バカとAクラスの日常   作:ゴリ霧中

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Fクラス戦後半です。


第八話

「さあて、これけらが本番だ!」

 

「雄二っ!?僕を信じてくれてたんじゃないの!?」

 

「勝つ方に信じていた訳じゃあない!」

 

「うう!こいつに本気の左を使いたい!」

 

明久と雄二はいつも通りか。

てか明久の奴、フィードバックの痛みはもういいのか?

 

「では三回戦を始めます」

 

「………俺がいく」

 

向こうからはムッツリーニか。

ならばこちらからは

 

「じゃあボクがいこうかな」

 

もちろん工藤さんが。

 

「君、ムッツリーニ君って言ったっけ?保健体育が得意らしいね。でもボクも得意なんだよ。君と違って、実技でね♪」

 

「………っ!(ぶしゃあああ!)」

 

「む、ムッツリーニー!」

 

ムッツリーニが大量の鼻血を吹き出して倒れた。

あいつも相変わらずだな。

 

「………くっ、この程度で…!」

 

「あははっ!じゃあ始めようか?サモン!」

 

「………サモン」

 

両者の召喚獣が姿を現した。

 

 

Aクラス 工藤愛子 保健体育 446点

 

「ばかなっ!?400点越えだと!?」

 

Fクラスからは驚きの声があがる。

 

「ふふっ、バイバイムッツリーニ君♪」

 

工藤さんの召喚獣が持つ斧が電気を纏い、ムッツリーニに襲いかかる。

 

「………《加速》」

 

シュン!

 

次の瞬間、ムッツリーニの召喚獣が姿を消した。

いや、早すぎて見えないのかな?

 

「………加速終了」

 

Fクラス 土屋康太 保健体育 576点

 

加速が終わり、召喚獣が再び現れた。

どうやら腕輪の力を使ったんだろう。

だが、さすがはエロの帝王ムッツリーニだな。

あの工藤さんよりも保健体育が高いとは。

 

「くっ、まさかボクが負けるなんて…!」

 

「相手の力量を見誤ったな。ま、今回はあいつの方が上手だったってわけだ。そう落ち込むなよ」

 

「あれ、もしかしなくても慰めてくれてるのかなー?」

 

「目の前で今にも泣き出しそうな女の子がいたら慰めたくもなるさ」

 

「べ、別に泣いてないよー!」

 

「あっそ。じゃああとは仲間に任せようぜ」

 

「うん。そだね」

 

とは言え向こうの思い通りの展開だな。

次はおそらく姫路さんか。

 

「では続いて四回戦です」

 

「姫路、行ってきてくれ」

 

「はい!」

 

やはり向こうは姫路さんか。

 

ならばこちらは

 

「向こうからは彼女か。ならば僕が行かせてもらおう」

 

学年次席・久保利光!

 

去年までだったら確かに久保の方が点数が高かったが。

果たして…

 

「科目はどうなさいますか?」

 

「総合科目でお願いします」

 

答えたのはなんと久保だった。

 

「ちょっ!選択権は僕らにあるのに!」

 

これには明久も反論してきた。

 

「構いません」

 

だがそれを受け入れたのは姫路さんだった。

彼女は理系が得意だったはず。

ならば文系の久保とは理系科目で戦うのがセオリーのはずだが。

あくまでも学年次席との直接対決を望んだか!

 

 

Aクラス 久保利光 総合科目 3997点

 

 

Fクラス 姫路瑞希 総合科目 4409点

 

『ま、まじかよ!?』

『いつの間にこんな実力を!?』

『この点数、霧島翔子に匹敵するぞ!』

 

至る所から驚きの声が。

無理もない。

あの学年次席の久保に400オーバーの点差だもんな。

 

「ぐっ…!姫路さん、どうやってそこまでの実力を…?」

 

「私、このクラスが好きなんです。人のために一生懸命になれる、このFクラスが」

 

「Fクラスが、好き?」

 

「はい。だからここまで頑張れました」

 

「そうか…。クラスメイトを疑うような僕じゃあ適わないわけだ」

 

あいつまだそんなこと気にしてたのか?

中身は案外いい奴なのかもな。

 

「それでは続いて最終試合です。両代表、前へ」

 

高橋先生もなんとか取り繕ってはいるようだが、内心ではFクラスの勢いに驚いているようだ。

 

「ああ」

 

「…………はい」

 

あちらからは雄二が、そしてこちらからは代表が立ち上がった。

 

「すまない代表、負けてしまったよ」

 

「ボクも負けちゃった…」

 

「…………大丈夫。あとは私に任せて」

 

申しわけなさそうに戻ってきた久保と工藤さん。

だがそんな二人にも代表は優しい声をかける。

 

「代表…」

 

心配そうに木下さんが見つめる。

 

「…………大丈夫だよ、優子」

 

「うん。あたしも、代表を信じてるわ!」

 

「すまんな、代表。結果として雄二の望み通りの状況になっちまった」

 

「…………気にしなくていい。倉木達は一生懸命頑張ってくれた。私はそれに答えるだけ」

 

「ふっ、頼りにしてるぜ」

 

「…………まかせて」

 

この状況はあの男、坂本雄二によって作られたものだ。

おそらくあいつにはこの状況で勝てる策があるのだろう。

だが!それでもうちの代表なら負けない!

俺はそう信じている!

 

「それでは科目はどうなさいますか?」

 

「科目は日本史で内容は小学生レベル。方式は百点満点の上限ありで頼む」

 

小学生レベルのテストだと!?

何を考えてる?

 

「ではテストを作らなくてはいけませんね。その間にお二人は視聴覚教室でお待ちください」

 

高橋先生に促され、二人が教室をあとにした。

 

「ねえ倉木君、Fクラスの連中、いったい何を考えているのかしら?」

 

「小学生レベルの問題なら二人とも満点を出して当然だよね?」

 

木下さんと工藤さんも疑問に思ったのか、俺のところにやってきた。

 

「ああ。そうなったら勝負はサドンデス形式での長期戦だ。そうなったらうちの代表が負けるわけがない…はずなんだが」

 

「何か心配なことでもあるのかしら?」

 

「ああ。雄二もそんなことには気づいているはずだ。なのにわざわざこんな勝負を言い出すのには、何か考えがあるはずなんだ」

 

「うーん、単に日本史が得意とか?」

 

「それならわざわざ小学生レベルにした意味がわからないわ。上限つけたのもね。それより、代表の気を逸らす方法を何か知っているんじゃないかしら?」

 

「ふむ。まあそれに近いことを何か知っているとしても…うちの代表が負けるとは思えないな」

 

二人もそこに関しては同意してくれたようで、そこで会話はとぎれた。

 

Fクラスも騒がしかったが、世間が開始されてからは静かになり、テストの問題に集中しているようだ。

 

なんだ?何かを待っているような期待しているような…。

 

そして問題は年号を答えさせる所へ。

その年号の問題のうち、『大化改新が起きた年号』を問われた問題。

 

それが出たとき、一気にFクラスの連中が喜びだした。

 

『よっしゃー!』

『やったぜ!』

『これでシステムデスクだー!』

 

なんだ?何が起きている?

Fクラスの様子が尋常じゃない。

完全に勝利を確信している!

 

俺にはその状況がわからないまま、テストは終わった。

 

そして二人とともに高橋先生が戻り、いよいよ結果発表だ。

 

「それでは結果を発表します。Aクラス、霧島翔子…97点」

 

!?

 

「なに!?」

 

「うそ、だよね?」

 

「だ、代表…」

 

「くっ…!」

 

俺だけでなく、工藤さん、木下さん、久保、そして他のAクラス生徒も驚きを隠せなかった。

まさか代表が、負けた?

嘘だろ…?

 

それと対照的にFクラスの面々は歓喜の声に包まれていた。

 

なるほど、雄二の狙いはあの問題、『大化の改新』か。

理由はわからんが、うちの代表はあの問題を確実に間違える。

その確信があったからこそこんな一騎打ちなんてことを申し込んできたんだろう。

 

「ふっ、完敗だな」

 

俺達が負けを確信したとき、高橋先生がさらに続けた。

 

「続いてFクラス、坂本雄二…53点」

 

ははっ、いつも通りあのバカの点数だぜ。

 

 

 

は?

 

 

 

 

「よってこの勝負、三対二でAクラスの勝利です」

 

高橋先生は淡々と結果を述べた。

 

そしてこの瞬間より、Fクラスの机は卓袱台からみかん箱へと変わった。

 




いやー、やっとFクラス戦がおわりますねー。
書いてみると案外たのしーな。
ついでに言うと、作者はアニメも見て原作小説も読みました。
ですが、基本的には小説に沿って行きます 

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