「海鳴市全体が封鎖結界で覆われているか・・・」
『結界内は淀んだ魔力で充満していて不安定な空間となっており何が起きるか分かりません。』
「そうか。 闇の書の闇の残滓の可能性もあるが、俺の魔力を用いて何をしでかすつもりなのか。」
海鳴市にあるビルの屋上に転移した戒翔は探査魔法を使って結界内をくまなく調べて行く。
「大小の魔力反応多数確認。 サーチャーを飛ばして確認し、厳戒態勢で監視。」
『了解、サーチャーを飛ばします。』
百を超えるサーチャーを魔力により生成し海鳴市全域に飛ばす。
「さて、こっちに向かって来る魔力反応は?」
『三つです。 どれもが大きさからしてオーバーSクラスと断定』
「現時点ではかなりの大物か?」
『そうなります。 速度からして後、十分程で接敵します。』
バハムートと会話をしながら周囲に撒いたサーチャーからの情報をマルチタスクで処理しながら脳内に展開してあるマップに点在する光点の内、最も反応が大きい三つが戒翔を目指して移動しているのを確認し、その方角を見つめながら戦闘態勢を取る。
『接敵します。』
少しの時間だが、緊張状態の戒翔にバハムートが報告するのと同時に目の前に途轍もない速度で迫る者は戒翔の目の前で止まる。 その姿を確認した戒翔は驚愕の表情で来訪した者達を見上げる。
「なのは、フェイトにはやて? それにしては色彩も雰囲気も違う気がするが」
「お初にお目に掛かります。 我等を起こした人よ」
「雰囲気って言うか僕達はオリジナルを基にして作られているから似ていて当然だよ?」
「我等を強制的に呼び覚ます程の者だからどのような人物かと思えば子供ではないか!」
「・・・なんだこのクソ生意気な奴は」
『先程逃げた魔力反応と一致します。』
「なのは達をベースにしては色彩や性格がかなり違うな。」
戒翔はバハムートの言葉に目の前にいる少女三人を見る。 最初に現れたのはなのはと同じような容姿に紫色のレイジングハートに暗い感じのなのはと同じようなBJを着ており、2人目はフェイトと同じような容姿に対して性格はフェイトとは正反対に腕白小僧の様な性格に金色の髪では無く、水色のツインテールにBJはフェイトとそう変わらない様に見受けられ、三人目ははやてと瓜二つだが、雰囲気が全く違く白髪に
「我等をあのような子烏達と一緒にするでないわ! 我は闇統べる王ぞ!」
「・・・取り敢えずお前達には話を聞かせて貰う。 大人しくこっちの指示に従えば良し。 従わぬのなら実力行使を取らせてもらう。」
「やれるものならやってみよ!」
「王!」
「やるなら僕も混ぜてもらうよー!」
「・・・バハムート、固有技能選択」
『OK、空間固定と電子操作で良いかな?』
「かまわん。 話が進まないから実力行使で連れて行く。」
三人の台詞に溜め息を吐きたいのを我慢して戒翔はバハムートに指示を出して適切な方法で彼女達を摑まえる為の能力を使う。 そしてその事に気付いた時には既に時遅く
「な、体が動かんでは無いか!?」
「なんでー!?」
「これは・・・お父様の能力ですか?」
「そこの二人とは違ってやけに冷静な様だが当たりだ。 詳細は教えてやらんがな。」
空中で不自然に動きを止められた三者三様の反応に戒翔はその内の一人、なのはに似た少女の言葉に関心を示す。
「私は理のマテリアルです。 ですからほかの二基よりも物事を考え、察する事が出来るのです。」
「何気に我等をディするではないわ!?」
「僕もそんなに馬鹿じゃないぞー!」
シュテルの言葉に身動きが取れない状況だと言うのに言い合いを始める三人に戒翔は溜め息を吐き
「兎に角お前達には色々と聞く事がありそうだからこのままアースラに連れて行く。」
「ぐぬぬ! 我等のデバイスにも何かして魔法を使えなくしている様だな! 姑息な事をしないで正々堂々と我と戦え!」
「今は時間が惜しいんだ。 この海鳴市全体を結界で覆ってはいるが原因を突き止めて事態を把握して処理をしなければならないからな。」
歯噛みして悔しげな表情で吼えるはやて似の少女に対して戒翔は冷静に判断しながら言葉にする。
「もし、私達がその原因だと言ったら・・・お父様はどうするのですか?」
「・・・さぁな、その時に考える。 他の要因があるのならそれを処理するし、もし本当にお前の言う通りならば俺のやり方で事態を鎮静化するだけだ。」
「冷徹なだけの方ではないのですね。」
「仮にも俺を親と呼ぶお前達を無下に出来ないだけだ。 それとも何かの研究に使えるからとでも言えば良いのか?」
「僕達モルモットにされちゃうの!?」
「レヴィ、あなたは少し黙っていて下さい。 それで、お父様。 わたし達の処遇はどうなるのですか?」
「はっきりと事態を把握できている訳では無いからこれと決められている訳では無い。」
騒ぐレヴィと呼ばれた少女を一瞥して溜め息を吐くなのは似の少女は戒翔に疑問を問い掛ける。 そして戒翔は考えながらそれを口にする。
「兎に角お前達を一度アースラまで来てもらう。」
そう言って戒翔は転移魔法を使って三人の少女達と共にビルの屋上から姿を消すのであった。