ハリー・ポッターと魅了の少女   作:栴檀若葉

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今回は短めです。


組み分け

 

 

大広間に入ると、そこには魔法の様な空間が広がっていた。天井には満天の星空が輝いており、宙にはたくさんの蝋燭が幻想的に浮かんでいる。

 

「魔法で投影してるのよ。本で読んだわ‼」

 

列車で出会ったハーマイオニーが興奮気味に話しているのを聞き、ルクスリアはあらためて魔法の素晴らしさを味わった。

天井から視線を下げると、長いテーブルが四列あり、それぞれの寮毎に別れている。上級生達も、どの生徒が同じ寮になるのか気になっているようでかなりそわそわしている。そのテーブルの奥には、教員達の席があり、そこにスネイプもいた。

そして、その中央に校長であるダンブルドアがいた。白い髭をたっぷりと蓄え、キラキラと輝く青い目をしていた。そのダンブルドアの前に、椅子と古ぼけた帽子が置かれていた。

全員が入場し終え扉が閉まると、突然その帽子がブルブルと震え始め、上下に口の様に裂け、驚いたことに歌い始めた。

 

 

 

私はきれいじゃないけれど

人は見かけによらぬもの

私を凌ぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

山高帽子は真っ黒だ

シルクハットはスラリと高い

私はホグワーツ組分け帽子

私は彼らの上を行く

君の頭に隠れたものを

組分け帽子はお見通し

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

 

グリフィンドールに行くならば

勇気ある者が住う寮

勇猛果敢な騎士道で

他とは違うグリフィンドール

 

ハッフルパフに行くならば

君は正しく忠実で

忍耐強く誠実で

苦労を苦労と思わない

 

古き賢きレイブンクロー

君に意欲があるならば

機知と学びの友人を

ここで必ず得るだろう

 

スリザリンではもしかして

君はまことの友を得る

どんな手段を使っても

目的遂げる狡猾さ

 

かぶってごらん! 恐れずに!

興奮せずに、お任せを!

君を私の手にゆだね(私に手なんかないけれど)

だって私は考える帽子!

 

 

 

帽子が歌い終わると、全員が拍手をした。拍手が終わると、いよいよ組分けが始まった。

 

[私はどの寮になるんだろう。どの寮も当てはまってそうな気もするし、どの寮も当てはまってなさそうな気もする……。しかも一番最後だなんてこの緊張が続くのは辛いよ……。]

 

ルクスリアは生徒が組分けされる度に緊張感がどんどんと増してきていた。

 

「グレンジャー・ハーマイオニー」

 

「グリフィンドール!!」

 

ルクスリアは列車内でのハーマイオニーとの関わりから、勝手にレイブンクローかと思っていたが予想が外れ驚いた。どうやら、自分も人の表面しか見ずに人を判断していたようで、ハーマイオニーに言った言葉を思いだし、恥ずかしくなった。

 

「ポッター・ハリー」

 

ハリーの名が呼ばれると大広間は、先程までの喧騒が嘘の様に静まり返っていた。どうやら、どの寮も有名人であるハリーが、自分の寮に組分けられることを期待しているようであった。ハリーが帽子を被っても帽子は直ぐには組分けをせずに、低く唸って悩んでいるようだ。そして、数分が経ったときハリーが小声でなにかを呟きそれを聞いた帽子は、高らかに宣言した。

 

「グリフィンドール!!」

 

グリフィンドールのテーブルから、爆発したかのような歓声があがった。赤毛の双子は肩を組み「「ポッターを取った!ポッターを取った‼」」と騒いでいる。

大広間が一度落ち着くと組分けは再開された。

 

「ウィーズリー・ロナルド」

 

ロンは緊張で顔を青くしながら、進んでいった。

 

「グリフィンドール!!」

 

帽子が宣言すると、ロンは安心した顔でテーブルに向かっていった。そこで、同じ赤毛の生徒達が彼を叩いて喜んでいた。

 

気がつくと、残っているのはルクスリアだけになっていた。緊張はとうにピークに達しており、心臓はバクバクと激しく鼓動しており、手足もプルプルと震えている。

 

「ルクスリア」

 

呼ばれた。震える足を必死に動かしながら、進んでいく。大広間がざわついている。

 

「姓がないのか?」

「ルクスリア(色欲)って……」

「なんであんな髪型をしているんだ?」

 

そんな声がヒソヒソと囁かれている。覚悟していた事とはいえ、こんなに一度に不審なモノを見る目を向けられたら、心が傷つく。髪の下では苦悶の表情をしながらなんとか帽子のもとへたどり着き、視線を遮るように帽子を深く被った。

 

[安心したまえ。あの程度の好奇の目など一晩で落ち着くよ。]

 

突然の頭の中に響いてきた声にルクスリアは驚いた。

 

[そう君の頭に直接話しかけているのだ。……さて、君も非常に珍しい。どの寮に行っても君は成功するだろう。その右目の力を含めてな。君はどの寮を望む?]

 

[私が決めていいの?]

 

[そうだ。君はどの寮に進んでもその寮にあったものを活かす事ができる。そうなると大事なのは、君がどの様になりたいかだ。さあ、ルクスリア、君はどこを選ぶ?]

 

[私……私は…………]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[私は今まで、ずっと隠れて生きてきた。魔眼のせいだとわかったけど、でも、そんな生き方はもう終わりにしたい。まだ、力を制御できないから顔は隠すけどそれ以外は隠したくない。力だっていつかは制御してみせる。そして、それを含めてルクスリアとして胸を張って生きていきたい。だから、私は、踏み出す勇気が欲しい!!]

 

ルクスリアは心のなかで叫んだ。今までのような生活はしたくない。でも、隠さなくするのはとても怖い。今の自分に必要なものは何か。その答えに辿り着いた。

組分け帽子はルクスリアの叫びを聞き、優しく語りかけてきた。

 

[それが、君の意志だね。よろしい。君のその意志があればきっと望んだものは手に入るだろう。]

 

「グリフィンドール!!」

 

組分け帽子の声が響き渡った。グリフィンドールから拍手が沸き起こり、ルクスリアを歓迎してくれた。帽子を置き、テーブルへ向かうとハリーとロンが迎え入れてくれた。

 

「「おめでとうルクスリア!!」」

 

「ありがとう二人とも。七年間よろしくね。」

 

ルクスリア達が喜びを分かち合っていると、ダンブルドアが、檀上にたった。

 

「新入生諸君、入学おめでとう。話をしても良いのじゃが、そんなことよりまずは腹を満たさねばな。」

 

ダンブルドアは茶目っ気たっぷりに笑いながら、指を鳴らすと今まで何も無かったテーブルにたくさんの料理が並んでいた。

 

孤児院育ちのルクスリアには、見たこともない料理がたくさん並んでいる。ルクスリアは気になったもの全部を食べ始めた。

黙々と食べていると、グリフィンドールの先輩達がやってきて自己紹介をしてくれたが、皆食べるのを止めなくていいと言ってきたため、そんなにがっついている様に見えたのかとルクスリアは恥ずかしくなった(実際は皆ルクスリアの唇が気になっていた)。ハリーとロンも目を奪われていたが、途中でルクスリアがいつまでも食べ続けていることに気がつき笑顔がひきつった。

 

[こんなにたくさん食べてもいいなんてすごい幸せ。そう言えば、私って皆が言うお腹いっぱいって状態になったことないなぁ。]

 

結局ルクスリアは、ダンブルドアが料理を消すまで、ひたすら食べ続けていた。流石に他の生徒も気がつき、唇どころではなくなっていた。ルクスリアが突然消えた料理にショックを感じていると、ダンブルドアが再び立ち上がり話し始めた。

 

「皆良く食べ腹も膨れたことじゃろう。直ぐにベッドに行きたいと思うが、いくつか忠告しておかねばならんことがあるのでしっかりと聞くように。まず、とても痛い死に方をしたくない人は四階の鍵のかかった部屋に入らないように。」

 

[そんな危険な場所が学校の中にあるの⁉]

 

その後も他のことについての説明があり、最後に校歌を歌って解散となった。

 

「一年生の諸君、僕は監督生だ。皆僕についてきて。」

 

そう言って、ロンの兄であるパーシーがグリフィンドール寮まで案内した。

 

「皆の荷物は既に部屋に運び込んである。荷物がある場所が、自分のベッドだ。」

 

ルクスリアのベッドは四人部屋の一番奥であった。メンバーはルクスリア、ラベンダー・ブラウン、パーバティ・パチル、そしてハーマイオニー・グレンジャーだった。

四人は軽く自己紹介をし、すぐにベッドに潜り込んだ。

 

[今日は色々あったな。明日からすぐに授業も始まるし頑張らなきゃ。]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女はどうじゃった?」

 

「あの子は自分自身でグリフィンドールを選んだ。恐らく悪い方にはいかないだろう。」

 

「そうだといいんじゃがな。魔眼はどうじゃった?」

 

「非常に強力だが、効かない者には全く効かないようだ。」

 

「どういう人間には効かないんじゃ?」

 

「そこまでは分からん。だが、あの男には効かなかったのは知っているだろう。」

 

「なるほどのう。だが、わしの推測が正しければわしが見るのは危険かもしれん。」

 

「しばらくは、様子をみた方がいいだろう。」

 

「分かっておる。彼女が予言のどちらに転ぶか。正しい方に転ぶように導かねばな。」

 

 

 

 

 

 




なんで私はタグに寮名を入れていたのでしょうか……
バカですね。
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