少年の異世界戦記~リリカルなのは編~   作:クロイツヴァルト

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異常事態×闖入者×時間移動!? ③

 

 

 少女を連行して戒翔はアースラにある取調室に籠っていた。

 

 「で、お前がこの世界に来た目的は?」

 

 「え~とですね? わたしは決して怪しい者ではなくてただ妹を連れ戻そうと来た訳でして」

 

 「妹?」

 

 「はい。」

 

 「そう言えば名前を聞いていなかったな。」

 

 「私はアミタ・フローリアンです。 妹はキリエ・フローリアンと言います。」

 

 「アミタにキリエ・・・ね。 でお前の妹の目的は? 連れ戻しに来たと言う事は何かしら問題のある事なんだろうが・・・どこから(・・・・)来たんだ?」

 

 戒翔のその言葉にアミタは

 

 「いやー、なんの事だか」

 

 「分からんと言うのならその機械の体をバラして調べるぞ?」

 

 「・・・いつ気付いたんですか?」

 

 戒翔の言葉にアミタはふざけた雰囲気を消して真面目な態度で戒翔に聞く

 

 「最初からだ。 俺位じゃないと分からんだろうが、微かな駆動音に微かなオイルの匂い。 確かに人に近い構成で作られていてもそれを完全に消すにはまだ不完全だがキミ達を作った人は紛れも無く天才だろうな。」

 

 「・・・貴方は人間ですか? そこまで気付くのにも普通に犬でも無理ですよ? 嗅覚だけじゃない。聴覚も有り得ないです」

 

 「まぁな、自分で言うのも何だが厳密には違うが、人間なのは変わらないがな。 で、何処の時代から来たんだ? 他の連中は気付いていない様だがお前、いや、お前達姉妹は時間跳躍(タイム・リープ)しているだろ?」

 

 戒翔の言葉にアミタは驚く

 

 「なんでそこまで」

 

 「これも俺の異能の一つだが、詳細は省くが時という概念に関係する事は大体わかるんだよ。」

 

 「概念って」

 

 「理解とかしなくてもいいぞ。 いや、理解できないだろうな。」

 

 「どういう事ですか?」

 

 「時間や時空間等々時間と言う人が言った事が浸透し、思う事でそれは固定概念(・・)となる。 そう言う事だ。 どうだ、理解できたか?」

 

 「・・・いえ。」

 

 「まぁ、普通はそんなものだ。 で、お前達がこの時代に来たのは闇の書の闇の残滓が出てきている事に理由があるのか?」

 

 「それは何とも・・・私の妹が動いている事なのでただ、この時間の皆さんにご迷惑になる様な事と言う事ははっきりとしています。」

 

 「・・・成程。 【世界の目録(ワールド・インデックス)】 成るほど闇の書・・・夜天の最奥に封印されていた紫天の書と同一にある砕け得ぬ闇を手に入れると言う訳か」

 

 「砕け得ぬ闇・・・それがキリエの目的」

 

 「ただし、解放されれば制御方法をどうするかが問題だな。 間違えればこの付近の次元世界は纏めて消滅なんて事になるがな。」

 

 「めちゃめちゃヤバいじゃないですか!? 今すぐキリエを止めないと!」

 

 「何を言っている? お前はこの件の重要参考人なのだからこの場から動く事は出来んぞ? 俺達管理局が動く事態になっているし次元渡航証明も無い奴をうろちょろさせるわけないだろう・・・後の事はクロノ執務官に任せるかな・・・ったく嘱託魔導師にこんな事を任せるかね普通」

 

 興奮するアミタに戒翔は軽く重力魔法を使用して対面の椅子から立ち上がれない様にしながら嘆息する。

 

 「お前は取り敢えず妹のキリエだっけ? それが見つかるまで勝手な行動をするなよ? もし聞けないと言うなら此方にも考えがあるからな」

 

 「考えって・・・」

 

 「さてな・・・知りたいなら勝手に動いてみる事だ・・・ただしその後の安全は保障しかねるがな」

 

 戒翔の言葉に青い顔をするアミタに対して戒翔は面白がるようにアミタを一度だけ見て尋問室を出る。 その際に悲鳴のようなものが聞こえたが敢えて無視をする。

 

 「戒翔、どうだ?」

 

 「まぁ、大体の事は聞けた。 後はお前の仕事だよ。」

 

 尋問室を出た所で丁度クロノと鉢合わせして一言だけ告げてクロノの横を通り抜けようとするとクロノに戒翔はその肩を掴まれる。

 

 「・・・また無茶をするつもりか?」

 

 「・・・さてな、俺は無茶をしているとは思わん」

 

 「お前な」

 

 「まぁ、クロノになら言って良いか?」

 

 そして戒翔はクロノにある事を伝える。

 

 「・・・それが君の考える最善なのか?」

 

 「まぁ、そうなるな。 クロノには教えているが世界の目録は過去、現在そして未来まで見通す事が可能なスキルだが、それでもそれを変える事は可能なんだ。 実際にアインスは本当ならば消滅するはずの所を俺がそれを阻止した。 そして今回の闇の書の闇の残滓・・・闇の欠片とでも呼称するとして、それが現れる切欠はその最奥に隠されていた者達の出現によるものだ。」

 

 「それで?」

 

 「その大元である砕け得ぬ闇の居場所を見つけてあのシュテル達に制御させる。 成功するかどうかはその場になってみないと分からん」

 

 「危険な賭けになるぞ?」

 

 「重々承知だ。 後の事は頼むぞ」

 

 「まったく、キミの頼みはいつもそんな事ばかりだ」

 

 「頼りにしてるぞ・・・親友」

 

 「止めてくれ、ボクとキミでは悪友がいい所だ」

 

 「はは、違いない」

 

 クロノの苦い表情を見て戒翔は苦笑する

 

 「なのはやフェイト達には言わないのか?」

 

 「言わないさ。 言った所でアイツ等は絶対に着いて来ると言うに決まっている。 それに今回は前回の様なイレギュラーが起きるかもしれない。 俺ならば多少の事ならば死ぬ事は無いがなのはもはやてだって魔法というものを知って日が浅い・・・フェイトは幼少期から習っているとはいえ本当の意味での殺し合いは知らないのだからな」

 

 「キミは」

 

 「兎に角、今回の砕け得ぬ闇との戦いは今までの比では無い・・・出来ればあの三人は遠ざけてほしい所だ。」

 

 「それは・・・」

 

 「まぁ、アイツ等の事だから無理にでも協力してくるだろう。 だが、俺が既に動いている事は出来るだけ秘密にしておいてくれ」

 

 「全部が全部隠せる訳じゃないぞ?」

 

 「分かっているさ。 ある程度で良い・・・砕け得ぬ闇の所在を特定しさえできれば後は何とかする」

 

 「戒翔・・・」

 

 「そう言う事で後は頼むぞ」

 

 そう言って戒翔は掴んでいる手をそっと腕から外してクロノに背を向けて歩く

 

 「戒翔! ボクだって君の事を心配している事を忘れるな!」

 

 戒翔の背中に向けてクロノは声を掛けるが、戒翔は後ろ手に振りながら転送ポートの中に消えていく。

 

 「・・・戒翔、キミの作戦だと・・・キミは死ぬかもしれないんだぞ」

 

 戒翔のいなくなった通路の中でクロノの呟きだけがやけに響くのであった。

 

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