魔法科高校の劣等生 忘れられたグリモワールを持つ者   作:ホタル_100

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5話での前書きでも書かせていただきましたが、サンド☆さん誤字報告ありがとうございます。
皆様も、もし誤字を見つけましたら報告お願いします。

7/18に感想欄にて誤字報告がございました。ゆんお姉ちゃんさん、ご指摘ありがとうございます。ゆんお姉ちゃんさんは5話の誤字も見つけてくれました。本当にありがとうございます。
辰巳の「そんなにポンポン叩かねえでくださいよ、ところで委員良。そいつらは新入りですかい?」から「そんなにポンポン叩かねえでくださいよ、ところで委員長。そいつらは新入りですかい?」に直しました。


6話

片付けに終わりが見えてきた頃に委員会本部に二人の男子生徒が入ってきた。

 

「ハヨーッス」

 

「オハヨーございまス!」

 

「お、姐さん、いらしたんですかい」

 

「委員良、本日の巡回、終了しました!逮捕者、ありません!」

 

「ってぇ!」

スパァン!といういい音と共に男子生徒が頭を押さえて蹲っている。摩利の手には硬く丸めたノートがあった。

 

「姐さんって言うな、何度言えば分かるんだ!お前の頭は飾りか!」

 

「そんなにポンポン叩かねえでくださいよ、ところで委員良。そいつらは新入りですかい?」

さすがにもう一度叩かれるのは嫌なのか、男子生徒は摩利のこと委員長と呼んだ。

 

「こいつらはお前の言う通り新入りだ。一年E組の司波達也と一年A組の朱鈴紅夜。達也君には生徒会枠、紅夜君には教職員枠で入ることになった」

 

「へえ・・・・・・こっちは紋無しですかい」

 

「辰巳先輩、その表現は禁止用語に抵触するおそれがあります!この場合は二科生と言うべきかと思われます」

男子生徒二人が達也のことを冷やかすような、値踏みするような態度で見ていた。

 

「お前たち、そんな単純な了見だと足元をすくわれるぞ?ここだけの話だが、さっき服部が足元をすくわれたばかりだ」

だが、からかうように摩利から告げられた事実に、二人の表情は急に真剣味を増した。

 

「・・・・・・そいつが、あの服部に勝ったってことですかい?」

 

「ああ正式な試合でな」

 

「何と!入学以来負け知らずの服部が、新入生に敗れたと?」

 

「大きな声を出すな、沢木。ここだけの話だと言っただろ」

そう言った二人は、達也のことをまじまじと見ていた。

 

「そいつは心強え」

 

「逸材ですね、委員長」

二人の見る目の変えた、速さに紅夜は驚いた。

 

「意外だろ」

 

「はっ?」

達也が何を言われたか、分からないようだった。

 

「この学校では、つまらない肩書で優越感に浸り、劣等感に溺れるヤツらばかりだ。正直言って、あたしはうんざりしていたんだよ。幸い、真由美も部活連の十文字もあたしがこんな性格だと知っているからな。生徒会枠と部活連枠は、そういう意識が比較的低いヤツを選んでくれている。優越感がゼロってわけには行かないが、きちんと実力が評価できるヤツらばかりだ。ここは君にとっても居心地の悪くない場所だと思うよ」

 

「三―Cの辰巳鋼太郎だ。司波、朱鈴。腕の立つヤツは大歓迎だ」

 

「二―Dの沢木碧だ。君たちを歓迎するよ、司波君、朱鈴君」

鋼太郎、沢木が、達也と握手をしたが、ここで一悶着

 

「よろしくお願いします。辰巳先輩、碧先輩(・・・)

なぜか、鋼太郎のことは苗字で呼んだのに、沢木のことを下の名前でそう呼んだ。だが、

紅夜に笑顔の沢木が近づき紅夜を殴り倒した。

 

「沢木だ!名前で呼ばないでくれ給え」

 

「はい!すいませんでした、沢木先輩」

すぐに立ち直り、軍人のような姿勢で沢木の名前を言い直した。

 

◆◆◆◆◆

 

色々と特殊なところのある魔法科高校だが、基本的な制度は普通の学校と変わらない。第一高校にも、クラブ活動はある。そして、魔法と密接な関りを持つ、魔法科高校ならではのクラブ活動も多い。

 

有力な新入部員の獲得競争は、各部の勢力図に直接影響をもたらす重要課題である。そのため、この時期は各クラブの侵入部員獲得合戦は、熾烈を極めるらしい・・・

 

「・・・・・・という訳で、各部間のトラブルが多発するんだよ」

生徒会室で、達也と深雪と紅夜は摩利の説明を受けていた。

 

「だが、今回は欠員の補充が間に合って良かった」

 

「いや、どうしてもこの時期は新入生向けのデモンストレーション用にCADの携帯が許可されているから、学内は無法地帯化してしまう」

 

「各部のターゲットは成績優秀者、つまり一科生でしょう?なら、俺より紅夜のほうが役に立つと思いますよ」

 

(成績優秀者か・・・・・・雫も危ないかな、大丈夫かな)

紅夜は達也の話を聞かずに雫のことを心配していた。

 

「あたしとしては、達也君にも期待しているさ。授業が終わり次第、本部に来てくれ」

 

「了解です」

 

「・・・・・・・・・」

 

「紅夜君、話を聞いていたかな?」

 

「は、はい、すいません。なんでしょう」

 

「話をしているときはしっかりと聞いてほしいな。授業が終わったら、本部に来てくれ」

 

「分かりました」

 

◆◆◆◆◆

 

放課後の風紀委員本部

 

「全員揃ったな」

 

「今年もまた、あのバカ騒ぎの一週間がやって来た。今年は幸い、卒業生分の補充が間に合った。紹介しよう。立て」

声を掛けられた、達也と紅夜はすぐさま立ち上がった。

 

「一―Aの朱鈴紅夜と一―Eの司波達也だ。今日から早速、パトロールに加わってもらう」

摩利の紹介に上級生たちにざわめきが生じた。

 

「使えるんですか?」

上級生は達也の左胸を見て、摩利に聞いた。

 

「心配するな。二人とも使えるヤツだ。司波の腕前はこの目で見ているし、朱鈴の腕前は実際に体験した」

 

「ほかに言いたいことのヤツはいないな?・・・・・・よろしい、では早速行動に移ってくれ。司波と朱鈴は私から説明する。他の者は、出動!」

 

「まずはこれを渡しておこう」

上級生がいなくなった風紀委員本部で、摩利は二人に腕章と薄型のビデオレコーダーを手渡す。

 

「レコーダーは胸ポケットに入れておけ。今後は巡回の時は常に携帯すること」

 

「質問があります」

 

「許可する」

 

「CADは委員会の備品を使用してもよろしいでしょうか?」

 

「別に構わないが、あれは旧式だぞ」

 

「確かに旧モデルではありますが、エキスパート仕様の高級品ですよ、あれは」

 

「物知りだな、達也は。何かあったら達也を頼ることにするよ」

 

「面倒ごとは勘弁してくれよ」

 

「コホン、達也君そういうことなら、好きに使ってくれ。どうせ今まで埃をかぶっていた物だ」

 

「では、この二機をお借りします」

 

「二機?本当に面白いな、君は」

 

◆◆◆◆◆

 

風紀委員本部を出た紅夜は、気になったことを聞いてみようと思った

 

「なあ、達也」

 

「なんだ」

 

「どうして、CADを二機も借りたんだ?」

 

「あー、紅夜、出来ればこの話はオフレコで頼むぞ」

達也の返答として紅夜は無言で頷いた。

 

「紅夜は、キャストジャミングは知っているだろ」

 

「ああ、知っているよ。確かサイオン波を大量に発生させて魔法の発動を妨害するんだっけ?」

 

「ああ、でだ。俺はそれの理論を応用した特定魔法のジャミングを偶然発見した。一方のCADで妨害する魔法の起動式を展開して、もう一方のCADでそれとは逆方向の起動式を展開するんだ。その二つの起動式を魔法式に変換せずに起動式のまま複写増幅して、そのサイオン信号波を無系統魔法として放てば、同種類の魔法をある程度妨害できるんだ」

 

「へー、でもそれだと自分が魔法を使えないんじゃないのか?」

 

「そうだな。だから、使うのは余裕がある時だけだ」

 

「そうなのか(しかし、達也も、もどきと言えキャストジャミングが使えるのか。でも聞く限り俺のとは違うみたいだな)」

 

「ところで俺は、エリカと待ち合わせをしているからそろそろ行くぞ」

 

「ああ、そうだな。俺は雫たちが部活を見て回ると言っていたから、一緒に回るよ」

 

「”雫”たち・・・・・・とね」

達也の意味深は台詞に紅夜は首を傾げた。

 

「どう意味だ?」

 

「いや、別に。それより早く言ったほうがいいんじゃないか?」

 

「?ああ、そうだな」

 

そう言って立ち去っていた紅夜の後ろ姿を見ながら達也は気づかないのは本人たちか・・・と思っていた

 

◆◆◆◆◆

 

「おまたせ、二人とも」

 

「ううん、そこまで待ってないよ」

 

「でも、こーちゃんいいの?風紀委員の仕事があるんじゃないの?」

 

「問題が起きたら止めるだけだから、二人といてもダイジョブ、ダイジョブ・・・・・・タブン」

目をそらしながら言った紅夜を二人は本当に大丈夫なのかと思った。

 

「どこを見るか決めているのか?」

 

「決めてない」

 

「適当に見ていくか。でも気を付けてくれよ、なんでも成績優秀者は毎年勧誘の引っ張りだこみたいだから」

 

「うん、分かった」

 

「でも、こーちゃんも成績優秀者じゃない?」

 

「風紀委員だから大丈夫だろ」

ハハハっと笑っていた紅夜だが、この後大変な目に合うとはこの時は知らなかった。

 

「おいおい、なんだってんだよ!」

 

現在、紅夜たちの置かれている状況を簡単に説明しよう。現在、三人は人という人に揉まれている。揉みに揉まれている。

 

「雫!ほのか!大丈夫か!」

 

「・・・・・・・・・」

周りの音や声で全然、二人の声が聞こえなくて紅夜は焦りだした。

 

「きゃっ!」

その時、短い悲鳴と一緒にボードに乗った女子生徒二人が雫とほのかを抱えて登場した。

 

その女子生徒二人は二人を抱えたまま、この場から立ち去っていた。

 

「待て、二人を返せ!」

紅夜は二人をさらった女子生徒を追いかけた。

 

「紅夜君!」

紅夜が追い始めた直後に摩利が出てきた。

 

「委員長!よかった、手伝ってください」

 

「もちろんだとも」

 

「委員長あの二人は何部なんですか?」

 

「あの二人は、バイアスロンのOGだ」

 

「卒業生なんですか!二手に分かれましたね。委員長、俺は雫の側の人を追いかけます」

二人が話していると、バイアスロン部が二手に分かれた。紅夜は雫を抱えた方を追いかけ、ほのかを抱えた方を摩利が追いかけ始めた。

 

「頼んだぞ」

 

こうして、バイアスロン部との鬼ごっこが始まった。

 




思ったよりも進みが悪いように感じてきているのでおそらく、入学式編はまだまだ続きます。
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