彷徨く女の子の1日   作:馬汁

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イチゴと抹茶とチョコとバニラ

 ……今日は、何か甘いものでも食べようかな。

 

 そんな思いつきで、今日の夢は始まった。

 

 

 ―――

 

 

 夜景の見えるベランダから、いつものように自室へ入っていった。

 独りでに付いているパソコンや、貯金している覚えなど無いのに、何故だか落ちている豚の貯金箱がある。

 一見すれば変な状況なのだろうけどけれど、”こっち”の自室では当たり前の光景だった。

 

 そう、ここは夢の世界。そんな場所に、私はやってきたのだ。

 

 

 

 

 『女の子は、みんな甘いものが好き』と言う言葉を知らない人は少数派だと思う。

 その言葉の『女の子』には、もちろん私も含まれている。

 

 実際、最近の私は甘い物の虜になっている。毎日食べたいと願う程なのだけど、きっとそうすると代償に財布が軽くなってしまうだろう。けれど、私はそんなことを気にしてはいない。

 そんなことを気にしていたら、せっかくの甘味が不味くなってしまうから。

 

 

 さて、今日の気分はイチゴ味。ウェイトレスにそれを伝えると、私はいつもの席に座った。

 

 イチゴという果物は、その分類の中では高価な方だけれど、それに見合う高貴な甘酸っぱさが秘められている。

 

 「姫」と名に付くイチゴが存在するぐらいだから、果物界のプリンセスと言っても過言じゃない。

 

 そうこうして待っていると、ウェイトレスの女の子がイチゴ味のアイスを持って来てくれた。

 それが溶けてしまう前に、私はなんとなくプリンセスな気分で、スプーンで掬ったそれを口にする。

 

「~~♪」

 

 美味しい、甘酸っぱい!

 

 

 ・

 ・

 ・

 

 

 時に、甘いものを食べ過ぎると、飽きてくることがある。

 

 私だって人間だ。さすがに毎日三食イチゴを食べる訳にもいかない。

 けれど、私だって女の子だ。やはり飽きても甘味は食べたい。

 

 色々と理屈が捻じ曲がっているけれど、それが女の子だ。

 

 そんな私の今日の気分は、抹茶味だ。それを聞いたウェイトレスがペコっと頷いたのを見て、私はいつもの席に座る。

 

 抹茶というのは、日本が生み出した一つの味。その味は決して甘いとは言えず、しかし甘味として数えることの出来る、不思議な味なのだ。

 

 茶道とかで見るようなお茶なんて、一度しか飲んだ記憶がない。他はペットボトルのお茶を買って飲むぐらいだ。

 その経験から言えば、実際にお茶は甘くなかった。当たり前だ。

 

 しかし、どこかの変人が思いついたのか、この世には抹茶味のアイスが存在する。

 たった今、私の目の前にコトっと置かれたアイスがそれだ。

 

 きっと、必ずしも「甘い+甘い」がベストである訳ではないのだろう。

 そう感心に浸りながら、抹茶の味が練りこまれた緑色のアイスを一口食べた。

 

「~~♪」

 

 美味しい、しぶ甘い!

 

 

 ・

 ・

 ・

 

 

 甘いものとはなんだろう。

 店内に入りながら、そんな事を唐突に疑問した。

 

 この世で一番最初に生まれた甘味とは、一体何なのだろうか。

 

 ……みかん?

 甘味だけに。

 

 ……私は何を言っているんだろう。

 この奇妙な思考を振り払うついでに、私はウェイトレスにチョコレートとだけ注文して席に着いた。

 

 チョコレート。それはこの世界中で知らない人は居ないであろう、甘味の代表だ。

 そんな大役に子分が居ないはずもなく、ほろ苦いビターと、あまあまのホワイトの二つの子分がいる。

 

 しかし、この世に存在するチョコはそれだけではない。その他にも、様々なチョコのお菓子が存在する。

 アーモンドチョコ、ポッキー、トッポ、チョコクッキー、キノコ、タケノコ、アルフォート……。

 他にもまだまだ沢山の種類のチョコが存在する。

 

 そして、今目の前にそっと置かれたアイスも、その一つだ。

 

 甘味界でのキングは何なのかと問われれば、きっと誰もがチョコレートだと答えるだろう。

 実際、私もそう答える。

 

 どこから湧いて出たのかもわからない自信を伴って、私はそっとチョコアイスを口にした。

 

「~~♪」

 

 美味しい、流石キング!

 

 

 ・

 ・

 ・

 

 

 アイス。それを漢字で書き換えるならば、氷菓子と呼ばれる物。

 実際にそれは氷の名に相応して冷たいし、菓子の名に相応して甘い。

 

 そんなアイスを取り扱っているこのお店だが、ここでは4つの味の種類が選べる。

 その内の3つであるイチゴ、抹茶、チョコ。

 どれも素敵な味だと思うけれど、もう一つ大事な物がある。

 

 そう、バニラ味だ。

 

 という訳で、ウェイトレスの彼女にそれを伝えてから、席に座って待ち始める。

 

 アイスと言えば、バニラ味。バニラ味といえば、アイス。

 そんな言葉が成り立つほど、バニラ味というものはアイスと繋がりが深い。

 

 そういえば、そのバニラと言うものは、もとは植物から出来たものらしい。

 詳しいことは知らないのだけど、植物からあの味が出てくるとは思えない。世の中は不思議なものだ。

 

 この世の不思議に感心していると、目の前に真っ白なアイスの入った容器がコトっと置かれる。

 

 純白のアイス。

 特に特別でもない、そんな色だけれど、白いアイスというだけでもすぐに食べたい気分にかられる。

 事実、早く食べなければ溶けてしまう。私はスプーンでそれを掬うと、口へ運んだ。

 

「~~♪」

 

 美味しい、甘い!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 □day69.txt

「おかねがなくなった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆おまけ☆

(バニラ味をミント味に勘違いして書いたやつ)

 

 

 

 アイスのメニューを見つめつつ、私は思考する。

 食べるという行為は、極端に言ってしまえば「植物や動物を取り込む」という事である。牛乳とかは例外になるだろうけど、それはともかくとして。

 

 思えば、そこらへんのよく分からない草を食べようと最初に考え、行動した人は偉大だと思う。

 私は草食動物じゃ無いし、そういうのは真っ平ゴメンだ。……なのだけれど、よく考えれば私達も普通に草を食べている。

 

 とは言っても、それはハーブの事なんだけど。

 でもやっぱり、「草を食べる」と言うより「ハーブを食べる」と言った方が幾分か字面的にはマシだし、草とハーブの間には何か大きい壁があるのかもしれない。

 

 そんな思考をしつつ私が睨むのは、ミントアイスの挿絵である。

 この味のアイスは口にした経験がない。ミントを直接食べた経験も、勿論無い。

 故に、私はこの味を選ぶか選ばないかで迷うに至っている。

 

 そんな迷いのループの中に閉じ込められて、数分が経った。

 ウェイトレスの女の子が待ちくたびれた様な仕草をするのを見て、そろそろ選ばなければならないと言う思いが生まれる。そしてその思いが、この迷いのループに脱出口をもたらした。

 

 覚悟と決意を固め、ミントアイスを注文すると、私は緊張する足取りで席に向かい、座った。

 

 きっとミント味という物は爽やかなのだろう。

 何時の事だったか忘れたけど、そんな情報を耳にした記憶がある。

 

 けど、一体何がどう爽やかなんだろうと疑問に浮かべつつ、こちらへやってくるウェイトレスの女の子を見つける。

 

 来た。

 

 青い色をしたアイス、ミントアイスが目の前に置かれたのを見て、私は強張った手でスプーンを取った。

 注文したからには、食べなければ行けない。きっと美味しいはずだ。さあ、食べよう。

 そんな感じで自身を鼓舞しながら、ミントアイスをスプーンで掬い、口へ運んだ。

 

「~~♪」

 

 美味しい、甘爽やか!




ネット環境がない場所で暇つぶしに書いたやつ。
こういう趣味は通信環境の有無に囚われないから良いよね。
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