少年の異世界戦記~リリカルなのは編~   作:クロイツヴァルト

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加速する最悪な事態

 

 

 「蒐集状況はどうだ?」

 

 「細々とした結果だ。 魔導師狩りをせずに魔獣や龍種といったものからの採取だからかいくらかは早くはあるが」

 

 「・・・そうか。」

 

 シグナムの言葉に戒翔は椅子から立ち上がり

 

 「しばらくはお前達は休め。 その間は俺が蒐集する。」

 

 そう言ってテーブルにある闇の書を手に取る。

 

 「しかし・・・」

 

 「交代制で出ているとしても限界がある。 それにもうすぐクリスマスだ。 その為の準備をお前たちに任せる。 はやてを呪縛から解き放ち、聖夜の祝福で祝ってやろう。」

 

 「すまない、お前に負担ばかり掛けてしまって」

 

 「この程度の事を負担になんて感じやしないさ・・・それにバッドでもトゥルーでも無くハッピーで締めくくりたいからやるんだ。」

 

 そう言って戒翔は八神家を後にする。

 

 「・・・さて、俺一人なら遠慮する事も無く派手にやれるな。 先ずは龍種の辺りから糧とさせて貰おうか。」

 

 暫く歩き、人目の無い場所まで来て戒翔は魔法陣を展開し、その場から転移する。

 

 ―――――――――――――――――

 

 「シグナム! 戒翔1人で行かせるなんてどういう考えだよ!」

 

 「ヴィータ、落ち着け。 これは戒翔が決めた事だ。 先程言った通りに我等は主の為に準備を進める。 それが私が戒翔と約束した事だ。」

 

 「奴がそう簡単にやられない事は我々が良く知っている筈だ。」

 

 「だけどよ」

 

 「心配しないではやてちゃんの事だけに集中しましょう。 それにクリスマスの為に私が料理の練習の為に腕を振るうことが出来るチャンスだし」

 

 「「「シャマル(お前)は台所に立たないでくれ(立つな)!!!」」」

 

 「みんなして酷いわ!」

 

 「美味そうな外見で致死レベルの劇薬を作る事が無ければな」

 

 「皆の事を考えて私なりのアレンジを考えてるのに・・・!」

 

 「それがいけないと何故気付かないのだ。」

 

 いじけるシャマルを見てザフィーラはぼそりと呟くのであった。

 

 ―――――――――――――――――

 

 「・・・今日で十日目か。 クリスマスまで後一日を残すだけか」

 

 闇の書をすぐ側に控えさせた戒翔の周囲には夥しい数の魔獣が傷だらけの状態で倒れ伏していた。 が、どれも死してはおらず瀕死の重傷であるが一応の事は生きてはいた。

 

 「闇の書・・・この場にいる魔獣どもから蒐集しろ」

 

 戒翔が告げるのと同時に闇の書の頁が開き蒐集を開始する。

 

 「・・・感知されない様に位相をずらしながらの蒐集はやはりと言うか骨が折れるな。 だが」

 

 蒐集していく中で戒翔は独りごとを呟く。

 

 「俺は・・・俺達は止まれない。 彼女を、はやてを救うまでは絶対に!」

 

 そう言って戒翔はその場から転移する準備を始めた。次の標的を見つける為に・・・最悪の未来を防ぐためにしかし

 

 「ッ!? 闇の書がっ!?」

 

 そばにあった闇の書は戒翔の下から突如転移をし、戒翔の呼びかけにも応えない事態に戒翔は焦る。

 

 「まさか・・・はやてに何かあったんじゃないよな!?」

 

 そう呟き戒翔は急ぎ海鳴市への転移魔法に変更し転移を始める。

 

 「頼むから無事でいてくれよ・・・!」

 

 そう言って戒翔は転移する。

 

 「っち、やはり結界が張られている・・・はやてやシグナム達の反応は・・・無いだと? ならこの結界は誰が・・・?」

 

 その時、高魔力反応を感じて戒翔はある方向を見て焦る

 

 「反応があったのは・・・向こうは海鳴大病院か!?」

 

 そして急いで向かう戒翔の方から三つの魔力反応を感じ戦闘態勢を取りつつ速度を上げる。

 

 「闇に沈め・・・ディアボリック」

 

 「こんな所でんなもの使うんじゃねェ! バハムート!」

 

 《bureizu canon》

 

 長身の女性が広域魔法を発動しようとしている所に当たらぬように威嚇射撃の意味を込めて砲撃を撃ち込み発動を中止させる。

 

 「あ、あなたは!」

 

 「黒騎士」

 

 「・・・管制人格か。 はやてはお前の中か?」

 

 「はい、我が主は我が内にて安らかに眠っておられる。 その間に私が私である間に我が主を悲しませる存在を滅ぼす。」

 

 「・・・仮面の奴等の仕業か。 先ずはお前を止めさせてもらう! バハムート! 闇を打ち払い、夜天に返す!」

 

 《OK》

 

 戒翔は漆黒の西洋剣を手に闇の書の管制人格へと躍り掛かる。

 

 「何故、はやての悲しむ方法しか取れない! 本当にはやてがこの様な事を望むのか!」

 

 「黙れ! 我が主は家族として将達と過ごしてきた時が崩れたこの世界を悪夢として感じた! だからそんな物よりも幸福な夢をみたまま私が我が主の望みを悪夢だと感じたこの世界を滅ぼす!」

 

 「馬鹿者が・・・本当にはやてはそんな事を望みはしていない! 何故それが分からぬ!」

 

 「黒騎士、お前を殺したくは「この俺が簡単に殺せるのか?」 なんだと?」

 

 「俺は黒騎士だ。 それと同時に時の御子、歪んだ時間や悲しみを撃ち砕く存在だ。 お前が涙を流し、哀しみに暮れながら幾星霜の時を過ごしてきたと言うのなら俺がお前に纏わりつく負の連鎖を・・・断ち切る!」

 

 拳と剣を交わしながら戒翔と管制人格は言葉を交わす。 そこへ

 

 「俺を無視すんじゃねェ!!!!」

 

 咄嗟に2人が距離を取るのと同時に二人の間を無数の刀剣類が真上から殺到する。

 

 「こんな時に! 空気が読めんのかあの馬鹿は!」

 

 「俺がオリ主なんだ! 黒騎士だかなんだか知らねェが、俺の邪魔をすんじゃねェよ!!!!」

 

 「ギルガメッシュの能力を持ちながらアイツの様になれない愚鈍はすっこんでいろ! 今はお前の相手をしているほど猶予は無いんだよ!」

 

 「うるせぇ・・・うるせぇうるせぇッ!!!! いいからお前は消えろォ!!!! 乖離する」

 

 「アレは流石に不味いか。」

 

 「開闢の星ゥッ!!!!」

 

 管制人格をその場から大きく吹き飛ばし、戒翔は膨大な魔力の奔流に吞み込まれた。

 




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