女につられて、住宅街の中に入っていく。最近は、同じ形をした家を並べることが流行っているのだろうか、玄関の場所も窓の場所も全部一緒だった。外から見ている限り正直面白くない。
「この家よ」
先ほど暴れ馬のように俺を引きずっていたこの女は、別人のように大人しくなっていた。
「幼馴染って言ったな? あれは本当か?」
「嘘よ。そうでも言わないと貴方はここまでついてこないでしょ」
女はポケットから鍵を取り出すと玄関を開けた。入るか入らないか。
「そこで隠れているセイバーも呼びなさい。不安ならその剣先を私に首に当てながら話をしてもいい」
「だ、そうだ。セイバー」
電柱の裏からセイバーが出てくる。すぐさま近寄り刀を抜いた。
「御主、何者じゃ」
「女のセイバーか。その服装でその剣使い。そんな英雄なんて数少ないのにまだ君たちはわかっていない。いや、わかりたくないのか」
セイバーの呼びかけには答えず、じっとセイバーを見つめ続ける女
「おい、女。家に入るんじゃないのか?」
「そうだった。アサシンが見ているかもしれない。入るよ」
女に続いて家に入ると、そこは家具も雑貨品も、何もない新築したての部屋だった。
「その辺に座ってくれ。床しかないけどな」
「お前、さっきから口調変わってるぞ」
女子高校生の服装のまま、ポケットから煙草を取り出し、火をつける。アニメだと修正ものだぞ……
「そりゃぁ、変装だからな。さて、私の名は百引やよい。元バーサーカーのマスター。君たちを助けに来た」
やよいは煙を吐き出しながらそう言った。バーサーカーというと、あれか、大きな太刀を持ち片手を切り落とされてもピンピンしていた大男か。
「その感じだと、もう既に会ってるみたいね」
「少し絡まれてな。悪いが、片手を切り落とさせてもらった」
「あまり効果的ではないね。彼にとってダメージは一種の喜びになる」
「バーサーカーの真名を知っているのか?今まで会ってきたマスター、サーヴァントはすべて記憶喪失になっていたが」
俺の話を聞き、煙草を吸い続けるやよいは眉一つ動かさなかった。
「私も記憶喪失だったが、無理やり契約を破棄させられた時に思い出せた。いや、違うか。私、一度死んでるからか」
「!? 一度死んだ!?」
セイバーは雑魚寝して、やよいは二本目に突入している中俺だけが立ち上がっていた。こいつら何も驚かないのか。
「やよいとやら、誰にやられたのだ? あのバーサーカーが居ながらやられるとは」
セイバーの質問にやよいは苦虫を潰したような顔をして、吸いかけの煙草をポケット灰皿に投げ込んだ。
「二日前に、キャスター陣営にやられたの」
話は二日前に戻る。
かなり間が空きました。その間にhollowataraxiaをフルコンプしたりしてましたが、メモ帳にはこの話の続きを書き残しているのでコツコツ書き写す予定です。また、修正も行いますので良ければこのまま読んでいただければ幸いです。