バカとAクラスの日常   作:ゴリ霧中

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今回はプール編です。

順番を間違えて学園祭の前にこちらを書いてしまいました(汗)
後に学園祭編を書くので、今話は学園祭のあとであるということを留意してください。

何故このようなことになったのか。

作者がプール編を先に思いつき、書きたかったからです(-ω-;)
作者のわがままですみません


第十話

「あちぃー」

 

「ちょっと、さっきから隣でうるさいわよ。もうちょっと静かにしていられないの?」

 

季節は春から夏への移り変わり。

あのFクラスの嵐のような試召戦争ラッシュも沈静化し、ようやく学園内は静かになっていた。

 

にもかかわらず教室内の温度はどんどんあがっていき、すでに夏場と同じほどの気温になっている。

 

「それに、暑いならエアコンつければいいでしょ?なんでずっとつけないのよ」

 

「俺はエアコンの風が苦手なんだよ…そう言う木下さんは朝からがんがんつけてるけど」

 

「あら?それで勉強に集中できるなら別にいいでしょ?」

 

「俺は暑くて全然集中できないよ…あーあ、こんな暑い日には思いっきり泳ぎたい気分だよ。木下さんもそう思うでしょ?」

 

「確かにその気持ちは分かるわ。でもプール開きはまだ先よ」

 

「それが実はそうでもないんだなー、これが」

 

「? どういうことかしら」

 

木下さんは授業は聞きながらも首を傾けている。

 

「この前試召戦争のときにいた明久と雄二のこと、覚えてるか?」

 

「ええ。あんたがボロボロにした観察処分者と、代表の幼なじみでしょう?」

 

さすがは優等生。

人の顔を覚えるのも訳ないな。

 

「あいつらがちょっと問題起こしてさ。その罰則でプール掃除を押しつけられたらしいんだよ」

 

「へえ、それで?」

 

あくまでも興味はないようだ。

 

「ちゃんと掃除をしたらそのあとでプールを自由に使ってもいいと言われたらしいんだ。でもプールは広い。そこで俺に掃除の手伝いを頼んできたんだ」

 

まあ俺以外にもムッツリーニとか秀吉にも頼んでいたようだけど。

 

「そう。それで?あたしにも手伝えと?こんなに暑い中…」

 

やはり木下さんは苦い顔をした。

大方、プールには入りたいが掃除は正直面倒くさい、ってところか?

 

「いやいや。この日差しの中で女の子にそんなことさせる気はないよ。ただそのあと皆で遊ぶみたいだから、いっしょにどうかなー、って」

 

一緒に遊びたいのは本音だが、一番の目的は「女子の水着」である。

年頃の男子なら仕方ないよね!

 

「どうかな?」

 

「そうね…プールで遊ぶのはいいわ。でもやっぱり申し訳ないから掃除の方も手伝うわね」

 

「そっか。じゃああまり手の掛からない方をお願いしようかな」

 

「わかったわ」

 

よしっ、これで女子の水着一人追加だな。

さぞかしムッツリーニが喜ぶことだろう。

 

「……新しい水着買いに行かなくちゃ(ぼそっ)」

 

「ん?何かいった?」

 

「何でもないわ。じゃあ楽しみにしてるわね」

 

一瞬暗い影がかかったように見えたが、すぐにいつもの木下さんに戻った。

何か気になることでもあるのかな?

 

 

 

***

 

 

 

そして当日。

 

「いやー、晴れた晴れた」

 

「絶好のプール日和だね!」

 

「………カメラの準備はできている(カシャカシャッ)」

 

「おいおい、暴走しすぎてプールを鼻血で汚すなよ?」

 

Fクラスのバカ達は相変わらずのようだ。

 

「そうだよムッツリーニ。(あとで撮った写真ちょうだいね)」

 

「………心配ない。輸血の準備はできている。(一枚500円)」

 

「鼻血を出すのはもう決まっているんだね。さすがはエロの帝王だ!(友達じゃないか)」

 

「おまえ等はさっきからアイコンタクトで何を話しているんだ…」

 

この二人がやっているのは、去年の退屈な授業の暇つぶしに俺たち五人が作ったアイコンタクトである。

考えたのはほとんど俺と雄二だったので、こいつ等の会話は筒抜けだった。

 

「さてと。あと来てないのは木下姉妹と島田か」

 

なお、この場にはすでにさっきのバカ達+うちの代表と姫路さんが来ていた。

 

「雄二、おぬし今木下『姉妹』と言ったかの?」

 

「一応秀吉はあたしの弟のはずなんだけどね…」

 

と、そこに噂をしていた木下姉妹(笑)が登場。

 

秀吉よ…雄二にまで女扱いされたら終わりだぞ。

 

「やあ、木下さんに秀吉。暑い中ごくろーさん」

 

「おお刹那かの。雄二に誘われてきたのか?」

 

「ああ。それでお前の姉上にも声をかけたってわけだ」

 

「ちょっと倉木君。あなたから姉上って呼ばれるのはなんか気味が悪いわ…」

 

へ?

気味が悪い、だと?

そう言われると…

 

「そう言われると余計に呼びたくなるなー。ねえ、姉上?」

 

「う~、だからやめなさいって!」

 

両腕を押さえて悶える木下さん。

だがそのやりとりは二人だけの世界ではなく…

 

「へえ、秀吉のお姉さんって思ってたのと違うなー。もっと完璧な優等生って感じかと思ってたよ」

 

明久達にも当然見られてしまっていた。

 

「はっ!し、しまった~」

 

がくっ、と膝から崩れ落ちる木下さん。

 

「せっかく優等生を演じてきたのに…」

 

俺のせいで猫かぶりモードが解けてしまったらしい。

こりゃ悪いことしたかなー。

 

「まあまあ。姉上の性格は元からこうじゃ。今更取り繕ったところで…待つのじゃ姉上。その関節はそっちには曲がらなっ……!」

 

秀吉が言い終わる前に拷問、もとい八つ当たりを仕掛ける木下さん。

 

「さ、さーて俺は職員室で鍵でも借りてくるかなー」

 

「…………私もついていく」

 

雄二め。逃げる気か!?

後を追って代表も行っちゃうし。

 

「ま、まあまあ木下さん。秀吉に八つ当たりしても意味ないだろ?それに人とコミュニケーションをとるには本音で話さないと」

 

「う、それは、確かにそうだけど」

 

わかってくれたのか、秀吉の腕をつかむのをやめた。

まあ秀吉はすでにグロッキーだけど。

 

「あはは、秀吉のお姉さんってすごい人だねー…」

 

「バカなおにいちゃーん!(がばっ)」

 

「ぅぐふっ!」

 

なんだ!?

突然明久の鳩尾目掛けて突進する物体が…

 

「は、葉月ちゃん。葉月ちゃんもプールで遊びに来たの?」

 

「はいです!お姉ちゃんに連れてきてもらったです!」

 

お姉ちゃん?誰だろ。

 

「ごめんね、家を出ようとしたら葉月に見つかっちゃって」

 

そう言ってやってきたのは島田さんだった。

 

「この子もしかして、島田さんの妹?」

 

「あら倉木、アンタも来てたのね。そうよ葉月はうちの妹」

 

「ほお、ずいぶんとかわいい妹がいるんだな」

 

「葉月ちゃんはこの前の学園祭でも遊びに来ていたんだよ。ね、葉月ちゃん」

 

「はいです!バカなお兄ちゃんに会いに来たです!」

 

そうかそうか。

そりゃかわいいことで。

でも一つ気になる点が。

 

「明久、こんな小さい子にもバカにされてんのか…?」

 

「ちょっと吉井君のことをなめていたわ」

 

隣では木下さんも驚いていた。

 

「そ、そんなことは…」

 

「明久のバカは全国共通だからな」

 

「雄二!せめてそこは町内と言ってよ!」

 

いや、町内でもひどいと思うぞ?

 

「うるさいバカ。ほら、鍵とってきたぞ。男子は俺に、女子は翔子についていって着替えてきてくれ」

 

「「「はーい」」」

 

やっとか。

待ちくたびれたぜ!

 

早速雄二についていく俺と明久達。

 

「ん?こらこら、葉月ちゃんと秀吉はこっちじゃないでしょ?」

 

「あはは、そうでした」

 

「わしはこっちであっておるのじゃが…」

 

更衣室に行こうとした俺たちに葉月ちゃんがついてきていた。

って、明久。さすがにそれは秀吉がかわいそうじゃないか?

 

「ほら、葉月と木下。さっさとこっちに来なさい」

 

「し、島田まで!?嫌じゃ!わしだけ女子更衣室で着替えるのは嫌なのじゃ!」

 

「おいおい、秀吉は男だろうに」

 

「そうよ島田さん。秀吉は男なんだから男子更衣室で着替えないと」

 

俺と木下さんで反論するも…

 

「それは書類上での話だよ!」

 

このバカには正論というものが通じないらしい。

しかしどうしたものか。

このままじゃ議論は平行線。

そしてその分プールに入るのが遅くなってしまう。

ここは秀吉に我慢てもらうしか…

 

「それなら大丈夫だぞ。ほら」

 

俺が最終手段を使おうとしたとき、雄二から救いの手がさしのべられる。

そしてその先にあったのは…

 

『秀吉更衣室』

 

………

 

もはや三つ目の性別なのかな…?

 

 

 

***

 

 

 

いろいろとあったが俺たちは着替えをすませてプールへと向かう。

男の着替えは女子より早いからね!

 

「やっぱり女子はまだ来てないみたいだな…どうする?先にプールに入って…」

 

泳ごうか?と聞こうとしたが、バカ達の耳には入っていないようだ。

かろうじて雄二は聞いていそうだが。

 

「………(カチャカチャ)」

 

とりあえず一番目につくのはムッツリーニだ。

さっきから忙しそうに機材を入念にチェックしている。

 

そしてもう一人のバカは…

更衣室の方を向いたまま動かない。

 

こいつら、本当に欲望に正直だよな。

 

とそこに、最初に着替え終えた葉月ちゃんがやってきた。

 

「バカなお兄ちゃーん」

 

手を振りながらこちらに走り寄ってくる。

水着は小学生らしくスクール水着だ。

 

だが一カ所だけ小学生らしからぬところが。

 

「「(ぶしゃああ!)」」

 

予想通りバカ二人が鼻血を吹き出した。

 

「あ、あれっていいのかな!?あれは犯罪じゃないのかな!?」

 

「………弁護士を呼んでほしい…!」

 

「お前ら小学生の水着に対して動揺しすぎだ」

 

「てかあれってパッドじゃね?普通に考えて小学生であの大きさはないよ」

 

そう言いながらも葉月ちゃんの胸は揺れる。

が、次の瞬間その胸の膨らみがずり落ちた。

 

「「へっ?」」

 

二人とも固まってしまった。

どうやらバカの脳では処理落ちしてしまったようだ。

 

「ちょっと葉月!返しなさい!それがないとお姉ちゃん…」

 

更衣室からは妹を追って島田さんが走ってきた。

でも遅かったな。

手遅れだ。

 

そしてそのあと、パッドを知った明久が血祭りに上げられたのは言うまでもない。

 

死体は放っておいて、次にきたのは代表だ。

更衣室から出てきたその姿はまさに『美』の象徴。

手足がすらーっと長く、スタイルもいい。

そしてその体型に長い黒髪がよく似合っていた。

 

男子諸君は視線を釘付けにされ、あの雄二でさえも固まっている。

そして棒立ちの雄二の元へ歩み寄り…目を指した。

 

へ?

 

「ぐおおおー!!目がああ!」

 

「す、すごい!流れる動作で坂本の両目を潰したわ!」

 

「うんうん!あれが見えるなら雄二の目なんて惜しくないね!」

 

いつの間にか復活していた明久が好き勝手に言う。

 

雄二、かわいそうになってきた。

 

でもこんな代表が見れるのも新鮮でいいんだよなー。

 

「まったく、本当にあんた達は騒がしいわね…」

 

「あ、木下さん。遅かっ…」

 

声に反応して後ろを振り返ると、そこにいたのは木下さん。でいいんだよな?

ふぅ、一瞬天使かと思ったぜ。

 

真っ白なビキニに身を包んだ木下さんは、バストのところは少し寂しい気もするが、全身を見るとかなりバランスのいい体つきであった。

 

「な、なによ。変なところでもあるの…?

 

おっと、あまりにじっくり見入っていたせいで木下さんが困ってる。

だがそのたじろぐ姿がまたいい!

 

「あ、いや、見とれちゃって…すごく似合ってると思うよ」

 

「え…?そ、そうかしら。べ、別にあんたの意見はどうでもいいんだけど…水着ってのは余りかなれてなくて…」

 

「でも本当に似合ってると思うよ。うん、かわいい」

 

「そ、そんなに何回も言わなくてもいいわよ!ほら!姫路さんも、きた、わよ…」

 

木下さんの目が見る見るうちに生気を失っていく。

なんだ?なにが起きたんだ?

 

視線の先を追ってみると、そこにいたのは姫路瑞希。

俺が知る限りじゃこの文月学園一の巨乳を持つ少女だ。

そんな彼女が水着なんて着たらどうなる?

 

結論

バカ専用生物兵器へと変わる

 

「「(ぶしゃああ!)」」

 

本日二度目の鼻血噴射。

かと思いきや。

 

「「(ぺっ)」」

 

急にその勢いが止まった。

 

「もう」

 

「………打ち止め」

 

なるほど、出すだけ出し尽くしたせいでもう出ないと。

 

「神様って残酷よね…」

 

両手を地面につけ、ふさぎ込む木下さん。

 

「ってどうした?なにがあった?」

 

「何でもないわ。ただ世の中の不条理ってものを痛感しただけよ…」

 

不条理?

よくわからんがそこまで落ち込まなくてもいいのにな。

 

 

 

***

 

 

 

「ふぅ、やっぱり暑いときにはプールが気持ちいい!」

 

「ほんと、呆れるくらい泳ぐわね…潜水で25m二往復とか普通じゃないわよ?」

 

「暑いんだから仕方ないさ」

 

「はあ。あたしも泳ぎには自信があったけど、あんたの泳ぎを見てるとその自信もなくなるわね」

 

そこはまあ、男としてスポーツで女子に負けるわけにはいかないさ。

 

「明久達はなにやってるかな?」

 

いつの間にか木下さんと二人で楽しんでしまった。

これはこれで楽しいが。

 

周りを見渡してみると、

 

「雄二は代表と一緒か」

 

口に猿轡をされてもがもが言ってるけど、まああれはあれで二人の時間なのかな?

 

「ムッツリーニは…まあ予想通りだな」

 

カメラを片手に様々な被写体を撮っていた。

あとで木下さんの写真だけでも買わなきゃな。

 

「明久は…姫路さんと島田さんと遊んでるな」

 

「なんか姫路さんが泳げないみたいで二人が教えてるみたいよ?」

 

「へえ。明久はこういうところでしか人にものを教える機会がないからな」

 

「…否定できないわ」

 

あの光景だけ見てると明久がFクラスとは思えないな…むしろ姫路さんの方が

 

「美波がAで、姫路さんがFクラスみたいだよね!」

 

おっ、明久もそう思ったか。

だがそれだけだとこの場は勘違いされる可能性が…

 

バキッ

 

「失礼ね!寄せてあげればBくらいあるわよ!」

 

「そんな直接言われると照れちゃいます…」

 

ほらね

 

「ちなみに木下さんは心身ともにAクラス」

 

「なーにか言ったかしらー?倉木君?」

 

「い、いえなにも。あ、でも寄せてあげればBくらいは…待つんだ木下さん。その間接はそっちには曲がらないぞ?」

 

バキッ

 

そこか先は記憶がない。

だがこれだけは言える。

 

これからは木下さんに胸の話題は出さないようにしよう…

 

 

 

***

 

 

 

「…………雄二、ちなみに私はCクラス」

 

「ふぁにほふぃっへふんはほはへは(なにを言っているんだお前は)」




やっぱり水着回は楽しいですね!
でも水着描写が自信ない…


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