バカとAクラスの日常   作:ゴリ霧中

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今回はやっとFクラスの面子を出せましたー

ほんの少しだけだけど…



第四話

「………以上で今日の報告は終わりです」

 

教壇では淡々と高橋先生がホームルームを進めていた。

 

「ああ、それと最後にもう一つだけ。FクラスがDクラスに試召戦争を仕掛けました。よって本日の午後の授業は早速ですが自習となります」

 

ざわざわ

 

高橋先生の最後の報告はAクラス生徒全員を驚かせた。

 

Fクラスが戦争をしかけただって?

 

俺の脳裏にはすぐさま悪友達の顔が浮かんだ。

……奴らならやりかねない。

 

でもまあそれはそれとして

 

「授業が自習になるのはラッキーだな~」

 

俺が本音を漏らすと、不意に誰かに話しかけられた。

 

「授業がなくなるのを喜ぶのはどうかと思うよ、倉木君。自習だって立派な勉強時間なんだ」

 

「そんなこと言うのはお前だけだと思うぞ?久保」

 

話しかけてきたのは学年次席の久保利光だった。

 

「でも試召戦争か~。おもしろそうだよね♪」

 

さらには工藤さんも。

 

「だよなー。せっかくこの学園にきたんだし、早いとこやってみたいよ」

 

「倉木君と久保君は今回の戦争どっちが勝つと思う?」

 

工藤さんはにこにこと笑いながら問いかけてきた。

 

ふむ、今回の戦争か。

 

「振り分け試験を受けたばかりなんだからDクラスの方が明らかに有利なんじゃないのかな?」

 

と、久保の意見。確かにそれは正しい。

が、

 

「それはどうかな?」

 

「「えっ?」」

 

二人は反論されるとは思っていなかったらしく、二人同時にこちらを向いた。

 

「数値的な戦力差の優劣はさすがにFクラスといえども承知だろう。それでも今試召戦争をしかけた。と言うことは勝つための秘策でも考えてるんじゃないか?」

 

俺は目で説明を求めてくる二人に簡単に説明をした。

 

「さらにFクラスには去年の俺の悪友達がいる…」

 

「悪友って?(わくわく)」

 

おもしろそう!とでも思ったのか、目を輝かせながら工藤さんが聞いてくる。

 

「基本的には馬鹿ばっかりだ。だが、俺は今回の戦争…Fクラスが勝つと思う」

 

「本気でそんなことを言っているのかい?」

 

久保は半ば呆れたふうに俺を見る。

だが俺の意見は変わらない。

あいつ等なら…特に雄二だ。

あいつに悪巧みをさせたら右に出るものはいない。

その雄二が何の考えもなしに戦争を起こすとは考えにくい。

 

さらに言うならあいつの狙いはDクラスなんかじゃない。

おそらくは…

 

「おそらく奴らは、このDクラス戦を足掛かりとしてAクラスを狙っているだろう」

 

「ええっ!?ま、まっさか~」

 

「ふっ、もしそうなるようなら全力で倒させてもらうまでさ」

 

「ああ。この教室は渡さない。Aクラスのプライドにかけて守り通すさ」

 

「ふふっ。なんかおもしろくなってきたね♪ボク、今からわくわくしてきたよ!」

 

さっき以上に目を輝かせた工藤さんは一通り話が終わると、俺の隣の席へと目を向けた。

 

「で?優子は何であんなに呆けてるのかな?」

 

俺の隣には先ほどからずっと上の空になっていた木下さんが。

 

「さあ?腹でも減ってんじゃないか?」

 

原因は分からないので放置しておくほかない。

まあほっとけばそのうちなおるっしょ。

 

 

 

***

 

 

 

そして放課後。

 

「ふぁーあ…よく寝た」

 

退屈な自習時間を貴重な睡眠時間へと変えたおかげで、大分体力が有り余ってしまった。

 

「さーて帰るか。ん?木下さん…?」

 

隣を見ると、木下さんはまだ放心状態のようだ。

 

「木下さん!」

 

「ふぇっ?あ、何かしら?」

 

「何って、もう授業終わったんだけど?」

 

「あら、本当。帰らなきゃ…」

 

そうは言うが足取りがおぼつかない。

体調悪いのかな?

 

「具合悪そうだね。途中まで送ってくよ」

 

「べ、別にこれくらい平気よ!」

 

「そうは見えないから心配してるんだろ?ほらっ、さっさと行くよ」

 

木下さんの意見など聞かず、さっさと玄関まで向かった。

 

 

 

***

 

 

 

玄関を出てすぐの校庭では、下校中の生徒に隠れて何かが行われていた。

 

よく見ると人だかりもできてるような気がする。

 

何だろうと目を凝らしていると、どこの誰だかはわからないが声高に宣言した。

 

「Dクラス代表 討死!」

 

「「「うおおぉぉー!!」」」

 

よくよく見ると例のFクラスとDクラスの試召戦争が行われていたようだ。

放課後までもつれ込んだのか…

 

「まさか、Fクラスが勝ったの!?」

 

ついてきた木下さんからも驚きの声があがる。

俺も何だかんだで驚いている。

 

「む?おお、刹那ではないか!それに姉上まで。これはなかなかに珍しい組み合わせじゃな」

 

驚き立ち止まっていると、人混みの中から手を振りこちらへ向かってくる美少女(?)が一人。

 

木下秀吉である。

 

「うーす、秀吉。久し振り、かな」

 

「そうじゃな。刹那はどこのクラスにいるんじゃ?」

 

「俺か?俺はお前の姉さんと同じAクラスだよ」

 

「なんと!そうであったか。それで姉上と一緒にいるのだな」

 

「ああ、そんな所だ。それで、勝ったのか?」

 

何に?と言われればもちろん試召戦争に、だ。

 

「うむ。雄二の見事な作戦のおかけじゃ」

 

「やっぱりな。さすが雄二だ。で?その功労者である雄二は何で明久に襲われているんだ?」

 

少し離れたところに雄二と明久の姿が見えるのだが、なぜか明久が包丁を持って雄二に襲いかかっていた。

 

「お主も聞いたじゃろう?先ほどの放送を…」

 

「放送って、あの船越先生のやつか?」

 

放送とは午後の授業中のあれのことだろう。

おそらくFクラスの作戦なんだろうけど、船越女史4○歳独身。婚期を逃し、今では単位を盾に生徒に交際を求めるほどのモンスターである。

その船越女史を呼び出すために、明久が放送で売られたというわけだ。

 

「あ、返り討ちにあってる」

 

「って、あんた達二人はあの光景を見て何とも思わないの!?」

 

男子生徒が包丁で他の生徒に襲いかかる。さらには襲われた方が返り討ちにし、爪をはぎにかかる。

ふむ、確かに危ない光景ではあるが。

 

「別に普通じゃね?」

 

「うむ。これくらいは日常茶飯事じゃ」

 

「……あんた達、頭大丈夫?」

 

心底どん引き中の木下さん。

 

「あ、そうだ秀吉。もう帰るんだろ?」

 

「そうじゃな、試召戦争も終わったことじゃし」

 

「悪いけどお前の姉頼むな。なんか今日体調悪いみたいでさ」

 

「姉上が?珍しいのう、姉上が体調を崩すなど」

 

「だから、別に具合悪いわけじゃないって!あんた達に心配されなくても平気よ」

 

少しご立腹のようだが、秀吉があやして連れて行った。

 

明日は元気に会えるどいいな。

 

 

 

***

 

 

 

「ところで姉上、一つ聞きたいことがあるのじゃが」

 

「…なによ?」

 

未だむくれ顔の姉だが、構わず秀吉は聞いた。

 

「刹那と何があったのじゃ?様子がおかしかったようじゃが」

 

「べ、別に何もないわよ!」

 

反応からして何もないはずがないことは丸わかりだった。

 

「まさか姉上、刹那に惚れ……って待つのじゃ姉上。その間接はそっちにはまがらなっ!?」

 

木下姉弟の帰り道。

秀吉の断末魔がこだました。

 

 




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