ファントムオブキル 〜The school story〜 作:進撃のムラサキ
「皆の者、続いて後半戦だ‼︎前半戦とは違い持久力と判断力が勝利の鍵へと繋がるぞ!前半戦は鬼が9割捕まえていた。後半戦も期待しているぞ!では、始め‼︎」
マサムネ先生の開始の宣言と共に開始のチャイムが鳴る。
それと同時に俺は足元を爆裂させる。
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後半開始してから30分。
逃げ側の人数がざっと見て約60%ほどになっていた。
さっき城が捕まっているのは見た。
しかもあいつ途中でつまらなくなって捕まっていたし。
ナルミは今も無事で逃げている。
他に確認できたのはアスカロンとティルフィング 。それにシタ…あいつうまく校庭内にある木の上に隠れていたしなぁ。まぁルールは違反してないから大丈夫だろう。
確認できてないのはロンギとラグナロク。あとはアロンダイト会長とうちの部長だな。
ーーと、思考を巡らしていると前から白銀の髪を靡かせ、俺を捕まえようと手が迫る。
俺はそれをスピードを上げて真横を突っ切る。
「おいお前‼︎このタスラム様の手をわずらわせるな‼︎」
「悪いなぁ、ちみっ子。今忙しいから後でな〜」
後ろから怒号が聞こえるがきっと気のせいだ。気のせいじゃなくても無視する。
何故なら目の前には4方向の内3方向は数人の鬼、背後は壁というまさに四面楚歌状態のロンギが少しアワアワしながらそこにいた。
俺は先程と同じ要領でトップスピードで鬼の間をすり抜け、ロンギをお姫様抱っこで抱き上げる。
「ーーえ?ふぇ⁉︎」
「じゃあ鬼さん方ララバイ‼︎」
ロンギの背後の壁を蹴り、鬼の頭上を飛び越え、危機的状況を脱した。
「ひゃあぁ⁈ちょ、零くん⁉︎」
俺は未だにロンギをお姫様抱っこしながら走っている。
なぜなら先程囲んでいた1年軍団がタスラムとか言っていたやつ筆頭に俺を追いかけて来ている。
今ロンギを下ろしても多分速攻で捕まるだろう。
「れ、零くん‼︎これ、すっごい恥ずかしいんだけど⁈」
「んなこと言われても困る‼︎多分今下ろしたら捕まるしこの状態なら脚に圧迫かけないから脚の回復が早いから我慢して!」
ロンギはあうぅ…と唸っていたが内心俺は心臓が口から飛び出そうなほど緊張している。
いや、だってさ…好きな人をお姫様抱っこしているんだよ⁉︎
そりゃあ緊張もするわ
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あれから10分。
なんとかちみっ子軍団をまいて、今は校庭の木の影に隠れて息を整えている。
「よし…ロンギ、今から俺が飛び出すから、それとは、逆方向に、逃げて、くれ」
「う、うん。わかった」
俺はフゥーっと息を吐き、脚に力を入れる。
そしてーー俺は木の影から飛び出す。
ちみっ子軍団はそれに気付き、こちらに向かってくる。
ちらっと後ろを見るとロンギが誰にも追いかけられない状態になっていたので安心しつつ、今逃げているほうに集中する。
-数分後-
俺は息を切らしながらも逃げている。
あとどれくらい時間があるかはわからない。
いや、はっきりいうと気にしていられる状態じゃない。
さっきからーーロンギを逃すために囮になった後からずっとちみっ子軍団に追われている。
そんな時、右側から危険を感じて飛び込むように前に突っ込む。
その直後、俺のいた場所に白銀の髪の少女、タスラムが突っ込んでいく。
「あっぶないなぁ、ちみっ子‼︎」
「うっさい、ちみっ子言うな‼︎お前は絶対に捕まえる!」
「やれるものならやってみろ‼︎」
俺は足元を爆裂させるほどに力を込めて踏み込む。
「逃すか‼︎絶対に捕まえる‼︎」
俺は運動用具や校庭の木を利用し、次々とタッチを避けていく。
ーーだが遂に逃げられないように追いつめられた。
「はん、チェックメイトだ!残念だったな」
「あぁ、全くもってーーお前らちみっ子は惜しかったな」
そう呟くと共にチャイムが鳴り響く。
タスラムと言っていた白銀の髪の少女が驚いた顔をして振り返り、時計を見る。
勿論時計は4限の終わりの時間を寸分狂わず指していた。
「なっ⁈まさかお前、これが狙いで…⁉︎」
「さて、なんのことやら。まぁ、久々にここまで追いつめられたから楽しかったよ。またな、ちみっ子軍団」
俺ーーいや、僕は集合場所へ向かう。
後ろから何か怒鳴り散らしているような声が聞こえている気がするが、多分きっと気のせいだ。面倒なことはいやだ。
あ、面白そうなのは例外ね♪
集合場所の朝礼台前に来るとそこには噂や悪戯の達人というあだ名を持っているオティヌスとナルミがニヤニヤしてそこに立っていた。
「…何?なんか用あるの?」
僕は嫌な気分を表情に出しながら問う。
何故ならこの2人がこのような笑みを浮かべている時は大体ろくなことがないことが多い。
というか十中八九ろくなことない。
そんなことを頭で巡らせていると2人は肩に手を置き、耳元に口を近づける。
「いや〜、ピンチに颯爽と現れて助ける王子様!いやぁ〜カッコよかったよ〜★」
「お姫様抱っこか〜♪あっついね〜ヒューヒュー♪」
「だあぁぁもう‼︎てか、そ、そういうのじゃないっての!脚の回復とか捕まるリスク考えてお姫様抱っこになったの‼︎」
ハァ…とため息をつき、“それに…借りもあるしな”と誰にも聞こえない小さな声で呟く。
そんな時ーーカシャっていう音とフラッシュがたかれる。
僕はすかさずフラッシュがたかれた方を向くと、隣のクラスの写真部兼新聞部の雑賀がカメラを構え、ニコニコした表情をしている。
「いやぁ〜零の赤面した写真。かなりのレア物っすね〜♪」
「ちょ、おま、今すぐ消せやああぁぁぁぁ‼︎」
因みに。
この直後に雑賀の写真を消すために追いかけ、消したのだが既にバックアップ取られていたのを知ったのはまた別の話である。