あと、「描禄」の「描」を「絵」と間違っていました。気づいた人がいないことを祈ります。
揺るらかな日の光が窓から差し込み、部屋を明るく照らす。床にしかれた、元は白ろかったであろう布は青や赤に緑等とカラフルに染められ白かった所は僅にしか残っていない。壁も床程ではないが様々な色が付着している。
部屋には簡潔な造りの机の上には五十を超える筆に色で汚れたバケツやパレット。色々のメーカーのアクリルや水彩用の絵具、刃物で先を削られた鉛筆などが置かれている。
その空間にひときわ存在感を放つイーゼル。その上には絵が乗せられている。
「うん、中々の出来だ」
描禄は満足そうに笑い、道具の片付けをはじめる。黒のエプロンは所々絵具で汚れまるでそれが本来のデザインだとも思える。一つに編んだ菫色の髪をほどき、絵具が目に入らないようにかけていた黒のだて眼鏡を外す。
「……なぁ、お前ってなんなんだ」
「ん?おやおや、死柄木殿ではないか!」
黒霧の個性ワープで現れた死柄木の第一声はそれだった。昨日カリキュラムの入手に成功したと黒霧のスマホにメールが入ったのだ。それで指定された時間に来たわけだが彼らが目にするのはこの部屋だ。
「我輩の本職は画家だからな!」
「マジかよ!」
「……意外過ぎますね……」
「自分で言うのもなんだが、これでも結構人気の売れっ子であるぞ!引く手あまた、注文は星の数ほど!」
「……自分で言うなよ」
「……」
ハッハハハと、描禄は笑いながらも片付けの手は止めない。昨日のメールのやり取りでツッコミ気力が既にない黒霧は疲れたようで死柄木と描禄の会話には加わらず絵を見ている。
ヒビの入ったグラスに雨が注ぎこまれ溢れ出す瞬間を撮ったようなそんな絵だ。今煩く話す彼からは想像も出来ないぐらいに丁寧に繊細なタッチで描き込まれている。
黒霧は認めるのは悔しい気がしてならないが、確かに儚げで美しい絵だと思う。
「……それでカリキュラムの方は?」
「まぁまぁ、そんなに焦なさんなって!先ずは朝飯にしようではないか!」
「今昼ですよ」
「ありゃ?気分がのったから描いてたらいつの間にか昼に!これは驚いた!では朝兼昼ご飯としよう!」
弾む足取りで階段を降りる描禄に仕方なく、死柄木と黒霧も続く。描禄は六十階だてビルの最上階に住んでおり、この事から先程の売れっ子発言もあながち嘘ではないことが分かる。
二階の部屋をアトリエとし、絵を描くのに必要な画材は全て置いており。一階に寝室と風呂にキッチン等と生活環境は一階に集中している。
「昨日作っておいたカレーがあるが、死柄木殿と黒霧殿も食べるか?辛さは中口ぞ!」
「……そういやぁ、飯食ってねぇな」
「私も……」
「オッケー!」と言いながら、描禄は火を点火しカレールーを温める。棚からカレー用の皿とスプーンを三人分取り出す。
「嘘の震災施設と言う所でオールマイトが教師として、生徒とプラス教師二人で授業をするみたいぞ!この施設本校舎とも離れているから、襲うならそこがオススメである!」
「……教師は誰だ?」
「イレーザーヘッドと13号である!イレーザーヘッドは奇襲からの殲滅が得意で個性を【消滅】させる個性、13号は人命救助が主で戦闘経験はそんなになく【ブッラクホール】という個性を使うようぞ!」
「……生徒の人数は?」
「二十人である!流石は有名校で強力な個性を持つ子供が多い!それに可愛い子も多い!」
「これ、カリキュラムぞ」とメモリーチップを渡してくる描禄に死柄木と黒霧はなんとも言えない微妙な顔になる。そのことに描禄は首を傾げる。
「…………お前、性能だけはいいんだな」
「ん?それは誉められているのか?」
「誉めてる、めっちゃ誉めてる。凄いねー、」
「そ、そうか!?そうか、そうか……それは良かった……ぞ」
完璧に棒読みでバカにしているとも思える死柄木の言葉に描禄は小さく頷きながらご飯を注ぐ。その耳元はほんのりと赤く口端と肩が僅に震えている。そう、描禄は誉めに弱いのだ。
明らかに分かりやす過ぎる描禄に死柄木の顔にゲスな笑みが張り付く。
「本当マジスゲー、描禄天才だねー」
「い、いや……趣味でやっている、だけで……」
「いやいや!趣味でそれなら、なお凄いよ。かっこいいねー」
「そ、れほどでも……ない……」
「いやぁー尊敬。リスペクトするわ、俺」
「死柄木・弔そのぐらいにしてあげてください」
段々と声が小さくなっていく描禄を面白がる死柄木に黒霧が助けをいれてあげる。やはり黒霧は大人であった。
恥ずかしさの悶えから抜け出した描禄がルーを注ぎ、彼らはカレーを食べるのでたった。
「あっ、うまっ!」
「これは美味しい……!」
「フッハハハ!当然だ我輩が作ったのだからな!感想感謝する!」
描禄は心底嬉しそうに笑みを浮かべカレー口に運ぶ。死柄木はその態度に面白くなさそうにしながらも、カレーを食べる手は止めない。
「なぁ、お前の個性ってなんなんだ?」
「ん?我輩の個性か?そうだな、なんだと思う?」
「うぜぇ……機械方面の個性なんじゃねぇの?」
「フッフフ、外れである!」
「では、絵を上手く描く個性ですか?」
「それも違うぞ!」
「じゃあ、なんなんだよ……」
彼の生活に関係のありそうな個性を出しても外れとなれば、それほど長い付き合いではない死柄木と黒霧には当てることが出来ない。
「【役者】である!」
「全く関係ねぇー!」
「分かりませんよ、それ」
いい感じのオチが思いつかない。
《プロフィール》
主人公:【崩蝋苦・描禄】
個性:役者
年齢:二十一歳
身長:178㎝ 体重:64㎏
髪:菫色 瞳:黄金色
職業:画家、経営者
趣味:ハッキング、読書、料理、絵を描くこと
性格:気分屋、現実主義、楽天家、自由奔放
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