バカとAクラスの日常   作:ゴリ霧中

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第三十四話

「うーっす、明久と雄二いるかー?」

 

昼飯を早々に食べ終えた俺はFクラスに来ていた。

 

「おお刹那。二人ならおるぞい」

 

たまたま扉の近くにいた秀吉が二人のいる方向に指を指す。

 

「いたいた…ってなんで雄二は体育用のジャージを履いているんだ?」

 

「詳しくはしらんが、霧島に持って行かれたようなのじゃ」

 

「ああ…そういえば言っていたな。かわいそうに…」

 

同情の眼差しを向けていると、雄二たちもこちらに気づいたようだ。

 

「よう刹那。どうしたんだこんな掃き溜めに」

 

「そうだよ。最近では空気も汚染されてきてるみたいなのに」

 

「それはちょっと悲観しすぎだろ。まああえて強い否定はしないけどさ」

 

Fクラスの教室はAクラスの教室と比べると月とすっぽん。

廃墟同然の造りとなっている。

 

ていうか大気汚染は流石に学園側から何かしら対応すべきじゃないか?

 

「二人に聞きたいことがあってね」

 

「聞きたいこと?」

 

「ああ。その前に雄二、どんまい」

 

「あからさまに視線を下げて同情するな!ったく、ホントにひどい目にあったぜ」

 

「それに関しては俺も似たような仕打ちにあったから気持ちはわかるよ」

 

流石に俺は渡さなかったが。

 

「それで本題だけど、うちの代表が雄二の浮気を疑ってるって話なんだ」

 

「浮気はよくないよ雄二。あんなに綺麗な奥さんなのに」

 

「てめえの送ったメールのせいだろうが!そもそも俺はまだ入籍してねえ!」

 

「いいかげん認めればよいのに…」

 

「…………素直じゃない」

 

「だあぁー!だから違うって言ってんだろ!」

 

いつの間にか現れたムッツリーニを交えてみんなから糾弾される雄二。

本当に同情するわ。

 

「その明久のメールなんだけど、どういう事情があるんだ?」

 

「へっ?事情?」

 

「いつも泊まりに行くなら明久の家だろ?それなのに急に雄二の家に泊まりたいだなんて、何か理由があるんだろ?」

 

「べ、べっつにー?ぼ、僕はただ雄二に試験の勉強を見てもらいたかっただけだよ?」

 

「お前が勉強…?はっ」

 

「鼻で笑われたっ!?僕だって勉強くらいするよ!」

 

「お主が進んで勉強したいなどと…明日は大雨かの?」

 

「…………吹雪もプラス」

 

「ほら見ろ明久。それくらい自体は深刻なんだ。異常気象は起きて欲しくないだろ?」

 

「刹那まで!?僕が勉強しちゃダメだって言うのー!」

 

「「「「だな(じゃな)(こくり)」」」」

 

「ひどい!?あ、雄二の家がダメなら刹那の家でも…」

 

「やめてくれ明久。俺にそんな趣味はないし、最近優子が厳しいんだ」

 

さっきも携帯チェックと言って強引にズボンを脱がそうとしてきたし。

優子も大分Fクラスの空気に犯されてきたな。

 

「それに俺は久保まで敵に回したくはない」

 

「木下さんはわかるとしても、どうしてそこに久保君が出てくるのさ!?」

 

「明久よ、人間知らなくても良いこともあるのじゃ」

 

「こいつの場合は一つや二つじゃないがな」

 

「雄二に言われたくないよ!」

 

「まあまあ。それで明久、何があった?事情によっては俺も家を貸すし、雄二だって了承してくれるだろ」

 

「そうじゃな。なんならわしらも力を貸すぞい?」

 

「だ、だからなんでもないんだってば」

 

先ほどの優子同様目がうようよと泳ぎ始める明久。

それは何か?嘘です誰か追求してーってことか?

 

「お前がそこまで勉強がしたいというのならまあいい。今夜あたり勉強会でも開こうか」

 

「ほんとにっ!?さすが刹那、話がわか…」

 

「その代わり明久の家で、だ」

 

(ダッ)←明久逃走

(ガッ)←俺が明久の肩をつかみ

(ドゴッ)←雄二が腹に一発

 

「ぐほっ、な、殴る意味はあった…?」

 

「そういう気分だった。反省も後悔もしていない」

 

「少しは悪びれろよ!?」

 

「逃げ出すお前が悪いんだろ?それじゃ明久の家で勉強会を…」

 

「じゃあ刹那に頼んで霧島さんも連れてきてもらおうね」

 

「開こうかと思ったがやはり勉強はひとりでもできるんじゃないか?うんそうしよう」

 

おいおい、そこで引き下がってどうする雄二。

 

「雄二はなんでそこまで代表のこと避けるかな。それより明久の家で…」

 

「じゃあ特別講師として木下さんも呼ぼうか」

 

「勉強ってやっぱひとりでできね?うんそうしよう」

 

「なぜお主までその反応なんじゃ…」

 

だって優子だよ?

俺を午前中終始英語漬けにした優子だよ?

絶対英会話教室になっちゃうって。

ほかの勉強できなくなるって。

 

「とりあえずこの話は置いておこう。刹那、お前は今回の件どう思う?」

 

「ふむ。今までの情報から考えるなら…明久はとにかく家に帰りたくないってことだろ。ってことは家に会いたくない誰かがいるとか…家族かな。海外出張中の両親が帰ってきたとか?」

 

「俺と大体同じ考えだな」

 

「だよなー。そのくらいしか考えられ…」

 

ひゅ~

 

「ねえ明久。いつになったらポーカーフェイスを身につけられるのかな?」

 

「こいつにそんな技術は無理だろ。それよりこの反応は」

 

「ああ。八割方当たり。でも100%じゃなさそうだな」

 

「だな。まだ明かされていない何かがある」

 

「なんで僕の表情からそこまで割り出してるの!?僕の顔ってそこまでわかりやすいの!?ねえ!」

 

「お主の表情を読み解くなど姉上の真似をするより簡単じゃな」

 

「…………台風の日のパンツを撮るよりも簡単」

 

「二人ともその例だと一般人にはわかりづらいぞ」

 

特殊な特技を持つ二人の例えを理解するのは非常に難しかった。

 

「今のが100%じゃないってことは…親じゃなくて兄弟かな?」

 

「確かこいつには海外出張中の姉がいたな」

 

「っ!?な、なんのことやら…」

 

「もう口笛を吹く余裕もないか。決まりだな」

 

「うぐっ…」

 

ぐうの音も出ないとはこのことか。

 

「お主ら二人から尋問されたのじゃ、無理もない」

 

「…………二人の推理力なら仕方ない」

 

「これでひとつ秘密がわかったな。明久の姉はここまで隠したいような人ってことか」

 

隠しきれもしないのにここまで頑張るってことはそうなのだろう。

 

「コイツはおもしれえ。早速今日こいつの家に見に行ってみるか」

 

ズボンを取られたのを根に持っていたのか、雄二の顔は邪悪に笑っていた。

 

「ほどほどにしとけよ。まあ俺も行くけど」

 

「面白そうじゃな。わしも同伴するのじゃ」

 

「…………当然いく」

 

「みんなまで!?僕の周りに味方はいないの!?」

 

「じゃあ連れて行くか?おーい、島田、姫路、ちょっといいか?」

 

「待つんだ雄二。それは決して僕の為を思っていない気がする」

 

「なに、坂本?」

 

「呼びましたかー?」

 

明久の静止も虚しく、魔王二人のご登場。

合宿の時のこの二人はひどかったらしいからな。

 

当然の如く二人も勉強会参加決定。

 

「終わった…」

 

真っ白になってうなだれている明久だったが、本当にしんどいのはここからだろう。

 

 

 




アクセス解析を見てみたらなぜか三十二話のアクセスが桁外れに多かった笑
やっぱり告白回だったからかな?
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