博麗の(やる気の無い)神主   作:執筆使い

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※パチュリーが酷い目に遭います







面倒くせぇけど本気出すか

 

 

 想像を絶する強さを持つ2人の人物が戦うとして、狭い個室で収まる範囲であるのだろうか?

 

 

「お兄さん強いんだね! 中々壊れないなんて!!」

 

 

「こちとらしぶとさが売りなんでなぁ!!」

 

 

 答えは否。戦闘を開始してすぐさま頑丈な造りの部屋は消滅(その際魔理沙は辛うじて避難した)し、2人は戦いの場所をすぐ近くの図書館へ移す。

 

 

「むきゅう...今の音は一体...フラン!? 不味い!!」

 

 

 丁度タイミング良く起きた図書館の所有者である魔女...パチュリー・ノーレッジが状況をすぐさま理解して結界を張る。

 

 ギリギリで間に合ったそれは2人の戦いの余波を最小限に抑えて館の破壊を防いでいる。だが、あくまで図書館全体を覆う結界なので自分に降りかかる流れ弾までは防ぐことができない。

 

 

「ぜぇ...ぜぇ...危ない!? っく...こんな事なら...ゴホッ、ゴホッ...運動の一つでも...ゴフッ、ゲホッ...すれば良かったわ」

 

 

 身体能力が極端に低く、喘息気味の彼女は2人の流れ弾を命懸けで避けることを強いられていたのだった。

 

 

 

 

『禁忌 クラウンベリートラップ』

 

 

 幼い吸血鬼の少女...フランドール・スカーレットが宣言とともに攻撃を開始する。それは彼女が遊びに本気を出し始めた証拠であった。

 

 魔法陣が幾つか出現したかと思えば、それらは神主の四方を囲む様配置され赤と青のエネルギー弾を発射する。それらを幾つかは回避し、残りは熱エネルギーを纏った腕で弾き飛ばす神主。

 

 

「まだまだ! 鬼ごっこは相手を捕まえるまで終わらないよ!!」

 

 

 だが、それらは全て軌道を変えて再び神主に襲いかかる。所謂追跡弾であるこのスペルカードは狙った標的を捕まえる(殺す)まで追いかける弾を発射するものだった。

 

 

「ちっ...随分と面倒な技を初っ端なからぶっ放すんじゃねぇよ!!」

 

 

『冷熱 水蒸気爆発』

 

 

 逃げ惑う神主から煙が噴き出し始める。それは、周囲の水分を冷やした事により目視出来る様になった水蒸気であった。それらが赤と青の弾幕を包み込んだ事を確認した彼は急激に熱する。

 

 

「爆ぜろ」

 

 

 轟音。外の世界で水蒸気爆発と呼ばれるその現象は強力な弾幕を無理矢理消しとばした。

 

 更に、その爆風を持ってスピードを上乗せしつつ拳を握りながら少女へ突っ込む。これがプロの戦闘員であればすぐさま迎撃に移るなりするだろうが、生まれた時から一人ぼっちで、戦う事など知らなかった彼女はただただその様を見つめるだけだった。

 

 

「そしてくたばれ」

 

 

 彼の拳が突き刺さり、吹き飛ばされる吸血鬼。そのまま地面に激突し、本棚を破壊して、一つの巨大なクレーターを形成する。

 

 

「...ふぅ。とりあえず今の内に糖分補給、っと」

 

 

 そう言って、懐から2本ほど串団子を取り出し頬張る。もろ戦闘中だというのにこの余裕、流石駄神主は伊達じゃない。

 

 

『禁忌 レーヴァテイン』

 

 

「キャハハハハハハハハ!!!」

 

 

 だがすぐさま、炎の剣を携えた少女が神主に襲いかかった。当たるどころか掠っただけでもその桁外れの温度により灰になってしまう炎剣。それを見た彼は食べ終えた2本の串を構えて技を宣言する。

 

 

『氷刻剣 ドライサーベル』

 

 

 串は凍り、2本の剣となって少女の技を防いだ。向こうが高い温度であればこっちは低い温度である。触れるだけで火傷をする程の低温である双剣は空気が抜ける様な音を放ちながら炎の太刀を確実に受け止める。

 

 

「面白い...もっと...もっとないの!!」

 

 

「ちっ...面倒くせぇ」

 

 

 だが相手は吸血鬼。いくら幼いといえど、単純な力比べでは劣ってしまう。その事をわかっているのか彼は敢えて間合いを離して体制を整える。

 

 

「早く...早く見せてよお兄さん!!」

 

 

 駄々をこねる子供の如く、彼女は剣を振り回して鬱積を晴らそうとする。だが、敢えて彼は最小限の動きで避けた。無駄な動き程面倒くさいものはないと考えている博麗の神主...そんな彼が本気を出す場合、普段のド派手な技だけでなく、地味で確実な大技を叩き込んだりもするのだ。

 

 

「うざってぇ...餓鬼の相手は大っ嫌いなんだよ。クソが」

 

 

 それでも中々近付けないので、余裕な見た目とは裏腹に内心物凄くイラついている。

 

 戦いにおいて重要なのは有利に運んでいるかではなく、如何にムカつく相手をぶっ飛ばせるかというなんともらしいこだわりを持っている彼にとって、この状況は我慢ならないものだった。

 

 

「ったくどうすりゃあ...ん?」

 

 

 ふと、彼の視線の先に一人の紫もや...失礼、一人の魔女が映った。そして、外道である駄神主はすぐさま行動に出た。

 

 

「ぜぇ...ぜぇ...って、なんでこっちに...!?」

 

 

「一編死んでこいや紫もやしぃぃぃぃ!!」

 

 

『生贄 人間ミサイル』

 

 

「ちょ、それルールいは、むきゅうぅぅっぅぅぅぅ!?」

 

 

 凍った双剣をバットの形にして、紫の魔女を吸血鬼の方へとぶっ飛ばした。最早外道を通り越して人の皮を被った悪魔である。

 

 そのまままっすぐと突っ込み激突するパチュリー。追撃として駄神主が弾幕を何発か放った為爆発に包まれた。

 

 

「む...きゅう...」

 

 

 哀れパチュリー・ノーレッジ。彼女は外道によって死に掛けとなったのであった。

 

 

「あははは! 面白い!! チャンバラごっこは飽きちゃったし...今度は何して遊ぼうかな?」

 

 

 しかし、彼女の犠牲はただ単に幼い吸血鬼を喜ばす事しか出来なかった。所詮もやしはもやし、そもそもダメージを与えられる要素など何処にもない。

 

 

『禁忌 フォーオブアカインド』

 

 

「「「「決めた! いっぺんに沢山の遊びをしよ!!」」」」

 

 

 言うが早いか、少女は4人に増える。分身特有の力が4等分になってしまうとかそういったものは全くなく、単純計算で4倍の力を彼女は持ったということになる。

 

 更に、無邪気な少女の残酷な提案はここまででは終わらない。終わるわけがない。

 

 

『禁忌 カゴメカゴメ』

 

『禁弾 カタディオプトリック』

 

『禁弾 スターボウブレイク』

 

『禁弾 過去を刻む時計』

 

 

「4人に増えた上にそれぞれ違うスペカ使うとか...反則じゃねぇか」

 

 

 先程紫の魔女をぶっ飛ばした駄神主が言えたセリフではないが、まさしく目の前に広がっていたのは反則的な量の弾幕であった。最早避ける隙間など無いに等しく、余りの光の量で目に悪い仕様となってしまってる。

 

 この量を避ける事は不可能である。故に彼がとった行動は

 

 

「しょうがねぇ...本気出すか」

 

 

 弾幕戦においての文字通りの切り札を使う事だった。この技は博麗の巫女が用いるとある技同様、制限が科せられている。

 

 

『化学 吸熱反応』

 

 

 一回の戦いにつき一度しか使えない技...彼女が放った全てのエネルギー弾が彼の翳す左手に吸い込まれる。その技は...エネルギー弾を主に用いる弾幕戦においては無敵の強さを発揮する。流石に博麗の巫女のあの技程理不尽な仕様ではないが、それでも脅威な事この上ない。

 

 

「さて...俺は外道なんでな...このまま何もしない程、甘くはないぜ」

 

 

 外道は黒い笑顔でもう一つの技を発動する。

 

 

『化学 発熱反応』

 

 

 吸収したそのエネルギーを左手に凝縮して4人に放つ。もうこの時点で、神主の勝利は確定する。

 

 

「残念だったな。俺が大人気ないクソ野郎で」

 

 

 鳴り響く巨大な轟音。それによる爆発は、少女どころか図書館、ひいてはまだ辛うじて張られてあった結界をも巻き込み、白い光を放つのだった。

 

 

 

 To be continued...

 

 

 

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