ONE PIECE 母は強し   作:ジェイ

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こんな作品に感想下さったかたがいるので約一年ぶりに投稿。
ちなみに短いです(-_-;)


第7話

 気がついたらクロコダイルがルフィに負けてた。まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「つーわけだよ!シャンクス!あはははははは!!」

 

 「なっ!言っただろてめぇら!アイツは絶対来るって!」

 

 「おいおいお頭!俺らはルフィが餓鬼の頃から知ってたっての!うちの船にいたらもっとスゲエ奴に」

 

 「よしそこの幹部でもねぇ奴。私の修行に付き合ってみるか?殺すぞ」

 

 「え?ちょ!?まって!宴の席でしょ?ルフィの修行って言ったって………………………え?マジで?」

 

 

 

 「あ~あ、馬鹿だなあいつ。ルフィがどんだけヤバい修行してたのか知らねぇのか」

 

 「仕方ねぇよ。あいつはまだ新人だったからな」

 

 「おいお頭!せっかくだし赤髪海賊団総出で姉御に鍛えて貰うか?ギャハハハハ!」

 

 

 

 「おいおいてめぇら。せっかく嬉しいニュースがきたのに自殺志願者か?それとも勇者か?今連れ去られた奴、明日には幹部クラスの強者になってんぞ?まぁともかく目出度い席だ!ルフィが七武海を倒した!まだ航海初めたばかりのルーキーがだ!この先、荒れるぞ!!」

 

 

 騒がしい。実に楽しい。何せ息子が七武海の一角を崩したのだから。これは騒がずにはいられないだろう。

 私の修行に文句?をつけたシャンクスの団員は端正込めて仕込んでやった。死にかけていたがあいつの団員だし大丈夫だろう。きっと近いうちに幹部補佐くらいはなれる位には仕込んだ。

 

 

 

 「ん?お前姐さんの拷問に耐えたのか?おっし!今日からお前には部隊をつけてやる!精進しろよ!」

 

 「…………お、おっす」

 

 「よかったな!私のおかげであんたは大分昇進したぞ!なんだっけ名前?ロブスター?」

 

 「エビスターっすよ!せめてボコった奴の名前位覚えてくださいよ!?」

 

 「ごめん。興味ない」

 

 「腐れ婆!!」

 

 「死ね!私はまだ55だ!」

 

 「充分バ、ぎゃぁぁぁぁ!!!??」

 

 笑いが響く。私だってそうだ。

 

 楽しいのだ。息子の事もそうだが、気の知れた奴等とのたわいもないやり取りが面白い。

 

 昔を思い出す。兄がいて、仲間たちがいた若かった日々を。

 

 毎日の様に騒ぎ、毎日の様に暴れ、

 

仲間が増えて、また楽しくなってきた。

 そして最果てを見て

 

 

 

 

 

 

 「シャンクス。あの子にお前の腕の価値は証明されただろ?」

 

 「はっ!俺のダチなんだぜ?腕くらいくれてやるっての!」

 

 次の世代に残せるものができた。

 

 

 「本当におしい男だよ。あんた、海賊でなければ好き勝手出来ただろう?」

 

 「おい姐さん!お頭がちがかったら俺らはどうなんだよ!?」

 

 「え?私のお小遣いじゃない?」

 

 「あ、これマジだ。俺あらためてお頭の船にのってて良かった!」

 

 また笑いが響く。ギャハハと品の無い人が心から上げる声。

 楽しいのだ。たわいない事がとても。誰に縛られず地位も関係なく、強弱の存在がある中でも仲間として迎えて貰える。皆が皆酒場の友人としてじゃれ会う環境が楽しくて仕方ない。少し間違えれば敵対するのにも関わらず、赤髪海賊団は私を姐として慕ってくれている。

 

 「おいシャンクス」

 

 「ん?なんだよ」

 

 「お前、子供いつ産ませるんだ?あとミホーク、おめぇもだ」

 

 だからだろう。子供の様に可愛がっているシャンクスやライバルのミホークに目をつけてしまう。

 

 ジュラキュール・ミホーク。世界1の剣豪と呼ばれる男であり、王下七武海のひとりであり、四皇のひとりである者、赤髪海賊団のシャンクスの友人でありライバルだ。

 その実力は剣士としては最高峰。悪魔の実を食していないながら、たった一人の剣士としての実力で七武海に選ばれた猛者でもある。

 

 「姐さん、ミホークは………」

 

 「俺は貴殿の斬激を越えぬ限り頂点にはたてぬ。越えた先に己が物を託す子をなすとしよう。許されれば貴殿に我が子をなしてほしいが」

 

 「はははは!私との子供が欲しければ旦那様より魅力的になってみな!具体的には旦那をころしてみろよ!私が殺してやる!死ねよオラァ!!」

 

 「…………あぁ姐さんとヤロウガ切り合い初めた。姐さんガチだし、ミホークは楽しそうだし止めるのだりぃな。とりあえず飲むか!!」

 

 その後気がついたら赤髪海賊団の根城の島が地形を変えていた。生意気な事にミホークの奴は切り傷や掠り傷はあっても致命傷はほぼ無し。本気で焦ったシャンクスが止めに入るまで嬉々として私とやり合っていた。

 

 「くそぅ。これだから天才とか嫌いなんだよ!ミホークてめぇ!そろそろカイドウあたり仕留めてこいよ!後無駄子作りババアのリンリンとか!」

 

 「ふん。個人的には負けるつもりはないが奴等の組織力は厄介だ。断る!」

 

 「ざけんな!幹部を1日1殺すれば何れ殺れんだろ!殺れよ!?つーかリンリンとでも子作りすればそれなりに強い子が産まれんだろ!そっちとやっとけ!わたしゃぁ旦那一筋だ!」

 

 「断固として断る!あんな巨漢婆抱けるか!どんな拷問だ!?」

 

 「てめぇ!あんな糞みてぇで我儘で大喰らいで無駄に大きくて魔女みてぇな婆だけど一応女だぞ!?そんな女を抱くのが拷問だと!?口を慎め!あいつの子供を作った旦那達に謝れ!そいつらは正に勇者であるのに、奴等を侮辱する気か!!あんな醜女に子作りさせらせた勇者達に謝れ!きゃはははははははは!!」

 

 『あんたが謝れよ!!』

 

 私を除く全てからツッコミを受ける。うむ、解せぬ。事実なのに。

 しかしそれでも周囲から笑顔は消えない。

 皆がギャハギャハと下品に笑い私とミホークの殴りあいを、そしてそれを止めようと焦るシャンクスを見ている。

 

 皆楽しいのだ。

 

 粗暴で下品で野蛮で、そして楽しい海賊らしい自由なやりとり。

 

 皆が皆強者であるからこそ認められる、そして仲間でなく、時に敵対しながらも友として認めあったからこそ分かる絆。

 

 「ちょ!まっ!?俺の黒刀、あ!?俺、は今、す、で!?」

 

 「オラオラオラオラ!ご自慢の黒刀はどーこーかなーっと!ハンデで能力使ってあげないけどガンバ!これで私に勝てればガープにも勝てるよ!やったね!」

 

 「………………やめてやってよ姐さん。こんなミホーク見たくねぇよ……………」

 

 海賊とは自由だ!

 

 

 

 

 

 

 

 後日私は全力でミホークに謝った。


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