敵の子供のヒーローアカデミア   作:まゆう

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毎日投稿できるのこれが最後かも知れないです。


入学編 3

 雄英の入試が終わり1週間が経った。今、円と一佳の目の前には雄英からの通知が届いていた。

 

「さて、一佳どうする。一緒に見るか?」

「1人ずつ見たって結果は変わんないんだし一緒に見るよ」

「わかった。開けるぞ」

 

 雄英からの通知を円が開ける。

 

「これは?ビデオレターか?」

「そうみたいだね…」

 

 中に入っていたのは1枚の紙と1つのビデオレター。

 2人が困惑しているとビデオレターの媒体である小さな丸いチップからいきなり動画の再生が始まった。

 

『私が投影された!!』

 

「きゃっ!!」

「うおっ!」

 

 再生されたのはNo. 1ヒーロー、オールマイトだった。

 いきなりのことにびびったのであろう、一佳が円の腕を悲鳴を上げながら掴んでくる。

 

「随分かわいい悲鳴だったな」

「うるさい!今関係ないでしょ!そんなことより、これオールマイトよね…」

「多分そうだろ。しかし、なんでオールマイトが…」

 

 雄英からの通知だった筈だがビデオに映っているのはオールマイトだ。オールマイトと雄英の関係なんて卒業した母校であることぐらいしかないように思える。

 

『円城少年!拳藤少女!君たちは今私が映っていることに困惑していることだろう。その疑問にお答えしよう!!』

 

 そして何故かやたらタメを作って衝撃の言葉を放った。

 

『そう、なぜなら!!私が今年から雄英の教師を務めるからさ!!!』

 

「まじかよ…」

「え?ほんとに…」

 

 これには円も一佳も驚きを隠せなかった。つまりこれはNo. 1ヒーロー直々の授業を受けることができるということだ。

 全ては受かってからの話だが。

 

『さて、君たちの合格発表だが、恐らく2人で見ているのだろう。なのでまずは率直に!円城少年!拳藤少女!2人とも合格だ!!』

 

 オールマイトのこの発言に一瞬だが時間が止まったように円は思えた。

 

(今、なんて言った…)

 

 円が動きを止めていると隣から歓声が聞こえた。

 

「や、やったーー!!受かったよ円!私たち2人とも!!」

 

 一佳のこの喜びようからようやく円も合格を実感することができた。

 小さくだがはっきりとガッツポーズをとる。

 

「よっしゃっあ!!」

 

 円と、一佳の興奮が収まった頃を見計らったかのようなタイミングでまたビデオからオールマイトの音声が聞こえる。

 

『さて、ひとしきり喜んだ頃かな。ここで君達2人の成績だが、2人とも筆記試験は文句なし。十分の成績がとれている。』

 

 筆記試験に関しては問題ない、と腹をくくっていたが改めて教師側からそう言われるとホッとするものがある。円と一佳が一息ついたタイミングを見計らったかのようにまたも音声が聞こえる。

 タイミングが先程から完璧すぎた。

 

『そして、実技試験。円城少年が38ポイント、拳藤少女が25ポイント。このポイントだけで見れば円城少年はギリギリ。拳藤少女は足りていない』

 

 これは薄々気づいていたのだろう。一佳の顔が沈む。

 だが、一佳は合格している。つまりあの実技試験には仮想敵を倒す以外にもポイントを獲得する方法があったのだろう。

 円がそう予想を立てていると、音声の再生が再開される。

 

『さて、だが、君たちは2人とも合格だ。何故か。それは君たち受験者には説明されていないもう1つのポイントがあったからだ!』

 

 やはり、と円は思う。そしてここまでくればどのようなポイントなのかも予想がついた。

 恐らくはーー

 

『もう1つのポイントはレスキューポイント!しかも雄英教師陣の合議制!君たちの試験の様子はモニターで監視され、君たちの行動に応じてレスキューポイントがつけられていた!』

 

 やはりそのような感じのポイントだった。低いポイントでも合格できた一佳。そして、一佳なら恐らく色々な人を助けたりしていた筈だ。たとえそれで自分がポイントを獲得できなくても。

 

『まずは拳藤少女から。ポイントを獲得することにこだわらず、ピンチの生徒を救うその姿勢!我々はそれにヒーローを見たね。故に拳藤少女!レスキューポイント40ポイント!入試実技6位だ!おめでとう!』

 

 すでに一佳は泣き出している。自分の行動が評価されていたことが嬉しかったのだろう。合計65ポイントで6位。かなりの成績だ。

 

『そして次に円城少年!上鳴少年と協力し、周りの受験者を見捨てずに大型仮想敵に立ち向かっていった勇気!そして、君は自分のポイントを稼ぎながらも危険そうな周りの受験者を君の個性で救っていたね。素晴らしい成果だ。危ないところを君に救われた受験者は数多い。故に!円城少年!レスキューポイント45ポイント!合計83ポイント!君が入試実技1位だ!本当におめでとう!!』

 

「よっしゃっぁぁぁ!!!」

 

 円が、叫んだ。

 一佳が、びっくりしている。しかし仕方のないことだろう。10年間一緒に暮らしていてもこれほど感情を表にだす円は珍しいのだ。

 

『改めておめでとう2人とも!4月、君たちが入学してくるのを教師の1人として待ってるぜ!』

 

 ここで、再生は終わりかと思ったのだが、まだ映像は切れていない。疑問に思っていたところに再びオールマイトの音声が聞こえる。

 

『円城少年の両親。彼らとは私も戦ったことがあるよ。強い信念の元戦っていた。もし、君が望むなら私の知っていることで良いなら君に全てを話そう』

 

 この言葉を最後に映像は終わった。

 一佳が、さっきまで喜びようが嘘のように心配そうに円を見ている。

 

「円。大丈夫?」

「心配すんなよ。もう全部吹っ切れてることだ。これはオールマイトの余計なお世話だ。今はさ、雄英に合格したこと、素直に喜ぼうぜ!」

 

 円に、とって両親の死はすでに心の中で整理がついている。だからこそちゃんと笑うことができた。

 

「うん!そうだね!早くお父さんとお母さんに報告しに行こう!」

 

 2人で報告に行こうと部屋のドアを開けると、そこには今から報告に行こうとしていた2人が心配そうに立っていた。

 

 2人で顔を見合わせる。1つ頷いた。言葉はいらない。きっと態度だけで全て伝わる筈だ。

 

 2人は最高の笑顔で一佳の両親に向かってピースサインをした!

 

 一佳の両親の顔がほころぶ。すでに目には涙がたまっている。

 

 この後4人は、両親の涙が止まるまで家族で抱き合っていた。

 

 円城 円、並びに拳藤 一佳、雄英高校ヒーロー科合格!!

 

 ▽ ▽ ▽

 

 4月。

 新しい制服に袖を通す。もちろん雄英高校の制服だ。

 円と一佳は今日から晴れて雄英高校に入学する。クラスは円がA、一佳はBと別々だったが。

 

「さてと、一佳は玄関で待ってるって言ってたしそろそろでるか」

 

 登校用のカバンを待ち玄関に向かう。

 玄関には既に雄英の制服を着込み、準備を終えた一佳が待っていた。

 

「遅い!初日から遅刻とかシャレにならないからな!」

「大丈夫だって。この時間なら余裕だろ」

 

「「いってきます!」」

 

 両親への挨拶を済ませ、円と一佳は雄英高校へと向かった。

 

雄英高校に到着して早々。円は自分がどこにいるのかわからなかった。

 

「教室ってどっちだっけ?」

「ちゃんとパンフレット見ないから…。こっちだよついてきな」

「流石一佳だな。頼りになる」

 

 雄英高校は広い。パンフレットすら見ることのなかった円は教室の場所さえ分からなかった。

 これには一佳ならしっかり目を通しているだろうという打算があったが…。

 

「それじゃあ、私こっちだから」

「おー。また後でな」

 

 B組の教室の前で別れ、円は隣にあるA組の教室に向かう。

 

「おい、お前ドアの前で何してんだ?」

「うわぁぁっ!」

 

 A組のドアの前にはドアの前で固まっている男子生徒がいた。

 声をかけると大袈裟に驚く。

 

「A組だろ?教室入んねえの?」

「あ、いや、ドアの大きさに圧倒されて」

「確かにこれデカすぎるよな。俺は円城 円。まぁ、わかってると思うけどA組だ」

「あ、ぼ、僕は緑谷出久です。えっとよろしく円城くん」

 

 ドアの前にいた縮れ毛の生徒、緑谷と言うらしい。この生徒は確か、実技の説明のときに注意されてたなあ、と円は思ったのだが突っ込むのはやめておいた。

 

「おう、よろしくな緑谷。んじゃ、はやく入ろうぜ」

 

 緑谷の前に出てドアを開ける。

 

 開けた途端聞こえてきたのは男子生徒の怒鳴り声だった。

 どうやら足を机の上に乗せている生徒を注意しているらしい。

 後ろの方では、「ツートップ」という訳のわからない呟きも聞こえる。

 とりあえず自分の席に行こうと教室の中に入ると誰かが声をかけてきた。

 

「おーい、円城!入試ぶりだな!無事教室であえてよかったぜ。拳藤さんは?」

 

 声をかけてきたのは金髪のチャラそうな男子生徒。円の名字を呼んでいるしどこかであったことがあっただろうか…、と思いとりあえず円はこう言うことにした。

 

「誰だお前?」

 

 金髪の男子生徒、上鳴電気が膝から崩れ落ちる。どうやらかなりのショックを与えたらしい。

 これは謝らねばまずいだろう。

 

「冗談だ。久しぶりだな上鳴。お前も受かっててよかった。一佳はB組だ」

「お、お前冗談でも笑えねえからな!すげーショックだったっよ!一緒に大型敵と戦った仲だろ!」

「悪い、アホになってた印象強くてな…」

「うっ…」

 

 上鳴はさらにショックを受けたようで呆然としている。

 円は自分の席を見つけてそこに荷物を置き腰掛ける。

 教室の前の方では緑谷がさっき怒鳴っていた生徒と知らない女子生徒と談笑している。

 ちなみに、上鳴はまだ呆然としていた。ショックが抜けきれないらしい。

 仕方ない、と上鳴のフォローをしようと思ったところで前の方で何かがあったことに気づく。

 

「はい、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性にかくね」

 

 寝袋に包まれた恐らく教師だろう男が言い放った。

 なんだあれやばいな…、と円が思っていると寝袋の男はこう繰り返した。

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

 恐らくクラスの全員が驚愕しただろう。もちろん円も多少驚いた。こんなくたびれた感じの人が担任なのか、と。

 

 寝袋の男改め、担任教師である相澤は寝袋の中に手を突っ込み、体操服を出してこう続けた。

 

「さっそくだがこれ着てグラウンドに出ろ」

 

 雄英高校入学初日。初日から円に受難が降り注ぐ。




これにて、入学編終了です。

上鳴がかっこよすぎたり、主人公の口調安定しなかったりしたかも知れませんが多めにみてください。

書き溜めはないので、更新毎日はできなくなるかもしれませんが待っていただけたら嬉しいです。

最後に感想だったり評価お待ちしてます。
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