「お疲れ様、フェイト。」
「黒騎士、ごめんね?」
「謝るな。経験では勝っていたが向こうが予想以上に防御力が高かったって事だ。次に戦う事があるならばそれを抜いてやればいいんだ。」
海上に落ちるフェイトをその丁度真下に転移してきた戒翔が受け止める。そしてボロボロの状態のフェイトが戒翔に謝るが戒翔はそれを否定し尚且つ発破を掛けた。
「え・・・?」
「何を驚いている。お前のこれからは」
戒翔が言葉を続けようとした所、空に紫電の光が迸る。
『高魔力反応確認!目標は・・・結界内と、本艦です!』
『障壁展開!』
アースラの通信を聞いた戒翔は
「そこの白いの!」
「にゃ!私は高町「いいから急いでこっちに来い!」え?」
その瞬間、三人のいる空間に途轍もない魔力を孕んだ雷光が降り注ぐ。
「同じ事を繰り返すのは味が無いな!しかし、威力はふざけているな・・・」
《protection》
叫ぶ戒翔とそれに呼応してデバイスが障壁を展開する。 そして展開が完了するのと同時に彼等の頭上に膨大な魔力を孕んだ雷が落ちて来る。
「ぐうぅぅッ! あの馬鹿はジュエルシードの魔力を使ってないのにここまで高威力の次元干渉型の砲撃を行えるのか! アル」
《reflection》
デバイスの名を呼べばそのデバイスは主人の意に沿って魔法を行使し、障壁に阻まれていた雷撃は跳ね返るようにして他の雷撃を生み出していた暗雲に直撃して雲を霧散させた。
「なんとか当面の危機は脱したか・・・アースラ、聞こえているか?」
『問題ありません。 どうしましたか?』
「今の砲撃で大体の座標の特定は出来ているな?」
『えぇ、大体というよりも完全に座標を特定しました。 後は転送魔法で武装局員を現地に向かわせるだけです。』
「そうか・・・。 こちらの契約内容を覚えているな?」
「契約内容? 黒騎士・・・どういう事?」
『大丈夫です。 彼女達に関する事は貴方に一任する事は護らせていただきます。』
「そうでもしなければお前達は俺の怒りに触れるだけだからな。 取り敢えず俺達を回収して貰おう」
そう言って戒翔達の周囲に転移用の魔方陣が展開される。
「プレシア、お前の答えは本当にソレで合っているのか?」
戒翔の呟いた言葉と共に視界が暗転する。
~時の庭園~
「彼の御蔭で病に侵された体に怯える事も無くなったわけだけど・・・」
杖を片手に【プレシア・テスタロッサ】が立っていた。
「この程度で・・・倒れる訳にはいかないのよ」
魔力枯渇寸前の状態のプレシアは決意した瞳で先程の戦闘映像に映る者を見る。
「黒騎士・・・貴方に助けられ長らえた命だけどあの子に私と言う重荷を背負わせたくは無いのよ」
杖を握りしめるのと同時にプレシアのその表情は悲痛な物となる。
「私はいつも気付くのが遅いのね・・・アリシアが望んだ事を今更になって思い出すなんて・・・あの子からしたら私は憎まれてもおかしくないもの・・・だからせめてあの子、フェイトが辛くない様にしてあげる事しかできない。 これを聞いたら貴方はどう思うのかしら」
プレシアの虚しい言葉は玉座に寂しく響くのであった。