「・・・ここは」
《闇の書の内部です。 追撃を掛けた所で闇の書に吸収されました》
闇の書に取り込まれた戒翔は暗闇の中で一人佇んでいた。
「そうか・・・闇の書に取り込まれたのであったな。」
《はい。 この後はどう動くおつもりですか?》
「分かり切った事だ。 はやてと管制人格の下へ向かう。」
《道中には隔壁の様な物があると思われますが?》
「その様な物・・・俺の前に立塞がる全てを粉砕するのみ!」
その時、戒翔の足下にベルカ式の魔方陣が展開される。
「なにッ!?」
《強制転移魔法!? マスター!?》
「しま」
そして次の瞬間、戒翔はその空間から消える。
――――――――――――――――――
「・・・ここは? 俺は確か」
「戒翔、もう朝だぞ。」
「あぁ、悪い今起きるよ。
「純夏も下で朝食を作って待っているぞ。」
御剣がベッドで寝ている戒翔に声を掛け、戒翔は起き上がる。
「もう連休が終わったのだからシャキッとせぬか。」
「悪いな。 休み明けだといつもダレてしまうな。」
「休むのは良いがそれはそなたの悪い癖だぞ。 ゆくゆくは御剣財閥の後継者にならねばならぬのだから」
「その事に関しては保留だって言ってるだろ?」
着替えを終えてリビングに降りる戒翔と冥夜はそんな会話をしていた。
「戒翔くんやっと起きたの?」
「純夏おはよう。 いつもありがとな?」
「幼馴染の私がしっかりしないと戒翔くんってば適当にご飯食べるからね?」
「そうだな。 わたし達がしっかりしていないとな?」
「兎に角早く飯を食わないと学校に遅れるぞ。」
「戒翔君が言うかな!?」
「それもそうだな」
純夏の言葉に戒翔は苦笑する。
―――――――――――――――――――――
「彼と主はは私の中で永遠の夢を・・・生と死の狭間の夢を」
「永遠なんて・・・ないよ。」
「そうだ。 いつかは終わりが来る。 だから人は何時だって前を向いて歩くんだ! 私はそれをカイトに教えてもらったんだ!」
「お前達に彼や主の苦しみが分かる物か・・・貴様達もいい加減に眠れ!」
「眠るよ・・・だけど! この戦いが終わってからだよ!」
「そうだ! 悪い夢だって偶には見るかもしれない・・・けど、そればかりじゃない!」
「わたし達の覚悟・・・見せてあげる! レイジングハート、エクセリオンモード!」
《igunissyonn》
「バルディッシュ、ザンバーモード!」
《igunissyonn》
―――――――――――――――――――――――
「・・・ん?」
「どうしたのだ戒翔?」
教室で帰りの支度をしている時、俺はふと思い出す。 俺は何故ここにいるのかを。
「いや・・・何でもないよ冥夜。 ちょっと香月先生に呼ばれているから行って来る。」
「分かった。 今日は戒翔の好きなビーフシチューを作ると純夏が言っていたから楽しみにすると良い。」
「そうか・・・」
「それじゃあ、先に帰っているぞ。」
「あぁ・・・そうだ、冥夜。」
「ん、なんだ?」
「俺は今でもお前達が好きだ。」
「な、急に何を言い出すのだ!? 放課後だからと」
「はは、そうだな。 ・・・言っておかないと後悔するからかも知れないからな。」
「戒翔?」
最後の方の言葉が聞こえなかったのか冥夜は不思議そうな表情をしていた。
「さっさと香月先生の所にいってくる。」
「あぁ、気を付けて行くのだぞ?」
「あの人だからな。 そう言われても仕方ないのかな」
教室の入り口で冥夜と別れながら戒翔は冥夜の言葉に苦笑する。 そして
「あら、漸く来たのね?」
「お久しぶりで、香月先生・・・いや香月副指令と言えば良いのか?」
科学準備室の扉を開けて戒翔は入室すると目の前にあるデスクに香月夕呼は座って待っていた。
「ふふふ、どちらでも構わないわ。 ここには横浜基地はおろかBETAすらいない訳だけど。」
自嘲気味に笑う夕呼に戒翔は意を決して口を開く。
「・・・ここは俺がこうあって欲しいと願って出来たifの夢の世界だな?」
「お察しの通り。 ここは夢の世界よ。 あんたの魔力を闇の書が取り込んだ際にそのとても長くて深い記憶の中でとても大切にしている記憶から読み取ってあなたにとっての幸福な時間を構築しているわ。 本来の私であれば狂喜乱舞してたと思うけど、結局はそれもifでしかないわ。」
「香月副指令・・・俺は」
「ストップ。 あんたはあの結果に後悔しているの? 誰しも一人で出来る事には限界があるって言ったのはあんた自身なのよ? そのあんたが後悔していたらあんたの為に散って行った者達に失礼なのよ!」
俯く戒翔に夕呼はデスクから腰を浮かせ戒翔に近付き胸倉を掴んで叱責する。
「だけど・・・あの時、俺がもっと他に最善の方法を見つけていればヴァルキリーズのメンバーも」
「それ以上アイツ等の事で後悔の言葉を言えばいくら我慢しているからってあたしも我慢の限界でブチ切れるわよ?」
「すまない・・・」
「ったく、望まない形とはいえ久々に会ってもあんたの根幹は変わらない・・・いえ、むしろ悪化している感じね? それも使徒になった影響かしら?」
「それは・・・」
「ま、その事に関してはあたしの管轄外だしあまり言う事は無いわ。 けど、それを選択してアンタは後悔しているの?」
「いや、後悔なんてしていない。 あの時、あの選択をしていなければ副指令は勿論の事だが、悠陽に冥夜に純夏、社、真那、榊、珠瀬、彩峰、鎧衣、神宮寺、唯、ラトロワ、クリスカ、イーニィア、紅蓮さん、鎧衣課長・・・他にも俺を支えてくれたたくさんの人々・・・に会えなかった訳だからな。」
「・・・そう。 ならあんたのしなきゃいけない事は分かってるんでしょうね?」
「あぁ、俺は俺の信条の下で哀しみを・・・負の連鎖を断ち切る!」
「なら行きなさい・・・それがアンタのやるべきことなんだから。」
そう言って夕呼は戒翔の頬に口づけをする。
「ふふ、これは景気づけよ。 しっかりやりなさいよ?」
「あぁ・・・安心して見守っていてくれ。」
光と共に消えていく夕子に戒翔は軍隊式の敬礼をする。 夕呼の座っていたデスクの上にアルカイン、8、バハムートのデバイスが安置されていた。
「・・・待たせたな。」
《遅い到着だね?》
《待ちくたびれたぜ?》
《お待ちしておりました、マスター。》
「さぁ、さっさと戻ってはやてを救うぞ!」
デスクに置いてある相棒達を見に着けて戒翔はBJを身に纏う。 以前の黒騎士の様な物では無く聖騎士を彷彿とさせる白銀の鎧を纏い、その手には黄金の剣が握られていた。
「さぁ、行くぞお前ら! 【約束された】」
崩れゆく想いを馳せし場所で戒翔は黄金の剣に魔力を集める。 そして黄金の剣はまるで戒翔を祝福するかのように眩い光を放ち上段に構えられる。
「皆に敢えて良かった・・・【勝利の剣】ァァァッ!!!!」
そして戒翔のいる空間が光につつみこまれるのであった。
はい、という事で完結も書き直しも全く出来ていないマブラブからのゲスト出演を行いました(・_・;) まぁ、自分の書いていたマブラブは結構ちぐはぐばかりですが、これからも精進していい作品に仕上げたいと思いますのでどうか長い目で見てやって下さると助かります。
また、御意見や御感想等、評価を下さると作者の執筆意欲が向上すると思うのでお願いしますm(__)m