生後3日目。巣穴には母れいむと赤れいむの2ゆしか居ない。
別にママありすが愛想を尽かして「じょうっはつ!」した、なんて話では無い。お昼は「とかいはままのふろーらるさらだ」にするわ!と、張り切って狩りに出掛けただけである。
一般的なゆっくりの番は完全分業制なのだが、お互いにお嫁さんの立場を譲らない為、狩りと育児は1日おきの交代制になった。昨日は真っ昼間から黄昏ていた母れいむが遅まきながら狩りに出て、ママありすが子育てに励んでいる。
多分レンゲ草でも毟って来るのだろう。どうせなら蜜を集めに来る蜂や蝶でも捕まえた方が美味しいのに、などと母れいむはボンヤリ考えていた。
「おかーしゃおかーしゃ、れいみゅうんうんちたい!」
そんな彼女に向かって、さっきまで眠っていた赤れいむが「もるんもるんっ」と自分の尻を突き出して来る。
ゆっくり種の人智を超越した生態の1つに、経口摂取した物質を体内の餡へと変換し、古くなった餡を老廃物として排出する点が挙げられる。
人間からすればれいむ種の排泄物なんぞ漉餡か粒餡に過ぎないのだが、ゆっくり達はソレを「うんうん」と呼び、思い込みの力によって生き物には嗅ぎ取れない臭気を感知しているらしい。
「だいっじょうぶだよ!おちびちゃんはちゃんとおしめさんをしているよ!おといれはまだはやいから、そのまますーぱーうんうんたいむをはじめてねっ」
「ゆぅ、みゃみゃわ れいみゅにょあにゃるさんぺーりょぺーりょちてくりぇたょ?じゃきゃりゃきょーわおかーしゃがあにゃるしゃんぺーりょぺーりょちてねぇぇ♪」
「わかってるよ!ぺーろぺーろはうんうんがおわったらしてあげるよ!ついでにしーしーもするといいよ!」
赤ゆは成長サイクルが早く、日がな1日食べる⇒出す⇒寝る⇒食べるを繰り返す。1日あたりの食料消費量は成ゆんの約半分に匹敵するのだが、その一方で排泄機能が著しく低い。
だから親ゆは子に「うんうんたいそう」と称する自発的な排泄促進動作をさせるか、母猫が子猫にする様に肛門を舌で刺激して排泄を促す必要がある。さもなくば古くなった餡が体内で腐敗・膨張し、餓死より苦しみながら永遠にゆっくりする事になるだろう。
自分が集めてきた舌触りの良い葉っぱを「しんな~り」するまで日向ぼっこさせ、ママありすが赤ゆサイズに千切って作ったおしめさん。自分もありすもたくさんたくさん にんっしん!してたから、おしめさんもたっくさん用意した。
自ゆんが幼い頃には母親が毎日綺麗にしてくれた記憶もある。かわいいおちびのあなるさんなら、汚くなんか無いのだ。
「ちぎゃうょおきゃーしゃ、うんぅんわあにゃるしゃんぺーりょぺりょしちぇくれにゃいちょでにゃいんぢゃよ?ちょれにおちめしゃんにちーちーしちゃら、ゆっくちできにゃいでちょ?りきゃいできりゅ?」
「…おしめさんはおちびちゃんのおといれなんだよ、あなるさんをきれいきれいにしたらあたらしいおしめさんにかえてあげるから、はやくしてね?」
「いゃじゃあああ!れいみゅおしめしゃんちたままぢゃ うんぅんでにゃいよぉぉ!」
要望を素気無く却下され、地面に転がりながら駄々を捏ねる赤れいむ。こう言ってはいるが、実際に便秘気味な訳では無い。
昨日はママありすとほっぺをすーりすーりしたり、砂糖水の唾液でフニャフニャになるまで噛み締めた草を与えられたり、おうたを聞かせて貰いながらすーやすーやもしたが、1番気持ちが良かったのは全身を隈なくぺーろぺーろして貰った時だった。
おやつを喰い散らかした口の周り、ぴこぴこ、おりぼん、へあーさん、そして最後にあなるさんへの刺激は衝撃的だった。この世にこんな気持ちが良い事が他にあるのか?!と狼狽する程に。
おむつかぶれを懸念したママありすは、赤れいむが「すーぱーすやすやたいむ」に突入する前に、出す物を全部出させてしまおうとしたのだ。
なお、感極まった赤れいむが「うれしーしー」とうんうんを口の中に同時に噴射してしまい、自身のカスタードを吐き出す破目に遭うのは想定外だった模様である。
親同士が喧嘩をしている最中に漏らした「おそろしーしー」と茎を食べた時の感動の「うれしーしー」を除けば、赤れいむは消化後の初「すーぱーうんうんたいむ」以外、全ておしめの中に用を足している。
出した直後はスッキリするが、必ずベチョグチョとした不快感と異臭に苛まれ、泣き喚いて知らせるまで開放されないから、全然ゆっくり出来ない。
それは誕生から48時間にも満たない赤れいむのゆん生の中で、ワースト2位にランクインしており、反対にベスト1位か2位にすべきか悩んでしまう優しく柔らかで暖かい舌の感触を求め、甘えているのだ。
「そう、じゃああなるさんをこっちにむけるんじゃなくて、あおむけになるんだよ」
「ゆっきゅりりきゃいちたょ!れいみゅはちょのみをおかーしゃにゆじゃにぇるよ!‥‥‥ふぇ?へぎゅゅゅう?!」
余計な事をのたまいつつ“ころーん”と仰向けになる赤れいむを待っていたのは触手スカトロプレイでは無く、下腹部への強力な圧だった。
母れいむは、自分の「もみあげ」を赤ゆの腹にグリグリと押し付け始める。
「いちゃい!いちゃいよおかーしゃ!れいみゅのあにゃるしゃんめきゅれちゃううう!」
「このくらいならへーきだよっ、ぽんぽんぐーりぐーりしててあげるから、おちびちゃんはゆっくりしないでうんうんしてね!」
母れいむのもみあげは吐餡防止の為、ちゃんと口も塞いでいる。ゆっくりは口を縫い合わせでもしない限り何故か喋れるので、会話は可能だ。
もみあげを必死にピコピコさせてはいるが、いくら暴れようとも赤ゆの力ではどうにもならない。早く漏らせば楽になるのだが、潰されまいとするのに必死で便意も何処かにお出掛けらしい。
「はなちてぇぇ!れいみゅにゃんにもわりゅいこちょちてないでちょー!?」
「おかーさんはさっき、うんうんたいそーしようねっていったのに、おちびちゃんはぶらんちさんをむーしゃむーしゃして、すぐにすーやすーやしちゃったでしょ?あまえちゃだめだよ」
群れの1番の美ゆっくりにする、などと宣言しておいて何だが、自ゆんの壮大なる決意表明を真っ向から否定するママありす相手に引くに引けなくなっただけで、正直なところ「同世代のれいむ種の中では1、2を争うレベル」になれれば御の字だと思っていた。
おそらく優しく冷静に諭されていたら「てへぺろ」して下方修正していただろう。一生懸命頑張って、結果として2番ならソレで良い。だが端っから2番じゃ駄目なのか?なんてのはゲスのする考えだ。
「でみょれいみゅぽんぽんいちゃくてうんぅんたいしょーにゃんかできにゃいよぉ!」
「だからてつだってあげてるでしょ?れいむがきびしいのはおちびちゃんのためだよ?りっぱなおとーさんになるためにゆっくりりかいしてね!」
自ゆんは子ゆの頃、父親まりさにアイドルに「なりたい」ではなく「なれないの?」と聞いただけで「そんな軟弱ゆんは制っ裁なのぜ!」と土下座して謝っているのにおかざりを取り上げられ、一晩中ゆんゆん泣き明かした苦い思い出がある。
そして「うるさくってねむれないのぜ!」さらに制裁。母親れいむはオロオロするばかりで、姉や妹は震えているだけ。後で慰めはしてくれても、体を張って守ってくれたりはしなかった。
成長してどうにか1ゆで狩りが出来るようになった頃、何ゆんかの比較的若いまりさに話し掛けられ、同情された。自ゆん達も「きょうっいく!」を受けた経験があるが「おにぐんそー」は厳し過ぎて「そっつぎょう!」出来るゆっくりは、滅多に居なかったと。
どんなに狩りが上手くても幸せになれるとは限らないのは、母れいむが生き証ゆんである。だから、せめて小さいうちは普通のれいむらしいゆん生を歩んで欲しいと願った。なのに、この子は「おとーさん」になりたいと言う。
上等じゃないか?れいむ種の身で父として、一家の主として歩む道程がどれだけ困難を極めるのか、その餡にキッチリ刻み付けてやろう。
自分以上の、それこそ狩りの達ゆんと呼ばれるぐらいにならなきゃ嘘だ。その覚悟が無ければ死ぬ。挫折するなら早い方が良い。
「しょんなぁぁぁ、おとーしゃたちゅけてぇ~」
「ごうっじょうなおちびちゃんだね‥‥‥それならこのうんうんがでやすくなるくささんをたべるといいよっ」
母れいむはもう片方のもみあげで小分けにした草を一摘みすると、赤れいむの口に押し込んだ。
何がなんだかわからないが、とにかく怖い。それでも口の中の物を食べればこの苦しみから開放されると、信じて赤れいむは急いで咀嚼する。
「ゆゅ、れいみゅわくしゃしゃんをむーちゃむーちゃしゅるよっ――ゆげぇぇぇ、きょれどきゅはいっちぇるぅぅぅ!」
「どくなんてはいってないよ!くさくってにがにがなだけでいっぱいはえてるから、かりのへたなゆっくりはこれをよぉーくかんでからたべてるよ!たべすぎるとうんうんがゆるゆるになるからちゅういしてねっ、はいちゃだめだよ?」
苦い、臭い、こんな不味い物が食べられる訳が無い!と吐き出したが、一緒に出てしまった餡子と混ぜこぜにして詰め込まれ、再び口を塞がれる。独特の青臭さとえぐ味にもがき苦しむ赤れいむは、母れいむの解説なぞ半分も聞いちゃいなかった。
母れいむは自ゆんの行為が過剰であると理解してはいるが、困った時の備えとして実家で貯蔵していた物を与えただけで、虐待しているつもりは殆ど無い。
うんうんが出易くなる、いっぱい生えてる不味い草――ドクダミには便秘解消や利尿作用があり、お茶として飲用し、それらの効能を得ている人も多い。お腹が弱い方は飲み過ぎに注意する必要がある。
「もうやじゃー!おうちきゃえりゅぅぅぅ!」
「ゆぷぷっ、ここがおちびちゃんのおうちでしょ?‥‥‥さぁ、うんうんでたみたいだからおしめさんをかえようね?」
「ゆぇ?れいみゅおしょらをちょんで――?!」
母親が自ゆんをヒョイと持ち上げると、聖母のような微笑みであなるさんをぺーろぺーろしてくれているのだ。さっきまでの悪魔みたいな冷酷さが、まるで嘘みたいだった。
「ゆわゎ~ぁ、ありがちょーおーかしゃ…」
「おかーさんがえいっさいきょういく!するのはおとーさんになりたいおちびちゃんだけだよ?そうじゃないおちびちゃんにはしないから、いやになったらいつでもいっていいよ!まいにちごはんさんをいっぱいたべて、おうたをうたったりおどりのれんしゅうをして、つかれたらすーやすーやしてるだけでいいんだよっ!」
魅惑の提案だった。目の前の、ホンの少し舌を伸ばせば届く幸せ。
受け入れれば、お母さんはママと同じように溺愛してくれるだろう。きっと無知な自ゆんの世迷言を真に受け、心を鬼にしてお父さんになる為の訓練に協力しようとしてくれただけなのだ。
諦めの気持ちと、本当にそれでいいのか?と迷う気持ちが赤れいむの餡中を駆け巡り、中枢餡がぐーるぐーるする。ゆっくりしたい。ゆっくりさせて欲しいと思う本能には逆らえない。
「ゅぅ‥‥‥ゆっくちりきゃいしちゃよ」
「そう!おかーさんうれしーよ♪いっしょにいっぱいゆっくりしようねおちびちゃんっ」
母れいむの瞳がパァっと輝いた。そして本当に嬉しそうに赤れいむを抱き抱えたまま、すーりすーりをし始める。
だが――
「だきゃりゃやめちゃくにゃっちゃら、おかーしゃにしゅぐゆーょ?」
赤れいむはブルブル震えながら、それじゃ駄目?と縋るような目で回答の先延ばしを試みた。
さっきの酷い目に遭った時、自ゆんはママでもお母さんでも無く、おうちには居ない筈のお父さんに助けを求めた。それは何故だ?
やはり、この家族にはお父さんが必要なのだ。居ないのなら、どんなに大変でも自ゆんがなれるように頑張ってみるしかないではないか。ゆっくりしたいし、させたいのだ。
母れいむが「そ」とだけ発して能面のようなお顔に戻ったところで、狩りを終えたママありすが帰宅する。赤れいむの天国と地獄が裏表の日々は、当分続きそうだった。