ん?「テンション低くないですか?」って?
そうなんですよ、実は….千歌ちゃんのバースデーエピソード書きたかった…!
まあ、私が話が思いつかなかったのと技術不足が原因なんで自業自得ですが…
1日遅れだけど、千歌ちゃん誕生日おめでとう
さて!今回はですね、TOKYO!ラスト!
と言いたかったんですけど、【〜編】でいい感じのサブタイが思いつかなかったので、変えちゃいました(^^;
話はライブから始まるのでご安心ください
それとオリキャラが新しく出てきますので紹介だけ先にしておきます
それでは今回もよろしくお願いします
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桜井 満生 (さくらい みつき)
東京に住む高校2年生
三度の飯より数学と物理が好きな理系バカ
龍騎と知り合ったのは中1の時で今でも仲のいい親友
龍騎の真実を知っている数少ない人物
朝6時
もう間もなく梅雨に入らんとしている空には暫く出番のないことを惜しむようにジリジリと照りつける太陽
かつて毎日のように通った住宅街を抜け、まだ朝早いにも関わらず交通量の多い道路の傍らを通り、スクランブル交差点を渡り待ち合わせ場所に向かう。
ここはUTXの前の広場
目の前には大きなモニター
このモニターが俺の今待つ人との出会いを与えてくれたと言っても過言ではない
「おーい!龍」
懐かしい声のする方を見ると、手を大きく振り、俺の名前を大声で叫ぶ親友の姿
名前は
俺がこっちに引っ越してから初めて出来た友達
何故かなんでも包み隠さず話せてしまう俺の数少ない
俺たちの出会いはここから始まった
「呼び出して悪かったな」
「いいさ、俺も会いたかったとこさ」
1年半ぶりに会うそいつは髪型や服装は少し大人びていたものの、中身は変わらずそのままで白い歯を見せ笑っていた
「最近はどうなんだ?」
「それがさ!聞いてくれよ、マクローリン展開とかサイクロイドとかもう楽しくて楽しくて…ちなみになそれってのは…」
「おいおい待て待て、また数学の話かよ」
「数学の楽しさを龍にわかってもらおうとだな」
「十分教えられたよ、誰かさんに」
こいつは本当に数学と物理が好きで『The 理系!』というレッテルが貼られたほど
テストでもこの2つだけはこいつに勝ったことがない
まぁ、他の教科で俺が勝つから総合では1回も負けたことはないが
「で、こんな朝早くにわざわざ呼び出してどうしたんだ?」
昨日千歌を寝かせた後、訳もわからずスマホを開き、気づけばメッセージを打っていた
『会いたいです』
ただその6文字だけを送って、重要なことが書いてないことに気づき
『UTXに6時』
とだけ打って寝た
朝起きて確認すると、〔AM0:00〕『了解』
とだけ書かれていた
「まず、ありがとう。これがずっと言いたかった」
「なんだよ改まっちゃって、苦しんでたから助けた、それだけだよ」
「本当にお前は優しすぎるんだよ」
「お互いにな」
なんだかおかしくて気づいたら2人して笑っていた
「どうせお前のことだ、まだ何かあるんだろ?」
「なぜわかるんだ…」
流石俺の親友。
なんでもお見通しってか
「千歌ちゃんのことだろ?」
「あぁ、正直どうするべきか」
「龍、お前後…」
「そうだよ、もしその通りならもう時間がねぇんだ。幸い今は何も出てないけど、もう何が起こったっておかしくない状況だろうよ」
「そうか、ふぅ…。正直龍が欲しい言葉を言えるかはわからない。お前に適当な解答を出すわけにもいかないしな。だけど、これだけは言える…
後悔しない方を選べよ」
「・・・!」
「いつか龍が俺に言ってくれた言葉だ」
満生が笑っている
「ったく、ほんと敵わねえな」
「一ファンとしてはお前を呪い殺したいけどな」
「やっぱ今の撤回」
満生もスクールアイドルが好きで今はaqoursを特に気にかけてくれているらしい
突然モニター画面が光る
そこには
Love Live!in AKIBA DOME
今年もLove Live!の開催が告げられた
「懐かしいな、もう5年も経つのか」
「俺達が初めて会ったのもちょうど発表された時だったな」
時は流れゆくもの
『時の流れは残酷だ』という人もしばしばいるが、俺は寧ろ逆だと思う
時間が流れなければこうして出会うこともない
有限の空間をどう利用するか、これこそ人生の最大のテーマだと思う
「龍、お前、なんで泣いてんた?」
「は?」
俺は気付かないうちに涙を流していたらしい
それがなぜなのか、嬉しさなのか、哀しさなのか、それとも全く別の感情からなのか、俺にはわからなかった
「龍の人生だ、好きなように生きろよ。あと、aqoursのこと頼むぞ!」
「おう、任せとけ」
俺は涙を拭き、拳と拳を合わせあった
この後、千歌達がやってきて満生が狂い乱れ、気絶しかけたのはまた別の話
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今回の大会は来場した観衆の投票によって順位が決まる
もちろんダンス、歌もそうだが、より印象に残すことも大事
aqoursは2番というお世辞にも印象に残るという点ではよいとは言えないが逆に考えれば最初からすごいのを見せられればそれが脳裏に焼き付いて離れなくなる
控え室では各グループが思い思いに過ごしている
aqoursもその中に
「梨子ちゃん緊張してる?」
「そりゃね」
「じゃあ!私と一緒に敬礼、おはヨーソロー!」
「おはヨーソロー?」
「緊張の解けるおまじないだよ!」
相変わらず曜はこういうのがうまいな
「ルビィちゃん…」
「やっぱり無理です…」
1年生組にとってはPVはあったとはいえ、実際舞台に立って歌うというのは初めてだから緊張するなという方が無理なのだが、これじゃあ歌えるのかどうか…
「ルビィちゃん、ふんばルビィ!ズラ」
にこっ
丸ちゃんの一言でなんとか大丈夫そうだ
「なぁ善子、さっきから何念仏唱えてんだ?」
「ヨハネ!これは念仏じゃなくて呪文なの!悪魔王サタン復活の…」「aqoursのみなさ〜んお願いします」
「呼ばれたぞ、行ってこい」
「ちょっと!私は無視?!」
善子は相変わらずだな、それとも緊張してるけど紛らわすためにあんな風に振舞ってるのかな
「りゅうくん…」
「心配するな千歌。大丈夫だ、ほら、そんな顔で歌うつもり?スクールアイドルは笑顔を届けないと」
千歌に一度深呼吸するように促す
「うん!よし!頑張るよ!」
「その意気だ、じゃあ俺は舞台の下手で待ってるから」
こうしてaqoursの初の東京でのライブが始まった
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1組目のパフォーマーは昨日会ったSt.snow
感想を簡潔に言うと、ただただすごかった
ダンスのキレ、歌声のバランス、何を取っても十分賞賛に値する
そして演技が終わり、
「すごかったよ」
「ありがとうございます、それでは」
会話とも言えないような短い言葉だけを残しステージを後にした
俺はも一度ステージに集中する
次はaqoursの番
しかしなかなか千歌が歩みを進めない
曜が何か言ったことで千歌も正気に戻ったが、おそらく前の2人の演技に圧倒されたのだろう
ただそんなこと気にしていてもしょうがない
今は自分達の演技に集中しろ、と心の中で思いながら見つめていた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
パチパチパチパチ
aqoursの演技が終わった
俺はこちらに来るみんなを拍手で迎える
今の演技を見て言える正直な感想は、あぁ、こんなもんか、と
確かに歌もダンスもミスはなかった、それだけでまだ駆け出しの彼女達にとっては十分なのだが、St.snowを見た後だと劣って見えてしまう
彼女達に労いの言葉をかけた後、控え室に戻り部屋内のモニターで他のグループの演技を見ていた
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場所は変わって東京の某タワー
まだ帰るには早いということで千歌の提案でここに登ったわけだが、やはりいくら周りがすごい人だらけと言えど、結果が悔しかったのかみんなの顔はどこか暗い
ただ1人を除いては…
「フッフッフッ、最終呪詛プロジェクトルシファーを解放!魔力二千万のリトルデーモンを召喚!」
ヨハネさんだけはこの東京という解放的空間を謳歌しているらしい
「お待たせ〜!」
そこに千歌がアイスを買って帰ってきた
「うわ〜!何これキラキラしてる!」
「千歌ちゃん…」
「それにこれもすごくおいしいよ!はい、食べる?」
「うん、ありがとう」
「はい!ルビィちゃんも!」
「ありがとう」
みんなにアイスを配る千歌の顔はみんなほど暗いものではない
寧ろいつも以上の明るさに見えた気がする
「全力で頑張ったんだよ?私ねっ、今日のライブ出来は1番いいと思った。これも出てたしますも1番少なかったし、「でも、」それにね!」
梨子が何か言いたそうだったが、千歌は気にせず続ける
「周りはラブライブ本戦に出場するグループなんだよ?優勝できなくて当たり前だよ」
「だけど、ラブライブで優勝しようと思ったら、今日の人達みたいに上手くなきゃいけないってことでしょ?」
「それはそうだけど…」
「私、St.snowの演技見た時に思った。
これがトップレベルのスクールアイドルなんだって、これくらい出来なきゃダメなんだって。でも、彼女達は入賞すらしてなかった。あの人達でもダメなんだって…」
「ルビィもそれは思った…」
「マルも…」
「な、何言ってるの?あれはたまたまでしょ!天界の放った魔力によって…」
「何がたまたまなの?」
「何が魔力ズラ?慰めるの下手すぎズラ」
「何よ!人が気遣ってあげてるのに!
「そうだよ!今はそんなこと考えてもしょうがないよ」
千歌が言葉をかけるが、やはり曜と梨子は納得がいかない様子
「俺達はこうして5000もの中から選ばれて、この東京に呼ばれた。そして、aqoursとして
今回はそれで十分だろ。こういう機会をもらってハイレベルの演技を見ることもできたんだ、それだけでいい収穫だよ。
さっ!今はせっかく東京に来てるんだ、もう少し見て回ろうぜ」
この重苦しい空気を打開しようと言葉をかける
すると千歌のスマホが鳴った
「はい、高海です」
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今再び大会の会場へ来ている
何やら主催者の方から渡し忘れたものがあるからと電話が来たらしい
「ごめんね、呼び戻しちゃって」
俺達が到着すると既にあの元気な女の人が待っていた
その人は青い封筒を千歌に手渡した
どうやらこれが渡しそびれた物らしい
よく説明を聞くと、今回の大会の順位、すなわちお客さんからの投票数を示したものらしい
そしてその女の人は封筒を手渡し何やら意味深なことを言うと、逃げるように去ってしまった
「見る?」
「うん」
千歌が封筒から2枚の用紙を取り出す
そこには上位グループだけでなく、出場グループ30組の名前と得票数が書かれていた
『9位 St.snow・・・・』
9位にSt.snowの文字が。
あれだけのパフォーマンスをしてもまだ上に8組もいるのか…
それにしてもaqoursの文字が見当たらない
用紙は2枚目に差し掛かる
その紙の1番下、つまり30位にaqoursの文字が。
「30組中30位…」
「ビリってこと?!」
「わざわざ言わなくてもいいズラ」
まあ、でも30位でもおかしくはない。
寧ろまだ出来て数ヶ月のグループがこの熾烈なスクールアイドル戦争を勝ち抜けるのであれば、そんなに楽なことはない
ただ…
「得票数はどれくらい?」
「えっと…」
視線を右の方にずらす
『・・・・・・ 0 』
そこには0とだけ書かれていた
十の位に何か数値があったわけでもなく、ただ0とだけ…
aqoursは東京の人からは全く評価されなかったのだ。
これがaqoursに突きつけられた確かな現実…
千歌は信じられないといった表情で未だに用紙をじっと見ている
「お疲れ様でした」
そこにはSt.snowの2人が
「素敵な歌で素晴らしいパフォーマンスでした。ただ、もしμ'sのようにラブライブ!を目指しているなら…諦めた方がいいかもしれません」
「バカにしないで…ラブライブ!は遊びじゃない!」
妹の方はわずかに涙を浮かべていた
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外もすっかり真っ赤に染まった頃
電車で内浦に向かっていた
中の空気はやはり重苦しいままだが
「泣いてたね、あの子。悔しかったんだ、優勝できなくて」
「だからって、ラブライブ!もバカにしないで!なんて…」
「でも、そう見えたのかもしれない」
自分達では良いと思っていたことでも、他人からしてみたら悪いと見られることなんてよくある
今回もそれで、おそらくSt.snowからしたらaqoursのパフォーマンスはただのお遊び程度にしか見えなかったのだろう
もしかしたらあの姉の方の褒め言葉もそのことに対する皮肉にすぎなかったのかもしれない
「私はよかったと思うけどな」
「千歌ちゃん?」
「精一杯やったんだもん、りゅうくんも言ってたけど、頑張って努力して東京に呼ばれたんだもん、それだけですごいことだと思う」
相変わらず千歌だけはずっと落ち込んだ顔はしない
「胸張っていいと思う!今の私達の精一杯ができたんだから」
そう言ってまた笑顔を見せる
「千歌、お前はさ…「千歌ちゃんは悔しくないの?」
曜が俺を遮って俺の言いたかった言葉を言う、他の4人も思っていたのか思わず声が出る
「そ、そりゃあ少しは…でも満足だよ。みんなであそこに立てて、嬉しかった。」
「そっか」
曜のそれを最後に車内で会話が生まれることはなかった
俺はその間ただ沈んでいく夕陽を眺めていた
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あれから1時間は経っただろうか
空はすっかり暗くなり、駅の街灯が光を灯していた
沼津に着くとaqoursはいろんな人、主に千歌や俺のクラスメイト達に出迎えられた
当然のことだが、東京はどうだった?とかライブ上手くいった?などの質問攻めに遭う
千歌達はなんとなく答えてはいるがその表情はやはりいつもの元気なそれとはほど遠かった
「お帰りなさい」
「お姉、ちゃん…?」
出迎えてくれた人の中にダイヤちゃんもいた
ルビィは自分の姉を見つけると忽ち泣き出してしまった
「よく頑張ったわね」
ダイヤちゃんもそんな妹を泣き止むまで抱きしめていた
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駅から少し離れた場所
ダイヤちゃんに話がありますと言われ、人目のつかない場所に移動した
千歌は今回の東京のライブの成果をありのままに話した
「0ですか、やっぱりそうなってしまったのですね。今のスクールアイドルの中では…」
『0』
これがaqoursに突きつけられた現実
あれだけの観衆がいても、たとえランキングで爆発的な支持を得ても、実際に認めてくれたのはたった1人もいない
「最初に言っておきますが、あなた達が決してダメだったわけではありません。スクールアイドルとして見てくれる人を楽しませるに足りるだけのパフォーマンスもしている。
でも、それだけではダメなのです。もう、それだけでは…」
aqoursは結成して2ヶ月、なんとか人に見せれるだけのパフォーマンスは出来るように練習を積んできた
実際それで今回東京にも呼ばれた
しかし、それだけではダメだと言うのは…
「ダイヤちゃん、どういうこと?」
「7236、何の数字だかわかります?」
7236。全く見覚えのない数字
「去年最終的にラブライブ!にエントリーしたスクールアイドルの数ですわ。第1回大会の10倍以上」
「そんなに…」
第1回大会。
μ'sやA-RISEが全スクールアイドルの先頭に立って大会を盛り上げ、スクールアイドルを広め、最終的には秋葉ドームで開催するようになった
その影響により年々参加者は増え、レベルが向上していった
「だから仕方のないことなのです、あなた達が支持されなかったのも、
ダイヤちゃんが初めて自分達の過去について触れた
2年前
ダイヤちゃんや果南姉、マリーが現在の千歌達同様、統合になるという噂があった浦の星を救うためにスクールアイドルを始めたこと
そして、なんの縁なのか千歌達と同じく東京に呼ばれたこと
そして、
全てありのまま、いや、ダイヤちゃんの話せる限りのことは話してくれた
ダイヤちゃんがあの時、千歌達を嫌われてでも止めようとしたのは、自分達のような
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「ねぇ、龍」
「どうした?」
千歌達と別れ、曜を家まで送り届ける途中、曜が沈んだ声で俺に話しかけてきた
「私、あんなこと言っちゃったけど大丈夫かな?」
「あんなこと?あぁ…」
それはみんなとの別れ際、曜は車に乗り込む千歌に
『千歌ちゃん、スクールアイドルやめる?』
いつもずっとやってきた幼馴染のやり取り
千歌はそんな風に言われるとすごく燃える
なのに、今日は無言のまま車に乗り込んでしまった
「大丈夫さ、あいつにだって気合や勢いだけで決められないことだってある。少し自分を見つめ直したいんだろうよ、曜が気にすることじゃないさ」
「うん、ありがと…」
「曜、千歌のことどう思う?」
「どうって?」
「いやな、俺も場を和まそうとして千歌に便乗したりした部分もあるけど、あいつ自分がリーダーだからって変な責任感感じてるんじゃないかなってさ。終始笑顔のもさ、何か無理してるんじゃないかなって」
「私もそれは思った。『悔しくないの?』って訊いた時も千歌ちゃん顔は頑張って笑顔作ろうとしてたけど、やっぱり無理してるなって思った」
「ふっ、なんか嫌だな。こんなにも近くにいると何も言わなくてもどんなこと考えてるのかわかっちまうなんて、幼馴染ってのも考えようだな」
「私はよかったと思うよ、千歌ちゃんと竜と出会えて、いっぱいお互いのこと知れて。だからこそ、私はスクールアイドルを続けたい!またaqoursで、7人でステージに立ちたい!」
「7人って俺も入ってるのかよ」
「まあまあその辺は気にせずに」
話してるうちに曜がいつもの調子に戻ってきた
表情も明るい元気な曜だ
「よし!じゃあ明日の朝、千歌の家にでも行くか」
「えっ?なんで?」
「なんかいつかの梨子の真似して海に入ってる千歌が思い浮かんだから」
「ふふっ、何それ」
気がつくと曜の家の前まで来ていた
「じゃあ、明日迎えに来るからちゃんと寝坊するなよ」
「わかってるよ」
「それじゃ、ゆっくり休みな」
「龍もね」
軽く手を振り、踵を返し家に向かう
どうでもいいけど、こんなにギターって重かったかな…
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翌朝、自転車で曜の家に向かうと既に玄関の前で立って待っていた
「もう!遅いよ!」
「いや、まだ約束の5分前なんだけど…」
「うるさい、女の子を待たせるのは罪だよ」
「左様でございますか…」
もうすっかりいつもの曜に戻っていた
あっ、今のはいつもの様子と曜をかけて・・・
なんて千歌がいいそうな言い回しになったが…
やめよう、くだらない
俺は曜に荷台に座るよう指示する
「じゃあ、行くか!」
「全速前進!ヨーソロー!」
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十数分後
十千万の前に自転車を停める
「ほら、いただろ?」
「本当に海に入ってるし」
俺の予言した通りそこには海に浸かっている千歌と砂浜に梨子がいた
「曜、行かないのか?」
「うん、ちょっと見てる」
その行動をとる曜を少し不審に思ったが、彼女なりに理由があるのだろうと敢えて追究はしなかった
海の方から2人の会話が聞こえてくる
「私まだ何も見えてないんだって、この先に何があるのか。
このまま続けても0のままなのか、それとも1になるのか、10になるのか。
ここでやめたら全部わからないままだって」
「千歌ちゃん…」
「だから私は続けるよ!だってまだ0だもん。0なんだもん…」
この距離でも千歌の声がはっきり聞こえる、その声が弱々しくなっていくことさえわかる
「0なんだよ、あれだけみんなで練習して、歌も作って衣装も作ってPVも作って、頑張って頑張ってみんなにいい歌聴いてほしいって。
スクールアイドルとして輝きたいって…」
千歌の声が段々と大きくなる
すると突然自分の頭を叩いた
「なのに0だったんだよ!悔しいじゃん!」
また自分の頭を叩く
曜も見ていられなくなったのか千歌の元へ向かおうとするが、彼女が喋り出すとまた止まって千歌の言葉に意識を集中させる
彼女が初めて言った本当の気持ちをしっかり聞き取る
「差がすごくあるとか、昔とは違うとかそんなのどうでもいい!悔しい。やっぱり私、悔しいんだよ…」
気づけば千歌の声は涙交じりの声になっていた
『悔しい』
彼女が隠していた本当の気持ち
人間らしい純粋な感情
それを彼女はリーダーであるが故の責任感で隠し続けていた
梨子が千歌を抱き寄せる
「やっと素直になれたね」
「だって私が泣いたらみんな落ち込むでしょ?今まで頑張ってきたのに、せっかくスクールアイドルやってくれたのに…みんな悲しくなっちゃうでしょ…?だから…」
そんなこと考えてたのか
ほんとバカ千歌だな
「お兄ちゃん」
「ルビィ!?それから丸ちゃんと善子まで」
「だからヨハネ!」
いつの間にか1年生トリオまで来ていた
みんなも千歌の事が心配だったらしい
「ばかね、みんな千歌ちゃんのためにスクールアイドルやってるわけじゃないの。自分で決めたのよ、私も…」
梨子と千歌がこっちを向く
「おーい!」
少し離れて見ていた曜が2人に向かって手を振る
そして4人とも千歌の元へ駆け出す
「曜ちゃんもルビィちゃんも花丸ちゃんも、もちろん善子ちゃんも」
「でも…」
「だからいいのよ、千歌ちゃんは感じたことを素直にぶつけて」
「千歌ちゃん!」
みんなが笑顔で千歌に歩み寄る
「みんなで一緒に歩こう!一緒に。」
千歌の泣き声が内浦の海に響く
「今から0を100にすることは無理かもしれない。でも、1にすることはできるかも。私も知りたいの、それができるか」
梨子が微笑む
「うん!」
千歌にやっといつもの千歌らしい笑顔が見られた
そして6人が集まった所には雲が晴れ、太陽の光がスポットライトのように当てられる
それはまるで、もう一度輝いてみせろと言わんばかりの光量だった
俺も千歌達の元へ向かう
しかし…
「うっ…」
突然激しい頭痛とめまいに襲われる
ドサッ
俺はそのまま気を失い砂浜に倒れこんでしまった
「え、ちょっと!りゅうくん!?」
「龍!どうしたの?!」
みんなが龍騎の所へ向かう
空はまるでaqoursと龍騎との間を隔つかのように青空と曇空で割れていた
長くなって申し訳ないです
自分でも途中何が書きたかったのかわからなくなりました(^^;
2連続で最長記録更新でございます笑
龍騎を襲った突然の頭痛、めまい
いったい彼に何があったのでしょうか
アニメだと次は『未熟Dreamer」ですが、ここでオリ話を挟むと思います
次回もよろしくお願いします
またお気に入り登録してくださった方々ありがとうございます
感想、評価等の方もよろしくお願いします