今年もよろしくお願いします。
これからも是非、暇つぶしに読んでくれると嬉しいです!
──何故か
その名前の欄には、
瞬時に様々な考えが浮かぶけど、この書類はこのままにしておいて、何事も無かったかのように元の位置に戻ろうと結論付けた──
「──あと少しで完成するからもうちょっと待ってて……って、そんな所で何してるの?」
「?! あ、えっと……」
タイミングで、奥の部屋で料理をしていた楯無さんが顔をひょっこりと出しながら、不自然な僕の位置に疑問顔で首を傾げる。
咄嗟のことに僕の反応も怪しかったのか、僕に近づいてきて例の書類を発見した様子だった。
「……これ、どうしたの?」
さっきまでニコニコと笑っていた楯無さんの表情が苦笑いへと変わる。
嘘をつくのは当然ノーだから、
「ジュース飲みながら待ってたんですけど、視線をここに向けたらその紙が落ちてたんです」
僕の返答にチラッと視線を僕の目に向けて、
「……はぁ、ちゃんと保管してた筈なんだけど、掃除のごたごたでここに落ちたようね」
楯無さんはそう自己完結してから、やれやれと呟く。
僕はどういう反応をすればいいのか分からず、多分曖昧な表情で楯無さんを見つめた。
「……その顔だと、やっぱり見たわよね?」
「……はい」
「……うーん、そっか。まぁ桜くんになら知られても全然良いんだけどね♪」
そう言ってそんなに気にしていない様子の楯無しさんは、その書類をひらひらさせながら笑う。
「そんな軽くて良いんですか?!」
さっきまで雰囲気も重かったこの生徒会室の空気がガラリと一転した!
それくらい楯無さんはいつもの雰囲気で……いや、何だか普段よりももっとほんわかしたオーラが見えるような気がする……。
「ふふ、本来なら極々一部の人しか知らない私の本当の名前。それこそ絶対にバレちゃいけなかったんだけどね~」
楯無さんはさっきとは違った……ちょっと大人な笑みを浮かべて、
「桜くん、約束とお願いが一つずつあるんだけど……聞いてもらえるかな?」
「ぼ、僕で良ければいくらでも」
「そう? じゃあまずは約束。私は桜くんが誰かに私の本名を明かすような人じゃないって信じてるけど……一応、ね?」
「勿論このことは誰にも言いませんよ?」
僕は何度も頷く。
もし約束をしてなくても人の秘密を誰かに漏らすような真似は絶対しない!
楯無さんも僕のことを言葉通りに信じてくれてるのか、確認だけで終わった。
「そして……お願い、なんだけど」
「……?」
「えっと、その……。これからは、二人の時は楯無じゃなくて…………刀奈って呼んでほしいの」
最後はボソッと聞こえるくらいの声量で、顔を赤くした楯無さんはそう言った。
緊張してるのか、両手の指先がせわしなく動いてる。
そんな楯無さんを見てると何故だか心が温かくなってきた。
「──分かりました、刀奈さん!」
僕はこの瞬間の刀奈さんの花が咲いたような笑顔を──生涯忘れないと思った。
それからはすぐに料理を食べた!
ほかほかの白米、温かいシンプルなお味噌汁、新鮮で
「どう? 美味しかった?」
と、楯無さん改めて刀奈さんは不安げに僕を見ながら言った。
そんなの当然、
「うん、美味しかったです! ご馳走様でした!!」
と、食後のデザートで作ったらしいオレンジシャーベットを食べながらたわいもない話しで盛り上がった。
「──っと、そろそろ就寝時間になりますね」
チラッと時間を確認してみればもうそんな時間。
片付けは二人で協力して手早く終わらせ、刀奈さんとは生徒会室の前で別れた。
──次の日!
昨日はあれからすぐに部屋に帰って眠った。
そして今日は月曜日、夜に一時間ほど
「……今日は転校生、しかも“男の子”が来たって話しで持ち切りだな~」
恒例の
どうやらその“二人目”の男性適正者は
もしかしたらその転校生の話、詳しいことは箒ちゃんから聞けるかも?
「……よし、そろそろ時間かな?」
今日は放課後のクロエちゃんと会う約束をしてるんだ。
夜には箒ちゃんと勉強をする予定だけど、メール曰くあんまり長い時間会うわけじゃないってことで僕も了承した。
千冬姉にはクロエちゃんのことはまだ伝えていないから、出かける理由は束姉に会ってくると伝えたら嫌々ながらも了承をくれたことは今朝の事。
とにかく今から出ればちょうど良い待ち合わせ場所に着くはず!
透明化シールを額に張り付けたら準備完了で、時間を小まめにチェックしながら向かった。