AH-64 アパッチ。
アメリカ合衆国が開発した攻撃ヘリで幾多の実戦経験を得ている兵器だ。
強力なチェーンガンとロケット弾を武装しており戦車すら破壊できる。当然、人間など一瞬に肉片に変えてしまう。
そんな恐ろしい兵器が今、自分達に向けられてる事を理解した切嗣と舞弥は恐怖するしかなかった。
「そんな…ありえません…。紛争地ならともかくこの平和の国であんな物が…」
舞弥は震えながらぼやいていた。とにかくあの攻撃ヘリから逃れるためにアクセルを思いきり踏み込み車を猛スピードで走り出した。
「一体どうなってるんだ! あんなとんでもない兵器をどこからもってきたんだというんだ!」
この時ばかりは切嗣も冷静ではいられなかった。彼自身あの攻撃ヘリの恐ろしさ理解していたからだ。
そして先ほど襲撃者達が引いていったのはこのためだったのだとようやく理解した
とにかくあまりの予想外な出来事に二人は混乱するしかなかった。
切嗣はこの聖杯戦争に備えて数多くの銃器や爆薬を揃えていたが相手はそれを上回るものだった。というよりこの日本で攻撃ヘリを出してくるなど誰が予想できるのか…。
そしてアパッチ攻撃ヘリは狙いを定め二人が乗る車にチェーンガンを撃ってきた。放たれる弾丸はコンクリートの地面を紙を引き裂くように抉っていく…。アパッチヘリから放たれる死の
一発一発が恐ろしい威力がある弾丸が高速で放たれるのだ。舞弥はかつてある紛争地に居た時、民兵の集団があのチェーンガンによってトラックと装甲車ごと粉々になったのを見たことがある。
連続で当たったらなんの強化もしてないこの車など自分らもろとも細切れにされてしまうだろう…。
切嗣は何も出来なかった。というよりこちらの武装は9mm弾の拳銃しかないのだ。当たり前ながらこんなものであの攻撃ヘリに通用するわけがない…。あのヘリを撃ち落とすには地対空ミサイルやロケットランチャーや対空砲なければ無理だ。勿論、そんな強力な武器などこの冬木には用意はしてない…。
(どうすればいい…! このままだと確実にやられる…。 なんとかあのヘリの視界から消えなければ!)
切嗣は必死に打開策を考える。
セイバーは呼ぶべきかもしれないが先ほど考えた通りそれをしたらアイリスフィールが孤立してしまう。彼女はこの聖杯戦争で重要な人物でありキーパーソンなのだ。敵に奪われる、または殺害されたらお終いなのだ。
Uターンしてトンネルに戻るか? トンネルに入ればヘリの攻撃を凌げるかもしれない…。 だがそのトンネルに敵が待ち構えていたら? そうなったら切嗣達は挟み撃ちにされて終わりだ…。それ以前にUターンという隙を敵が見逃すはずがない… ターンする隙にあの機銃でバラバラにされるか またはロケット砲で木端微塵にされるかのどちらかだ。
考えほんの数秒で多くの案を考えては消えていく…。切嗣はもう一度、辺りを見渡した。一方は土砂崩れを防ぐためにコンクリートに補強された斜面。もう一方はガードレールが敷かれた下に降りる斜面で奥には森林が広がってる。そこで切嗣は一か八かの一つの考えが思いついた。
「舞弥! ガードレールを突き破って森林に入るんだ!」
「はい!」
切嗣の考えたのは下に降りる斜面を降りてその先の森林に入り森に入ってヘリの視界から消える事だった。
舞弥は切嗣の指示に戸惑いなく従う。思いきりアクセルを踏み込めガードレールへ向かって突っ込む。ヘリの銃撃の受けたせいかガードレールは脆くなっており簡単に突き破る事が出来た。
限界までアクセルを踏んだため車はかなりのスピードになっており突き破ると大きく空を飛び落下していく…。
そして地面タイヤが付いた途端、凄まじい衝撃が二人を襲う…。
舞弥は大きくズレるタイヤをハンドルで必死に軌道修正しながら森へ突っ込んでいった。
そして大きな爆発が起きた…。
「爆発だ ターゲットは確認できるか?」
アパッチヘリを操縦するパイロットは副操縦士に聞く。
「木々がジャマで良く見えない… 赤外線でも車の炎で判別しづらい」
「了解した。 ストライクチーム応答願います」
『どうした? 奴らを仕留めたのか?』
「ターゲットは森林に突っ込み車は爆発して炎上してるがターゲットは生死が確認できない」
『そうか。ホーク1は基地に帰還しろ。後はこちらが引き受ける。ご苦労だった』
「了解。ホーク1はこれより基地に帰還する」
アパッチヘリは切嗣達に捜索を止めどこかへ去っていった。
ヘリが去ってから少し経った後
二台の車が現れ中から武装した兵士が現れた。
「陣形を崩さず慎重に行動しろ。 まだ近くに居るかもしれんからな…」
兵士達に指示をする男、ロドリゼスは崖の下から爆発し炎上してる車を見る。
「まさか、飛び降りるとは…な。 さすがに一筋縄では行かないか」
ヘリから逃れるためにガードレールを突き破って飛び降りるとはロドリゼスも驚きを隠せなかった。
少し時間が経ち、無線機から通信が入る。
『隊長。車内に死体はありません。辺りも捜索してますが人影は見当たりません』
「そうか。 もう少し探索を続けてくれ」
『了解』
(おそらく奴らはもうすでに逃げているだろう。ここに来るまで少し時間がかかったからな)
「失礼します隊長。冬木警察署長からお電話です」
思案してる中、部下が携帯電話をロドリゼスの前に持ってきてそれを受け取り耳に当てる。
「変わりました。Rです」
『Mr.R。私だ。すぐにそこから離れた方がいい。部下がそちらに向かっている。あと十五分そこらで到着する』
「そうですか。感謝します。
総員、まもなく警察がここに来る。捜索は中止し急いで撤収しろ」
ロドリゼスは部下達に撤収の指示を出した。今、警察と鉢合わす訳にはいかない。撤収の指示を聞いた兵士達は急いで車に戻り車を発進させた。
「今日はここまでだ。我々も基地に帰還するぞ」
ロドリゼスは基地の帰還を命じた。
車内でロドリゼスは再び電話の相手と会話を始める。
『それでMr.R。例の相手は始末出来ましたかな?』
「いいえ…恐らく逃げられました。ヘリまで出したというのにとんだ失態ですよ」
『そうか… ただ我々も通報を受けたからには動かざるにはいかないのでね。そこは分かってもらいたい』
「構いません。 あなた方に協力にコマンダンテを初め我々は深い感謝をしています。」
『いやいや…首相直々に命令だからな。冬木警察は連邦の勝利のために全力を尽くそう』
『それと報告だが君たちの情報どおり【HOTEL冬木】の703号室から大量の銃器と弾薬および爆薬が見つかった。
あとで資料を送るが部屋を借りた女は【久宇舞弥】という女で監視カメラからも衛宮切嗣がその部屋に出入りしてるのも確認できた。明日には奴らは冬木市には歩く事は出来ないはずだ』
HOTEL冬木の703号室に武器商人が取引に来てる
その通報を受けた冬木警察だったが当初は半信半疑だったが署長の迅速な命令でホテルに大勢の警察官に完全武装した特殊部隊や機動隊がホテルを囲んだ。折しも高級ホテルが爆破される事件が起きたばかりで現場はかなりの緊張に包まれた。
そして特殊部隊は部屋に突入。武器商人はいなかったが室内から大量に武器弾薬や爆薬が見つかった。
署長はホテル爆破事件で衛宮切嗣と久宇舞弥の二人が関与してる可能性が高いと発表し二人を緊急指名手配した。
『衛宮切嗣だけではなく他のマスターの監視を続けている。何があったらすぐにそちらへ報告する
それでは失礼する。コマンダンテによろしく。」
プツリと電話が切れる。
ロドリゼスはふぅと息を吐き出した。
(指名手配か… 今夜は奴を仕留められなかったがこれで大幅に行動が制限できた。 リカルドは間桐と同盟を結べただろうか?)
考えてると眠気を感じてきたロドリゼスは部下に少し眠ると言い瞼を閉じた。
戦闘シーンはやっぱ難しいです…。イメージを文字にするのって大変…。
ケリィとマウヤ 二人仲良く指名手配され日本中で人気者になりました。
[署長]
名前は大滝敏孝{おおたき としたか} 42歳
冬木警察の署長を務める男。 首相である忠蔵とは同じ学校で学んでいた事があり卒業した後でも連絡とり合っている仲である。
今回の聖杯戦争では友人である忠蔵首相の願いで連邦の勝利の為に動いてる。
ちなみにいつか冬木市の市長になり政界進出を夢見ている。