バカとAクラスの日常   作:ゴリ霧中

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今回はちょっと会話が長いところがありますが、個人的にはよくかけたと思います。
一度こういうところ書きたかったっていう作者の自己満足です(-ω-;)


第五話

翌日の朝、いつものように高橋先生がホームルームを始めた。

 

「……最後に、FクラスがBクラスに試召戦争を仕掛けました。よって本日の午後の授業は自習とします」

 

その一言にでホームルームは終わったが、教室は昨日以上に騒然となった。

 

「ははっ、あいつ等もよくやるねえ」

 

「倉木君はこのことも予想してたの?」

 

昨日に引き続き、今日も工藤さんと久保が俺のところへやってきた。

 

「んー、まあ漠然とだけどな」

 

「それで、今回はどちらが勝つと思っているんたい?僕はさすがにBクラスが勝つと思うけど」

 

「ちょっと苦戦はするかもしれないが、Fクラスが勝つだろうな」

 

「あはは♪本当にそうなったらおもしろいね。そのあとはボク達かな?」

 

「ああ。あいつ等の最終目的はこのAクラスの教室と設備だ」

 

「なるほど。だが僕達はどこが相手でも負けるわけにはいかない」

 

「もちろんだ。その時が来たら俺も全力で奴らをぶちのめすさ」

 

にやり、と不適に笑い、久保達との会話を終える。

 

結局今日で戦争は終わらず、明日に持ち越しになったようだ。

 

 

 

***

 

 

 

翌日

 

今日は朝から試召戦争が始まったようで、俺たちAクラスはまた自習となった。

 

さすがはAクラス、自習中に寝るどころか、かすかな話し声すらない。

 

そんな沈黙を破ったのは予想外の来訪者だった。

 

がららっ!

 

「あたしはCクラス代表の小山よ」

 

入ってきたのは顔立ちは整っているものの目はつり上がっており、第一声からかなり上から目線の女子だとわかる。

 

「あたし達CクラスはこのAクラスに試召戦争を仕掛けます!」

 

「「「っ!?」」」

 

その言葉を聞いてAクラスの誰もが耳を疑った。

うちと試召戦争を?

いったい何を考えているんだ?

 

「いきなり尋ねてきたと思ったら何?今は授業中なんだけど」

 

ちょうどその時近くにいた木下さんが応対する。

まあ彼女なら優等生の仮面を付けている以上、来訪者の対応なら一番の適任者と言えるだろう。

 

そんな俺の思惑ははずれ、小山さんの表情ははみるみるうちに怒りに染まっていった。

 

「木下優子!よくもあたし達を豚呼ばわりしてくれたわね!絶対に許さないわ!」

 

「ええっ!?」

 

そう言い残し、小山さんはAクラスを去っていった。

 

「今のは何だったんだ?」

 

「優子、いくら何でも豚呼ばわりはひどいんじゃないかな?」

 

工藤さんも苦笑しながら木下さんの方へ向かう。

 

「ち、違うわよ!あたしは何も言ってないわ!」

 

必死に弁解する木下さん。

だがその声は届かず、クラス内からは次々と批判の声があがった。

 

「豚呼ばわりだってさ」

「ひでーな」

「まったく、面倒ごとに僕達を巻き込まないでもらいたいですね(くいっ)」

 

気づけば先ほどの自習姿はどこへ行ったのやら、木下さんの批判で話題は持ちきりになった。

てか最後のやつ、今時あんながり勉野郎いるんだな。

メガネを上げる仕草が様になってやがるぜ。

 

と、俺がどうでもいいことに気を使っていると、状況は木下さんに大変不利な状況になってしまったようだ。

 

「ちょっといいかな、木下さん」

 

そんな中、久保が一歩前へ出て木下さんのもとへ。

 

「久保君……」

 

「今回のことは一体どういうことかな?どうやら君の勝手な行動のお陰で、僕達Aクラスの全員に迷惑がかかってしまったみたいだけど」

 

「違うわ!あたしは何もしてない!」

 

クラスメート達に一度に責められたせいか、木下さんは少し涙目になってしまっている。

 

仕方ない、そろそろ助けに入るか。

 

「でも向こうはああ言っているし、現に試召戦争を仕掛けられてしまった」

 

「で、でも…」

 

「おいおい、その辺にしとけよ」

 

「倉木君か」

 

俺が割って入っても久保は顔色一つ変えなかった。

 

「倉木君………」

 

横には涙目の木下さんが。

 

「大勢でよってたかって一人を責める。あまり好ましい光景じゃないな」

 

「僕だってこんなことしたくはないさ。だがこんな状況になった以上は原因となった彼女を追求しないと納得できない。それともなにかい?君は彼女のやったことを笑って許せとでも言うのかい?」

 

「そんなことは言ってないさ。だが木下さんはやっていないと言っているんだ。なのにそれに耳を貸さずに一方的に責め続けるのが、俺は気にくわないと言っているんだ」

 

「じゃあ彼女の言葉を信じるなら、Cクラスの代表が嘘を付いていると?」

 

「それはないだろうな。嘘を付いてまでしてこのクラスに攻め入るメリットがない」

 

「そうだろう?やっぱり木下さんが…」

 

久保が結論を言い終える前に、俺は堂々と言い放った。

 

「だがそれが、木下さんが犯人だという証拠にはならない」

 

気づけば周りは俺と久保の口論を聞き入っており、二人の言い争いの行く末を見守っていた。

 

「君は…いったい何が言いたいんだい?Cクラスの代表が嘘を付いていないなら、木下さんが嘘を付いているんだろう?」

 

「いーや。俺の推理が正しければ…どちらも嘘は付いていない」

 

「なんだって?」

 

久保はここで初めて驚きを表情に出した。

俺は構わず続ける。

 

「つまりだな、今回の件には第三者の思惑が介入していると言うことだ」

 

「第三者?それはいったい誰だ?」

 

「この状況でその第三者の可能性があるのは奴らしかいない。Fクラスさ」

 

「Fクラスだと?だが彼らは今Bクラスと試召戦争をしているはずだ。Cクラスに何をしようとも関係がないだろう?」

 

「その理由に関しては俺にもわからない。だが奴らが今回のことに関係しているあろう可能性ならある」

 

「可能性か。それはいったいなんだい?」

 

「それは、顔だよ」

 

「顔?」

 

「ああ。木下さんには彼女には外見が瓜二つの双子と弟がいるんだ。名前は木下秀吉。Fクラスに所属している」

 

「つまりはこういうことか。その弟の秀吉君が彼女になりすまし、Cクラスをこのクラスに差し向けた、と」

 

「そういうこったな。どうだ?可能性としてはありえるだろう?」

 

「確かにそうだが…だとしても君の言うことはあくまでも可能性の話だ」

 

「ああ。だから俺が近々Fクラスの連中に聞いておくよ。木下さんを追求するのはそれからでいいだろ?今は仲間同士で言い争うよりも、目の前のCクラス戦をどうするか考えるべきだ」

 

「だよねー。ボクも今はAクラスとしてこの教室を守ることに集中した方がいいと思うよ」

 

工藤さんからのフォローもあり、久保達も納得したようだ。

だよな。全てはCクラスを叩きのめしてからでも遅くないはずだ。

 

「ふむ。君たちの言うことにも一理あるな」

 

「そういうことだ。代表、Cクラス戦の作戦を考えよう」

 

今まで一度も話に入ってこなかった我がクラスの代表。

席について俯いていたけど、まさか寝てたわけじゃないよな…?

 

「…………作戦ならもう考えた」

 

「えっ?まさか俺らが言い争ってるうちに?」

 

「…………(こくり)」

 

「そんな…木下さんのことはどうでもよかったのかい?」

 

さすがの久保も今の代表の行動は許せなかったのか、言葉にほんの少し怒気が含まれている。

 

今の久保の一言に、木下さんも少し傷ついているようだ。

 

だが、代表の考えはどうも違うようだ。

 

「…………私は優子を信じてるから。だから言い争いも無意味」

 

「え…?」

 

代表の言葉にクラスは一瞬静かになった。

 

「代表には適わないな…」

 

単純なことだった。

代表は木下さんのことを信じている。

だから木下さんが先ほどの行動を否定したところで、真犯人が誰とかそなことはどうでもよく、今やるべきことをしっかりと見極めていた。

 

「代表……」

 

涙目になっていた木下さんも、この言葉には胸を打たれたようだった。

 

「ふふ♪じゃあお後がよろしいようでってことで、早速その作戦を話し合おうか!」

 

工藤さんがそう言ったことにより、クラス内の雰囲気が一気に変わった。

試召戦争に向けて、全員が集中し始めたのだ。

工藤さんにはもしかしたらある種のカリスマ性があるのかもしれない。

 

さてと。色々あったけどようやく念願の試召戦争がやれるな。

いっちょ暴れますか!

 

「…………それじゃあ作戦を発表する」




どうでしたか?

次回はCクラス編です。

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