博麗の(やる気の無い)神主   作:執筆使い

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大変長らくお待たせしました。新異変、開幕です。





永夜異変
どう見ても満月だろ? 面倒くせぇ


 

 9月末、満月を眺めながら団子を食べる季節。それは幻想郷の人里でも例外無く行われていた。

 

 

「ふぃ〜、月見酒ってなぁやっぱ格別だなおい! とりまのんびりとしやすか」

 

 

「ええ、最近色々とあったしね〜。偶にはこういうのも良いかもしれないわ〜」

 

 

 そんな平和な幻想郷では、博麗の神主も博麗の巫女も態々表に動くことなどせずにのんびりと境内で酒に興じている。

 

 

「飲んどる場合かーッ!!」

 

 

 だがそれはあくまで普通の人間視点での話。妖怪達は今現在確かに感じている不完全な満月を見て、態々博麗神社へと集まり緊急会議を開いている。

 

 レミリアと咲夜の紅魔館組、妖夢と幽々子の白玉楼組、魔理沙とアリスの魔法使い組、幻想郷の事実上の管理者である紫という錚々たるメンツがシリアスな雰囲気を醸し出している状況だというのに呑気に酒を飲んでいる2人を見て、数少ないツッコミ担当である魔理沙は思わずそう叫んだ。

 

 

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「別によぉ、満月がちょっと欠けるぐらい別に良いだろうが。サブリミナル効果でカタツムリになる訳でもないし」

 

 

 酔い覚ましに水を一杯拝借してから話に入る神主。しかしその水、神社にて手や口を清めるためにあるヤツなので、バチ当たりな事この上ない。しかも知っててやっているのだというから流石駄神主と言うべきである。

 

 

「そのちょっとが駄目だとどうしてわからないのかしら? 博麗の駄神主」

 

 

「あん? なんか言ったかマダオ?」

 

 

 駄神主のセリフに物言いをしたのは吸血鬼であるレミリア。満月というのは自分を含めた人ならざるもの達にとって数少ない、魔力を満たす日でありそれがなかったら最悪死に至る事だってある。

 

 つーか、このクソ野郎のせいで自分は妹に舐められっぱなしだからムカつく。という心境もあり殺気を含めた声色で話しかけたのだ。

 

 

「波紋疾走でテメェの首から下消滅させてやろうか? マダオ吸血鬼」

 

 

「そっちこそ、ロードローラーでぶっ潰しても良いのよ? 博麗の駄神主」

 

 

「何でだぁぁぁぁぁぁ!? まじでお前ら前世で何かあったレベルの仲の悪さじゃねぇか!? 何で出会ったら即喧嘩に発展するんだよ?!」

 

 

 紅魔館の連中と博麗の神主は滅茶苦茶仲が悪い。何せ各々がムカつく訳(詳しくは紅霧異変を参照)理由を持っているわけで、しかもそれに関して駄神主は一切謝罪しないのでフラン以外は彼に対してこんな感じの態度をとる。

 

 それが毎回起きるのでツッコミ気質の魔理沙は叫ばずにはいられなかった。哀れ魔理沙、お前は既にツッコミ役だ。

 

 

「あら...少し遅れて来てみれば随分と面白そうな事をしてるじゃない」

 

 

「「!?」」

 

 

 しかし、そんな茶番も突如終わりを迎えた。ある人物...太陽の畑の管理者であり実力、残虐性共に幻想郷トップクラスの大妖怪、風見幽香。最早シリアスを通り越してスプラッタが起こりそうなオーラに喧嘩していた2人も、それ以外の全員も息を飲んでしまう。

 

 

「あら? 喧嘩はもう終わりかしら?」

 

 

「な、ナンノコトカナー。俺とこいつはマブダチ、喧嘩なんてあり得ないじゃないっすかー...なっ!」

 

 

「え、ええ!! 私達は親友同士ですもの!!」

 

 

 このまま続けたら地獄を見る。知っている駄神主は兎も角初対面のレミリアにさえそう思わせる彼女はまさしくアルティメットサディスティッククリーチャーの名を冠するに相応しいそれだった。

 

 漸くシリアスな雰囲気に戻り、今回の事件とそれを解決する手立てを話し合い始める。その際何時もは不真面目な駄神主がきっちり正座して話を聞く行動をとっている事から、彼女が如何に恐ろしい妖怪なのかがわかるのであった。

 

 

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 今回の異変はどうやらその性質上人間と妖怪の二人一組ペアで各々行動をしなくてはならないらしい。これに異議を申し立てたのは言わずもがな博麗の神主。というのも

 

 

「いや待てや。妖怪組は俺苦手だっての知ってるだろ...ペース乱されるわ仲が悪いわ面倒くせぇわd「おっと手が滑った」ごふぅ!?」

 

 

 紫、レミリアとは仲が悪く、幽々子に関してはなんかペースを乱されるし、幽香に関しては論外、アリスとは余り面識がない。ある意味真っ当な意見ではあるがそもそも彼の内心は面倒臭いが9割を占めてる。そういう訳ですぐさま黙殺(物理)された。

 

 そんなこんながあったペア分けは相性や互いの能力やらを考慮した結果、以下の通りになった。

 

 

 霊夢&紫ペアの『幻想の結界チーム』

 

 

「残念だったわね、霊夢」

 

「何言ってるの? 全然悔しくないわ (零治とペア...ぐすん)」

 

 

 魔理沙&アリスペアの『禁呪の詠唱チーム』

 

 

「やった...やったぜ! 漸く(ツッコミから)解放される!!」

 

「あら、それじゃあ私がボケに回って「それだけはやめてくれアリス!?」...冗談よ」

 

 

 咲夜&レミリアペアの『夢幻の妖魔チーム』

 

 

「咲夜...わかってるわね?」

 

「はい、あの駄神主の抹殺でございますねお嬢様「オイコラテメェら」」

 

 

 妖夢&幽々子ペアの『幽冥の住人チーム』

 

 

「焦らずのんびりゆっくり行きましょうか、妖夢」

 

「いやそれだと駄目なんですって、幽々子様」

 

 

 

 此処までは問題ない。メタイ話が原作通りのペア分けなので異変解決では一切の問題がない...だが最後の一組が問題だった。というか問題しかなかった。

 

 

 神主&幽香ペアの『究極の外道チーム』

 

 

「よかったわ。貴方以外骨が無さそうだったもの」

 

「ちょっと待てやァァァァァァァ!? 何で俺がこの人とペアなんだ?! どう見ても余ったからほい、って感じだろこれ?! あれか!? この前実写版ジョジョに関してボロクソ言ったからなのか?! そうだとしたら理不尽な事この上無いぞおい?!」

 

 

 ある意味予想通りの結果であり、本人からしてみれば残酷な結末となったペア分け。余りの事によくわからないセリフを口走り始めてしまう駄神主。それだけだったらいつも通りの彼が酷い目に合う一コマで済むだろうが、冷静に考えてみてほしい。

 

 博麗の神主も風見幽香の様に自主的に動こうとはしないが、一度動いてしまえば冷酷な悪人の如く外道な戦い方で勝利をもぎ取るタイプなのだ。そこに容赦のカケラもない。つまりは似た者同士がペアになってしまった訳で...

 

 

((((や、ヤベェ。残りものがどう見ても不幸しかない)))

 

 

 その事に気付いた人間組が恐怖に陥り、まだ見ぬ黒幕と立ちはだかるであろう敵たちに対して思わず心の中で合掌してしまう程だった。

 

 

「...もういいや。どうせ面倒くせぇ事しかないんだったら...八つ当たりだゴラァ! 立ちふさがる奴は全部ぶっ潰す!!」

 

 

「ふふっ...腕がなるわぁ。こんなにもいじめがいのある妖怪が沢山出てきているんだもの...幾つの血が流れるのかしら?」

 

 

 

 

 それはそれは不幸だっただろう。何せ幻想郷で最も動かしてはいけない人物...その上怒らせてはいけない人物を動かしそして怒らせてしまったのだから。故に、人間組の彼女らにできる事は何も起こらない様に祈る事であった。

 

 

 To be continued...

 

 

 

 

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