艦シーメールの鈴谷になってとある鎮守府に着任した少年の話   作:ゔぁいらす

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意外な一面?

 結局あれから熊野は口を聞いてくれないどころか本当に寝てしまったようだ・・・どうしよう・・・暇だなぁ

そうだ・・・胸の事は加賀さんに相談してみたら良いんじゃないかな・・・まだ弓道場に居るだろうか?

流石に病衣でうろつく訳にも行かないので俺は服を着替えようと下着を取り出し身につけようとした。

しかし

「・・・・あれ・・・?入らない・・・・」

ブラジャーがキツい。そりゃそうだ。胸がでかくなったんだからサイズが合わなくなっていて当然だ。

どうしよう・・・これじゃあ制服もロクに着れそうもないなぁ・・・?

あの制服も明石に貰ったものだしどこで買えば良いのかもわからないしこのままノーブラで過ごす訳にも行いかない・・・・とりあえず明石か夕張に聞きにいかなくちゃ!

どっちみち外に出なければいけない分けだけど一体どんな恰好で出歩けば良いんだろう?部屋着で出歩いて男だってバレたら嫌だし・・・いやこれだけ胸があるのに男だって疑われるかな・・・?寧ろ胸が急に大きくなった事の方が怪しまれそうな気がするなぁ・・・・

よし、良い事思いついた!

「えーっとたしか・・・・・」

俺は古鷹が着任祝いにくれた救急箱を物色し、そこから包帯を取り出した。

「よし!これなら・・・」

漫画とかで見た事あるぞ!胸に包帯みたいなのを巻いて男装したりする奴・・・・これで胸をぐるぐる巻きにすれば胸が大きくなった事に気付かれないのでは?

俺はそう考え早速胸を包帯でぐるぐる巻きにした。

「ぐ・・・・ぐるじい・・・・」

でも背に腹は代えられない。

俺はぎちぎちに胸が締め付けられるのを我慢して制服に袖を通した

「こ・・・これでよしっと!とりあえず明石か夕張に会わないと・・・」

俺は自分に言い聞かせる様に鏡に向かってそう言って部屋を飛び出す。

そして明石達が居るであろう工廠へ向かって歩いていると

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

という聞き覚えのある声の悲鳴が聞こえた。

きっとこの声は古鷹だ!一体何があったんだろう?

俺はすかさず古鷹達の部屋の方へ走った。

「古鷹!?大丈夫!?」

俺は勢い良く扉を開くと誰かがこちらに凄まじいスピードで走ってきた。

「ひゃぁっ!なっ!?古鷹!?」

急な事に俺はそんな声を出してしまう。

ひゃぁっ・・・・?なんで俺ナチュラルにこんな女の子声出してるんだろ?

そ・・・そんなことより古鷹に抱きしめられてる!?そ・・・そんな・・・・

落ち着け俺・・・下手するとボロが出てしまうかもしれないぞ・・・・

俺は・・・いや鈴谷は女の子・・・鈴谷は女の子だから古鷹に抱きしめられても大丈夫・・・女の子同士だから大丈夫・・・・

自分自身にそう言い聞かせていると

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!こわいよぉぉおぉぉぉぉアタシああいうのだめなのおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

彼女は俺に顔をうずめ涙混じりにそう言った。でも古鷹がこんなに大泣きするなんて一体何があったんだろう?

とりあえずなだめないと・・・

「も〜古鷹ぁどうしたの・・・ってあれ?」

抱きしめられた事に精一杯でしっかりと彼女の姿を確認していなかったが俺に抱きついている彼女の髪の色は古鷹の物でなく黒い髪だった。

黒い髪・・・・もしかして

「えっ・・・?加古!?」

そう。今俺の胸の中で泣いているのは古鷹ではなく加古だ。

「うわぁぁぁぁぁぁん鈴谷ぁ・・・・怖いよぉ・・・・あたし・・・・あたし・・・」

いつもは凛々しくてかっこいい加古だが今目の前に居るのは何かに怯える少女だった。

なんだろう・・・いつもと全然違って可愛い・・・・

ギャップ萌えって奴なのか・・・?こんな可愛らしい一面が加古にあるなんて・・・

って何考えてるんだ俺は!!

とにかく何があったか聞かないと・・・それにいい加減離れてもらわないと胸が元々締め付けられているのと相まって苦しいし・・・・なにより恥ずかしい!!

「加古・・・・どうしたの?それにちょっと苦しいよ・・・」

「あ・・・ご・・・ごめん・・・・あの・・・・お風呂に変な虫がぁ・・・・アタシ虫怖いのぉ・・・・」

加古は涙目でそう答える

あのいつもは凛々しい加古が虫を前にするとこんな風になっちゃうなんて・・・

でもここは加古に良い所を見せるチャンスかもしれない!

「大丈夫だよ安心して加古!鈴谷にまっかせて!!鈴谷がその虫取ってあげるから!!」

俺は加古の頭を撫でる

「う・・・うん・・・お願い・・・・」

加古は涙を拭ってこちらを見つめてくる。

か・・・可愛い・・・!!ダメだ・・・・このまま見つめられてたら本当に俺の男の部分が出ちゃうかもしれない!早くその変な虫を取ってこの場から離れなきゃ!!

「そ・・・それじゃあお風呂場行ってくるから待っててね!」

俺はそう加古に言い残して風呂場に向かった。

「うーん変な虫ってどんなのだろ?ゴキブリとかかな・・・・」

別に虫が特別得意と言う訳ではないがゴキブリくらいならなんとかなるだろうと風呂場を見渡すと何やらタイルに黒い紐の様な物が引っ付いている

「ん?なんだろこれ・・・?」

その紐のような物触ると妙に軟らかく、それは触った途端ににょろっと蠢き先端の頭(?)のような部分をうねうねと動かし始める。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!なにこれ!?ヌメヌメするぅ!!!」

未知の生命体を前に俺はまた情けない声を出して尻餅をついてしまった。

こ・・・・これが加古の言ってた変な虫!?な・・・なにこれ!?

鈴谷は未知の生命体を前に恐怖で身を強張らせる

タイルで蠢く黒い紐のような謎の生命体を前にして完全に恐怖してしまっていた。

いつも深海棲艦という異形と戦っては居る物の逆に目の前に居るものはサイズが小さい上に何か全くわからない分逆に気持ち悪く思えてしまう。

こ・・・これどうやって退治すれば良いの?

鈴谷はもう一度恐る恐るそれを指でつついてみるとまたその生命体はにょろりと蠢く

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!鈴谷もこれダメ・・・・」

鈴谷・・・艦娘になって情けなくなっちゃったのかな・・・・虫くらい大丈夫だろうって思ってたのに・・・・

加古に良い所見せようとしてたのに・・・こんなのかっこ悪過ぎるよぉ・・・・

鈴谷が諦めかけたその時

「鈴谷!?大丈夫?加古の悲鳴を聞いて急いで戻ってきたんだけど・・・・」

という声が聞こえ、その方を向くと古鷹が居た。

「ふ・・・古鷹ぁ・・・・怖かったよぉ・・・・」

鈴谷はその姿を見て古鷹の胸に飛び込んでいた

「よしよし・・・怖かったね」

古鷹は鈴谷の頭を優しく撫でてそう言ってくれた。

あれ・・・?鈴谷なんだかとてつもなくいけない事をしているような気がするけど・・・・

それより今はあの黒いのをなんとかしなくちゃ!!

あの加古でさえああなっちゃったんだから古鷹が見たら気絶しちゃうんじゃ・・・・

しかしそんな鈴谷の心配をよそに古鷹はその黒いなぞの生命体をつまみ

「あ〜この子ね。クロコウガイビルていう生き物でね、ヒルって名前だけど別に人の血は吸ったりしない害はない子で、じめじめしてる所が好きだからたまに入ってきちゃうの」

そう片手でそのクロなんとかビルをつまみニコニコして鈴谷にそう説明した。

そんな古鷹の手のひらの上ではそのクロなんとかビルがうねうねしている。害があるとか無いとかじゃなくてとにかく生理的に無理ぃ!!

「せ・・・・説明は良いから早くそれどっかやってよぉ!!!」

「別に悪い事しないのにね〜もう来ちゃだめよ?」

古鷹はそれに語りかけると風呂場の小窓からそのクロなんとかを逃がすと

「はい!これで大丈夫!!」

古鷹は鈴谷にそう言って笑いかけた。

「あ・・・ありがと・・・・」

鈴谷は目の前で起きた事が信じられずただただそう言うしか無かった。

「でもなんで鈴谷がここに居るの?」

「あ、あの・・・古鷹の悲鳴が聞こえて・・・」

「私の・・・?うふふっ!そんなに加古の悲鳴私の声に聞こえた?」

「う・・うん・・・鈴谷逆に加古はこう言うの全然平気だしあんな声出すと思ってなかったからてっきり古鷹になんかあったんじゃないかって」

「加古は虫全然ダメで虫見るとああなっちゃうの。だからいつも私が逃がしてあげてるんだけど。でも私を心配してきてくれたんだよね?ありがとう鈴谷」

古鷹はそう言って鈴谷に笑いかけてくれた

「で、でも鈴谷結局何もできなくて・・・」

「良いの良いの。気持ちだけでも嬉しいわ。でも鈴谷・・・なんだか意外だわ。私、あなたがどこか男の子っぽいところがあるのを誤摩化して無理してると思っていたんだけど・・・・ちゃんと女の子っぽい所もあるのね!」

「そ・・・そんなことある訳無いじゃん!鈴谷は正真正銘おん・・・・・」

女の子みたい?そりゃ当たり前鈴谷は・・・・ってあれ・・・?鈴谷・・・・?違う俺だ・・・あれ・・??俺・・・さっきまで自分の事鈴谷って・・・・俺・・・やっぱり改装受けてから何か変だ。

もしかしてこのまま本当に心まで艦娘に・・・・女の子になっちゃうんじゃ・・・・

「どうしたの鈴谷?なんだか顔色が悪いけど?」

その声で俺ははっと我に返る

「え、あ?ううん!大丈夫!さっきのクロなんとかが怖かっただけだから・・・・」

「そう・・・それなら安心した。わざわざ心配して来てくれてありがとね・・・ってあら?鈴谷・・・あなた胸そんなに大きかったかしら?」

そう古鷹に言われて胸を見るとさっきまでそれどころでなく気付けなかったが包帯がほどけたのか大きくなった胸が露になっていた。

「うわぁあ!そ・・・そんなこと無いよ?気のせい気のせい!!それじゃあおr・・・鈴谷は明石達に用事があるからそろそろ行くね!!じゃあね!!加古にも宜しく伝えといて!お邪魔しましたぁ!!」

俺は胸を隠しながら古鷹達の部屋を後にして工廠へ向かった

 

そして工廠の扉を開けると

「あら鈴谷じゃない。来ると思ってたわ」

そこでは俺が来るのをわかっていたかの様に夕張が椅子に座っていた。

「わかってた・・・?」

「ええ。だって新しい着替えとか渡す前に鈴谷ったら帰っちゃうんだもん」

「そ・・・そうなんだ・・・ごめん」

それならそうと早く言って欲しかった。

「今ノーブラなんでしょ?」

夕張は不敵な笑みを浮かべる

「そ・・・そうだけど・・・」

「やっぱりね!そうだと思ってとりあえず前より大きい下着を用意しておいたわ!とりあえず前まで付けてたDカップより2サイズ大きいFカップの奴から試してみる?」

そう言って夕張は袋からブラジャーを取り出した。

俺・・・前までDカップだったのか・・・・

「って夕張!?俺・・・鈴谷の胸の大きさいつ計ったの!?」

「あ〜今俺って言いましたね・・・まあ私だから良いですけど。そりゃもちろんあなたを艦娘にする手術が終わって寝てる間に制服とかのサイズを調べないといけないから調べさせてもらったわ」

「ね・・・寝てる間に・・・!?」

俺は何故だか恥ずかしくなってしまう

「まあそんな事良いじゃない。さあ早くこのFカップのブラ付けて私に感想聞かせてよ。そこに鏡も置いとといたから」

夕張は話を誤摩化す様に俺にブラジャーを押し付けてきた

「あ・・・うん・・・」

俺はブラジャーを受け取り服を脱ぎ鏡の前に立つ

やっぱり急にでかくなったなぁ・・・俺の胸・・・・

自分の胸にぶら下がる大きな2つの肉の塊を再び目の当たりにしてもう俺は後戻りできない所まで来てしまったと再認識させられてしまう。

えーい!!今更こんな事考えてたって仕方ない。早く終わらせてしまおう。

俺は慣れた手つきでブラジャーをつけようとするが・・・

「うーん・・・これじゃダメみたい・・・・」

「やっぱりダメかぁ・・・それじゃあGカップでどう?これなら入る筈よ!」

夕張はまた袋からブラジャーを取り出して俺に渡して来るのでもう一度それをつけようと試みた。

しかし

「う・・・・一応入ったけどなんかキツい・・・かも・・・」

「え〜Fカップもだめなの!?ごめんなさいもうこれより上のサイズは用意してないわ・・・」

「えっ・・・それじゃあ・・・鈴谷今日はノーブラのまま!?」

「そ・・・それじゃあとりあえずサイズ計らせて!少しくすぐったいかもしれないけど」

そう言うと夕張はポケットからメジャーを取り出し俺の胸の周りに巻き付けた。

「んぅっ・・・・♡」

メジャーが乳首に触れ、その冷たさで変な声が出てしまった

「あらぁ?感じてるんだ?」

夕張が意地の悪そうな顔でこちらを見つめてくる

「そ・・・そんなんじゃないし・・・メジャーが冷たくてびっくりしただけだし!!」

俺はそう誤摩化す

「はいはいそーですか。うーん・・・とここがこうで・・・・」

夕張は俺の誤摩化しを軽く受け流しサイズを淡々と測っていった。

「よし!計れたわ!今のあなたの胸のサイズはHカップよ!!それにしても大きくなったわね・・・・」

H・・・!?こっそり買ったグラビア雑誌の表紙にHカップの爆乳が・・・・とか書いてたけどそのHカップなのか!?

まさかそんな物が今俺の胸に引っ付いてたなんて・・・・・嬉しいような悲しいようなよくわからない感覚だ。

「うーん困ったわ・・・今から注文するにもすぐ届かないし・・・・」

「ええ!?そんな・・・鈴谷このまま当分ノーブラって事!?」

「ごめんなさい。こんなに大きくなってるとは思わなくて・・・それに私達男でしょ?胸板の広さが女の人よりあるから胸だけ見ても判別し辛いの・・・・」

夕張はそう説明した。

「そ・・・そう言われても」

「とりあえずできるだけ早いうちになんとかするから・・・今日はこれで我慢して」

夕張はそう言うとロール状に巻かれた布を袋から取り出した

「なにそれ?」

「ああこれ?サラシよ。胸に巻けばブラの代わりになるわ」

「えっ!?サラシって包帯の事じゃなかったの!?」

「あら?鈴谷も勘違いしてたんだ。明石もこの姿になりたての頃同じ事言ってたわ。詳しい説明は後々。とりあえず巻き方教えてあげるわ」

そして俺は夕張からサラシの巻き方を教わった。

「これでよしっと!」

夕張は俺の背中を叩く。

さっきみたいに無理矢理ぐるぐる巻きにしている訳ではないのでさっきほど苦しくはなかった。

「あ・・・ありがと・・・」

「うん!これでひとまずは大丈夫そうね!できるだけ早めにブラジャーは用意できる様にするからちょっとの間だけそれで我慢しててね」

「うんわかった。出来るだけ早くしてね」

俺はそう言って夕張に別れを告げた。

あれ・・・?なんか他にも相談したい事があったような気がするけど・・・まあいいや。とりあえず加賀さんに会いに行こう。

俺は加賀さんを捜しに弓道場へと向かった。

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