「俺は死なない!!例えこの身体が滅んでも、俺の意思を受け継ぐものが、必ず立ち上がり・・・・・・お前達人造人間を倒す!!」
土砂降りの豪雨と雷が1つの街を覆い尽くす。ビルは無残に崩れ、コンクリートと鉄の塊と化している。舗装されていたであろう道路も大きくヒビ割れてしまい、下の地面が見えている箇所もある。ガラスや電光掲示板もバラバラ砕け、街としての機能が完全に奪われている。人間の死体も多く転がっている。腕を引き千切られている者・頭を拳銃で撃ち抜かれた者・瓦礫の下敷きになった者・鉄骨に突き刺された者と、酷い有様だ。
全ては、数年前に突如現れた悪魔【人造人間17号】【人造人間18号】の2人による者だ。警察や軍隊も総勢力で彼らに挑んだものの、やはり人間の力ではどうすることも出来ない。もはや地球上すべての人間が殺され尽くすのを待つしか無い状況。誰もが絶望する生き地獄。誰1人として、彼らを止めることが出来ないのか・・・・・・。
否。まだ諦めていない者達がいる!!
地球に生きる誰もが忘れていた。突如現れた魔族【ピッコロ大魔王】から人々を救った少年を。
人々は知る事が出来なかった。宇宙全域を脅かす存在【フリーザ】を打ち負かした英雄を。
そして、人々は知らなかった。宇宙最強の男【孫悟空】の意思を受け継ぐ、戦士がいる事を・・・。
青年は勇敢に闘った。片腕が無くなった状態で、人造人間達を相手に互角以上に闘った。金色に輝くその姿は、彼の闘志が具現化しているかの様に、雨雲で暗くなった街を照らしている。
だが、最強同士の戦いにおいて、一瞬の隙を作ることは、死を意味している。青年は爆発の煙で視界が途切れてしまい、悪魔の攻撃の直撃を受けてしまった。そして、体制を立て直せずに、更なる追い討ちを受けてしまった。2人の人造人間から放たれたエネルギー波の雨。戦いで消耗していた身体へ、心ない攻撃が襲う。
そして。
青年は絶命した。
少年は立ちすくんだ。もはや街の面影すらない、瓦礫の山。雨と破裂した水棺であちこちに水が溜まっている。その一角に人間の死体が水溜りに沈んでいた。
(まさか・・・・・・嘘だ・・・・・・)
少年は力無く歩を進め、その死体へ近付く。
(あの人が死ぬわけが・・・・・・)
怖くなった。死体の確認をしたくない。確認をしてしまえば、、2度と戻れない絶望を味わうかもしれない。だが、足は止まってくれなかった。
(人違いだ・・・・・・人違いであってくれ・・・・・・)
ほんの微かな希望を抱き、少年は死体をひっくり返した。
その瞬間、少年の意識は途絶えた。涙を流し、慟哭が虚しく街全域に響いていく。大切な人を失った悲しさ。尊敬していた師匠を殺した人造人間への憎しみ。守れなかった自分の情けなさ。その声は悲痛だ。少年の頭が怒りで埋め尽くされた。
そして、少年は変わった。自身の身体に流れる父親の血が、少年を高みへと昇華させた。
世界最後の希望となる少年の覚醒。その代償は、あまりにも大き過ぎた。
どれだけの時間が経ったのだろうか。少年は目が覚めた。雨も上がり、太陽の光が周囲を転々と照らしている。少年は目の前に倒れる、恩人の遺体を確認し、その遺体を抱え、飛んでいく。
足をつけたのは、少年が青年と最後に言葉を交わした、街だったものを一望できる山の一角。そこに墓を作った。知識も経験もなく、完成したのはとても墓とは思えない、不恰好な物。誰の手でもない、自分の手で葬るために、自分の力だけで作りたかった様だ。
そして遺体を埋め、合掌をした。
「俺・・・絶対に仇をとります!!貴方の意思を、全て受け継ぎます!!」
少年は飛びたった。不恰好な墓の一部の石。少年が掘った字が刻まれていた。
【偉大なる覚悟の戦士・孫悟飯ここに眠る】
コレは、絶望の世界で命を落とした孫悟飯の、知られざる物語。世界に最後の希望を残し逝った戦士の、終わらない戦いの歴史である。
どうも、白藍ハートネットです。【始まりのサイヤ人が幻想入り】にて執筆活動休止を宣言しましたが、正直我慢出来ませんでした。執筆欲を抑えることがなかなか出来ません。なので、こういう形で活動いたします。
タグやあらすじ紹介の通り、悟飯があの世で物語を展開します。プロットはなんとなくでしか作ってないので、おいおい完成させます。完全な見切り発車ですが、どうぞ宜しくお願いします。