・火山活動のせいで引っ越さなきゃいけなくなりそう。
↓
・本来ならアグナコトルたん(以下アグにゃん)ががんばってくれてるおかげで火山活動が抑えられるらしい。
↓
・あれ、養殖できんじゃね?←いまここ
本編
「ガブー。いるー?」
ここはガブラスのガブの寝床である。バサルの体では狭すぎて入れないので、入り口から呼びかける。
「へい、なんスか? 旦那」
「古龍語ってさ~。どんなモンスターにも通じる共通語なんだよね?」
「そうッス。でも、『玉』のある生物限定ッスけどね」
古龍が古龍たるゆえんは、この古龍語を使える玉を持っていることらしい。
ゲームで「古龍観測所」のおっさんが研究していたことをあっさりと知ってしまい、俺は少し申し訳なくなった。
が、そんなことは置いといて、
「あのさぁ。実はかくかくしかじかでアグナコトルを養殖しないといけなくなったんだけど、通訳になってくれない?」
俺は三齢幼竜のアグにゃんを探すために、古龍語ぺらぺらなガブに協力を求めるのであった。
もちろん、俺は『かくかくしかじか』とは発音していない。ちゃんと事情を説明した。
「事情は理解したッス。でも、探す当てはあるんスか?」
「その辺のメラルーにでも聞こうかな、と思っているよ」
メラルーやアイルーは何でも知っている気がする。と思っているのは俺だけだろうか……
「あ、それ無理ッス。猫共は玉なんか持ってないッス」
「……まじか」
「はいッス」
確かに、人語を解する彼らには玉(テレパシー機関)なぞ必要なかったのかもしれない。
「猫類に玉がないのか……じゃあ、他のモンスターに手当たり次第に聞いてみるか!」
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それから俺たちは、火山に生息していたほぼすべての生物に声をかけた。
履き違えてはいけない。『聞き込みをした』わけではないのだ。あくまで、『声をかけた』だけ。
皆俺の巨体におびえてしまって会話にならなかったのだ。
幼竜とはいえ、この火山最強のグラビモスの嫡男となれば、誰だって逃げる。
アカムトルムが台頭する前は、確かにグラビモスは火山最強を張っていたのだ。
「むむむ……聞き込みが遅々として進まない~」
俺たちには一刻たりとも無駄にしていい時間なんか無いのに!
「……旦那、こっからは俺だけで探させてくださいッス。俺だけなら、他のやつらは話し聞いてくれるはずッス」
地面をゴロゴロしながら悩んでいた俺に、ガブが提案をする。
だが、その案は却下だ。
「お前に単独行動させて、他のモンスターに食われたらどうするんだ。それこそ詰みだぞ」
「でも……ッ旦那!! 上になんかいるッス!!!」
『お困りのようね♪』
ギシギシッ、と外骨格の生物が甲殻をすり合わせる音。
俺はとっさにその場から飛びのく。
数瞬前まで俺のいたであろう位置に轟音と共に大鎌が突き刺さった。
―――ショウグンキザミ
鎌蟹と呼ばれ、青い体と大鎌、ブレスを吐くヤドをもち、ダイミョウサザミと対を成す大型モンスター。
俺をしとめ損ねたショウグンキザミは、ゆっくりとした動作で地面から鎌を引き抜き、こちらに向き直った。
「……ガブ、通訳よろしく」
「応ッス!!」
ここからは、通訳の手間を省いた会話となる。
「何のつもりだ」
『いい男にはちょっかいかけるのがいい女ってもんでしょ?』
「明らかに声が男だ。とガブが言っているのだが……」
『いいじゃない『カマ』蟹なんだから』
彼(?)がいま流行りのおねぇ系だってことが分かった。
一応言っとくが俺はノンケだよ!!
「用件はなんだ?」
俺達の会話に応じている。ということは、最初の一撃は本当に挨拶程度の物で、彼(?)本当の目的は別にあるはずだ。
『つれないわねぇ。協力してあげようと思ったのに』
「……俺たちが何をしているのか知っているのか」
『アグナコトルを利用した火山活動の抑制、でしょ? 私、三齢幼竜の居所に心当たりがあるのだけれど』
渡りに船とはこのことだ。だが、彼(?)は唯では教えない。とのたまい。条件を提示してきた。
・自分は新参者(ニューカマー)であり、この火山に定住させて欲しい。ということ
・この山に眠っている、古代のグラビモス達の頭蓋の利用許可
・溶岩沼地帯に巣食っている溶岩竜ヴォルガノスの狩猟協力
この三つだった。
一つ目はかあさまたちに掛け合わないと無理だし、二つ目は多分大丈夫(この山は先祖代々使っていた、とかいうわけではないから)だということを伝え、三つ目だけは何故こんな要求なのか、と彼(?)に問うた。
『だって、あいつらの主食、ガミザミちゃんなんですもの。……そりゃあ、あなたたちも食べるでしょうけど、規模が違う。それに、ガミザミちゃんの狩猟形態からして、あいつは天敵、私もトラウマになっているの』
たしかに、ガミザミは地中に潜って、獲物が乗ってきたところを急襲する。という狩猟形態を取っていた。
地中よりさらに下の溶岩層から現れ、一口で丸呑みにするヴォルガノスは、まさしく天敵だった。
同じ溶岩層の住人であるアグナコトルは、主食が岩石であるのと、口が小さいため、食べられても足が数本といった具合なのだそうだ。(蟹などの甲殻類は足がなくなっても生えてくるのでもうまんたい)
若い頃溶岩竜に散々苦労させられた彼(?)にとって、ヴォルガノスがいる、ということは、最高の物件をまさしく最低の物件に変える条件だったのである。
「どちらにしろ、かあさまの許可がいる。今から聞きに行くが、来るか?」
「行かないわ。この辺で待たせてもらいます。火山最強の住居なんて、知っていたところで何の役にも立たないもの」
確かに、俺だってアカムトルム(最強)の住処になんか誘われたって行きたくはない。
俺はガブを残し、かあさまにお伺いを立てるべく住処に戻る。
かあさまの返事は、条件付承諾だった。
1、居住…娘、息子に手を出さなければ問題ない。
2、ヤド…大昔の同胞の頭蓋など好きに持っていけ
3、溶岩竜討伐…私は手を出さん、息子を使ってもいいが、死なせたらお前の命もないぞ。あと、とどめはお前が刺せ。
俺だって精一杯努力した。だが、かあさまは頑として譲らなかった。
この結果を彼(?)……これからカマさんと呼ぼう。今決めた……に伝えたところ。
『まぁ及第点ね。それに、火山活動が活発になれば、私もここには住めなくなるのだし』
と三齢幼竜の居所を教えてくれた。
そこは、火山秘境だった。
三齢幼竜は、ウロコトルのようなたらこ唇ではなく、アグナコトルのようなとがったくちばしをして、体も通常のウロコトルより二周りは大きく、俺の巨体にびびることもない。
岩石と肉を食べる、ということもあいまって、通訳なしで会話することが出来た。
「……して、おぬしは、成竜になるまでのわしの食事を工面する代わりに、成竜になったらこの火山に居ついて欲しい。ということじゃな?」
このおじいちゃん口調の彼は、三齢ウロコトルさん。
彼らは決まった群れなどを持たないため、名前の文化はない。
「どうだ? 悪い話ではないと思うんだが……」
「やぶさかではない。せっかく食料がただでもらえる頼みを袖にする馬鹿など、この世界にはおるまいて」
「そうか!! 良かった!!」
俺はそういって、ガブ、カマさんとハイタッチを決める。
カマさんが「刃が欠けちゃったわ……固すぎるわよ岩竜」とか呟いてたみたいだけど気にしない。
それから、トール爺(三齢ウロコトルさんのこと)の好物や一日に食べられる量の相談をし
……結局、ヴォルガノスを食わせることにした。
遅れて申し訳ありませんでしたがじわです。
当初、トール爺のキャラは幼女だったのにどうしてこうなった。
次回:
???「この溶岩沼の主である俺に!! 勝てるわきゃねぇぇーーだろぉぉーー!!!!!!」
お楽しみに