天性の魔術師と王女   作:バロン

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交渉と分かれ目

「ねぇねぇゼロ君、どのドレスが良いかな?」

 

そう言うとカリーナは胸元と背中が大きく開いた黒のドレスで部屋から出てきた

 

「わぁ~、カリーナねぇ綺麗~!!!」

 

シンはそう言うと黒のタキシードに身を包みパチパチと手を鳴らす

 

「ありがとうシン君、でもあの二人も相当だよ…」

 

カリーナの視線の先には薄桃色のドレスに身を包むキトラと深紅のドレスに身を包むレーナがいた

 

「あれ?まだゼロ様着替え終わらないの?」

 

待ちきれないのかレーナがそわそわし始めた、その時ゼロの更衣室の戸が開いた、そして全員が言葉を失った

 

「待たせたな…何だ?」

 

頭から生える双角と深紅の瞳、黒髪を軽く後ろに流し体を黒一色のスーツに身を包んだ

 

「か…カッコいいです~~~♪」

 

女子軍は何やらキャアキャア叫んでいるが俺の後ろに控える大男も黒のタキシードに身を包んでいる

 

「主よそろそろ」

 

カエンから急かされ俺達は部屋を出た、長い廊下を歩くと突き当たりの部屋に通された、案内してくれた若い女性に笑顔で感謝すると顔を赤くして足早に去っていった

 

目の前には堂々とした荘厳にして豪華絢爛な扉があった、俺達はその扉の前で一度落ち着き頷きあった

 

「さぁ、行こうか」

 

ゼロが扉に手を掛け扉を開けた、目の前には応接室のような雰囲気で部屋の真ん中には長方形の机、そして向かい合う様に三人がけのソファーが置いてある、その奥にはこれまた豪華な机と椅子が一組置いてある

 

そして俺が扉を開けるとその椅子に座っていた髭を生やした男が立ち上がりこちらへ向かってくる

その後ろにはあの護衛隊副官≪ペル≫≪チャカ≫そして護衛隊長≪イガラム≫の姿があった

 

「ようこそいらした、獣人族の王よ私はここアラバスタ王国国王≪ネフェルタリ・コブラ≫だ」

 

「同じくアラバスタ王国護衛隊副官ペル」

 

「同じくアラバスタ王国護衛隊副官チャカ」

 

「そして私がアラバスタ王国護衛隊長イガラムです」

 

「失礼だがそちらのお名前もお聞かせ願えるか?」

 

コブラからの申し出にカエンが応じた

 

「獣神王国≪ガルドラ≫親衛隊カエン」

 

「同じく親衛隊シン」

 

「同じく親衛隊レーナ」

 

「親衛隊副官キトラ」

 

「親衛隊隊長カリーナ」

 

「私が獣神王国≪ガルドラ≫初代国王、虎王ゼロ・ガルドラだ」

 

獣神王国≪ガルドラ≫新しい王国の名前だ、事前に四王達には報告しこの契約が締結し次第一度王国に帰る手はずになっている

 

四王達はそれぞれ知り合いの獣族に声を掛けると≪バルドラ≫にお願いし各島々に連絡を送っているらしい

 

「おぉ!貴殿がゼロ・ガルドラ殿か、話はカリーナ殿から聞きました、約束通り我らアラバスタ王国は獣神王国の建国を承認致します」

 

「それはありがたい、それともう一つ提案があるのですが宜しいか?」

 

「おぉ、是非お聞かせ願いたい」

 

「我ら獣神王国はアラバスタ王国と同盟を結びたいと考えています」

 

その時コブラの目付きが変わった

 

「フム、同盟か…して我々にはどんな利益があるのか?」

 

「はい、我が国と同盟を結ぶならアラバスタ王国に降りかかる火の粉を全て打ち砕いて見せよう、それによりアラバスタ王国はどこからも脅かされない国になる」

 

しかしこの意見に反論する男がいた

 

「ゼロ殿!それでは我が国が国を守れないと申すのか!」

 

「我々は数百年この国を守り続けてきた、それが昨日今日出来たばかりの新国に!」

 

「…何か間違えたことを言ったか?実際に守れていないではないか?」

 

ペルとチャカは顔を赤くしてゼロに向かってくる、しかしレーナとカエンがその行く手を阻む

 

「そこを退け!」

 

「良いんだな?」

 

カエンが静かに言った

 

「もしここで我が主に危害を加えた場合を考えろと言っているんだ」

 

「私はそんなことも考えられない人を助けたの?」

 

「何を言うか!ここは我らアラバスタ王国の地ここでお主らがいくら暴れたとしてもこちらには軍隊が有る!」

 

「…だからどうした?」

 

ゼロの氷のような冷たい瞳を見たペルはそれ以上言葉を発する事は出来なくなった

ペルの動物的勘がこれ以上は駄目と警告している

 

「コブラ王よ、正直に言うこのアラバスタ王国は自分で国を守れるほど強い軍隊は持っていない、私が一度国に帰りこの国を滅ぼすとしたら戦士を千名連れてこれば容易いだろう」

 

その時コブラの顔が曇る

 

「千名だけでこのアラバスタ王国を滅ぼせると?」

 

「あぁ」

 

「その根拠は?」

 

「…まぁこれが根拠になるかと言われたら不思議ではあるが、どこか空き地は有るか?誰も来ないような」

 

俺達はコブラ達に連れられ王都の外れに来た

 

「ではこれから見ることは他言無用で頼む」

 

そう言うと俺はキトラ達親衛隊に合図を送る

 

するとカエンは瞬く間に口から大きな牙を生やした赤毛の猿にそして続けてレーナが黄金に輝くドラゴンにシンが体からバチバチと光を放つ巨鼠そしてキトラが漆黒と紅蓮の体毛の虎に

 

「な、何と…これは」

 

「これが我が国の国民達だ、こいつら以外の国民もここまでではないがそちらの国のペルやチャカ、イガラム位なら三対二でも勝てるだろう」

 

「う…むぅ勝てるか、ペル、チャカ、イガラム」

 

「わ、私は…」

 

黙り込む三人そんな沈黙を破ったのは国王コブラだった

 

「わかった、こちらとしても国防の力が増えるのはありがたい、同盟を組ませて頂こう…して我々が貴国に払う対価は何を?」

 

俺達は一度また部屋へ戻り話始めた

 

「我々はアラバスタ王国から特産でもある発光岩を年千トン送ってくれ、見返りとして我々から毎月10名の戦士を派遣する配置などは任せる各町の治安維持に使用してくれ」

 

「それだけで良いのか?言っては悪いが発光岩は確かに特産では有るが衝撃を与えると少し光るだけで何にも成らない石だが?」

 

「そう思うなら少し色を付けて送ってくれそれだけで此方は十分だ」

 

俺達は固く握手を交わすと部屋を後にしようと扉に手を掛ける

その時突然扉が開いた

 

「お父様!あ、ゼロさんいらっしゃったんですね失礼しました…カッコいい」

 

「これはビビ王女、今帰るところだから大丈夫だよ」

 

「え!何で帰るんですか!今ルフィさんが目を覚ましたんです直ぐに夕食に成るので一緒にダメですか?」

 

「う、う~む」

 

俺は後ろを見るとキラキラ目を輝かせている金髪の少年がいた

 

「ねぇねぇゼロにぃ、ご飯…食べちゃダメ?」

 

あぁダメだ可愛すぎる家の子、カリーナ達親衛隊もメロメロになっている、てかアラバスタ王国側の人達もメロメロかよ

 

「良いに決まっておる」

 

おいコブラ何かってにいってんだよ!まぁ勿論良いけど

 

「あぁ、じゃあお邪魔するか」

 

そう言うとビビは笑顔でゼロの手を握り廊下へと連れ出した

 

「ゼロさん、今回のたたかいでは本当に助かりましたありがとうございました、皆ゼロさんに感謝していました私もこんなに心強い事はありませんでした」

 

ビビは軽く頬を赤く染めながら今なおゼロの手を握る

 

「いやいや、麦わらの一味が踏ん張ったからこその戦果だ感謝するならルフィに感謝しなさい」

 

「は、はい!そうですね!」

 

ビビは笑いながら顔を覆う、そしてやっと気が付いた

 

「きゃぁぁぁーーー!!!すいませんゼロさん手を!」

 

ビビは手を離すと少し小走りで先に部屋へと入った

 

「どうしたビビちゃん!さては不届きものがビビちゃんの美貌に…!」

 

「どうも、不届き者です」

 

ゼロが続けて部屋に入るとサンジが目の前にいた、その奥にはいくつかのベットが置いてある

 

「あ、ゼロさん…」

 

直ぐに俺の後からキトラ、レーナ、カリーナ、カエン、シンが入ってくる、同時にサンジが反応した

 

「な、何だこの美女達はここは天国か!」

 

グルグル回りながら俺達の前へ出てくるサンジ、今回はカリーナの手を持ち上げるとまた手の甲にキスしようとする

 

「あら?ダメだよサンジさん、私に手を出すと家の人怒るから」

 

「クゥーー!!!ゼロさん!あんたは最高だ!」

 

「お、おう、ありがとう」

 

サンジから感謝の言葉を頂くと俺はルフィの元へ歩く、ルフィも起き上がり俺の事を見ていた

 

「よぉルフィ、大分ボロボロだな」

 

「オウ、いやぁワニ強ぇーなぁ~」

 

「まぁ一先ずお疲れさま」

 

俺とルフィは軽く挨拶を交わすとどんな所が大変だったかなどを話した、カリーナはナミにどこかへ連れていかれたようだ

 

まぁ積もる話もあるだろうレーナはサンジの事を鬱陶しそうにしている、カエンとシンはビビから部屋の端へ連れていかれた、ビビの顔が赤いのが分からないが何かあったのか?

キトラは俺の後ろで待機している

 

「所で前から思ってた事なんだけど…お前ら何者だ?」

 

突如ルフィから訪ねられた質問に俺は悩んだが答える事にした

 

「俺の名はゼロ・ガルドラ、獣神王国≪ガルドラ≫初代国王だ」

 

その瞬間、親衛隊とルフィを除いた全員が言葉を失った

 

「は、え?ゼロさんあんた…」

 

「王様なのか?すげーな」

 

サンジとチョッパーは興奮した様子でアワアワしている、ウソップに関してはひれ伏している

 

「そうか、だからあんたそんなに強い家臣を連れてるんだな」

 

ゾロはそう言うが俺は首を横に振った

 

「いや、こいつらは自分からこんな俺を好いて付いてきてくれるかけがえの無い仲間だ」

 

俺がそう言うと皆恥ずかしそうに下を向いたり上を向いたりしている

 

それから俺はどんな国か等様々な事について話した、暫くするとカリーナとナミが帰ってきた、カリーナの顔は何時にも増して何か吹っ切れたように明るかった

 

「さぁ、夕食の用意が出来たよ!」

 

扉が開いたと同時にさっき見たイガラムの風のおばさんが入って来た

俺達は後に続いて大食堂へ向かった

 

俺はビビの左隣に座りビビの右隣にシンが座った、俺の隣にはカリーナ、カエンシンの隣にはキトラ、レーナが座りシンに世話を焼いている

 

それからは宴会が始まると俺はナミと飲み比べをしたりカエンはゾロと腕相撲をしている、チョッパーとシンも何やら薬の調合率について議論を交わしている

レーナ、キトラ、カリーナはビビと話したりしている

 

「ドン!」

 

その時ビビ後方の窓側割れた、俺はビビを抱き寄せ飛来する何かを止めた

 

「何事だ!」

 

兵士の一人が割れた窓から外を見る、外は漆黒の闇が支配しており何も見えない

 

「大丈夫かビビ?」

 

俺は腕の中にいるビビに訪ねる、ビビは顔を赤くして頭から煙を出して気を失っている

 

「くせ者を捕らえよ!」

 

コブラの言葉にゼロは手をかざし制止させる

 

「大丈夫だ、もう終わってる」

 

そう言うと大食堂の扉が開いた

 

「捕まえたよ~!」

 

そこにはいつのまにか消えていた親衛隊の姿があった

 

「どうやらB・Wの残党だな」

 

この時コブラ王とイガラム、チャカ、ペルが考えた事は同じだった

 

 

≪≪≪≪同盟組んで良かったぁ~~!!!!≫≫≫≫

 

そんなこんなで夜はふけて行った

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