バカとAクラスの日常   作:ゴリ霧中

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短いですけど、原作第四巻の導入です。
話の内容的にAクラスは介入しづらいので、FvsDクラス編の裏でのAクラスをオリジナルで書きたいと思います。

そしてまだ出ませんが次回以降、主にスポットが当たるのはCクラスのあの人…


第二十五話

学力強化合宿から既に一週間が経ち、俺たち男子に課せられた停学という罰も終わりを迎えた。

 

「ふー、やっと学校に来れたか。なんか随分離れていた気がするな」

 

一週間ぶりに登校してきた学校は特にいつもと変わらず、多くの生徒が登校中である。

まあ二年生の男子は俺も含めて今日から復帰なわけだが。

 

久しぶりに来たということもあり、少し足早に教室へ向かおうとしていると、校門のあたりで明久を発見した。

 

(あいつがこの時間に登校してくるなんて珍しいな。声かけとくか)

 

「おーい、あき…」

 

俺が声をかけようとしたまさにその時。

一人の女子生徒が明久の目の前に来た。

 

(あれは、島田さんか?)

 

強化合宿で問題を起こした張本人…の想い人。

まああの人自身には何も罪はないが。

 

そう考えていた時である。

島田さんは俺が、いやおそらく周りにいる誰もが想像もしていない行動にでた。

 

ちゅっ

 

「・・・は?」

 

キス、接吻、口づけ…呼び方はいろいろあるが、ここはキスにしておこう。

そうキスだ。

男女(とはかぎらないが)間で行われる相手に対しての愛情の証。

キスである。

 

だがそのキスを受けた明久は放心状態に陥っていた。

 

島田さんは明久に何かを言ってから、すぐさま学校へ走り去っていった。

 

「な、なんだったんだ…?」

 

気づけば周りに歩いていた他生徒も、立ち止まってその様子を眺めていた。

 

(島田さんが明久に好意を持っていたのは知ってたけど、随分と大胆な行動に出たな…)

 

今の明久に声をかけても無駄だろうと思い、放置して教室に向かうことにした。

 

 

 

 

「ねえ木下さん」

 

「何かしら?」

 

教室にきたところ、隣の席の木下さんは既に登校していた。

学年を代表するAクラスということで、朝早くから来て自習をしている。

これは今年同じクラスになってからというもの、欠かしたところを見たことはない。

とはいえ最近では俺が話しかけると手を止めて話を聞いてくれる。

 

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

 

「あなたが質問なんて珍しいわね。いいわよ、あたしに答えられることならね」

 

さすがは木下さんだ。

その言葉に甘えてこの質問を送ろう。

 

「木下さんはキスってしたことある?」

 

「…へ?」

 

「だから、キスだよキス。接吻、口づけともいう」

 

「いやそれはわかってるけれども…ええっ?」

 

最初はすました顔で話しを聞いていた木下さんだったが、いつの間にか顔は真っ赤になっていた。

工藤さんじゃないけど、これはからかい甲斐があるな。

 

「木下さん綺麗だし、モテそうだから。そういう経験もあるのかと思って」

 

「ききき、綺麗!?あたしがっ!?」

 

ますます顔が赤くなってきた。

 

「それで?どうなの実際」

 

「な、ないわよそんなのっ!か、彼氏だって、いたことないし…」

 

あたふたしながらも経験がないと主張する木下さん。

 

「へえ、意外だな。そんなにかわいいのに」

 

「しょうがないでしょっ!できないものはできないのよ…」

 

ちょっと可愛い。ますますいじめたくなってきたけど、これ以上いじめるのも気が引けるな。

 

「そ、そうゆうあんたはどうなのよ!」

 

「ん?俺?ないよそんなの。彼女いない歴=年齢だし」

 

Fクラスじゃないけど、俺も彼女欲しいなー…。

流石にこのまま灰色の高校生活は嫌だ。

 

「ふんっ!なによ、あんただってないんじゃないっ!」

 

「いやあ不甲斐ない」

 

苦笑いを浮かべつつ話しを流す。

木下さんは何やらぶつぶつと「…そっか、ないんだ…ぶつぶつ」言っていたが、声が小さくて聞こえなかった。

 

「にしてもあんた、どうして急にそんなこと聞くのよ」

 

少し息を整えてから、落ち着いた木下さんは根本的な質問をしてきた。

 

「実は今朝明久と島田さんがキスしてるところを目撃しちゃってね」

 

「はあっ!?」

 

さすがの木下さんもこの事実には驚いたようだ。

 

「ちょっとそれってどういうことなの?」

 

「俺も詳しい話はわからない。さっき明久と雄二にメールして聞いたところなんだが…おっと、返信がきたみたいだ」

 

ポケットの中で震える携帯を取り出し、内容を確認する。

 

From 雄二

本文

 俺もそのことについて今あのバカを問い詰めようとしているところだ。

 まったく、あいつのせいでとんだとばっちりをくらったぜ

 

 

内容を確認して整理する。

だが考えても雄二の言う「とばっちり」の意味がよくわからなかった。

 

よって返信して聞くことにする。

 

To 雄二

本文

 そのとばっちりってなんだ?

 考えてみたけどわからんかった。

 あと明久のことで何かわかったら教えてくれ。

 俺が尋問を許可しよう。

 

ピッ

 

送信完了っと。

 

「メールどうだった?」

 

「雄二からだったよ。あいつにもまだ実態がわかっていないらしい」

 

「ふーん」

 

メールの内容を教えていると、また携帯が震えた。

 

From 雄二

本文

 尋問終了だ。どうやらあのバカがこの前の強化合宿でバカなメールを島田に送って勘違いされたらしい。

 全くあいつのバカに巻き込まれるこっちの身にもなれってんだ。

 それと俺が巻き込まれた件だが、あの二人の騒動を見て翔子がまた暴走したんだ。

 お前からもあいつに言ってやってくれ!

 

 

ふむふむ大体の内容は理解できたな。

頑張ってくれた友人に感謝のメッセージでも贈るとしよう。

 

To 雄二

本文

 尋問お疲れ。

 おかげで内容は理解できた。

 ちなみにうちの代表の件だが、俺には手に負えん。

 自分で何とかするこった。

 あとうちの代表がさっき黒いオーラを纏いながら結婚式のパンフレットを持って教室から出て行ったぞ。

 結婚式には是非とも呼んでくれ。

 

 

よし、送信完了っと。

 

「どう?」

 

「ああ、内容はわかったぞ。雄二と代表の結婚式が近いらしい」

 

「どうして吉井くんと島田さんのキスからそんな結果が出てくるのかしら…?」

 

おっと端折りすぎたな。

詳しく説明すると木下さんも納得してくれた。

 

「うちの代表の暴走はもうあたしたちには止められないものね…」

 

そしてどこか諦めたような顔を浮かべていた。

雄二もこんなふうに諦めることができたら楽だろうに。

 

ブーッブーッ

 

ん?電話か?

 

携帯を見ると、雄二から着信が来ていた。

メールじゃなく電話ってことは、緊急の要件かな?

 

ピッ

 

「もしもし?」

 

『刹那かっ!?た、たすけっ…ぎゃああああああああ』

 

ブチッ ツー…ツー…

 

廊下と受話器から聞こえてきた断末魔のサウンドに少し驚きながらも、先ほどの代表の様子を思いだし、納得。

 

「下手にに断らないで適当に流すなりすればいいのに…」

 

どうにも雄二は代表が絡むと冷静さを欠くようだ。

実はあいつも代表のことが好きなのではなかろうか。

素直になればいいのに。

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