機動戦士ガンダムSEED WILD   作:セイワ

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どうもセイワです。
一週間ぶりの更新です。すいませんでした。
感想は11、お気に入りは46と好評で、遅れてしまったことを謝罪させてください。
それとアンケートは投稿がなかったみたいなので自分の勝手ですが登場させることにしました。
それでは始まります……


第5話 撃ちこむ“防風林”、暴れる“亡霊”

 前方の“ヴェサリウス”からアスランが乗る“イージス”とキラが乗る“ストライク”、後方の“ガモフ”からイザークが乗る“デュエル”とディアッカが乗る“バスター”とニコルが乗る“ブリッツ”が“アークエンジェル”に迫っている。先に戦場に着いたのは──

 

「“足つき”補足、そう簡単に逃がすかよ!」

「“ビルトシュバイン”も同じく見つけました、気をつけてください」

「判っているさ、アスランとキラ、ミゲルの3人がかりで互角に戦ったやつだ。あの2人が来たら5人がかりで掛る、それまでは牽制するぞ!!」

 

 “バスター”、“ブリッツ”、“デュエル”の3機であった。“足つき”はザフトが“アークエンジェル”のコードネームである。そんな彼らの目の前に“ビルトシュバイン”が接近、近接戦は避けて“デュエル”は手にしたビームライフル、“バスター”は右手にガンランチャーと左手に大型ビームライフル、“ブリッツ”は右腕に装備している攻盾システム“トリケロス”のレーザーライフルを“ビルトシュバイン”目がけて発砲した。

 

「来やがったか!」

 

 “ビルトシュバイン”はそれらを回避してショルダーバルカンを展開、牽制に放った。実弾であるが、“フェイズ・シフト装甲”は常時発動状態であるためバッテリーを消費を防ぐために散開する3機。

 

「それを待っていた!」

 

 だが、“ビルトシュバイン”はビームライフルを右腰にストックすると“デュエル”に向かって突撃、左上腕部にストックしているビームソードを抜刀して斬りかかってきた。

 

「上等だ、“ビルトシュバイン”!!」

 

 それをシールドで防いだ“デュエル”は、お返しとばかりにビームサーベルを抜刀してカウンターを決めようとするが──

 

「そんなもの!!」

 

 なんとサークル・ザンバーを展開してビームサーベルと受け止めたのだ。そしてしばらくその状態が続いたが、“ビルトシュバイン”が押しこむことで“デュエル”が後退した。

 

「ちぃ、接近戦は“ビルトシュバイン”の方が一枚上手うわてか…、それにしてもなんて奴だ。あんな使い方をするなんてありえないだろ」

 

 イザークは舌打ちをしながらビームライフルを牽制しながら後退した。攻撃用としての武器をまさかシールド代わりに防御に使用するとは、どんなあり得ない戦い方をするのだと思った。今もディアッカが乗る“バスター”の大型ビームライフルとニコルが乗る“ブリッツ”のレーザーライフルをサークル・ザンバーのビーム刃で防いでいる。と──

 

「遅れてすまん!」

 

 そこにアスランが乗る“イージス”とキラが乗る“ストライク”が戦場に遅れて到着した。

 

「遅いぞ!」

「ごめん! “ビルトシュバイン”のデータを詳しく調べていたら、ある事実が判ったんだ」

「何だそれは!」

 

 ビームライフルで牽制しながら会話するイザークとキラ。そんな彼らの目に飛び込んだのは誰が撃ったビームが“ビルトシュバイン”に命中したのだが“弾いてしまった”。

 

「ビームが……弾いた!?」

「“ビルトシュバイン”には“対ビームコーティング”が全身に施されているんだ。ビームライフルだとはじかれてしまうんだよ」

「それを早く言わんかい!!」

 

 キラの説明にイザークは突っ込みを入れた。で、その搭乗者はというと──

 

「おお、チカチカするけど大丈夫ではありませんか……不気味になったけど」

 

 今乗っている“ビルトシュバイン”の機体の不気味さに背筋が寒くなっているトウマである。

 

「だったらこれはどうだ!」

 

 そう前に出たディアッカが乗る“バスター”はガンランチャーを前に大型ビームライフルを後に連結した対装甲散弾砲を“ビルトシュバイン”に放った。

 

「ゲゲッ!!」

 

 すぐにサークル・ザンバーを解除して回避するが、広範囲にばらまいた弾丸で逃げ道がなくなりつつあったが、

 

「なめんじゃねぇ!!」

 

 ビームソードを2本を柄同士を連結し双刃の薙刀にするとそれを振り回し弾丸を切り裂いてすべてを防ぎきった。

 

「何でもありかよ!!」

「やはり一対一では“ビルトシュバイン”が一歩リードしているな。今度は全機で掛るぞ!」

「了解です!」

 

 ディアッカが驚く傍らアスランは今度は全機で“ビルトシュバイン”を攻撃するといい、その先陣を切ったのは──

 

「遅れるなよ、キラ!」

「分かった!」

 

 シールドを前に“デュエル”と“ストライク”が突撃し“ビルトシュバイン”の目の前でビームサーベルを抜刀、同時に振り下ろした。

 

「こんなもん!」

 

 双刃の薙刀のビームソードのビーム刃で受け止めた。

 

「それを待っていたぜ!」

「2人とも、離れろ!」

 

 だが、それを読んでいたらしく、“バスター”は大型ビームライフルを前にガンランチャーを後に連結した超高インパルス長射程狙撃ライフルを、“イージス”はモビルアーマー形態に変形し、その状態で撃てるビーム砲“スキュラ”を“ビルトシュバイン”目がけて撃った。それを足止めしていた2機はもう既に離れている。

 

「くそっ!」

 

 とっさにビーム・ザンバーを展開して防ぐが──

 

「今です、2人とも!」

「さっきのお返しだ、“ビルトシュバイン”!!」

「いっけぇ!」

 

 それを“ブリッツ”は“トリケロス”から杭状のロケット貫通弾“ランサーダート”を3発全弾を、“デュエル”はバックパックに装着していたレールバズーカ“ゲイボルグ”を肩に担いで、“ストライク”はシールド内に隠しておいたバズーカ砲を担いで撃った。

 

「何とぉ!!」

 

 しかし、“ビルトシュバイン”は“バスター”と“イージス”のビームライフルでの攻撃をサークル・ザンバーの刃で防ぎながらビームライフルを持ち直してそれらを撃ち落としたのだ。

 

「手を休めるんじゃねえぞ、キラ!」

「分かっているよ!」

 

 それでも“デュエル”と“ストライク”はバズーカ砲を撃ちまくり、弾が切れてもシールドの裏面に付いている専用のカートリッジをロードしてまた撃ちまくった。

 

「今です!」

 

 “ビルトシュバイン”はビームライフルでバズーカ弾を撃ち落とそうとした刹那、“ブリッツ”は左腕に装備されているロケットアンカー“グレイプニール”を発射、クローが開き“ビルトシュバイン”の右腕を掴みあさっての方向へと誘導した。

 

「まずい!」

 

 その刹那、バズーカ弾が全弾“ビルトシュバイン”に命中、爆炎に包まれた。が、少し装甲が焦げていた。

 とっさにサークル・ザンバーを展開して防いだのだ。

 

「こりゃあ、まずい事になるんじゃあ……」

 

 コクピットにいるトウマは冷や汗をかきながら今の状況がいやな方向に向いている事を気付いた。

 

 

「連携しながら戦っている……!?」

 

 その光景は“アークエンジェル”にも伝わっていて、艦長席に座っていたマリューがあり得ないとばかりにモニターを見ていた。

 

「え、それってどういう意味なんですか?」

 

 それを見て疑問に思ったのか吹雪が質問してきた。

 

「あの機体を初めて実戦で使用している事は分かるな。普通、それに乗っているパイロットは単独で戦う事が多い。理由は分かるか?」

「えっと……、性能が“ジン”よりも上だからですか?」

 

 代わりにナタルが質問してきて、吹雪が少し考えて言ったのだ。

 

「そう、あの機体は今までのモビルスーツを上の性能を持っているのよ。だから単独で来ると踏んで“ビルトシュバイン”で迎撃に出した、だけど実際に単独で戦闘したのは最初でその後は連携して戦っている。乗っているパイロットはあの機体を知り尽くしているわ。それと同時に“ビルトシュバイン”は単独で戦うのではなく集団戦で戦う事も」

 

 マリューが説明する傍ら、その顔は焦りが見えていた。このままでは“ビルトシュバイン”がやられるのではないかと──

 

《こちら格納庫!》

 

 その時、格納庫から通信が入った。

 

《待たせたな! いつでも行けるぜ!!》

 

 それは、こちらの現戦力が全機出撃できるという吉報だった。

 

 

「早く発進準備しなさいよ、こっちは既にカタパルトに乗っているから!」

 

 そう言いながらすでにカタパルトに乗り後は発進するだけの“ゲシュペンスト”に乗っているミコトである。装備はバックパックにミサイルコンテナのスプリットミサイルを2つ、両上腕部にはビームソードに腰にはマシンガンとショットガンをストックしていて、手持ちには“ニュートロンビーム”と呼ばれるビームライフルを持っている。

 

《こちらも同じくですわ》

 

 同じく“ゲシュペンスト”に乗っているクロコもカタパルトに乗っている。武装はミコト機と同じくだが手持ちに装備しているのはロングレンジバレルのレールガン、“ブーステッド・ライフル”である。

 

《おっさん、例のアレ。調整は任せたぜ!》

《任せな!》

 

 そう言いながら格納庫でマードックと会話しているデュオが乗る“ゲシュペンスト”は他の2機と装備は同じだが手持ちは鎌状の武器“メタルサイズ”を装備している。

 

《時間がない、急げ》

 

 同じく格納庫にいる“シュッツバルト”に乗っているヒイロは冷静に言った。武装は頭部のバルカン砲、両腕部の3連マシンキャノン、両肩のツイン・ビームカノンの固定武器に携帯武器にビームライフルを2丁両手に持っている。

 

《分かったわ。すぐに出撃準備をします!》

 

 マリューはすぐに準備をして、ハッチが開き、リニアカタパルトに灯が入った。

 

「ミコト・ミサカ、“ゲシュペンスト”一号機、出るわよ!!」

「クロコ・シライ、同じく二号機、まいります」

 

 そう言い飛び出していく2機に続いてカタパルトに乗ったのはデュオが乗る“ゲシュペンスト”とヒイロが乗る“シュッツバルト”である。

 

「デュオ・マックスウェル、“ゲシュペンスト”三号機、行くぜ!!」

「ヒイロ・ユイ、“シュッツバルト”、任務開始」

 

 続けて飛び出した2機を含む4機は今現在“ビルトシュバイン”と“ガンダム”が戦っている戦場を目指していた。

 

 

「どうせなら早く来てほしかったけどな!」

 

 そう言いながらトウマの乗っている“ビルトシュバイン”は両手にビームサーベルの二刀流の“デュエル”と両腕と両足にビームサーベルを展開している“イージス”の斬撃を両手に持ったビームソードで捌き、“バスター”の砲撃、“ストライク”は“イージス”から借りたビームライフルの二丁拳銃、“ブリッツ”は“デュエル”から借りたビームライフルでの援護攻撃をかわしながら交戦していたが、完全に押されていた。

 

 元々モビルスーツ戦で一対一では彼の得意分野であるが、集団戦の場合はこちらも集団戦を仕掛けるか逃げるかのどちらの手を使うのだが、今回はそのどちらの手を使うわけはいかず、単独対集団の不利な状況を戦うしかなかった。そんな彼の機体、“ビルトシュバイン”を横切るようにビームが過ぎ去った。

 

「何だ!?」

 

 “ビルトシュバイン”に接近戦を仕掛けていた“デュエル”が突然のビーム攻撃に“ビルトシュバイン”から離れ、ビームライフルを返してもらい応戦してその放った方向を見た。

 

「あれは……“ゲシュペンスト”と“シュッツバルト”か!」

 

 同じくビームライフルを返してもらった“イージス”に乗っているアスランがその機体が自分達が乗っている“ガンダム”の原型になった機体だと分かった。

 

「ターゲットロック、ツイン・ビームカノン、発射する」

 

 “シュッツバルト”に乗っているヒイロはこの機体に装備しているツイン・ビームカノンを発射、その攻撃は“ストライク”と“デュエル”に向かったが、咄嗟にシールドで防ぐが勢いは殺せずに後退する。

 

「お次はこれよ!」

 

 “ゲシュペンスト”に乗っているミコトはニュートロンビームを発射、“イージス”に向かっていたがそれもシールドで防がれたが、後退させる事が出来た。

 

「外しましませんわよ、もっとも私の熱い思いはお姉さまに届いてほしいですけど」

 

 同じく“ゲシュペンスト”に乗っているクロコは危ない言葉を言いながらもブーステッド・ライフルを3点バーストで発射、“バスター”に命中するが“フェイズ・シフト装甲”のために無傷だったが、その威力で後退した。

 

「オラオラ、死神様のお通りだ!!」

 

 メタルサイズを振り回しながら“ブリッツ”に接近するデュオが乗る“ゲシュペンスト”は左腕にある3本の“プラズマスネーク”に電撃をまとまっていた。

 

「くらいな、ジェット・マグナム!!」

 

 3本の“プラズマスネーク”が“ブリッツ”の胴体に撃ちこまれたが、装甲にダメージは与えられなかったものの後退させる事に成功した。

 

「すまん、助かった!」

「礼はいいわよ、それよりもこいつらを半殺しをするわよ!」

「時間稼ぎだ、時間稼ぎ!」

 

 援護に来たミコト達に礼をいったが、ミコトの半殺し宣言に突っ込みを入れるトウマ。

 

「おいおい、何であの機体まで動いているんだよ?」

「知るかよ、そんなもん!!」

 

 “バスター”に乗っているディアッカは封印されていた3種が動いている光景に“デュエル”に乗っているイザークに質問したが、一蹴された。そんなものはその機体に乗っている人物が知っているはずである。その時!

 

《この空域にモビルスーツ一機が接近しています、だけど……》

 

 通信は“アークエンジェル”からだったが、様子がおかしい。目の前にいる敵に集中しながらトウマ達は耳で聞いていた。

 

《速いんです、通常の“ジン”を超えていて、どのデータよりも一致しないんです!》

 

 その報告を聞いていたらその例の機体が飛び込んできた。そう、“ビルトシュバイン”目がけて。

 

「速いっ!!」

 

 とっさに“ビルトシュバイン”は回避行動をとったのだが、それに付いてきて手に持っていた重突撃銃を撃ったのだが、“ビルトシュバイン”の機動力で回避した。

 

「ほう、我が“トロンべ”の攻撃をかわすとはな」

 

 その機体は“ジンハイマニューバ”と呼ばれる“ジン”の高機動型だがその装甲は黒、赤、金とド派手なトリコロールで肩には家紋がある。

 

「あ、あなたはまさか……」

 

 その家紋を見たキラはまさかと思い、その“ジンハイマニューバ”に通信を開き、訊き出した。

 

「ふっ、君の事はミゲル・アイマンから聞いているよ、キラ・ヤマト君。君の考えている事は正しい」

「やっぱりあなたは……」

 

 その人物が自分の考えている人物であることを確信したキラは、その人物の名前を言った。

 

「ビアン最高評議会議長直属部隊、“ディバイン・クルセイダーズ”所属の、エルザム・V・ブランシュタイン。通り名は“黒き竜巻”!!」

 

 

「あの機体に乗っているのがエルザムなの!?」

《間違いないな。“世界樹攻防戦”であいつ率いる部隊が第2艦隊を壊滅寸前まで追い込んだ事以外にも地球連合軍に壊滅的な打撃を与えた人物。その戦いぶりは嵐が通り過ぎたように残骸の後や高速戦が得意な事から機体の色から取って“黒き竜巻”って呼ばれている“ディバイン・クルセイダーズ”に所属している人物だ。本当に不幸だ……》

 

 “アークエンジェル”はトウマの交戦した相手が大物である事を知ったマリューを含む地球連合軍の軍人に動揺していた。報告していたトウマもまた頭を抱えていた。

 

「あ、あのぉ、“ディバイン・クルセイダーズ”って何ですか?」

 

 そんな中、ある単語が気になった吹寄が質問してきた。

 

「そうね、“ビアン・ゾルダーク”って知っている?」

「それは知っています、確か“プラント”の最高評議会議長ですよね」

 

 その質問をマリューがある人物を知っているかと聞いてきたので吹寄はそれに答えた。

 

 

ビアン・ゾルダーク……、彼は第1コーディネイターでプラント最高評議会を異例で入った人物である。彼は優秀な科学者でありながらも、ファーストコーディネイターである“ジョージ・グレン”の思想である「新たに生まれるであろう新人類と人類の架け橋となる調整者となるよう」という言葉を受けて自身がその調整者として“プラント”開発時にその活動を開始していた。

その結果、そのカリスマ性に市民が彼を支持するようになり、12の市から選ばれる評議会にその12の市の市民が彼を推薦する声が多数あり、また“最高評議会の議長は12の市から選ばれたのではなく12の市全部の支持の1人が当選する”の声の元、彼がその最高評議会議長に任命した。

その後、彼は“プラント”の自由と独立を抱えながらも、それにはあえて力は必要だとモビルスーツの開発を進め、また戦争になれば核攻撃が無差別に使用する危険性から“ニュートロン・ジャマー”を自ら進んで開発したのだが、“血のバレンタインの悲劇”に完成できずに多くの犠牲者が出た事を悔い、国儀では赤い服を着て、

 

「我々はもはや自由と独立を勝ち取るにはこの手でつかみ取るしかない、私が着ている服はこれから先流れるであろう血をかぶる覚悟である。その覚悟の元、私はここに地球連合が我々に宣言した宣戦布告を受け止めると宣言し、それに対するザフトに入隊する者の志願、その技術の応用、それらを全てを結集し、いつの日か自由と独立を達成するまで戦い抜く事をここに宣言する。コーディネイターの未来を賭けた聖戦を命を賭けて戦え、戦士たちよ!!」

 

そう宣言すると共に彼の元にはザフトに入るのに違う人材が集まりだして、それを彼は彼直属部隊“ディバイン・クルセイダーズ”を設立。ザフトとは違う、まさに彼の剣と盾として“プラント”の自由と独立を勝ち取るために戦う戦士が集結した。

その戦力は凄く、数多くの戦場を勝利で飾り、重要な作戦には参加して成功を収めるなどまさに精鋭部隊である。

ザフトも何人かがそれに志願しようと彼に尋ね、その一握りがそれに入隊するなど狭き門であると同時に憧れである。

その存在は一般市民には秘密にされていて、通常は“プラント”の防衛に力を注いでいる。

 

 

「そ、そんな部隊の人が何でここにいるんですか!?」

「知らん! 艦長、“ローエングリン”の使用許可を!」

 

 マリューの説明を受けて驚きを隠せないカズイの質問にナタルは一蹴すると、艦長であるマリューにこの艦の切り札を切る事を推薦したが──

 

「駄目よ、少なくてもフラガ大尉が前方のナスカ級に奇襲を成功するまでは使用は許可できません!」

「しかし、このままでは包囲が完成してしまう上、あの機体を乗せている艦も参加してしまったら……」

 

 それを駄目だといったのはマリューであった。“アークエンジェル”の切り札である陽電子破城砲“ローエングリン”は確かにこの状況を打開できるが今現在“メビウスゼロ”で先行しているフラガを巻き込む可能性がある、その可能性がある以上、フラガの奇襲が成功するまでは防衛するしかない。そんな中──

 

《こちら、格納庫。少なくとも後ろに追撃しているローラシア級を黙らせる方法はありますぜ》

 

 格納庫からマードックの通信が入って来たのだ。

 

 

 “ヴェサリウス”のブリッチにいたクルーゼは突然、鳥肌を立つような感触を感じて殆ど反射的に叫んだ。

 

「アデス、機関最大、艦首上げろ、ピッチ60!!」

 

 だが、突然の上司の言葉に、アデスを始め誰もが反応する事は出来ない。そんな光景にクルーゼは思わずに舌打ちした時、オペレーターが報告してきた。

 

「本艦艦底方向に接近する熱源1、モビルアーマーです!!」

 

 その報告を受けて、ようやく事態を理解したアデスが指示を飛ばすがすでに遅く、高速で接近してきた“メビウスゼロ”のスピードに戦艦が勝てるはずはなく“ガンバレル“を展開せずに砲身だけを展開しレールガンを合わせた一斉射撃が“ヴェサリウス”のスラスターを撃ち貫いた。その衝撃はブリッチに伝わると同時に速度が急激に低下していくのが判った。

 

「クッ、ムウめ、やるな!?」

 

 自分の艦や搭載しているモビルスーツを囮にして奇襲を仕掛けてくるとは、その行動に憎悪と称賛の念が混じった言葉は吐き出すしかないクルーゼ。おかげで艦はスラスターが損傷し速度が低下だけではなく、先ほどまで主砲の照準をやっていたがそれが外れてしまった。さらにダメ押しとばかりに一撃が迫っていた。

 

「前方より高エネルギー反応、“足つき”の砲撃です!!」

「回避、機関最大、取り舵!!」

 

 オペレーターの報告にアデスは指示を飛ばすが、損傷の為に半歩遅く、“アークエンジェル”は放った“ローエングリン”が右舷艦体を掠め吹き飛ばした。機関も損傷した今、撃沈はしていないが完全に戦闘不能になった。

 

 

「“ヴェサリウス”が!!」

「くっ、やられた!!」

 

 その光景は戦場にいた彼らにも目撃した。特に母艦であるキラとアスランは衝撃を受けた。その一瞬の隙を見逃さない“猪”が目を光らせた。

 

「そこだ!!」

 

 接近してその勢いで右腕で思いっきり“ストライク”を殴り飛ばし、それを返す形で左回し蹴りを“イージス”に叩きこんだ。

 

「キラ、アスラン!!」

 

 戦友が飛ばされるのを見たイザークは助けにいきたいが“シュッツバルト”が手にビームライフル、手甲の3連マシンキャノン、肩のツイン・ビームカノンの猛攻撃にシールドで防ぐのが精一杯で他の2人も3機の“ゲシュペンスト”の連携に防戦を強いられていた。だが──

 

「私がいるのを忘れてもらっては困るな」

 

 そのカバーに入ったのは“ジンハイマニューバ・トロンべ”である。その高機動に何とか隙をついて攻撃しているが決定打が与えられずにそのままずるずるとその場を維持していた。そこに──

 

「無事か、お前ら!」

 

 前方の“ヴェサリウス”の奇襲から帰って来た“メビウスゼロ”が“アークエンジェル”に戻ってきてそのまま戦闘に突入した。

 

「ほう、“メビウスゼロ”か。もしや“エンデュミオンの鷹”か。まさかこんな場所に会えるとはな」

「黒い“ジン”、おいおい、もしかして“黒い竜巻”かよ。何だったこんな場所にいるんだよ!」

 

 エルザムとフラガはそれぞれの機体を見てそれぞれ関心と驚愕の感想を述べた。その一瞬の隙を彼は見逃さなかった。

 

「フラガ、しばらく時間を稼いでくれ! “アークエンジェル”、あれを射出してくれ!!」

 

 すぐさま“ビルトシュバイン”は離脱し、“アークエンジェル”から何かが射出してきたのだ。それは──

 

「あれは……“アグニ”か!?」

 

 “ランチャーストライカー”に装備されていた超高インパルス砲“アグニ”であるのだが、細部に新たに取り付けた3つのエネルギーパックがあり、その背後に“ビルトシュバイン”は追走し、後部に新たに取り付けたブリップを両手に持ちその照準を“アークエンジェル”の後方にいる“ガモフ”に合わせた。

 

「ターゲット、ロック、ファイア!!」

 

 そして発射した攻撃は“ガモフ”の左スラスターを、続けて第2撃を右スラスターを撃ちぬいてその機動力を奪うとその照準を今戦っている“ガンダム”達に向けた。

 

「各機、射線上から退避せよ!!」

 

 エルザムがそれを見てすぐに退避をし、それに習い“ガンダム”も退避し、同じくミコト達も退避した。それが発射されてその勢いはとどまる事を知らずになぎ払った。その後、“ビルトシュバイン”は“アグニ”を持ったままこの空域から離脱した。

 

「……各機、“カトライア”まで後退する、急げ」

 

 エルザムがそう言うと“アークエンジェル”に背を向けて後退した。

 

「だとよ、どうする?」

「…戦艦も2機とも航行不能状態だ、それにこのままいけばこちらのバッテリーが切れる。ここは一旦体勢を立て直す意味でもあの人に付いていくべきだ」

 

 イザークがアスランにどうするかと聞いてきたが、彼はしばらく考えて、エルザムに付いていくべきだと言った。

 

「同感だな、2人は?」

「僕もアスランの意見に賛成です」

「僕もだよ」

「こりゃ多数決で決定だな。んじゃ、行きますか」

 

 そのやり取りの後、エルザムの後に続いて離脱していく“ガンダム”5機であった。

 

 

「どうだ?」

「駄目です、うんともすんともいきません」

 

 その頃、“アークエンジェル”の行き先である“アルテミス”の内部ではある機体の調査をしていた。だが、その機体は全長20mはあり、赤き龍、黄色き獣、青き鮫の3機であった。そのデザインから連合軍が開発した機体ではない事が分かる。

 

「しかし、本当に“伝説の機械神”なのでしょうか?」

「分からん、だが“3機が合わせて1つの巨人になりその力は強大”と伝説に残っているぐらいだ、その力があれば我々は奴らの良い顔できるかも知れん」

 

 そう言い、上官である彼はその機体の名前を言った。

 

 

「そう、革命の時に現れた機体。“革命機ヴァルヴレイヴ”は我々に革命を起こすかも知れん」

 

 

 それの同時期に発見した3つのカプセルの中には何者かが眠りについていた事はこの時、だれも知らなかった。

 

 

“革命機ヴァルヴレイヴ”……200年前の西暦で現れた機体で、その機体は3つの別の顔を持ち、ある時は素早き動きで翻弄し獣の如き猛攻で相手をねじ伏せ、ある時は不思議な術で相手を翻弄し鮫の如く怒涛の攻めで粉砕する。そしてある時は何者も受け付けない鋼の体と龍の如く圧倒的な破壊力で殲滅する。

その力はその時の状況とその強さから“革命機”と呼ばれることになる。

その後、ある戦いが終わるのと同時にその姿は消える事になる……

 

 

そして、コズミック・イラ71、ある事件がきっかけとなり“革命機ヴァルヴレイヴ”は歴史に再びその名を刻むと同時に、トウマ・カミジョウ率いるカミジョウ勢力の一角として彼、トウマ・カミジョウと出会う事になる……




いかがでしょうか?
次回は彼らが登場します。原作で問題となっている作品なのでどんな反応が起きるのかは私でも判りません。最初に言っておきますがR-18はやりません。
それと報告ですが、お盆まじかなので仕事が忙しくなり小説の書くスピードは落ちます。その為に来週は小説を投稿できないかもしれません。そこでこの話までのキャラクターやロボットの解説を投稿する予定です。
それでは次回予告です。

次回予告!!
辛くも“アルテミス”に逃げ込む事が出来た“アークエンジェル”。
だが、彼らを追うザフトはある作戦を発動し、“絶対防御”が破れてしまう。
その時、革命の機神が覚醒し呪われし体となった者も目覚める。
そして伝説が現実となる。
次回! 機動戦士ガンダムSEED WILD
第6話 革命する機械神
200年の時を超えて、蘇れ、ヴァルヴレイヴ!!
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