「それで、捕まえて来たあのなのは達に似た三人組からは何か聞けたのか?」
アースラに闇の書の残滓の中核を担うと疑わしき三人の少女をアースラに運んだ戒翔はクロノに経過報告を聞いていた。
「それが全然なんだ。 ディアーチェと呼ばれる少女は高圧的で此方の言葉に耳を貸さず、理性的だと思われるシュテルと呼ばれたいた少女は固く口を閉ざしていてなんの成果も無い。 レヴィと呼ばれた子はもはや論外だ。」
「…そうか。 彼女達が現れる切欠になったのはやはり夜天の書の最深部を開けた事によるものだと思う。」
「どうしてそう思う?」
「アイツ等があの書から抜け出す時に少なくない魔力量を俺から持っていった。 だからなのか彼女達は俺の事を父親と呼ぶ。 何故と聞かれても、俺の魔力を起爆剤にしてあの三人娘のデータを基盤にして顕現した様なものらしい。 っとシュテルが言っていたな。」
「キミ相手だと彼女達は率先して捜査協力してくれそうだな。」
戒翔の言葉にクロノはこめかみを抑えて唸るように言葉を口にする。
「俺は別の事で席を外す。 どうもこの一件荒れるかもしれん」
「どうしてそう思う?」
「どうしても何も・・・長年の勘とでも思っていてくれ」
そう言って連絡橋でクロノと別れ、食堂へ訪れる。
「あ、お兄ちゃん!」
「あ、姉さん! ちょっと」
食堂に行くとリハビリ中だったアリシアも今では無事に自身の足で周囲を出歩けるほどに回復し、戒翔の事を兄と慕い、見かけると直ぐに駆けよるほどの元気を見せていた。
「アリシア、そんなに走って来なくても俺は逃げんぞ?」
「だって、お兄ちゃんってば中々アリシアの所に来てくれないじゃん!」
苦笑する戒翔に対してアリシアは頬を膨らませ、可愛らしく拗ねる
「アリシア、戒翔を困らせてはだめですよ? カイトはカイトで色々としなければならない事があるのですから。」
アリシアの後ろから急いで来るフェイトの後ろからゆっくりと歩いてきながら窘める様にリニスが口を開く。
「カイト、大丈夫だった?」
「今回の件は俺が見誤った事が原因とはいえ細心の注意を払っていれば起きなかった…とは言えないが夜天の書の奥深くに隠されていた事を考えるとあまり安易な物とは思えない。 俺自身で解決出来れば良いのだが、範囲は海鳴市全域にまで及んでいる。 俺一人では出来る範囲が限られるからもしかしたら頼るかも知れない。」
「むしろどんどん頼って欲しいよ。 わたし達はカイトに姉さんや母さんたちを助けて貰った恩があるんだから」
「俺は助けた訳じゃない。 自己満足…俺が諦めたくなかっただけだ。」
「それでもだよ。 カイトにとって何でもない事だろうけど、私からすれば家族を助けてくれた事には変わりは無いんだから。」
フェイトの言葉に戒翔は苦笑し
「そうか。」
「カイト、それで今から何処に行こうとしていたのですか?」
「さっき、あの三人娘を捕まえた辺りをな…。 他にも何かありそうな予感がしてならないからな。」
「なら、一人で行かずに他の人員も確保して行かなければならないのでは?」
「俺の勘一つで人員を割く事は難しいさ。 それに、未だに海鳴市周辺は闇の書残滓の掃討で武装局員もいない。 主戦力のなのはや、フェイトなんかを使う訳にも行かんだろ?」
「でも」の
「兎に角、お前達は万が一の為に待機だ。 何か変化があれば通信か念話で連絡を入れる。」
戒翔に尚も募ろうとするフェイトを遮り戒翔は連絡橋の奥にある転送ポートに向かう。
「戒翔、何処へ行く?」
「リィンフォースか、なにちょっとした調べ事だ。」
「私も連れて行ってくれないか? 元はと言えば私の所為でこの様な事態に」
「それはどうしようもない事態だ。 それにあの三人が出て来たのは少なくとも俺が夜天の最深部に潜ろうとした所為なんだから全てがリィンフォースの所為と言う訳では無い。」
戒翔を追いかける形でなおも諦めないリィンフォースに戒翔は溜め息を洩らしつつ、リィンフォースを諭す。
「そもそも、まだ本調子じゃないお前を連れて行った所で何になる? 助力しようと思うのなら今のお前は足手纏いでしかない。」
「それでも」
「責任を感じるのなら今は大人しくしていてくれ。 はやての家族を危険に晒す事をしたくはない。」
転送ポートまでついて来たリィンフォースに戒翔は最後の手段とばかりにこの言葉をリィンフォースに告げる。
「それは」
「じゃあな」
「ま、待て!」
しかし、リィンフォースの声は虚しく転送ポートの魔方陣の中に消えた戒翔に届くはずも無く、転送室に反響するだけであった。
お久しぶりな方もいますが、ここの所忙しくて更新が滞り気味な形となっていますが、読まれている方にも面目ないと思います。 取り敢えず闇の欠片編をすっ飛ばしてGOD編に纏めてお送りします。 主人公がどう動くかはこれから練っていきますが、どうか期待して待っていて下さいm(。。)m