独裁者の聖杯戦争   作:マルルス

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本当に亀更新ですが頑張って書いていきますのでこれからもよろしくお願いします。


脱落②

ケイネスはランサーと共に森へと突き進んでいた。

拠点であるホテルを爆破され持ち込んだ道具もほとんど失うという痛手を受けてる状況だ。

しかしまだケイネスには自慢の礼装がまだ一つ残っておりランサーも健在だ。

そして魔術師の神聖な決闘である聖杯戦争を()()な物を持ち込んでそれを汚す輩に怒りが満ちていた。

 

(下賤な手段でこの神聖なる戦いを汚す愚か者共も制裁を下してくれる…!)

 

ケイネスはこの聖杯戦争で己の秘術を思う存分に発揮し相手を恐怖と畏敬で打ち倒すのが目的だった。それなのに相手は神秘もへったくれもない火薬など用いてきたのだ。

聖杯を手にするために魔術師としても矜持も誇りを捨てそのような行いをする輩は断じて許すわけに行かない。

魔術師としての誇りと怒りを胸にケイネスは恐れもなく突き進んでいく。

 

 

ケイネスのサーヴァントであるランサー=ディルムッド・オディナもまたその胸に闘志の炎を大きく燃え上がらせていた。

 

(セイバー… 今宵 我が槍はお前を討ち取る)

 

埠頭で戦いで清爽な闘志を持ち己に挑んできた誉れ高き騎士達の王 アーサー王。

かの王との尋常な決闘は己の戦士の血を大きく高ぶらせ何より心地が良い戦いだった。

途中、邪魔が入り決着は流れてしまった。だから今夜は余計な邪魔が入らず騎士王との決着をつけたい。

 

「ランサー 敵のマスターはこの私自ら誅罰を下す。貴様はサーヴァントの邪魔が入らぬよう動け」

 

「ハッ! 我が槍にかけて必ず!」

 

それぞれの決意と意気込みをかけて進撃を続ける二人だったが…。

 

「主!」

 

ランサーは前方から膨大な魔力の気配を感じてケイネスを守るように立つ。

ランサーとケイネスの前方に全身に黒い甲冑を身に包んだ者が現れた。

 

「バーサーカーだと?」

 

あの時、埠頭に突如現れたサーヴァント・バーサーカー。

あの黄金のアーチャーが放つ宝具を超人的な腕前で次々と捌いていった英霊だ。

それが何故、自分達の前に現れたのか?

 

「!?」

 

銃声が響きランサーは槍でケイネスに目掛けて飛んできた銃弾をはじき返した。

バーサーカーは何もしていない…。つまり考えられるのは…

 

「下衆が。 大方アインツベルンが雇った下賤な輩共だな…

ランサー、 貴様はあの狂犬を始末しろ!

奥に居る愚か者共はこのロード・エルメロイが直々に誅を下してくれる!」

 

「承知いたしました。」

 

ケイネスはバーサーカーをランサーを任して自身は銃撃を行った敵がいる森の奥に突き進んだ。

しかしケイネスはコレが自分の生死を分ける結果になるとはこの時は知りもしなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ターゲット「K」はこちらに向かって来てます。」

 

『よし。このまま奴を例の地点に誘導しろ。出来るだけ犠牲は出さないように動け』

 

「了解。作戦遂行します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケイネスは懐から銀色の液体が入った試験管を取り出し呪文を唱える

 

    -自動索敵-

    

―自立防御ー

 

     ―指定攻撃ー

 

試験管を傾け中に入った液体が地面へと落ちていく。

 

するとどうだろう。僅かな量の液体がみるみる増えていき巨大な球体へと変化した。

これこそ神童ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの自慢の水銀を使った礼装の月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)である。

傍に己の礼装を展開しケイネスは奥に隠れてる連邦軍兵士達に見据え告げる。

 

「さて、下賤なドブネズミ諸君。 諸君達にはこのロード・エルメロイの秘術をとっくりと堪能させてやろう。」

 

不敵な笑みを浮かべるケイネスに連邦軍の特殊部隊「ジオダット」はケイネスに一斉射撃を開始した。

突撃銃(アサルトライフル)から放たれる銃弾の嵐… まともに受ければ絶命は免れない。

しかしケイネスは何の焦りも恐怖も感じていなかった。何故なら…。

傍に展開していた水銀の球体が()()()()()()ケイネスの前に(まく)状の形になり連邦軍の突撃銃(アサルトライフル)から放たれた銃弾を全て防ぎったのだ。

これには連邦軍の兵士達は驚愕する。拳銃弾なら兎も角、撃った弾丸はFN FAL自動小銃(バトルライフル)の7.62 x 51 mm弾とM16A1突撃銃の(アサルトライフル)5.56 x 45 mm弾である。

ライフル弾を完全に防ぎったケイネスの礼装にはただ驚愕するだけだ。

 

「フン、理解したかね。貴様らの下賤な武器では我が礼装は破る事は出来ん。」

 

何の恐れもなく不敵の笑みを浮かべながら歩み始める

連邦軍も再度ケイネスに銃撃をするが先ほどと同じく水銀はケイネスを守護するかのように銃弾を防いでいく。

ならばこれはどうだと兵士達はケイネスに複数のM26手榴弾を投擲する。複数の手榴弾はケイネスの足元に落ち爆発するがそれすらもケイネスの礼装は防いでしまった。

 

『こちらチーム1 こちらの攻撃が通じない。後退の許可を』

 

『了解した。チーム1 ターゲット「K」をC地点へとおびき寄せつつ後退しろ』

 

『了解。 C地点へと後退する』

 

 

攻撃が通じないと分かり連邦軍はケイネスから離れるように後退した。

それを見たケイネスは敵は己に恐れたのだと考える。

 

「馬鹿めが。逃がすと思うか! ire:sanctio(追跡抹殺)

 

ケイネスがそう命じると水銀はケイネスがそう命じると水銀は触覚をのばした。

この水銀は主を自動で守るだけではなくこうして逃げた敵を追跡したり隠れた敵を見つけ出す事も出来るのだ。

水銀が触覚を伸ばして間もなく敵を探知した。どうやら森の奥へと逃げているそうだ。

 

「ふん。愚か者共が…。このロードエルメロイから逃げられると思うのか!」

 

ケイネスは逃げていく者共にどのような処刑をしようか考えながら追跡する。

 

 

 

 

一方、目標地点へと後退した連邦軍はケイネスを確実に仕留める準備を終えていた。

 

「チーム2 準備はいいか。」

 

「こちらチーム2 いつでもいけるぞ」

 

「よし。合図をだしたらぶっ放せ。」

 

「了解」

 

後は相手を待つだけだった。

 

 

 

一方、ケイネスは自分がおびき寄せられている事に知らず悠々と敵を追っていた。

仮にケイネスはこれが罠だと分かっていても魔術が銃器や爆弾などといった近代兵器が負けるわけがないと高を括っていたし相手がどんな罠を張っていても神童である自分ならそのようなモノなど打ち破って見せる自信があった。

自分の自慢の礼装であるこの月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)ならばと。

 

(フム この先に奴らがいるが…随分と数が多いな。 馬鹿め、幾ら数を増やそうが無駄だ)

 

躊躇なく恐れもなくケイネスは連邦軍が待ち受けている場所へと突き進む。そして…。

空気を切り裂く鋭い音と火薬が爆発する音が周囲を覆った。

 

 

 

「ターゲットが来たぞ。総員構え!」

 

ジャキと連邦軍兵士が銃を構える。ケイネスは目視できた瞬間。

 

「攻撃開始!」

 

命令された兵士達が一斉に銃撃を開始した。

しかし先ほどと同じく水銀がケイネスを守るように膜を出し銃弾を防いでいく。

だがこれは予想どおりである。

 

「チーム2。攻撃開始だ」

 

支持を受けたチーム2の兵士達はケイネスに向けて発砲する。

チーム2が発射するのは突撃銃(アサルトライフル)ではない。チーム2が使うのはそれよりもっと大きく破壊力があるものだ。

それはこう呼ばれる

 

 

M2重機関銃と。

 

 

 

 

 

 

ケイネスは水銀が銃弾を防いでいる間、連邦軍をどのように処刑するか思案していた。

奴らが恐怖でどのように顔を歪めるのか楽しみだった。

 

(さて、そろそろあの愚か者共に誅罰を下すとするか)

 

礼装である月霊髄液に攻撃を命じようとした時だった。

 

バキリ!

何かが砕ける音が聞こえた…。

 

「へっ…?」

 

音が聞こえた方へと目を向けると自分の()()()()()()()()()()…。

 

それを見たケイネスが悲鳴を上げる前に再びバキリ!と先ほどと同じく悍ましい音が聞こえた。

今度は()()()()()()()()()()

一体何が! 何があったというのか! 異常はすぐに分かった。

今まで自分を守っていた月霊髄液の膜に()()()()()が開いていたのだ。

そして次々と風穴が開いていく…。

 

 

・・・ケイネスの過ちは()()()()()()を過信しすぎた事に尽きる。

確かに月霊髄液は銃弾より早く主を守れるほどの速さを持ち銃弾を防ぐ防御力があるのだが絶対に防げるという物ではなかったのだ…。

小銃弾を防げてもそれよりもっと大きく破壊力があるM2重機関銃の50口径をまでは防げなかったのである。

 

 

 

 

「撃ち方止め」

 

隊長格の兵士の号令で攻撃を一斉に止める兵士達。

砂埃と硝煙が辺り一面に漂い先が見えない。連邦軍は警戒しながら辺りを確認する。そして

 

「まだ生きてるぞ!」

 

一人の兵士がボロくず同然のケイネスを見つけた。

 

「50口径が何発も当たったというのなんて奴だ…。」

 

ケイネスの状態は酷いを通り越していた。

両腕は無く下半身は()()()()()()()()上半身に頭部がついてるだけだった…。

そんな状態だというのにケイネスはまだ()()()()()のである。というより生きてるのが不思議なレベルだ…。

しかしもう虫の息でその表情は恐怖と涙と血でぐちゃぐちゃだった。

 

「ァ…ァぁ…」

 

助けてくれ… 殺さないでくれ…。

 

そう懇願するような顔だったが連邦軍にはそんなの知ったこっちゃない。

 

⁻止めを刺せ‐

 

命令を受けた一人の兵士は背中に装備していたソードオフモデルのショットガンを抜きケイネスの顔面に銃口を突き付けた。

 

⁻今、楽にしてやるよ⁻

 

そして一発の銃声が響いた…。

 

 

 

ケイネス・エルメロイ・アーチボルト

 

神童と呼ばれ華々しい将来も約束されてた男は武勲という箔をつけるためこの聖杯戦争に参加したのだが待っていたのは武勲という箔ではなく余りにも悲惨な最期だった。

 

 

 

 




ケイネス先生はここで脱落です。

M2重機関銃が使う50口径ですがアレ、ライフル弾よりずっと大きいのでもしもあんなものに撃たれたら体に大きな風穴が開くかまた体が千切れるじゃないかと思いあのような接写にしました。

月霊髄液でも50口径までは防ぎきれないじゃないかと思います

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