少年の異世界戦記~リリカルなのは編~   作:クロイツヴァルト

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英雄王VS時の御子③

 

 「リィンフォース!」

 

 「ふん、人形に助けられたか。」

 

 粉塵の中から墜ちるリィンフォースを見つけ、慌てて抱き上げる。 その中でギルガメッシュは冷めた目で戒翔とその腕の中にいるリィンフォースを見下ろしていた。

 

 「なんで、どうしてこんなバカな事を」

 

 「私はどちらにしても消滅するだけだ。 ならその命を主の為に懸命に動いていたお前の為に使おうと思うのも不思議では無いだろう?」

 

 戒翔の腕の中で弱弱しい笑みを浮かべるリィンフォースを見て戒翔は

 

 「・・・リィンフォース、お前のユニゾンははやてだけに適用するのか?」

 

 「・・・いや夜天の騎士達も適用されるが、それでも適合率と言うものがあるからどの位適合するかは分からない。 中には適合率が低すぎて融合事故を起こして命を落とす者もいるが、どうして今そんな事を・・・まさか!?」

 

 戒翔の言葉に訝しみながら、自分自身で説明しながら結論に至ったリィンフォースは驚愕の声を上げる。

 

 「駄目だ! いくらお前が尋常では無い力を持っていたとしてもユニゾンして大丈夫とは言い切れないのだぞ! 最悪の場合は死ぬ事も」

 

 「だが、このままではお前の命も尽きる。 なら一時的でも俺とユニゾン出来れば延命ないしは俺の異能でお前の異常を完全に取り除く事も出来る。」

 

 「だが」

 

 「四の五の言う暇はなさそうだ。」

 

 「我を無視して話とは愚弄するのもいい加減にしろよ、黒逸戒翔ォ!」

 

 「やるぞ。 それに分の悪い賭けは嫌いじゃない。」

 

 「えぇい、もう好きにしろ!」

 

 戒翔とリィンフォースの会話に割って入ったギルガメッシュは再度乖離剣を構え、魔力を溜める行動に移る。 その中で戒翔とリィンフォースはお互いの手を合わせ

 

 「行くぞ。 覚悟は良いか?」

 

 「覚悟などとうの昔に出来ている。」

 

 「「ユニゾンイン!」」

 

 二人を中心に黒の魔力光が迸りギルガメッシュは一時的に行動を中断しその光景を見つめていた。

 

 「何をした所でこの英雄王の前では意味など無い! このまま撃ち滅ぼしてくれるわ!」

 

 回転が最高潮に達し、魔力も高まりつつある乖離剣を手にギルガメッシュは吼え、その魔力を未だに止まぬ光の柱に撃ち込む。 が

 

 「なん・・・だと! 我の攻撃を吞み込むだと!?」

 

 「ギルガメッシュ、確かにお前の攻撃は強力無比な物だ。 しかし、今の俺達の前ではもう通用しない。」

 

 ギルガメッシュの攻撃を吞み込んだ光が止み、中から現れたのは金の髪に銀のメッシュが入り、リィンフォースにあった刺青が入ったユニゾン状態の戒翔であった。

 

 『リィンフォース、状態は?』

 

 『状態は正常。 適合率68.5%だ。 主でも無いのにこの適合率は異常だ。』

 

 「問題が無ければ上々。」

 

 「いったい、何をした!!!!」

 

 「そう怒鳴るなよ。 英雄王」

 

 自身の最高にして最強の一撃を分けも解からない方法で無に帰した戒翔に激昂するギルガメッシュに対して至って冷静な戒翔はまるで友人に話をするかのような調子で答える。

 

 「オノレェ! 王たる我を愚弄するか!」

 

 「・・・同一存在のお前を知っている身であるから言わせてもらうが、お前はギルでありギルでは無い。 紛い物は紛い物なりに華々しく・・・散れ!」

 

 《Astral bastar》

 

 突っ込んでくるギルガメッシュに対して静かな怒りを露わにしながら戒翔は腕を振るう。 すると戒翔の真横に黒色の魔方陣が現れ、その魔法陣と同色の魔力砲撃が放たれる。

 

 「その様な攻撃が我に通用すると」

 

 「思っている!」

 

 「なんだと!?」

 

 「まだだ!」

 

 《Storm Punisher》

 

 次は白い魔法陣から暴風の様な風の奔流がギルガメッシュ目掛けて迫る。

 

 「この程度で!」

 

 『ならばこれはどうだ! 闇に染まれ』

 

 《Diaboriku emission》

 

 「ウオォォォォッォォ!!!!」

 

 突如として頭上に現れた黒色の魔力スフィアが一気に膨張を始め、ギルガメッシュを叫び声と共に吞み込む。

 

 「紛い物とはいえ、アレで墜ちるとは考えられんからな・・・。 止めと行こうか。 バハムート、ディス・レブ起動。」

 

 《OK ディス・レブ機関動作を確認。》

 

 戒翔の言葉にデバイスが応えるのと同時に戒翔の周辺の空間が歪みが生じる。

 

 「ッ!? な、なんだそれは! 我も知らぬ物がこの世にあるとでも言うのか!?」

 

 「あるんだよ、英雄王。 この世の始まりにして原初の力。 ただの人には相応しくは無い物を疑似的に繋ぐ為の機関。 それを俺は持っている。 それを使う事によって今、俺の周囲はその余剰だけで空間を歪曲させている。 いかに貴様の宝具が強力だろうと世界を作る為に出来た負の無限力には太刀打ちできまい。」

 

 「世迷言を! ならば我の至高の一撃を今一度受けてもらうぞ!」

 

 「・・・バハムート。 ノヴァを使うが、イケるか?」

 

 《all right》

 

 『待て、ノヴァとはいったいなんだ?』

 

 「見ていれば分かる。 が、これだけは言える。 今から起きる事は人智を超える。」

 

 『ディス・レブ起動と同時にディプラー・シリンダーに接続開始。』

 

 「ゲマトリヒ修正、世界の因果律への介入及び改竄。 今から起きる事は世界にとってなんの問題ない物として認識。 抑止力が動かぬ様にしなければ後々厄介ではあるからな。」

 

 バハムートの言葉に応える様に戒翔も魔方陣を展開し、世界にこの世全てに干渉する為の膨大な量の情報が頭の中に流れ込んでくる中で必要な情報のみを読み取り、世界の抑止力と呼ばれるモノに邪魔されぬようにこれから起きる事象を誤魔化す為に改変し、改竄していく。

 

 「さぁ、英雄王よ。 この世の始まりにして原初の力の一端をその身で味わえ!」

 

 『Akashic Nova』

 

 戒翔の突き出した掌から光が発せられた瞬間、ギルガメッシュは既に別の空間に移動させられていた。

 

 「ッ!? なんだこれは!?」

 

 『世界の終わりと始まり・・・その衝撃に貴様は耐えきれるか! 終焉の果てに朽ちろ! 偽りの英雄王よ!』

 

 ギルガメッシュは足下と頭上に位置する巨大な存在感を放つモノに人生初ともいえる恐怖を抱く。 それもその筈。 この場所は星々が衝突しあい莫大なエネルギーを延々と生み出す世界の果てにして終焉と再誕を繰り返す無限の虚構。 負の無限力であるディス・レブ、 世界の理すら書き換えてしまう平行世界の力を汲み取り行使する為のディプラー・シリンダー。 この二つがあって初めて戒翔は人の身でありながらも神と同じような御業を行使する事が出来るのである。

 

 「この我がこの様な所でェェェェェェッ!?」

 

 そして、二つの巨大な星系惑星に挟まれる様にしてギルガメッシュは圧殺される。

 

 「これが人智を超えた原初の力だ。」

 

 いなくなったギルガメッシュがいた場所を見つめて戒翔はそう告げるのであった。

 





結構駆け足気味で書いてしまいましたが、これにて慢心王との戦いも終わり後は事後処理位ですかね? 闇の書はどうなるのか? リィンフォースはどうなるのか楽しみにしていただければ幸いです。

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