どうせ転生するなら更識姉妹と仲良くしたい   作:ibura

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日常を書いたら話が全然進まない…。


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本当にあいつは男装を隠す気があるのだろうか?

 

自己紹介を終えて各々着替え始めたのだが、今は男であるはずのシャルロットは一夏の体を見て顔を赤くしている。確かに一夏は結構鍛えてるけど、これは普通バレるんじゃないだろうか?一夏は全く気付いていないようだけど。

 

まぁでも、見方によってはホモに見えるから大丈夫なのか……いや、大丈夫じゃないな。学園の一部の学生にとっては大歓迎なのだろうが、普通は受け入れられないはず。

 

 

何はともあれ、一応着替えは無事に終えた。『着替え中はあっち向いてて』というシャルロットの懇願を見事にスルーした一夏が普通に振り向いたが、シャルロットの着替えのスピードの速さによって何とか大惨事は免れた。

 

 

 

いろいろあったけど無事に授業に遅れることなく集合できた。一夏がデュノア社についてシャルロットにずばずば聞いているときは気まずかった。一夏気づけ、それは地雷だ。いろいろと知っている俺からしたら、明らかにテンションが落ちているシャルロットに同情するしかなかった。

 

グラウンドに出て、織斑先生の声で授業が始まる。まずは、専用機持ちが実際に戦闘を見せるということになった。織斑先生に選ばれたのは鈴とセシリア、2人とも露骨に嫌そうにしながら前に出て行く。が、次の瞬間には態度をがらりと変えてやる気を見せている。どうせ、一夏を引き合いに出されたのだろう、単純な奴らめ。いや、でも俺も刀奈が絡むと明らかにやる気を出すから他人のことを言えないか。

そして、この2人の代表候補生の模擬戦の相手を務める山田先生が上空から急降下してきて一夏に突っ込んでいった。実際に見るとやっぱりすごいな、一夏のラッキースケベは。あと、鈴とセシリアは本気で一夏を殺しに行っているからヒヤヒヤする。これでも一夏の護衛を務めているんだからやめてもらいたい。こんなことで一夏を死なせてしまったらいろんな人から怒られるし、何より刀奈の期待を裏切ってしまう。そんなことあってはならないし、そうなってしまったら俺は立ち直れないだろう。刀奈に嫌われたら、もうこの世界で生きている意味ないし。

 

弟が地味に殺されそうになったにもかかわらず、織斑先生がいたって冷静に山田先生の紹介をして、2対1の模擬戦が始まった。結果は山田先生の勝利となった。

やっぱり経験が違うな。攻撃力とか手数とかは鈴とセシリアが明らかに優位なはずなのに、山田先生は元代表候補生としての経験から、技術や戦い方、読みとかで不利な点を補っている。伊達に学園の教師をやっているわけではない。これでドジっ子属性がなければなぁ……。

 

その後、グループに別れて実習を行うことになったが、やっぱりというか何というか、案の定男子3人の人が集まった。実際は2人だけど。

結局織斑先生の指示で出席番号順にグループ分けされることになった。

 

 

「じゃあまぁ、とっととやっちまおう」

「上代君テキトーすぎない?」

「いやさぁ、俺基本的に教えるの苦手だから。まぁ何とか伝わるように頑張るさ」

「よろしくね」

 

とりあえずとっとと1人目から始めていく。

一夏とシャルロットのグループは女子がそれぞれ自己紹介をしながら合コンのような雰囲気になっていた。

 

「あいつらも大変だな」

「あれじゃお見合いだね」

「こういう時は、彼女いることを公表しといてよかったと思う」

「そうだよね。上代君にアタックしても意味ないってわかってるもん」

「そうそう。あぁそうだ、初めにみんなに言っとくけど、次の人に交代するときは絶対に屈んだ態勢で訓練機から降りろよ。間違っても立った状態で降りないように」

「どうして?」

「立った状態で降りたら身長的に次の人が乗り込めなくなるからな。そうなったら他の誰かがIS展開して操縦席まで運ばなくちゃいけなくなる」

「え?じゃあその場合は上代君が運んでくれるの?それなら…」

「俺の彼女の生徒会長に喧嘩売りたいなら俺は止めないぞ」

「…遠慮しておこうかな」

 

 

刀奈は意外と独占欲強いんだから遠慮してもらいたい。何かあって刀奈を怒らしたら後が大変なんだよ。

俺の願いが通じたのか、俺のグループの子達は俺の言葉をしっかりと聞いてくれたので良かった。一夏のグループでは、俺が懸念していた事態となって、結局一夏が箒を運んでいた。その後も、女子生徒たちは立て続けに立った状態のまま訓練機から降りて、そのたびに一夏がお姫様抱っこで運ぶという繰り返しになっていた。

一夏は気づいていないようだが、順番がまだ回ってきていない女子たちからの圧がこっちにまで伝わってきている。そりゃあんなプレッシャーの中、律義に屈んだ状態になどできない。全ては事前に注意しなかった一夏が悪い。

 

俺のグループは何事もなく無事に全員が実習を経験して授業は終了した。

 

 

 

 

午前の授業が終了して昼休みに入った時、携帯端末に連絡が入った。

相手は刀奈からで、今日の昼は轡木さんと話し合いがあるから先に食べといてということだった。多分明日転入してくるラウラに関することだろう。内容は夜にでも聞くとして、了承の旨を返信しておく。

最近はずっと刀奈と2人で昼を食べていたので、たまにはクラスメイトとでも食べるかと思って一夏に声をかけたら、ちょうど屋上で食べるということでそれに付いて行った。刀奈にも連絡をいれておく。用事が早く終わればこっちに合流するだろう。

途中で合流した箒が俺とシャルロットの姿を見た瞬間に、表情を固めたのを見て全てを察し、一夏に聞こえないように謝っておいた。でもな箒、きっとこれから何度もこういう事があるんだぞ。

基本的に女子がデートであったり一夏と2人きりで何かを誘っても、団体行動大好きな一夏によって結局は他のヒロイン達も集まってしまう。

 

今もそんな状況だった。箒としては一夏と2人での昼食だと思っていただろう。しかし蓋を開けてみれば、俺やシャルロット、さらには鈴とセシリアもこの場にいる。

 

「……ねぇ翔平、この場に僕たちが来ても良かったのかな」

「気にしたら負けだぞ。箒には悪いが一夏のこれは今に始まったことじゃないから」

 

3人が目線で火花を散らしているのを見て、シャルロットが俺に小声で聞いてきた。今は苦笑いしているけどそのうちお前も向こう側なんだぞ。言葉にはしないけど。

 

ヒロイン達の料理アピールタイムが始まったので、こっちはこっちで勝手に食べ始める。

 

「翔平ってお弁当なんだ」

「そうだけど、これ別に俺が作ったんじゃないんだけどな」

「え、そうなの?」

「彼女に作ってもらったんだよ」

「え!?翔平って彼女いるの!?」

 

俺の発言にシャルロットが驚く。

そうだよな、この反応が普通だよな。最近じゃこの学園で俺と刀奈が付き合ってるということが当たり前になってるからな。

 

「あぁそっか、シャルルは今日転校してきたから知らないよな」

「クラス戻ったら掲示されている新聞見てみなさい。この学園唯一のカップルについて詳しく書いてあるわ」

 

最近はこんな感じだ。口でいちいち説明するより例の新聞を見てもらった方がいろいろと楽なのだ。最近になって薫子に感謝するようになった。

 

弁当の蓋を開けて中身を確認する。うん、めちゃくちゃうまそう。

 

刀奈は週に数回程度で弁当を作ってくれる。刀奈が忙しいのは分かっているのでもっと頻度を減らしてくれもいいのだが、本人から『好きでやっているから気にしなくてもいい』と言われてしまったら、もう有難くいただくしかない。俺は見事に胃袋をつかまれているので、ほんと嬉しい。泣きそうなぐらい。

 

心の中で涙を流しながら刀奈に感謝して弁当のおかずを食べていると、急に悪寒が走った。

ばっと顔を上げて確認すると、セシリアが一夏に作ってきたサンドイッチを取り出すところだった。それを見て俺は思い出した。そうだ、こんなことがあったな。

実戦で培った俺の第六感があれは危険だとアラームを鳴らす。あれはやばい、見た目は普通に美味しそうに見えるところが質が悪いし。

 

案の定、食べた一夏が死にそうな顔になっている。それを見て、作ったセシリア以外のこの場の全員がすべてを理解した。多分、全員の中であのサンドイッチは劇物認定されただろう。

 

「翔平さんもお一ついかがですか?」

「あ、あぁ…」

 

やばい、こっちに標的が移った。

 

「そ、その前にセシリア。それ味見はしたのか?」

「いえ?サンドイッチ程度に味見など必要あるのでしょうか?」

 

普通は必要ないと思う。でもお前には必要なんだよ。

 

「とりあえず、1つ食べてみろ」

「分かりましたわ」

 

セシリアは俺の言葉の意図が分からずに首をかしげるも、俺の言われた通りにサンドイッチを口に入れる。そして次の瞬間口を押さえて顔を青褪めて、慌てて飲み物で流し込んだ。

 

「な、何ですのこれは!?」

「サンドイッチだろ?」

「それはそうなのですが……」

 

言葉を詰まらせるセシリア。まぁ料理に慣れていないうちは味見をしないとこういう事は起きるからな。見た目悪いけど味はましならまだしも、見た目良いけど味最悪は警戒0で食べてしまうぶん衝撃は半端ないものになる。

 

「慣れないうちはちゃんと味見したほうがいいぜ」

「これからはそうしますわ……」

「とりあえず、それはしまっとけ」

「では、私の今日の昼食はどうしましょう…」

 

劇物が食べれなくなったことによって、今日のセシリアの昼食が無くなってしまった。まぁあれを食べるのなら昼抜きにした方がいいのかもしれないが。

仕方ないので不本意ながら俺の弁当を少し分けてやろうと思ったとき、見知った声が聞こえた。

 

「あら、なら私のお弁当食べる?」

 

後ろを振り向いたら、自分の弁当と別の包みを持っている刀奈が立っていた。

 

「お疲れ、早かったな」

「確認程度だったからそんなに時間はかからなかったわ。それで、セシリアちゃん。お昼ご飯ないのなら私のお弁当あげるわよ」

「で、ですが。それでしたら楯無さんのお昼がなくなるんじゃ……」

「大丈夫よ、私にはこれがあるから」

 

そういって持っていた包みの中を取り出す。それは、コンビニやスーパーで売っているようなお弁当だった。ただし中身は豪華で、デパ地下のちょっとお高いお惣菜を詰め込んだ感じだった。

 

「それどうしたんだ?」

「さっき学食のスタッフに会って、この前恋愛相談で話聞いたお礼にってもらったのよ」

「あの人達も行ったのかよ…」

 

俺と刀奈が付き合っていることが広まりそれが当たり前となった今、刀奈のもとには恋愛相談に訪れる人が急増しているらしい。俺のところにもちらほらくるが大体が同級生で、上級生や教師などは刀奈の方に行っている。

あまりにも人数が多いらしいので、今度から学内新聞の一部に"生徒会長の恋愛相談"として載せてもらえるよう交渉している。

俺的には薫子は2つ返事で了承してくれると思っていたが、『これ以上忙しくするって、あんた達鬼か!?』と言って渋られている。俺達の関係を載せた新聞を書いてしまったせいでそこからどんどん仕事が派生していってずっと忙しい状態が続いているらしい。自業自得だ。今では校内各所で"新聞部 部員募集"という張り紙が掲示されている。

 

 

「せっかくもらったから食べないわけにもいかないからね。だからセシリアちゃんは気にせずに私のお弁当食べていいわよ」

「そういうことでしたら、いただきますわ」

 

 

 

その後、セシリアは刀奈が作った弁当の美味しさに衝撃を受け、さらには先ほどの自分のサンドイッチと比べてしまい涙を流しながら食べていた。

 

 

 




「出番ないから、ここで話すこともあんまりないよね」

「だよねぇ」




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