「まさか彼が虚数空間に」
「まるで分かっていたかの様にあの場所に移動していた節が感じられましたが既に確認する術はありません。」
「そう・・・」
艦橋にてテスタロッサ一家を交えてクロノとリンディは話をしていた。
「プレシアさん。 あなた達の処遇は我々で決める事は出来ないのでミッドまで来てもらう事になると思います。」
「えぇ、分かっているわ。 あの子の為にも」
「か、艦長!」
プレシアが話をしている所にオペレーターの一人が声を上げる。
「どうしたの!」
「つ、通信です。 送信者・・・黒騎士!」
「ッ!? 急いで繋ぎなさい!」
「りょ、了解!」
突如として起きた事に艦橋内は緊迫とした空気となる。
『あー、皆無事だったか?』
モニターに現れたのは黒騎士姿の戒翔である。
「戒翔くん!」
「カイト!」
『んー、その反応だと大丈夫そうだな? 時間も無いし単刀直入に言うとプレシア親子に罪は無くなる。』
その一言にアースラ一行はおろかプレシア一家は呆気に取られる。
「で、出鱈目を言うな! 今から聴取を作って局に送らないといけないんだぞ!」
『その件なら俺の方で捏造して送っておいた。 時期的にはなのはとフェイトが決闘騒ぎを起こしている間にだ。 内容は偶然知った輸送されていたジュエルシードを地球に観光に来ていたプレシア親子はこれを発見し回収をしていた。 その中で高町なのはと発掘者本人であるユーノ・スクライア両名の助力を得てJSを回収。 その最中にJSの暴走及び次元震が起き、近くを通っていたアースラが急行し、事態を収束って行ったところだ。 まぁ、渡航者証明が出来ないからその事で少し注意を受ける位かな?』
「い、いつの間に・・・」
『まぁ、そんな事だからフェイト達は少しの間向こうのミッドで事情聴取とお説教だけだから心配するな。』
「カイト・・・」
「あなたには世話になりっぱなしね。」
『まぁ、そう言う事だから』
「待て! まだ聞いてない事がある! どうやって虚数空間から帰還した! それと今いる場所は何処だ!」
『俺は今も虚数空間内にいるぞ? まぁ、方法は教えないが簡単に出れるしな・・・と、そろそろこれで終わりだな。』
「あなたはこれからどうするの?」
リンディの言葉に戒翔は首を傾げ
『そうだな・・・取り敢えず平穏であり悠々気儘に生活する事だな。』
戒翔はそう言って手元の装置をモニターに映るようにアースラの面々に見せる。
「それは・・・」
『コレは俺の戦闘記録や今までの会話ログ・・・そして俺という存在を管理局の上層部に知らせない為の装置・・・まぁ、かんたんに言えば証拠隠滅って事だ。 俺と言う存在はおらず事件解決の功労者はお前達だけって事だ。』
そう言って装置を起動する。
「ッ!? 急いでバックアップを取って!」
「は、はい!」
『それじゃ、管理局の諸君。 また会う日まで』
「待て! 戒翔!」
クロノの言葉も虚しく通信は途絶する。
「・・・ダメです。 黒騎士に関するデータ、全て消されました。」
「管理局の技術力を上回るなんて・・・」
リンディの言葉にオペレーターは項垂れる。
「こっちでもデータ復元を試みましたが駄目でした。 徹底的にデータを消されてます。」
「彼のなぞは深まるばかりね。 彼はまた会う日までと言っていたけど・・・また会う事でも起きるのから?」
リンディの言葉に応えれる者は居なかった。
JS事件報告書概要の一部抜粋
事件発生時、居合わせた大魔導師プレシア・テスタロッサ、そしてアリシア、フェイトそして使い魔であるアルフとリニス、その五名が回収に向かう。 JSの発掘者であるユーノ・スクライアが現地にて協力者として高町なのはをインテリジェントデバイス【レイジングハート】を譲渡。 その末、高町なのはは魔導師として目覚め数度の憑依し、暴走したJSとの戦闘を経て魔導師としての高い資質を持っている事が判明。 彼女が管理局員として働いてくれるのならおおいに戦力となると思われる。 そして同時に共に回収に当たっていたフェイト・テスタロッサも実戦経験に乏しいながらに魔導師としての訓練を受けていた為か高い素養を感じられる。 残念ながらアリシア・テスタロッサはサポートに徹していた為に魔導師適性は低いと考えられる。
報告者次元航行艦アースラ所属執務官 クロノ・ハラオウン