「で、先の冒頭に戻ると・・・」
『マスター、誰に話しているのですか?』
「いや、読者に分かるようにとな・・・」
『なに訳わかんねェ事いってんだ?』
木の陰に隠れながら戒翔とアル、8と会話しながら猫とその目の前にいるなのはと足元にいるフェレットモドキの様子を見ていると・・・
「俺参上!」
バカが現れた・・・
「アイツって竜崎か・・・?」
『の様ですね・・・。』
『恰好があの皮肉屋のにいちゃんだな・・・。』
なのはの
「確かにアーチャーの恰好だがアイツの戦法は培った経験とそれを引き出すための技術からあるものだ。半端な奴にはまずアイツの戦法は真似しようと思っても中々出来る物じゃない。」
そう結論付けた戒翔はなのはと竜崎の行動の観察に入る。
「アクセル・・・シュート!」
「怪我させない様にってのは難しいな!セイバー!」
『エアリル・シュート』
なのはの桃色の魔力弾、そして竜崎は魔力変換資質持ちなのか風を纏った魔力弾その2つがぶつかり合い相殺される。
「なのは、そこ退いてくれないとジュエルシードが封印出来ないんだぞ!」
「でも、この子を傷つける事は出来ないよ!ほかに方法は無いの!?」
「でもな・・・!」
「っあ!」
その時、なのはと竜崎の間を通り抜ける金色の魔力弾が猫の体に直撃し煙を上げる。だが、直撃した猫は傷よりも不意打ち気味に来た衝撃に驚き、なぜか戒翔のいる木の近くに走ってくる。
「『は・・・?』」
戒翔と二機はそんな現実に間抜けな声を出していたがそんな事をしている暇は無く、慌ててBJを黒セイバーの衣装男性Verでその場から低空飛行で猫から遠ざかる。その中で猫の中に在るジュエルシードを確認する。
『マスター、今ならあの猫から簡単に摘出できますが?』
「やるか・・・。捕獲用魔術展開」
『レストリトロック』
戒翔の呟きに8が応えると黒色の魔力で出来た鎖が猫を絡め取る。
「ギルディア・ギルティ・・・ジュエルシード、封印!」
『封印。』
「(偵察だけかと思ったがこりゃ一戦交えるかもな・・・)」
封印に成功した戒翔は右腕にジュエルシードの力が抜けて元の大きさに戻った子猫を抱え左手にジュエルシードを持って空に上がると此方を見つめる8つの目を確認する。
「テメェ、何者だ!」
「・・・君もロストロギアの探索者か?」
「・・・そんな物に興味など無い。次世代の魔導師の面を見ておきたかっただけだ。」
「あ、あの!あなたは・・・?それとその猫さんを・・・」
「ふむ、また逢うかも知れないが黒騎士と名乗っておこうか・・・。で、そこの少年は稚拙な殺気を出して何がしたいのだ?子猫なら後で地上に戻ってから離すさ。」
顔に目元を大きく隠す黒のバイザーを付けた青年状態の戒翔は怨敵を睨む様にして見て来る竜崎を見る。
「俺の邪魔になりそうな奴を放っておけるか!」
言うや否や竜崎は自身のデバイスで戒翔に斬り掛かる。
「やれやれ、短気は損気と言う諺も知らんのか・・・8」
『
戒翔はやれやれと肩を竦ませ、魔力弾を一発精製し自らのデバイスに声を掛けると黒色の砲撃が放たれる。
「っち!」
「今のを躱すのか・・・直射型の速射砲撃なのだがな。」
「煩えぇ!テメェも転生者か!?それなら容赦しねぇ!喰らえ!」
『マスター!先ずは様子見を』
「デバイスが俺に指図するな!この・・・!
デバイスの制止を振り切り、竜崎は魔力を溜めたデバイスを振る。そこから放たれる金色の光に輝く斬撃が戒翔に迫る。
「これは少々危ないな・・・。」
戒翔は迫りくる斬撃にそう言ってジュエルシードを左手から離しデバイスの収納空間に収めるとそのまま左手を前に突き出し・・・
「
突如開いたその穴は戒翔の全身を簡単に呑み込むほど大きく竜崎の放ったエクスカリバーを吞みこむとそのまま消えた。
「なっ!嘘だろ!?宝具の真名解放を簡単に消しただと!?」
「今のはアーサー王の武器の名か。中々に威力が高そうだったから躱せば周りが大変な事になっていただろうな・・・。」
竜崎の言葉を無視するかのように戒翔は今の攻撃に対しての感想を述べる。
「クソッ!」
「策は無し…か?なら、今度は此方の…番だ!」
戒翔はそう言って左手を横に薙ぐとなのはと竜崎の2人の目の前に複数の虚構の穴が開かれる。
「ディメンションスマッシャー」
途端に竜崎には複数の光の斬撃が飛来し、なのはに対しては一発だけが飛来してきた。
「きゃぁぁぁ!?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「っく・・・え?」
余波で金髪の子にまで斬撃が飛ぶがそれは戒翔の能力の一つ
「さて、バカはランダム転送で良いとして君はどうする?」
「私は・・・」
「このまま退くのであればこれは渡そう。」
『排出します・・・。』
戒翔の言葉に手甲に付いた朱い宝玉から菱形の宝石・・・ジュエルシードが出て来る。それを戒翔は左手の人差し指と中指で摘まむようにして持つ。
「あなたならそんな事をしなくても私よりも強いのに何故そんな事を・・・?」
「そうしなければ
「え・・・?」
戒翔の呟きが聞こえていなかったのか少女は聞き直そうとする。
「俺の名は黒騎士とでも呼べ。非常時か、真に助けが必要なときに俺を呼べ。」
戒翔は眼下に倒れ伏したなのはとその横にいるフェレット擬きの近くに降りる。それに倣い少女も降りてくる。
「君まで下りてくる必要はないと思うが・・・?」
「き、君達はジュエルシードを集めて何が目的なんだ!」
「ほぉ・・・?やはり魔法生物・・・いや、変身魔法か?姿を変えなくてはならない程に魔力を消耗している様だな・・・。」
戒翔はそう結論付けるとフェレットに向けて掌を翳す
「な、何を」
「下がっていろ。そして、眠れ小さき者よ・・・。一時の安らぎを【眠りの霧】」
戒翔は詠唱破棄をした眠りの魔法でフェレットの意識を奪う。
「さて、後はデバイスを眠らせるか、半壊させて会話の記録を消すか・・・いや、ハッキングを掛けて操作した方が後々後腐れが無いか。」
なのはの手に握られている赤い球型の宝石を手に取ると戒翔は何かを呟く。そして・・・
「よし、改竄完了。会話記録の差し替えも完了。っと、君にはこれを渡さないとだな・・・。」
そういって戒翔は少女に向かってジュエルシードを放った。
「わわっ!?」
少女はそれを危なげなく両手で取ると直ぐに斧型のデバイスの収納空間に収める。
「その・・・ありがとう。」
「気にするな。俺は俺の目的があって動いているだけだ。」
「それでも、ありがとう。私の名前はフェイト、フェイト・テスタロッサ。」
「そうか、ならフェイトまた会う時を楽しみにしている。」
「うん、黒騎士に会える事を楽しみにしておくよ。」
そう言ってフェイトは魔方陣を展開して転移する。
「さて・・・、さっさと運ぶとするか。」
BJを解除して少年に戻った戒翔はそう呟くと目の前に倒れるなのはとフェレットを見下ろしていた。