グラビモスな日々   作:なむさんばがらす

1 / 10
処女作です。

モンスターに転生!!というシチュにたまらなく萌えるのですがいかんせん作品が少ないと感じたので書いてみました。

ぶっちゃけ自己満足です。
それでもいいぜ、かかってこいよ。という広い心をお持ちの方はどうぞごらんになってください。


プロローグ

「と、いうことで君は退学だ。」

 

「へ?」

 

意味がわからなかった。

平凡に学生生活を送っていた俺はなぜか理事長室に呼び出され、いきなり退学を言い渡されたのである。

 

「どういうことですか?」

 

「罪の意識もないのか・・・最悪だな、こんな下種がわが校の生徒とは」

 

「???」

 

勝手に落胆されても困るのですが・・・

 

「君、茂部 小太郎(もぶこたろう)はこの学校内でいじめ、強盗恐喝、婦女暴行、暴力事件も起こしたと証言があった。」

 

心当たりがない、まったくといっていいほど。

 

「呼び出す人を間違えていませんか?」

 

「あくまでシラを切るつもりか!!この屑が!!」

 

「シラを切るも何も、確定的な証拠はあるんですか?」

 

いきなり殴られ、尻餅をついた。

一応口は閉じていたため、歯は折れなかったが口の中に血の味を感じた。

 

「まったく、息子が報告してくれなかったらどんな事態になっていたことやら」

 

独り言のように理事長は言う。

 

ちょっと待て、今の発言。

息子が報告?ということは理事長の息子?

突然殴られたショックで放心状態となっていた頭を回転させる。

ああ、あったな。心当たり。

もちろん先ほどの罪状のではない、濡れ衣を着せられる心当たりの方だ。

 

昨日

 

俺と同じクラスに「俺は理事長の息子だ。逆らう奴は退学にする。」といって横暴をしてた奴がいた。事なかれ主義の俺は関わらないようにしていたのだが、ある日

 

「顔がむかつくから殴られてくんない?」

 

といわれ、事なかれ主義(末期)の俺は仕方なく(ここ重要)殴られてやろうとした。相手が助走をつけて殴りかかってきて、殴られたら痛そうだなーとぼんやり考え、痛みに耐えようと目を閉じたのだが、

 

「ぶべらっ!!」

 

という声と共に感じたのは痛みではなくわずかな風、目を開けて前を見ると理事長の息子がうつ伏せで転がっていた。どうやら盛大にこけたらしい。

三十秒ほど沈黙が続き、むくりと起き上がった理事長の息子は赤くなった鼻とそこから出た鼻血を抑えつつ

 

「お、覚えてろよ~」

 

と、駆けていった。どら息子が完全に見えなくなるのに合わせて、周りの野次馬から「いい物を見せてもらった」的な視線を浴びる。どこからか拍手も聞こえるのは、どら息子のことを好ましく思っていない者や被害に遭わされた者もいたからだろう。

自分は何も手出ししていないので、何週間か嫌がらせが続くぐらいだろう。と軽く考え帰路に着いた翌日、今に至る。

 

回想終了

 

 

「どうだ?思い出したか?」

 

「濡れ衣です。いまおっしゃられた罪状はすべてあなたの息子のものです。」

 

「はあ、人のせいにするというのか、もはや怒りを通り越して呆れるな。被害にあった人の証言でお前がやったというのは事実なんだ。おとなしく認めろ。まあ被害者と息子のたっての希望で、警察には報告しないでおいてやるが・・・実際は重罪なのだぞ」

 

虚偽の証言も重罪だと思うが・・・被害者達と息子のたっての希望(笑)のせいで警察には伝わらず、虚偽の証言がばれるはずもないのだが。

 

良く考えれば退学もいいかもしれない。だってもしこれで理事長の誤解を解いて学校生活に戻っても俺の居場所はなくなってしまっているだろうからな。と考え、腹は立ったものの甘んじて罰を受けることにした。

 

「わかりました。学校辞めます。今までありがとうございました。」

 

学校からの帰り道に「大検でも取って専門学校にでもいくかなあ。姉さんには悪いけど」とかなんとか考えながら信号が青になった横断歩道を渡ろうとした。

 

―――キキーッ、ドンッ

 

という音と共に横方向の力を受け、道路に跳ね飛ばされた。

俺を跳ね飛ばした車の運転手が出てきて、駆け寄ってくる、が腹が割け臓物が飛び出している(ガードレールに突き刺さっている)もう助からないであろう俺を見たとたん、くるりと踵を返して車に乗り、走り去ってしまった。

 

 

視界から動くものがなくなり、ああ俺は死ぬんだな、と実感し走馬灯が流れ、最期に思い出したのはあの理事長とどら息子、俺を跳ねた車の運転手であった。

 

その瞬間激しい怒りを覚えた。その三人にだけではない、どら息子に脅され虚偽の証言をした奴、唯々諾々と従っていた奴、何も言わなかった奴、俺を跳ねた運転手のほかに車に乗っていたであろう人間―――そう、人間全体に、だ。

きっと人間は人を貶めたり、長いものに巻かれたりしなければ生きてゆけないのだ、地上最強の生物ともあろうものがこれほど弱く、醜いものなのか・・・

 

そういった激情に駆られながら体はどんどん冷たくなり、意識が途切れた。

 

 

 

 

 

 

数秒だったのか数時間だったのかわからない暗闇のあと、見えたのは光だった。

まぶたの上から光を当てられる感覚、というのが正しい。あと体に力が入らない。

どうやら奇跡的に一命を取り留めたようだ。

ううっ、唸りながら目を開ける。ちょっと声が高い気がしたがスルーしてあたりを見回すと・・・火山洞窟のようだった。

 

「グギャーーーーーーー!!(なんだこれーーーーーー!?)」

 

え、なにこの子供の恐竜みたい声!?それに自分から数センチのところに溶岩流れてるのにまったく熱くないし、え、なにこれ尻尾がある感覚がする。

 

文字通りギャアギャアわめいていると溶岩が盛り上がり巨大な竜が現れた。

 

「ギャオーーーーン!!!(グラビモスだーーーー!!)」

『おお、我が愛しき子よ!!孵っておったのか!!』

「がお?(えっ?)」

『もっと良く顔を見せておくれ』

 

鎧竜グラビモスが目を細め、うれしそうにこちらを見、さらに顔を近付ける。

 

ちょっと、近い、近いよ!!しかも興奮で怒りエフェクトみたいに口から煙出てるし!!怖い怖い怖いアッーーーーーーーーーーーー!!(ガクッ)

 

『ふむ、子供は寝るのが仕事といったが、その通りなようだ。本当に良く寝るなあ』

ひとりごちる母グラビモスであった。




わかっている方もいるかと思いますが、モブ君の「人間への憎しみと絶望」がモンスター転生の原因です。


誤字の指摘、感想などは随時受け付けております。(返信の仕方とかわかんないのですが)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。