バカとAクラスの日常   作:ゴリ霧中

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お久しぶりです。

かなり間があきまして申し訳ない…

こんな作品でもご覧になってくださる人には感謝です…


第三十七話

「さあ飯だ飯だ!勉強はもう十分だろ!」

 

「うーん、そうね。これだけやっておけば大丈夫かしら」

 

「…………及第点」

 

英語の勉強を始めてからしばらく経ち、時刻は夕飯時。

英語の勉強のしすぎでストレスもたまってきた頃、ようやく夕飯のお許しがでた。

 

「ふう、こっちもまあまあだな」

 

「うぅ、ドイツ語でテストが受けれるなら楽なのに…」

 

「テストの点数が悪くても演技はできるのじゃ…」

 

秀吉と島田さんは完全にグロッキーだな。

雄二もお疲れさん。

 

「やほー、もうご飯の時間かな?」

 

こちらの動きを察して工藤さんもやってきた。

はて、ムッツリーニは一緒に来ないのだろうか。

 

「…………ピク、ピク」

 

「ねえ刹那君、土屋君が鼻血を出しすぎて痙攣してるんだけど…」

 

「そのようだな。おーいムッツリーニ、そろそろ夕飯の時間だぞー」

 

「…………すぐ、行く」

 

「おう、早めにな」

 

俺の声が聞こえたのか、いそいそと輸血を開始するムッツリーニ。

たくさん食べて血を補給しないとな。

 

「…タフなのね」

 

一連の流れを見た優子の一言がこれである。

 

「久保、そろそろ夕飯だとさ」

 

「ああ、了解した。こちらも一区切りついたところだよ」

 

「いやあ、まともな栄養が取れるなんて嬉しいなー」

 

明久、塩と水だけで生活するのはもうやめとけよ…

最近じゃあ玲さんのおかげでまともな物を食べるようになってるみたいだけど。

 

「吉井君、君はもう少し生活習慣を正した方がいいのでは?」

 

「そうですよ。やっぱりここは私がお弁当だけでも…」

 

「い、いや!それには及ばないよ姫路さん!姉さんが来てからまともな生活を送っているからね!」

 

「必死だな、明久…」

 

そこまで姫路の料理が嫌なのか。

いやまあ気持ちはわかるが。

 

「………それじゃあ案内する」

 

そう言って代表が部屋を出て、それに俺たちもついていくことになった。

 

 

 

 

「………ここが宴会場」

 

「ひ、ひろっ!」

 

てか宴会場て。

旅館の施設じゃないんだから。

 

「なんでこんな場所が一家庭にあるのかしら…」

 

「優子、それはもう考えちゃいけないことだ」

 

「そ、そうね」

 

連れてこられた部屋は(代表曰く)宴会場。

どこぞのパーティ会場を貸し切ったような豪勢な部屋だ。

 

そこに大きなテーブルがあり、その上には和食・洋食・中華など、高級料理がたくさん置いてある。

 

「………立食形式だから各自好きなものを食べて」

 

「まじか、これ本当に俺たちで食べていいのか」

 

俺だけでなく代表以外の他のみんなも驚いている。

コックだな?

絶対どこかのコック雇ってるんだな?

 

「それじゃあ失礼して…」

 

全員が各々の好きな料理を皿に取り分ける。

 

「う、うまい!このステーキ、肉の質はもちろんのこと、焼き方も完璧だ!」

 

「ん~、あたし伊勢海老なんて初めて食べたわ…」

 

俺は(見るからに高そうな)ステーキを、優子は(絶対にお高い)伊勢海老をそれぞれ食す。

あまりの美味しさに先程までの勉強の疲れも一気に吹き飛んだ。

内容まで忘れてしまいそうだ。

 

「ぼ、僕の大好物のカロリーがこんなに…」

 

「おい翔子、俺の皿の料理だけみんなと違って紫色をしているんだが…」

 

「………問題、ない」

 

「いやあるだろ!なんだ紫色のフカヒレって!」

 

「………変な薬なんて、入ってない」

 

「おいし~♪ボク中華料理って大好きなんだよね」

 

「………鉄分補給」

 

「絶品じゃのう。ん?久保よ、この料理はなんと言うのじゃ?」

 

「それは燕の巣だね。めったに食べられない高級食材さ」

 

「また食べ過ぎちゃいます…」

 

「大丈夫よ瑞希、あんたの場合は全部一箇所に集まるんだから…」

 

「翔子、なぜ俺の飲み物だけこんなに毒々しい緑色なんだ?」

 

「………青汁、だと思う」

 

うんうん、みんなも楽しそうに食べてるな。

 

それからも三十分ほど談笑しながらみんなで食べ、締めにデザートの杏仁豆腐を味わっていると、雄二が代表に何か話しかけていた。

 

近くでは明久も聞き耳を立てている。

 

どうやらあの二人がテストの点数で勝負でもするようだな。

それで雄二が負けたら代表と一緒に寝る、と。

 

「ふう、霧島さん。悪いけど杏仁豆腐を食べたいからナイフか何か貸してくれないかな?できれば日本刀とかがあるとありがたい」

 

「………今持ってくる」

 

「まて翔子!今こいつに刃物を渡すんじゃない!」

 

「ちっ!」

 

おい明久露骨に舌打ちするなよ。

でもこの家なら日本刀くらいありそうだな…

 

「………その代わり雄二が勝ったら吉井と一緒に寝てもいい」

 

「驚くほど俺にメリットが無いぞ!」

 

「さっきから何を騒いでいるのかなー?」

 

「雄二のことじゃから大体の予想はつくがのう」

 

「代表と雄二がテストで勝負するみたいだな」

 

「………私が勝ったら雄二と寝る」

 

「へえ~なんか面白そうなことやってるんだね♪」

 

「………愛子も勝負する?」

 

「うーんそれもいいけど、折角だからさ」

 

わざとひと呼吸おき、全員の視線を集める工藤さん。

まさかとは思うが…

 

「ここにいるみんなで勝負ってことにしない?それで、テストの点数で部屋割りを決めるっていうのはどう?」

 

「よしっ!その勝負乗った!」

 

工藤さんの提案に真っ先に明久が乗りかかる。

目が欲望で燃えてるな。

 

「明久、下心が見えすぎだぞ」

 

「な、なんのことかな刹那…」

 

そもそもテストでの勝負ならお前に決定権なんてないだろうに…

 

「だ、ダメです明久君!」

 

「そうよアキ!アキにはまだ早いわ!」

 

ここで姫路さんと島田さんが反論開始。

まあこの二人ならこのまま提案に反対して…

 

「どうしてもというのなら私が明久くんと寝ます!」

 

「いいえ瑞希。ここはウチがアキと…」

 

反対して…ってんなわけないか。

明久とは違うけど、この二人も充分欲望に忠実だよな。

 

「ちょっと待って。年頃の男女が同じ部屋なんてダメに決まってるわ」

 

このカオスな現場に優子(優等生)が乱入!

さあ戦いの行方はどうなる!?

 

「「「優子(さん)は倉木(君)と同じ部屋なんだから文句言わないの!」」」

 

「ふぇっ!?え、ええ、と…はい///」

 

二秒で撃沈!

早い、早すぎるぞ、それでいいのか優等生!

 

てか俺と優子が同じ部屋なのは決定事項なのか…?

 

「………じゃあまだ開けてない新品の模擬試験用紙を持ってくる」

 

「ま、まて翔子!俺はまだ了承してないぞ!」

 

既に勝負が決定事項になりそうな流れで代表が部屋を出ようとする。

雄二も往生際が悪いな。

 

「………決定事項。雄二もさっき勝負を受けるって言った」

 

「うぐっ、それは…」

 

論破された雄二はすぐに周りに目を向ける。

すると、テーブルに置いてあった雄二のジュースをわざとらしく引っ掛けてこぼした。

 

「っと、わりい翔子。服にかからなかったか?」

 

「………大丈夫」

 

いやわざとだよな?

何考えてるんだ雄二のやつ。

 

「いや大丈夫じゃないな、お前には見えづらいかもしれないが、少しかかってるぞ」

 

よく見てはみたが、代表の服にはジュースはかかっていない。

ますます雄二の考えがわからないな。

 

「………それは困るかも」

 

「すまんな、俺の不注意で」

 

「………あの成分は繊維を溶かすから」

 

「おいまて、お前は俺に何を飲ませようとしていたんだ」

 

ふとこぼれたジュースを見ると、絨毯と反応してぷすぷすと音を出している。

ふむ、雄二の飲み物だけ特別製だったんだな。

 

「とにかく着替えてきたほうがいいだろう。ついでにみんな風呂を済ませないか?」

 

何を考えているのかしらんが、ここは乗ってやろうか。

 

「そうだな、試験勝負はそのあとでもいいだろ(ひとつ貸しだぞ)」

 

「(悪いな、恩に着るぜ)」

 

フォローをしつつ雄二にアイコンタクトを送る。

 

他のみんなも異論はないようで、それぞれ着替えを取りに行くことになった。

 

 

 

 

「さてと、行くか」

 

男子部屋について数分したところで、雄二が切り出した。

 

「よし、覗きだね?」

 

「………記録は任せろ」

 

「お主らはどこまで馬鹿なのじゃ…」

 

「吉井くんとお風呂だと…?まだ早いような…だがこんな千載一遇のチャンスを…いやだがっ…」

 

「おーい、久保も帰ってこーい」

 

ちなみに男子部屋とは言ったが、秀吉はなぜか別部屋。

とうとう代表にまで女子扱いされたか…

 

「違うわ馬鹿どもが。俺が行くのは翔子の部屋だ」

 

「え?なんで?」

 

「テストの問題用紙を盗むためだ」

 

「やっぱりか、代表が絡むとお前の行動が読みやすいよ」

 

「刹那は気づいていたか…まあいいだろ。それよりも答案を盗みに行くぞ」

 

こいつ、負けて一緒に寝るのを回避するために答案を盗みに行く気か。

というかさっきの一瞬の間でそれを考えて風呂の口実まで作り出すとはな。

 

「別に僕らは答案を盗む必要なんてないんだけど?」

 

「………それよりも覗きが大事」

 

明久はともかく、ムッツリーニはブレないな。

そこまでして風呂を覗きたいか。

 

「明久、お前は姉貴との約束を思い出してみろ」

 

「へ?えっと確か、ゲームは一日三十分と、不純異性交遊の禁止…ってああっ!」

 

となると今回の部屋割りで女子と一緒になると…

明久の命はない、か。

 

「そういうことだ」

 

「あ、でもバレなければ…」

 

「協力しなければ俺がバラす」

 

外道だ、ここに外道がおるぞ。

 

「ムッツリーニもだ。誰と同室でも、出血多量で死ぬぞ。確実に」

 

「確かにな、特に工藤さんとかだと必要以上に煽って来そうだし」

 

「………俺が死を恐るとでも?」

 

「いやカッコよくないからな?覚悟は充分伝わってきたけど」

 

「久保、お前は明久が他の女子と同室になってもいいのか?」

 

「な、なんだって!?それはいけない!」

 

「ふん、ちょろいぜ」

 

おい雄二、久保の扱いが雑じゃないか?

確かにちょろいけど。

 

久保は試験勝負では強いが、いかんせんあの姫路さんがいる。

確実に勝てるとは言えないだろうな。

 

「てか普通に男女別々の部屋にするように頼めばいいんじゃ…」

 

「刹那は木下さんと同室で決まってるじゃないか」

 

「だな、刹那は木下姉と同室だから関係ない」

 

「………殺したいほど妬ましいっ!」

 

「ふむ、確かに刹那が姉上と同室なのは決定事項じゃわい」

 

「お、お前ら全員揃って…」

 

そこまで俺らを隔離したいか!

てか普通に考えて恋人同士で同室なんて恥ずかしいわ!

しかもここ代表の家だし。

 

「ったく、久保もなんとか言ってくれ」

 

「ふっ、二人の仲を邪魔するなんて僕にはできないよ」

 

「く、久保!?お前もか!」

 

ここでまさかの久保の裏切りである。

くっ、どうすりゃいいんだ!

 

「よし、とにかく行動開始だ。試験の問題は証拠の部屋にあるだろう」

 

「「「「了解」」」」

 

いつの間にか秀吉も乗り気だし。

ああもう!どうにでもなれ!

 

 

 




そういえばバカテスの最新短編集でましたね。
これが本当の最終巻ってことになるのかな?
個人的にはまた短編集という形で出て欲しいのですが、無理でしょうね…
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