!」
「なのは・・。」
「あの、わたしにも何かお手伝いさせてください!」
「・・・本来なら待機と言いたいけれど、なのはさんは黒騎士達の所へ行って下さい。ユーノさんはなのはさんのバックアップを。クロノ執務官は万が一に備えて待機をお願いします。」
「・・はい!」
「行こう、なのは。」
「うん。」
リンディ提督の言葉に頷き、転送ポータルに駆けるなのはとユーノを見送りクロノはリンディに問う。
「艦長、いいんですか?」
「えぇ、彼女は協力者な訳だから此方が拘束する事は出来ないからね。なら彼女が手伝える場所に出してあげる事しかないわけだしね。それに黒騎士の事もあるしなのはさんとユーノさんならあの場にいても彼が何とかしそうだし・・ね?女の勘よ」
クロノが訝しむ様に見ると苦笑しながらリンディは答え、最後には息子に対する笑みを浮かべる。
「勘・・・ですか?」
「あら、存外には馬鹿にしちゃいけないわよ?あの人の時にも私の女の勘は凄いって言われたんだから。」
呆れ顔のクロノに対してリンディはウフフと笑う。
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「フェイトちゃん!」
転移した直後、なのははフェイトの所に行くとその前にアルフが立塞がる。
「アンタは!?」
「待って!今は戦いに来た訳じゃない!」
明らかに威嚇しているアルフを見てユーノが慌てて説明をする。
「・・・それを信じろってのかい!?」
「でも、複数のジュエルシードを一人で封印なんて無理しちゃだめだよ!」
「ありがとう。だけど、それでも私は・・・一人でもやらなきゃいけないんだ!」
なのはの言葉を聞き、悲しげな表情をするフェイトだがその目には強いしかし何かに縋る様な色を宿しながら足下の魔方陣にバルディッシュを突き立てて魔力流を海に撃ちこんだ。
「はぁはぁ・・・ジュエルシード六個確認」
「発動と同時に暴走に入ったよ!」
フェイトの言葉にユーノが補足する。
「皆で止めるよ!」
「なのははその前にその子に魔力を分けて上げて!そのままの状態だと厳しすぎる。」
「了解なの!レイジングハート!」
『ディバインチャージ』
「魔力が・・」
『チャージオーケー』
「これで行けるね!」
「僕達は彼女達の支援だ。」
「アンタ達とやるのは癪だけどフェイトがやるんじゃやらない訳にもいかないでしょ!」
そして、六個のジュエルシードが海水を巻き上げて竜巻となる。
「「チェーンバインド!」」
緑とオレンジの魔力で練られた複数の鎖が竜巻を締め上げる。
「行くよ、フェイトちゃん!」
「わたしは・・・」
流れに乗れず戸惑うフェイトだが、彼女の相棒にして愛機はその形状を砲撃戦仕様に変更する。
「バルディッシュ・・」
『getset』
「うん・・やろう。バルディッシュ」
『yes sir』
フェイトの足下に金色の魔方陣が現れる。それと同時になのはの足元に同じように桃色の魔方陣が現れる。
「フェイトちゃん、合わせるよ!」
「・・・分かった。」
なのはとフェイトの足下に桃色と金色の魔方陣が展開される。なのはの愛機であるレイジングハートには桃色の環状が浮き上がり魔力を収束させていく。フェイトの魔法はバルディッシュを持つ手とは反対の手を前に突き出すとその周りになのはと同様のしかし、色は彼女の魔力光である金色・・・それが回り始める。
「ディバイーン・・・」
「サンダー・・・」
なのはの持つレイジングハートの先端には桃色の・・フェイトの掲げている掌の前には金色の球状の魔力が収束されていく。
『bastard』
「バスター!!!!」
『smash』
「スマッシャー!!!!」
二人の魔法が同時に放たれ、竜巻に向かっていく。
「「えっ!?」」
「障壁!?」
「あの竜巻が張ってるってのかい!?」
しかし、それは目前に迫った時、白色の障壁によって阻まれてしまう。それを見たなのは達は驚愕の声を上げる。そして
「魔力反応が大きく・・なのは!」
「フェイト!」
「「きゃぁぁぁぁ!?」」
竜巻からとてつもない魔力反応とともに魔力風が巻き起こり魔力で飛行しているなのはとフェイトを襲った。目視しようとも海から巻き上がった海水とその悪天候により難しい物であった。
《フェイト、無事かい!?フェイト!!!》
《なのは!大丈夫!?なのは!!!》
《騒ぐな。この嵐の中でも煩くされては敵わん。》
ユーノとアルフが二人の安否を確認する為に名前を広域念話で呼ぶがそんな中から黒騎士の念話が二人に届く。
《黒騎士!?フェイトは・・フェイトは無事なんだろうね!》
《あぁ、直ぐに間に入って防いだから問題ない。そこのフェレット擬きも心配するな。》
《そう・・って誰がフェレット擬きだ!?》
そんな下らない念話をしている中で次第に魔力風を伴った海水が引いて行きユーノとアルフがその光景に驚愕する。
「く、黒騎士!アンタ、腕が」
「ん?ジュエルシードの発した魔力風を防いだらこうなった。痛覚遮断は既にしているから戦闘に関しては問題ない。」
「そ、そう言う事を言ってるんじゃ・・」
狼狽えるアルフを見て黒騎士は何でもないとのたまうが障壁をなのはとフェイトの二人を護る為に張り、自身は両の手にに魔力を纏わせてひたすら殴っていたのだ。その結果として、その両腕を覆っていた籠手は粉々に粉砕され、露出した肌からは鮮血が滴っていた。
「と、とにかく治療を」
「その余裕はない。アレが最適化した。」
ユーノ達から目を離し、黒騎士は中空を睨む。
「「「「・・・ッ!?」」」」
黒騎士以外がその光景に絶句する。
「・・・龍種、しかも・・俺の記憶を読み取った?先程の魔力風の時か?」
黒騎士の眼前には赤い翼に蜥蜴に似た生物がしかし、その体は途轍もなく巨大で二十階建ての高層ビルにい匹敵するほどであった。それを見ていたなのはとフェイトはそれから発せられる威圧感の様な物に気圧されていた。
「・・・お前達は下がっていろ。俺が封印を行う。」
「ッ!?」
「でもっ!?」
「酷い言い方になるが戦意喪失気味の者が戦線にいた所で足手纏いなだけだ。」
絶句するフェイト。それに抗議するなのはだが黒騎士の言葉に反論する言葉が見つからない。
「それに一瞬で済む。アレ程度の竜であれば簡単にすむ。バハムート、ディムロスを」
『OK』
黒騎士の言葉に黒騎士のデバイスと思われる名を告げるとそれに続く様にしかしレイジングハートやバルディッシュの様な電子音声とは違い肉声に近い声であった。そして、黒騎士の手には両刃の一㍍弱の大剣が握られていた。色彩は赤を基調とした柄、そしてその柄の真ん中あたりには大きな銀に輝くレンズが埋め込まれていた。それを手にした黒騎士は真横に振り抜き正眼にゆっくりと構える。その姿勢には乱れも歪みも無い。フェイトはその姿を見てもし自分が彼と対峙したとしても勝てる気がしなかった。
「ディムロス、久々に龍退治だ。」
『この世界の龍種か・・。我の世界にはこれほどの巨躯を持った者はいなかった。それもジュエルシードはてはロストロギアと言った所か・・。』
「元は海水から出来上がった物だ。俺とディムロスの炎で滅却出来ぬモノは・・・無い!」
『当たり前だ。我とそのマスターである貴様がいて初めて最高の力を引き出す事が出来るのだからな。』
「では開戦の狼煙を上げるとしよう。」
『フィアフルストーム』
黒騎士の言葉に応え、その両刃の大剣【ディムロス】がその魔法名を告げた時暗雲の中から直径二、三十㍍位になる無数の炎弾が龍種に殺到する。此処に海上戦の第二幕が開かれた。