異世界で剣術修行してみた件   作:A i

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今回の話し、めちゃくちゃ主人公がいい思いをします。
あしからず。
ペナ、ギルのかわいさ共感して貰えたらなーと思います。
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海に行こう!

「そろそろ引っ越しの時期かもしれんな。」

 

そう言って腕を組む師匠。

何だって?引っ越しって言ったか今?

このお城捨てちゃうの?

そう思ったのは俺だけじゃ無いらしい。

ペナやギルもびっくりして目を見開いている。

そりゃ驚きもする。

この城は普通に住まわせてもらってるけど一泊数万とれるレベルの豪華絢爛なお城だ。

そんなお城をヒョイヒョイ乗り換えようとするなんて、よほどお金持ちか頭がおかしいかのどちらかである。

師匠は驚く俺たちにうむ、と頷き滔滔と話し出す。

 

「私たちはあの神聖剣帝であるジャバウォックに狙われている身だ。だから、定期的に住む場所を変えないと奴らに察知される可能性が高まるんだよ。でも安心しろ。この城を捨てるつもりは毛頭無い。」

 

何?じゃあどうやって引っ越すって言うんだ?

まさか・・・。

 

「この城ごと転移するとかじゃないでしょうね?」

 

そう聞くと師匠はニヤリと笑って

 

「その通り!よく分かったな、我が弟子なだけはある。」

 

「「「なにー!(ですって)」」」

 

俺、ペナ、ギルの三人衆全員の絶叫が城内をこだまする。

 

「でもどうやってやるの?」

 

と興味津々な様子で師匠に聞くペナちゃん。

すると師匠はいつもの中庭に俺たちを案内する。

中庭なんかに何が・・・と思いながら目をやると・・・

そこには見たことも無い大きな魔方陣が描かれている。

魔方陣の中心にはエマちゃんが目を閉じたまま屹立していた。

 

「心の準備は良いか、皆。今から私たちは常夏の島サマー・アイランドへ転移する!エマ!」

 

師匠がエマちゃんにそう呼びかけるとエマちゃんが目をカッと見開く。

 

「転移!サマー・アイランド!」

 

と唱える声が響き渡るとあたりがまばゆい光に包まれ出した。

思わず目を閉じる。

自分の体が一瞬浮き上がるような浮遊感に襲われた、と思った矢先、じりじりと身を焦がすような暑さに見舞われる。

おいおい、まさか・・・。

そう思いながら目を開くとそこは燦燦とと輝く太陽に南国特有のヤシの木、何より中庭からは見えないが波の音が聞こえる。

うん、これはどうやら本当に俺たちは南国に転移してしまったみたいだ・・・。

しばらくの間この現実離れした現実に呆然としていると、ペナが瞳を輝かせて俺に聞いてくる。

 

「なあ、晋介!一緒に海に行こうよ!今からダッシュで用意してさ!な?良いだろ?」

 

「おお、いいぞ・・・。」

 

ペナのあまりの勢いに負けて同意してしまった。

ペナはギルにも声をかけ一緒に着替えに行ってしまう。

でも海に行く前に俺には一つ確認しとかないといけないことがある。

城ごと転移すると言っていたが本当にできているか、だ。

周りをぐるりと見渡してみるが先ほどまでと何ら変わらないいつものお城である。

まじでこんなすごい魔法ができるんだな・・・。

晋介もそれなりに魔法を練習しているのでなおさらエマちゃんとこの魔法のすごさが身にしみる。

エマちゃんはうつむき加減だった顔を上げて、フーと息を吐き、額に浮いた汗を右手で拭っている。

少しエマちゃんの方へ近づき聞いてみた。

 

「エマちゃん、ちょっと良い?」

 

するとエマちゃんは笑顔で振り返る。

 

「なに?晋介君。聞きたいことでもあるの?」

 

「うん、ちょっとこの魔法についてね。この魔法って場所はどこにでも選べるの?」

 

「ううん。こんなおっきいものになってくると私の魔力量を持ってしても座標を的確に指定することはさすがにできないの。だから、転移用の魔方陣だけを先に転移したい座標に送っておいて、この城にもおんなじものを作れば、少量の魔力でこんな大きいものでも転移できちゃうっていうこと。わかる?」

 

そう言って少し得意げな顔になるエマちゃん。

 

「なるほど・・・エマちゃん天才だな。」

 

「いやー、なんか照れるわね・・・。」

 

手をほっぺに当て身をよじるエマちゃんがあまりにもかわいいので頭をなでてあげる。

ほああと言いながら俺の手の感触を楽しんでいる。

いつもは気丈な姿を振る舞っているが、こうやってなでられている時のエマちゃんはすごく甘えん坊さんになってしまう。

うーん、この可愛さを全人類が知れば世界から戦争は無くせると思うぞ、ホント。

こんな可愛い生物を誰が傷つけられようか、いや傷つけられまい!

そうやってあまりの愛らしさのため世界平和にまで思考がぶっ飛んでいると何かがダッシュで俺に飛びついてくる。

あまりの衝撃に耐えられず目を閉じ、尻餅をついてしまう。

なにやら体の上に心地良い重みを感じる・・・。

柔らかくて暖かい・・・。

少しばかりその暖かみを味わった後にゆっくりとまぶたを上げていく。

そこには満面の笑みを浮かべたペナちゃんがいた。

着ているパーカーのファスナーが緩いせいで綺麗な鎖骨がちらっとのぞき見える。

何で俺はペナちゃんにのしかかられているんだ・・・?

 

「晋介!エマばっかりナデナデずるい!私にもしてくれ!」

 

そう言って頭を顔にこすりつけてくるペナちゃん。

やめて!良いにおいするしさらさらで気持ちいいけどやめて!

 

「ああ、もう分かったよ。なでてあげるからじっとしてろ。」

 

「早く!」

 

はやくはやく!とせかしてくるペナちゃんの頭をぽんぽんすると少しおとなしくなったのでそこからは優しく丁寧になでてあげる。

なでているとペナちゃんの体からはだんだんと力が抜けていき、俺の胸に顔を埋めた。

顔を伺うとすっごく幸せそうな笑みを浮かべて、されるがままになっているのでこっちもノリノリでなでてしまう。

ふふ、ちっちゃい子みたいだなやっぱり。

双方暖かな気持ちになっていると、上からおぞましい声が掛かる。

 

「晋介くーん?なーにをやってるのかなー?」

「ペナちゃんもギルを差し置いてなにしてるんですかー?」

 

うん、分かってた。

晋介、幸せは長く続かないって知ってるもんね!

 

 

当然、ペナも俺もその後二人にこってり絞られました。まる

 

 

澄み渡る青空、まぶしい太陽。日の光を浴びてきらきらと輝く海。

夏と言えばこれ!というような景色が砂浜を歩く俺の眼前に広がっている。

しかも、隣に歩くのは男などでは無く、誰もが認める絶世の美少女ペナとギルの二人。

両手に花とは俺のことよ、はっはっは!

心の中で誰にと言うわけでも無く自慢していると、ギルちゃんが持っているパラソルを砂浜に打ち立てる。

 

「このあたりに陣取りませんか?晋介様。」

 

「ああ、そうだな。このあたりにしよう。」

 

そう答えて、持っていたブルーシートや飲み物をパラソルの下に準備する。

やはりというべきか、ペナは準備を待ちきれずにうずうずしている。

 

「はやくはやく!晋介急いで!」

 

「あー!分かってるから急かすなよ。」

 

ペナにものすごい勢いで急かされるので少しむっとしながら作業をしているとギルがスッと俺の横に寄ってきた。

 

「晋介様、私こちらの端を持ちますのでそちらを引っ張って貰えますか?」

 

「おお、ありがとう!ギルはやっぱり優しいな。」

 

こんなさりげなく手伝ってくれるなんて。ギルは絶対良い嫁さんになる・・・。

ギルのそんな姿を見てペナもそわそわして手伝いたそうにしている。

しょうがないな・・・。

 

「ペナ、こっちを持ってくれる?」

 

するとペナはパアッと顔をほころばせて

 

「うん!やってあげる!」

 

なんやかんやで皆優しいので三人で一緒に準備を済ませることができた。

少し準備で疲れたのか三人してパラソルの下でジュースを飲みだす。

ギルはマンゴー味、ペナはオレンジ味、俺はココナッツ味である。

チューチューと吸ってある程度喉も潤ってきた頃、ギルが残念そうに

 

「エマさんは来ないんですよね・・・?」

 

と聞いてくる。

 

「ああ、そうみたいだ・・・。」

 

そうなのだ、残念ながらエマちゃんは強い日差しが苦手らしく日中に海水浴はできないらしい。

本人が一番悔しそうだったのでなんとかしてやりたいんだが・・・。

あ、ちなみに師匠はお昼寝するから来ないそうです。

いや、自由すぎでしょ・・・。

まあ、そういう事情でこの三人で海水浴に来ることになったのだった。

 

ギルはそのことを聞いて残念そうにしたのもつかの間、にっこりとほほえみかけてくる。

 

「では、今だけは私たち二人が晋介様を独占できる、というわけですね?」

「そういうことだよな!」

 

うーむ、そんなにうれしいことかな?俺なんか独占してもどうしようも無いんだけど・・・。

まるでアイドルと勘違いされてるみたいだ・・・。

恐ろしや、モテ期!

でも、絶対逆だよなあ。役得なの・・・。

今も脚をプラプラさせながらうつぶせ気味にしゃべっている二人。

上に薄手の白いパーカーをおそろいできているが、その下から見えている白いすらりとした脚は破壊力満点だ。

これがパーカーを脱いだらどうなっちまうんだ・・・。ゴクリ

しかし二人ともそんな邪な目で見られていることには気づきもしない。

うーん、ほんとこの子達純粋!

そんなことを考えて美女二人を礼賛していると二人がいよいよ海水浴に行くのかパーカーに手を掛ける。

 

「よし!そんじゃー行きますか!海に!」

「ええ、そうね!早く行こう。」

 

珍しくギルもテンションが上がっているのか敬語が適当になっている。

うーむ、俺的にはいつもそれぐらいの方がかえって親しみが出てくるんだけどな・・・。

ペナがパーカーをはらりと脱ぎこちらを振り返る。

いくらかの恥じらいを浮かべたその顔に心臓が高鳴る。

水着の感想としては何を差し置いてもまず、綺麗だった。

日頃の子供らしい無邪気な雰囲気など微塵も感じさせない・・・。

露出した素肌はまぶしいほどに白く、スレンダーな体と見事に調和のとれた紺のビキニが映える。

プリッとしたお尻やくびれた腰、小ぶりながらもしっかりと主張する胸の膨らみ。

これらいずれもが彼女の女性らしい魅力を俺に伝えてくる。

ペナは何も言ってこない俺を不安に思ったのか泣きそうになりながら

 

「私の恰好・・・変・・・かな・・・?」

 

ときいてくる。

そんなわけない、むしろ逆だ。

こんなに魅力的に感じた女性は数えるほどしかいない・・・。

 

「そんなわけないだろ?ペナ、最高に綺麗だ・・・。」

 

にこやかにそう伝えてやるとペナは泣き出してしまう。

えーん、よがっだよ~と言いながら俺の首元にしがみついてすすり泣く。

俺の想像以上にペナは頑張って水着を着てたんだな。

よく頑張ってくれた、エライぞーと声をかけながら頭をよしよしと撫でてやると次第に泣き止んでくる。

泣き止むとえへへ~と笑いながら俺の顔に鼻をこすりつけて匂いを嗅いで楽しみだす始末。

やめろ!なんだその犬とか猫みたいな愛情表現は!ええい照れ臭い!

そう思いながらも強くは撥ね付けられない俺だった・・・。

そんなやりとりをしてペナは未だしがみついて離れないがもう諦めた。

すると、ギルが私の水着も見てくれますか?と寂しげにきいてくるので速攻でうん!是非とも見たい!という。

パーカーのファスナーをゆっくりとおろしていくギル。

いつもは揺るぎない自信を胸に秘めた強い女の子だと思っていたが、今は一人の恥じらう乙女と化している。

いよいよパーカーが取り払われ、ギルの水着姿が俺にお披露目される。

目に飛び込んで着たのはまず白と黒のコントラストだった。

ペナも肌が白かったがギルはさらに抜けるように白く、まるで上質のシルクでできたような滑らかで綺麗な素肌である。

しっとりとした質感が見ていても伝わってくるその柔肌が惜しげもなく俺の目に晒されているが決して嫌味な感じはせず、むしろ清涼感さえ感じるほどだ。

その真っ白な肌に黒色のシンプルなビキニが見事な調和を成し、女性らしい色香を感じさせてくる。

肉付きのいいお尻に柔らかでハリのある腰回り、確かな質量をもった形のいい胸。

それらが黒いビキニ、白い肌、そして何よりギルの美貌と相まって俺の脳髄を刺激する。

すげえ、こんなに妖艶で美しい水着姿、生まれて初めてかも知れない・・・。

言葉もなく見惚れていると、ギルもモジモジと居心地悪げに上目遣いでこちらを伺う。

 

「どう・・・ですか?私の水着・・・。」

 

そう言って下を向いてしまうギルちゃん。

呆然としていた俺は半ば勝手に思ったことを口に出してしまう。

 

「見たことないくらい、可愛くて、妖艶だ。」

 

するとこちらも嬉しげに顔をほころばせ俺の懐に飛び込んでくる。

ペナが独占していた懐だったが今は仲良くふたりで半分こして抱きついている。

なんだ・・・このハーレム展開は・・・。

これじゃあホントに両手に花だ。

まあ、全然悪い気はしないのでいいんだけど・・・。

二人が落ち着くまではこうしとこう・・・。

そう決めて、二人の頭を撫でてあげながら波音を楽しんだのだった・・・。

 

 

 

あの二人とも・・・、そろそろ離れません?

かれこれ30分はこうしてるんですけど・・・。

いや、さっきはカッコつけて「楽しんだのだった」とか言ったけどさすがにこれは長いよね?長いよね?

しかし、飽きもせずに二人ともとろ~んとした目つきで依然俺の頭ナデナデを楽しんでいる。

うーむ、そんなにいいのかな、俺の撫で方。

自分じゃわからん・・・。

と悩みつつも少し二人に声をかけてみる。

 

「おーい、二人とも?気持ちよさそうにしてくれてるのは嬉しいんだけど海で遊ばないの?」

 

それを聞くと二人ともしまった!という顔でこちらを見る。

ああ、忘れてたのね・・・。

 

「晋助様、いえ晋助くんおねがいがあります。」

 

うん?ギルが様付けから君付けに変えた!

なんかよくわからんがこれは嬉しい変化な気がするぞ!

と思いつつ

 

「何何?ギルのおねがいならなんでも聞いちゃうよ?」

 

と舞い上がりながら答える。

すると衝撃のおねがいが明らかになる。

 

「背中に日焼け止めを塗ってもらいたいんです!」

 

一瞬俺は固まった・・・夢かな?って・・・。

でも、さっきからくっついている二人の心臓の拍動や確かな重みが現実だと伝えてくる。

美女の背中に日焼け止め・・・。

一つの夢が叶ったよ・・・母さん。

 

歓びに打ち震えつつこう答えた。

 

「俺でよければいくらでも塗ってあげるよ!」

 

 

なので今、二人はうつ伏せに並んで寝転がっている。

チラとこちらを横目で伺いながら

 

「水着の紐・・・外してくれる?」

 

と聞いてくるギル。

おねがいされた通り上の水着の蝶々結びの片側を引っ張り解いてやる。

ハラリと紐がほどけ、少しでも動けば・・・という様な際どい角度である。

そして日焼け止めクリームを手にたっぷりめに付け優しくその綺麗な背中に指を這わせる。

ギルはその度にピクッと反応し甘いと息を漏らすので、心臓に悪い。

できるだけ無心を心がけて塗るが、彼女のすべすべした肌を触っていると否応にも意識してしまう・・・。

無心・・・無心・・・無心だ、俺!

まあ、この時点で無心ではないわな・・・。

すると横合いからペナも塗って塗ってといってくるのでそちらも塗ってあげる。

やはり、美少女といえど背中の感触は二人それぞれに違いがあることが分かってしまう。

ギルちゃんはモッチリ吸い付くような感触だったのに対してペナちゃんはプ二ッと張りのある感じだ。

優しく優しく手のひら全体を使って塗ってあげる。

脇腹のところなんかを塗ると、くすぐったそうにしたりするのがなんとも・・・。

そんなこんなで美少女二人の日焼け止めクリームを塗るという希有な経験を楽しんだ晋介だった。

 

 

その後、俺たち三人は海へと走り込んでいき、水を掛け合ったり、無駄に高い身体能力を生かしたアクロバットな放り投げ合いなんかをして海を満喫したのだった・・・。

かれこれ二時間弱もそんなことをしていると少し体も冷えてきたので二人に「上がろっか?」

と聞くと賛成してくれて今は片付けも終え、帰路についたところである。

まあ、五分もないんだけどね・・・帰路。

二人は俺の両腕をそれぞれに取って満足げに歩いている。

歩きづらいけど、この二人とそれだけ距離が縮まったと思えばうれしいことでしかない。

 

「二人とも楽しんでくれた?」

 

そう聞くと二人は満面の笑みでこう答えた。

 

「「うん!楽しかった!」」

 

よかった・・・。

こうして城に帰るとご機嫌なエマちゃんが出迎えてくれた。

しかし、俺の両腕に満面の笑みでしがみついている二人をみて、鬼の形相へと変化したことは言うまでも無い・・・。

 

 

 

 

 

あれからしばらくの間部屋で休憩し、空があかね色に染まってきた頃俺はエマちゃんの部屋を訪れる。

コンコン

ノックをすると中からハーイという声が聞こえドアが開かれると・・・

着心地良さそうなピンク色のパジャマを着たエマちゃんが出てくる。

かなりリラックスしていたみたいだ髪の毛が少しポワッと広がっている。

エマちゃんは俺の顔を見ると途端に顔を赤らめ焦り出す。

 

「え!なんで晋介が・・・!んん!どうしたの?何か用?」

 

めちゃくちゃ焦ったことをごまかすように淡々と話しかけてくるエマちゃん。

 

「寝癖、ついてるよ?」

 

そう言うと、え!どこ・・・!と髪の毛をあちこち触り出すエマちゃん。

かわいい・・・。

 

「ここだよ・・・。」

 

そう言って髪の毛を優しく直してあげる。

あ・・・と小さくつぶやき真っ赤になるエマちゃん。

 

「ありがと・・・。」

 

「どういたしまして。」

 

そう答えてポンポンと頭を軽くたたく。

うー、と上目遣いに見てくるエマちゃん。

どうしたんだ・・・?

 

「なんか良いように扱われてる気が・・・まあうれしいからいいんだけどさ・・・んん!ところで何しに来たのよ?」

 

小声ではじめの方ははっきりと聞こえなかったがこれからはもう少し頭触らないようにしよ!

 

「エマちゃん、今から海、行かない?」

 

と聞く。

エマちゃんは「え!」と驚きを表している。

 

 

「でも・・・晋介もう、一回行ったんじゃ・・・?」

 

「うん、行ったよ。でもエマちゃん、まだでしょ?」

 

そう聞くと顔をうつむかせ顔を赤くしている。

すると、エマちゃんの瞳から涙がこぼれ落ちるのが見える。

え・・・?エマちゃん、泣いてる?どうして・・・。

エマちゃんは顔をバッと上げ

 

「うん!私・・・ずっと海行きたかったの・・・晋介と皆と・・・」

 

そう言って笑いながら大粒の涙を溢し抱きついてくる。

そうだよな・・・つらかったよな・・・。

一人だけできないって言うのはつらい・・・だから師匠は残ったのかもな・・・。

やっぱり師匠はよく分かってくれている・・・。

でも、次は俺が喜ばせる番だ・・・。

俺は泣きじゃくるエマちゃんの背中をいつまでも・・・いつまでもさすり続けたのだった・・・。

 

 

 

 

昼間は肌を突き刺すようだった日の光が、今はゆらゆらと揺らめく灯火のように暖かな赤みを地上にもたらしている。

もうすぐ日没・・・。

生ぬるい風が俺の頬をなでていく・・・。

俺の前方には白のワンピースを揺らしながら軽やかに歩く金髪美少女。

陽光がきらきらと彼女の美しい金髪に反射する。

晋介!そう俺に呼びかけながら振り返る彼女。

夕日を背中に浴びているせいか顔が少し赤い。

 

「きれいだね!」

 

そう言ってはにかんでくる彼女は夕日の幻想的な美しさと相まって、どこか儚げに見える。

消えてしまいそうだ・・・。

どこにも行かせない・・・俺のそばにいてくれ・・・。

そんなどうしようもない欲求が俺の体を動かす。

気がついたら俺はエマちゃんを抱きしめていた。

俺のそんな行動にもおどろかず、エマちゃんもゆっくりと慈しむように俺の背中に手を回す。

しばらく彼女の存在を感じたかった・・・。

こうしていると彼女が確かに感じられる。

しばし、そのまま抱きしめ、満足した頃にどちらからとも無く離れる。

目を合わせる。

どちらも口元には笑みが浮かんでいる。

今しかない・・・。

そう思いポケットから箱を取り出す。

 

「これ、受け取ってくれるかい?」

 

そう聞くと、彼女は少し驚いた顔をして

 

「これ・・・私に?ありがとう・・・うれしい。」

 

一筋の涙が彼女の頬を伝う。

喜んでくれたみたいだ・・・よかった・・・。

 

「あけてもいい?」

 

「もちろん!」

 

ゆっくりと彼女は箱のふたを開ける。

 

「うわあ!綺麗なネックレス・・・。ありがとう、一生大事にするから・・・。」

 

彼女はにっこりとほほえみかけてくる。

この笑顔だ・・・。

報われた・・・こんなことだけですべてが報われる。

そんな瞬間が味わえるなんて想像だにしていなかった・・・。

 

「礼を言うのはこっちだよ。エマちゃんいつもありがとう。これからもよろしくな。」

 

「うん!よろしく、晋介。ねえ、これつけてくれる?」

 

「ああ、良いよ・・・。貸してごらん?」

 

そう言ってネックレスを受け取り彼女の後ろに回る。

彼女の細い首回りが目に入る。

綺麗だ・・・。

ネックレスはすんなりとつけることができた。

付け終わると彼女はゆっくりと体をこちらに向ける。

 

「どう・・・かな?」

 

ほっそりとした首に綺麗な鎖骨。

そこにきらりと光るハートのネックレスはとても似合っている・・・。

 

「エマ・・・すごく綺麗だ・・・。」

 

そう答えると俺は彼女の唇に口づけをしたのだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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